写真 ワテお勧めの半田付け便利グッズ
ワレコ
もう春だ。
久しぶりに半田付けをやった。
ワテの場合、ワンチップのステレオパワーアンプL4780TAを使ってパワーアンプを作っている。
前回記事で紹介したように、その専用基板をPCBWayさんで製作して、一週間と言う速さで自宅に基板が届いた。
その専用基板にパーツを半田付けしたのだ。
まあ当記事はワテの備忘録だが。
なお、ワテは今年の初めに白光さんの半田ごてが三本使える半田付けマルチステーションFM-206を買ったのだ。どえらい高かったがw
半田付けでは、コテ先の選定で悩む人も多いだろう。
白光さんの半田ごてには多数の交換コテ先があるので、最も使い易いやつを探す為にワテは数本のコテ先を購入したのだ。
今回の半田付けでは、ワテお勧めの白光さんのコテ先も紹介したい。
では、本題に入ろう。
ワテお勧めの白光半田ゴテのコテ先
下写真が白光(HAKKO)FM-206半田付けマルチステーションだ。
三本のコテ先を使う事が出来る。
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策で支給された特別定額給付金10万円で買ってしまった。
FM-206の特徴は以下の通り。
- 一台ではんだ付け、はんだ除去、SMDリワークが可能なマルチステーション
- シングルホットエアーが標準装備
- グラフィック液晶で表示が見やすく操作も簡単
- 作業に応じてN2はんだこて、マイクロはんだこてがオプションで選択可能
引用元 白光 FM-206の商品説明
FM-206には標準で以下の三つのコテが付属している。ただしコテ先は付属しないので別途購入した。
ロック式スリーブのはんだこて | ホットツイーザー | シングルホットエアー |
上写真において、通常の半田付け作業で使うのは写真左端のロック式スリーブの半田ごてだ。
黒い突起を押すと黄色の筒の部分を引き抜く事が出来る。
その黄色の筒に各種のコテ先を挿し込んで、青い本体に挿入すれば準備完了だ。
半田付け用の四本のコテ先を試す
下写真が、ワテがFM-206用に購入した四本のコテ先だ。
一本千円弱くらいしたが、この際、最も自分に合っているコテ先を見付ける為に思い切って買ったのだw
写真 FM-206の接続レセプタクル1(三つの挿込口の左端)に挿したロック式スリーブのはんだこてFM2027と四本のコテ先
コテ先を四本も買わずに最初に買った一本を使い続けると言う案もあるが、でも数年後に別のコテ先を買ったら物凄く使い易かったとすると、それまでの数年間は何だったのか!?と言う事態になると困る。
ここは多少の出費を惜しまずに初期投資と言う事で、数本のコテ先を買って自分で実際に使ってみて自分に最も合っているコテ先を選ぶのがベストな選択だろう。
その代わり、当面は無駄遣いはしないように質素倹約な生活をする必要があるが。
ワテお勧めは「T12-BCF2(2BC型)面のみはんだめっき」
結論から言うと、ワテのお勧めは下写真左端の「T12-BCF2(2BC型)面のみはんだめっき」だ。
T12-BCF2 | T12-BC2 | T12-BC2Z | T12-D24Z |
T12-BCF2の何が良いのかと言うと、以下の三点だ。
- BC型に分類されているが、ほぼC型に近い先端形状
- コテ先の先端径がワテ好みのサイズ
- コテ先面のみ半田メッキなので側面に半田が付かない
まず、コテ先の形状にはB型、C型、BC型、D型、、、など多数ある。
ワテの場合は、円柱形状を斜めにカットしたC型が好みなのだが、白光FM-206ステーションの交換用C型コテ先は、先端径がΦ0.8とΦ1.0の細いタイプしか無いのだ。
ワテはΦ2.0~2.2ミリくらいが好きなのだ。その理由は、白光FM-206を買うまで使っていた半田ごてが、C型Φ2.2ミリなのだ。
T12-BC2Zは先端がΦ2.3で太いのでワテは使い辛い
それで最初は上写真左から三番目にあるT12-BC2Zを買ったのだ。これはBC型で先端径はΦ2.3なのでワテの好きな直径に近いので買ったのだが、失敗だった。
その理由は、Φ2.3にもかかわらず何故か予想外に先端径が太いのだ。その原因は不明だ。一つ考えられるのは、T12-BC2ZはC型(=円柱)では無くてBC型なので円錐を斜めカットした形状だから、根元が太いのだ。そのせいで先端径も太く見えるのかも知れない。
でも実際に使ってみると、見た目だけでなく、実際の先端径がワテが使っていたC型Φ2.2よりもかなり太い感じ。
つまりまあ、円錐形でかつ側面も半田メッキなので、溶けた半田が円錐形に広がった側面にも流れるので、半田付けの際には先端が益々太くなるのだろう。
そこで、上写真の左の二本(T12-BCF2とT12-BC2)を買ったのだ。
どちらもBC型で先端径はΦ2.0ミリだ。両者の違いは側面の半田メッキの有無だ。
先端カット面と側面もはんだメッキのT12-BC2は今一つ使い辛い
まずは、上写真左から二番目の面と側面の両方がはんだメッキされているT12-BC2が無難で使い易いかなと思って使ってみた。
先端径はΦ2.0なのでワテの好みに合っているし。
実際に使ってみると、太さに関してはワテの好みに合っているので合格だ。
ところが、側面にも半田が付くのが煩わしい。今まで使っていた半田ごても側面にも半田は付いたが、それほどは気にならなかった。でもこのT12-BC2は側面に半田が良く付くのだ。その理由は新品だからかも知れないが。
その結果、下写真のように水スポンジでコテ先をクリーニングすると、大きな半田の塊がコテ先側面に付いてしまう。
写真 T12-BC2は水スポンジでクリーニングしても半田が取れにくい問題あり
数回に渡り水スポンジでクリーニングしても、実際に下写真に示すような半田の塊がコテ先先端に付いて取れない事も多い。イライラするわw
写真 T12-BC2は水スポンジでクリーニングしても半田が取れにくい問題あり(拡大)
何度かクリーニングを繰り返せばこの半田の塊は除去出来るが、何度もクリーニングするのは煩わしい。
もう少しコテ先を使い込めば側面の半田メッキもある程度酸化膜が出来て、半田が乗り辛くなるだろう。そうすると、クリーニング時にも大きな半田の塊が付く頻度は減るとは思うが。
結局は面のみはんだメッキのT12-BCF2がお勧め
ワテの場合、面のみはんだメッキのコテ先を使うのは初めてだ。
兎に角、使ってみた。
その結果、面のみはんだメッキされているT12-BCF2はとっても使い易い。
まず何と言っても水スポンジでクリーニングすると、先端カット面はもちろん綺麗に半田が除去される。一方、側面は半田メッキされていないので、そもそも半田は付着しない。
従って水スポンジのクリーニングは一回で終わるのだ。気分いいぞ。
写真 上:ワテお勧めT12-BCF2(面のみはんだメッキ)、下:T12-BC2(側面もはんだメッキ)
その拡大写真を以下に示す。
写真 上:ワテお勧めT12-BCF2(面のみはんだメッキ)、下:T12-BC2(側面もはんだメッキ)拡大写真
上写真の上側がワテお勧めのT12-BCF2(面のみはんだメッキ)のコテ先だ。
ワテのお勧めはこのコテ先なのだが、写真を見ても分るように側面ははんだメッキされていないので、使い始めて数時間だがもう酸化膜で真っ黒。
まあそのほうが半田が付かないからそれで良いのかも知れないが見た目は美しくない。でもまあ、半田付け作業のし易さでは、このコテ先がベストだ(ワテの調査では)。
D型コテ先T12-D24Z(幅2.4)も今一つ使い辛い
ちなみにD型タイプのコテ先も試してみた。
このD型はアマゾンにも売っている。
D型コテ先は、先端形状がマイナスドライバーみたいな形状をしている。
世間ではD型を使っている人も多いので、このD型コテ先の存在は知ってはいたのだが、ワテの場合は長年に渡りC型を使っているのでD型コテ先を使う機会は無かった。
でも、もしワテが好きなC型よりもD型のほうが更に使い易ければ、それを知らずにC型あるいはBC型を使い続けるのは馬鹿みたいだし。
と言う事で、この際D型コテ先も試したのだ。
で、結論としてはワテにはこのD型T12-D24Zは合わない。
何故かと言うと、まず、ドライバー型の両面だけでなく周囲にぐるっと半田が沢山付着するので、込み入った箇所の半田付けだと、隣のパーツのリード線に半田ブリッジが出来やすい。
要するに、溶けた半田で予想外にぶっといコテ先になってしまうのだ。
次の問題点としては、半田が沢山付着するので水スポンジでクリーニングしても半田が残ってしまうのだ。イライラするわ。ワテの場合、物凄く気が短いw
まあ、ワテ自身がD型コテ先に慣れていないのも、D型コテ先で上手く半田付け出来ない理由の一つだとは思うが。
あるいはD型でももう少し先端幅が狭いコテ先を使うと、使い勝手も良くなるかもしれないが。
いずれにしても、ワテの場合にはBC型で十分だ。その中でも上で紹介した面のみはんだメッキのT12-BCF2が、日常的に使う汎用の半田ごてとしては最も使い易い。
このT12-BCF2は白光さんのカタログではBC型に分類されているが、写真を見ても分るようにほぼ円柱形に近いのでC型と言っても良いだろう。そう言う点もワテ好みなのだ。
T12-BCF2を使えば、リード線型のパーツの半田付けや、DIPのICパッケージ、ICソケットなどの半田付けも対応できる。
もっとピッチの狭いICパッケージの半田付けは、このコテ先ではまだやっていないが、たぶん出来ると思う。もしやり辛い場合は、同じBC型で先端径がより細いタイプT12-BCF1を試す予定だ。
つまり、BC型で面のみはんだメッキで先端径がΦ1.0ミリと言うやつだ。
と言う事で、結論としては、白光のT12シリーズコテ先でワテのお勧めはこれだ。
迷ったらコレ!だ。
白光のT12シリーズコテ先の対応はんだこては以下の通り。
HAKKO FM-203 こて部:FM-2027(70W)
HAKKO FM-204 こて部:FM-2027(70W)
HAKKO FM-205 こて部:FM-2027(70W)
HAKKO FM-206 こて部:FM-2027(70W)
HAKKO FX-950 こて部:FM-2028(70W)
HAKKO FX-951 こて部:FM-2028(70W)
HAKKO FX-952 こて部:FM-2028(70W)
HAKKO FM-202 (販売終了) こて部:FM-2027(70W)
引用元 https://www.hakko.com/japan/tip_selection/series_t12.html
L4780TA専用基板にパーツを半田付け
半田付けに使うコテ先の選定も完了したので、いよいよL4780TA専用基板にパーツを半田付けする。
まずは抵抗からだ。
写真 PCBWay製のL4780TAワンチップ使用のステレオパワーアンプ基板
下写真のように1/4w型の金属皮膜抵抗(KOAなど)とオレンジ色が鮮やかなニッセイの0.1µF/100Vフィルムコンデンサを半田付けした。
どちらもワテのパーツボックスに有ったやつだ。
写真 金属皮膜抵抗とフィルムコンデンサの半田付けが終わった
ちなみに半田面の写真を以下に示す。
写真 L4780TA専用基板の半田面
15pFのコンデンサはマイカコンデンサを付けた
今回作成するパワーアンプ回路の入力部分には、15pFのコンデンサが採用されている。
15pFのコンデンサと言うと、セラミックコンデンサとかスチロールコンデンサが無難かなあとは思うが、ワテのパーツボックスを漁ったらマイカコンデンサが出て来た(下写真)。
写真 入力部分のコンデンサ(15pF)にはマイカコンデンサを採用した
上写真のマイカコンデンサはいつ買ったのかも覚えていない。多分二十年以上前かなw
溜め込んでいても仕方ないので、ドンドン使う。
ちなみに長期保管品の電子部品はリード線や端子が酸化膜で覆われていたり、埃や錆びなども付いているので、そのまま半田付けすると半田が流れずに弾かれてしまい、芋ハンダの原因になり易い。
その対策としては、半田付けする前にパーツのリード線をアルコールやフラックス洗浄剤などで綺麗にクリーニングしておく事だ。
写真 数十年前に入手したマイカコンデンサのリード線の汚れを除去した(ティッシュが真っ黒!)
こう言う年代物の古いパーツを使う事で、完成したアンプからは熟成が進んだ音が出て来るのだ。音のカドが取れて丸くなり、繊細で複雑に、そして余韻の長い音が出るのだ!
ほんまかいな。
角が取れるってのは、性能が悪くてスルー・レート(Slew Rate)が遅いから立ち上がりが鈍っているだけだろw
「音」を「味」に替えたらワインやがな。
たまにはワインもいいな。
でもワテの場合はワインよりもスパークリングワインが好きだ。
ちなみにシャンパンやスパークリングワインの飲み残しを保管する場合は炭酸が抜けないようにストッパーが必要になる。
でもワテの場合は、こんな高級ストッパーは買えないので、サランラップを折り畳んで数枚重ねにして、ボトルの口に被せて、周囲を輪ゴムで何重にも止める作戦でやる。見た目は今一つだが炭酸は抜けにくい。
自称ワインソムリエのワテによる即席のスパークリングワイン豆知識だ。
と言う事で、下写真のように、抵抗、フィルムコンデンサ、マイカコンデンサ、L4780TAの半田付けが完了した。
使ったコテ先は先ほど紹介した白光のT12-BCF2であるが、このコテ先なら面のみはんだメッキなので側面には半田が付かないのでコテ先端が太くならない。その結果、下写真のL4780TAの足間隔2ミリの27ピンICも問題無く半田付け出来るのだ。
写真 抵抗、フィルムコンデンサ、マイカコンデンサ、L4780TAの半田付けが完了
手持ちのパーツだけで完成すると思っていたのだが、パーツボックスを漁ってみたが、電解コンデンサは、必要な物が無かった。
あと、1µFのフィルムコンデンサは手持ちに有ったのだが、サイズが大き過ぎて上の基板には乗らない問題が発覚。
あかんがなw
と言う事で、不足しているパーツはネット通販で購入する予定だ。
まとめ
ワレコ
「弘法筆を選ばず」とは言うけれど、ワテは半田ごてのコテ先を選ぶ。
もし弘法大師さんが半田付けするなら、ワテと同じくコテ先を選ぶと思う。
ワテの半田付け環境は、去年から今年にかけて各種の改造を行って格段に作業がし易くなった。
まずは半田付けの煙の排煙を屋外に強制排出する為にダクトを設置してパイプファンで排気するシステムを作った。
半田付け作業机の上空に換気フードを木工で自作し、ダクトに接続した。
かつ、半田付け作業台も改良し半田付け環境を整備したのだ。
その作業台で使う新しい半田付けステーションFM-206を買ったのだ。
そして、多数のハンドツールを完璧に整理整頓出来るビニルチューブ式工具収納スタンドの改良版Ver.3を発表。
これでワテの電子工作の作業環境は、とても作業がし易くなったのだ。
あとは必要なパーツを購入して近日中にパワーアンプを完成させたい。
電源は以前に入手したスイッチング電源を使う予定だ。
なので、シャーシを作ればあとは配線するだけで完成するはずだ。
パーツボックスで二十年以上寝かせたビンテージ物のパーツを使ったので、今でも高値で取引されているマランツとかマッキントッシュの何十年も前の真空管アンプに勝るとも劣らない音が出るはずだ。
続く
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