ワレコ
今日、今季初めて梨を食べた。
ニ十世紀梨だ。
甘くて美味かった。
本格的な秋がやって来たのかな。
先日PCBWayさんから自宅に到着した「金田式No. 128オールFETスーパーストレートパワーアンプ」用のプリント基板に部品の半田付けを開始した。
前回記事はこちら↴
では本題に入ろう。
抵抗を半田付けする
電子工作にはサンハヤトのリードベンダーは必須
電子工作をやるならサンハヤトのリードベンダーは必須のツールと言っても良いだろう(下写真)。
写真 サンハヤトのリードベンダーを使って抵抗の足を一定間隔に折り曲げる
上写真の茶色の抵抗は少し大き目のサイズなので、足間隔は15mmになるようにリード線を折り曲げたい。
そんな時に活躍するのがサンハヤトのリードベンダーだ。
リードベンダーを使うと2.54mmピッチの整数倍の長さにリード線を折り曲げる事が出来る。
15mm間隔にしたい場合には、リードベンダーの「6」の位置に抵抗を固定しておいて、指先でリード線を折り曲げれば良い。
抵抗のリード線を折り曲げたら、抵抗をプリント基板に差し込んでマスキングテープで固定する(下写真)。
写真 抵抗をプリント基板に差し込んでマスキングテープで固定する
リードベンダーを使うとリード線間隔を一定に揃えられるので、仕上がりが綺麗に出来る。
抵抗の足をカットしてから半田付けする
半田付けする前に下写真のように抵抗のリード線をニッパでカットする。
写真 半田付けする前に抵抗のリード線をニッパでカットする
ニッパでリード線をカットする時に、上写真のように基板を立ててリード線とニッパの刃の位置を見易い位置に持って来ると良い。
そうすると、残すリード線の長さを目分量で揃える事が出来るのだ。
リード線をカットしたら、下写真のように半田付けを行う。
写真 リード線をカットしたら半田付けを行う
ワテの場合は、半田は千住金属工業のスパークルハンダ(有鉛)を使っている。
半田の直径はΦ1.2mmとΦ0.6mmの二種類の太さのものを使っている。
今回はΦ0.6mmのものを主に使った。
実体顕微鏡があると作業が捗る
ワテは最近は裸眼では細かい物が見え辛くなって来たので、実体顕微鏡で拡大しながら半田付けする事が多い。
写真 実体顕微鏡で拡大しながら半田付けする
ワテが使っている実体顕微鏡は中古品だが、最近では新品の実体顕微鏡でも一万円前後で入手可能だ(下写真)。
あるいは、下写真のような液晶画面に表示出来るデジタル顕微鏡も良さそう。
このようなデジタル顕微鏡なら写真撮影もやり易い。
下写真がワテの作業台での作業風景だ。
写真 ワテの作業台の様子(実体顕微鏡、半田ゴテ、ダンボール敷)
上写真のようにワテは作業台の上にダンボールを敷いている。
本当は下写真のような耐熱作業マットを購入しようかなあと前々から考えているのだが。
この際、買ってみるかな。汚れたダンボールよりも上写真のような鮮やかな水色のマットを敷くだけでも気分爽快になりそうだし。
もしこの手の耐熱マットを買うなら、大き目のサイズが使い易そうだ。
取り付ける抵抗の値を計測しておく
いつもは部品(抵抗、コンデンサ)を半田付けする前に、その抵抗値・容量値を計測するのだが、今回はうっかり忘れていた。
そこで、基板に半田付けした抵抗の値をテスターで念のために計測しておいた。
写真 基板に半田付けした抵抗の値をテスターで計測
この時点では、抵抗しか取り付けていないので、上写真のように抵抗値を容易に計測する事が出来た。
このように抵抗やコンデンサの値を計測しておけば、完成後に正常動作しない場合の原因究明作業がやり易くなる。要するに、抵抗値、容量値の間違いは無いと言う確証があるので、原因を絞り込み易いのだ。
下写真では、1S1588ダイオードを半田付けしている。
写真 1S1588ダイオードを半田付けする
この東芝の1S1588ダイオードは、以前、秋葉原のジャンク屋で100円で売っていたのを買ったのだが、まだまだ大量に残っている。ドンドン使うぞ。
スケルトン抵抗を半田付けする
さて、ワテのパーツボックスを漁ったら、以前に若松通商さんで購入していたスケルトン抵抗を発見した。
写真 パーツボックスでスケルトン抵抗(2W, 2KΩ)を見付けたので使う
上写真のように二本で630円もするのか!
溜め込んでいても勿体ないのでドンドン使うぞ。
この2KΩ抵抗はNFB回路の帰還抵抗の一つで、もう一つの抵抗は200Ωを付けたので、ゲインは11倍になる計算だ。
最初は下写真右のようにスケルトン抵抗の白い絶縁カバーを付けたまま半田付けしたのだが、白色絶縁カバーの見た目が今一つ良くないので、左写真のようにハサミでカットして取り除いた。
写真 スケルトン抵抗の白色絶縁カバーは最終的には除去した
やっぱり専用基板を使うと半田付け作業もサクサクと順調に進む。
昔のようにユニバーサル基板のマス目を必死に数えながら手配線で回路を組み上げる作業は、ワテにはもう出来ないなあ。
このアンプではスケルトン抵抗の5.6KΩを取り付ける場所もあるのだが、手持ちには2KΩと7.5KΩしか無かった。
そこで下写真のように7.5Kを付けたあとで、裏側に22Kを並列に接続した。
写真 手持ちのスケルトン抵抗7.5Kを活用するために基板裏側に抵抗22Kを並列接続した
こんな小細工をすると純正金田式には程遠い。
でもワテの場合は、金田式オーディオ機器を記事通りに忠実に作成する事にはそれほどの拘りは無いので、見た目が金田式に成れば十分なのだ。
要するに手持ちの部品を活用する事に意義がある。
半固定抵抗を半田付けする
無線と実験のオリジナル記事では、差動増幅回路の初段の二個の2SK30ATMのソースにはコパルNX-13T(200Ω)と言う半固定抵抗が取り付けられている。
この半固定抵抗は 80Ω+40Ω+80Ω のように三つの抵抗で構成されていて、40Ωの部分が可変抵抗らしい。
そんな特殊な半固定抵抗はワテは持っていないので、パーツボックスを漁ったら見付けた50Ω半固定抵抗を取り付ける(下写真)。
写真 半固定抵抗 80Ω+40Ω+80Ω の代わりに 75Ω+50Ω+75Ω で代替
プリント基板は50Ω半固定抵抗の両端に二個の固定抵抗を取り付けられるように設計していたので、75Ω抵抗を二個取り付けた。
これでオリジナルの半固定抵抗 80Ω+40Ω+80Ω の代わりに 75Ω+50Ω+75Ω で代替するのだ。
完璧な基板設計だ!
ただし、今回使った50Ω半固定抵抗は下写真のように調整軸が横向きのタイプなので、調整がやり辛いかな。
写真 専用基板に半固定抵抗がピッタリと刺さるので快感だ!
まあいい。どうにかなるだろう。
下写真のように基板を裏返して、半固定抵抗50Ωを半田付けする。
写真 半固定抵抗50Ωを半田付けする前
KiCadで設計した専用基板を使うと電子工作がやり易い。
最近はD型コテ先を良く使う
と言う訳で、専用基板を使ったおかげで半田付け作業がサクサクと順調に進むのだ。
なお、最近のワテはD型のコテ先を良く使うようになった。
写真 スルーホールはランド径Φ2.4でドリル径Φ1.2にしている
ワテが使っているHAKKOのコテ先は下写真の製品だ。
実際にD型コテ先(T12-D24Z)使っている様子を下写真に示す。
写真 白光D型コテ先(T12-D24Z)使っている様子
このD型コテ先(T12-D24Z)は先端幅が2.4mmだが、上写真のようにΦ2.4mmのランドに丁度合うサイズなので、半田付けがやり易い。
下写真のようにΦ0.6mmの千住金属工業スパークル半田を使った。
写真 千住金属 スパークルはんだ 0.6mm
下写真のように半田付けした。綺麗な光沢があるので、割といい感じに半田付け出来たと思う。
写真 PCBWay製両面スルーホール基板は半田の乗りが良い
このPCBWay製の両面スルーホール基板は、ランドの仕上は標準の有鉛ハンダメッキを指定している。
そのランド部分に千住金属工業の有鉛スパークルハンダは非常にいい感じで馴染む。
下写真は半田付け部分の拡大だ。
写真 半田付け部分の拡大
上写真のように半田の表面は光沢があり、わりといい感じに半田付け出来ている。
本当はもう少し半田の量を減らす方が良いのかもしれないが、ワテの場合はどちらかと言うと多目に半田を盛る事が多い。深い理由は無いが。
なお、上写真では半田付けした箇所にフラックスが残っているので、全ての部品を半田付けし終わったらクリーナーで除去する予定だ。
ワテのお勧めは下写真のスプレー式のフラックスクリーナーだ。
スプレー式なので、基板の広範囲に一気にクリーナーを塗布できる。
以前のワテは下写真のような小瓶に入ったフラックスクリーナーを使っていた。
今でもこのタイプのフラックスクリーナーは持っているが、付属の刷毛でクリーナーを塗布するので、フラックスで汚れた刷毛を小瓶に戻すので、結局、小瓶の中身がフラックスで汚染されるのだ。
なので、最近ではそう言う問題の無いスプレー式のフラックスクリーナーを良く使うのだ。
と言う訳で、取り敢えず抵抗、半固定抵抗、ダイオードの半田付けが完了した。
写真 抵抗、半固定抵抗、ダイオードの半田付けが完了した
今後の予定としては、コンデンサの半田付け、FETやトランジスタのペア組作業と半田付けなどだ。
まとめ
ワレコ
実は最近、色々と多忙に付き電子工作はあまり進んでいない。
しかし、徐々に状況が落ち着いて来たので、今まで通り電子工作をやって行きたいと思っている。
当記事では、「金田式No. 128オールFETスーパーストレートパワーアンプ」用のプリント基板に抵抗などの部品の半田付け作業の様子を紹介した。
ワテがなぜこのアンプを作ろうと思ったのかと言うと、パーツボックスで日立製作所製の2SK134、2SJ49と言うパワーMOS FETを見付けたからだ。
このMOS FETは、いつか自作のパワーアンプに使いたいなあと思って以前に入手していたのだが、なかなかアンプ製作に踏み切れなかった。
その理由は、パワーアンプを作るとなるとシャーシ加工も手間が掛かるし、TO-3型MOS FETとプリント基板との配線も複雑なので、要するに作りたいけれど手間が掛かるので軽い気持ちではやれない。
そこで、シャーシ加工は自分では金属加工はやらずにPCBWayさんに発注する事にした。
一方、TO-3型MOS FETはプリント基板に直接半田付け出来るように、入念に工夫して基板を設計した。
これらの作業では3D CADのFusion360やプリント基板設計ソフトKiCadを駆使したのだ。
と言う事で、あとは半田付けをサクサクと進めて行けば、アンプは無事に完成するはずだ。
光陰矢の如しなので、モタモタせずに一気に完成させたい。
(続く)
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