ワレコ
しかしまあ、市販品には色んな半田付け補助具があるぞ。
この所、時間が有れば電子工作の作業机周りを整理整頓している。
かなりスッキリして来たので、気分爽快だ。
以前は、机の上にガラクタや工具が散乱していたのだが、ガラクタはプラスチックケースに分類して片付けた。
一方、工具はワテ自作の画期的な工具収納スタンドに整理したのだ!
次は、半田付けをやり易くする補助ツールを自作した。
結論としては、半田付け業界が騒然となる思われる完璧な補助ツールが完成した。
では本題に入ろう。
既存の半田付け補助具を調査する
冒頭の写真で紹介したような半田付けをサポートするツールは、市販の製品が多数販売されている。
あるいは、半田付けサポート冶具を自作している人も多い。
ワテも以前に、半田付け作業時に第三の手が欲しい場合に役立つ「マグネット式の半田付けお助け孫の手」を考案して自作した。
では、まずは世間の皆さんが自作している半田付け補助具を見てみよう。
ハンダ付けの名人が使う半田付け補助具
まずは、「ハンダ付けの極意」と言うタイトルの動画を見てみる。
上動画に登場するのはハンダ付けの名人・ワールド電機工業の小畑さん(社団法人日本溶接協会 優秀マイクロソルダリング技術賞受賞)との事だ。
プロ半田付け職人さんのようだ。
小畑さんの場合、文房具の金属クリップをアクリル板に固定して半田付け補助具として使っている。
熱に弱いアクリル板を使うと、うっかりして半田ごての熱で溶かしてしまうんじゃないかと思うが、プロはそんな失敗はしないと言う事だろう。
一般の人はアクリル板なんて使うのではなくて、木材や金属素材を使って半田付け補助具を作るべきだろう。
金属プレートと書類クリップを使って作ったハンダ付け補助ツール
その金属パーツを使った半田付け補助具の動画を見付けた。
上写真のように、重量のある金属ブロックに金属クリップを固定する案は中々使い易そうだ。
ただし、ワテの経験で言うと、金属クリップで導線を挟むと被覆が熱で溶けるとか変形するなどの失敗も有り得る。
例えば電線の端の被覆を剥いて、その部分に半田メッキをしたい。そこで電線を上動画のような金属クリップに挟んで銅線を半田ごてで熱する。
短時間に作業が終われば良いが、十秒くらい長時間熱したらその熱が金属クリップにも伝わる。その結果、銅線のビニール被覆が柔らかくなり、金属クリップが食い込んでケーブルの被覆が変形してしまった。
そんな失敗も多いのだ(ワテの場合)。
なので、金属クリップ剥き出しタイプの半田付け補助具は、ある程度の半田付け上級者が使うべきだろう。
せーぞーぶ!のじゅんさんの半田付け補助具
金属クリップを使った半田付け補助具だが、一工夫されている動画を見付けた。
上動画では、金属クリップにマスキングテープらしきものが貼り付けられている。
一方、下動画では金属クリップに厚手の布が被せてある。
いずれにしても、せーぞーぶ!のじゅんさんのまつ毛が異常に長いのが気になる。
ワレコ式の半田付け補助具を自作する
目玉クリップを使って半田付け補助具を作る
ワテの場合も金属クリップを使う。
目玉クリップあるいは山型クリップと呼ばれるようだ。
ワテの場合は、近所の100均のキャン★ドゥで大き目の目玉クリップを買って来た。Lサイズで二個入りが100円。
ちなみに下写真のハンドクリップは100均ダイソーで見付けたので一つ買ってみた。
当初は、上写真のダイソーの小型ハンドクリップを使って半田付け補助具を作ろうかなと考えたのだが、まあそれでも出来るとは思うが、このハンドクリップ自体は使い易そうなのでハンドクリップとして使う事にした。
なので、目玉クリップを使って半田付け補助具を作る。
まずは下写真のように、2×4材の端材をワテが木っ端を溜め込んでいるプラスチックケースから探してきた。
上写真のように、トラス頭タッピングネジM3を使って目玉クリップを2×4材に固定した。
同じく、もう一枚の1×4材の端材を用意して、目玉クリップのもう一方の側にネジで固定した。
上写真のようにドライバービットがネジ頭に対して少し斜めになるので、ネジ頭を舐めやすい。
どうにかネジを締める事が出来たがやり辛かった。
出来れば下写真のようなアングルインパクトドライバーが欲しいところである。
とは言っても、滅多に使わない工具に二万円の出費は痛い。
そう言う場合には、下写真のようなアングルドライバーを使うのも良いかも。
大きな木製クリップが完成
下写真のように、木製の大型クリップが完成した。
まあこれでも半田付け補助具としては使えるとは思うが、もう少し改良してみた。
まずは、下写真のようにクリップの先端を切り揃えた。
卓上スライド丸ノコを使うと、この手の切断作業が一発で出来るのだ。
上写真のように、完璧な切れ味だ。
下写真が、切断面の拡大写真。
丸鋸や手鋸でここまでの精度で切り揃えるのは難しい。
かつ、二枚の板材の木目の方向を揃えているのだ。一見すると何気無いテクニックだが、素人には真似が出来ない高度な達人技なのだ!
ほんまかいなw
さて、端を綺麗に切り揃えたのでこの状態でも半田付け補助具として使えるとは思うが、もう一工夫してみた。
上写真では二枚の木材が線接触になっているが、面接触になるように楔形(くさびがた)の部材を切り出して、薄い1×4材側の裏に張り付けるのだ。
下写真の木片を斜めカットしたいのだが、手で持ってスライド丸ノコを使うのは危険なので、適当な長い木材に木ネジで固定した。
下写真のように、このように固定した木片を卓上スライド丸ノコでカットした。
注意事項としては、言うまでもなく、鋸刃が金属製の木ネジに接触すると大事故が起きるので、その点は要注意だ。
切り出した楔形の木片を薄い1×4材側の内側に木工用ボンドで貼り付けた。
上写真は、木工用ボンドが乾くまでF型クランプを使って固定している状態。
はみ出した木工用ボンドで予想外の場所が接合されてしまわないように、ナイロン袋を切って挟んでいる。
卓上スライド丸ノコの清掃にはマイクロファイバーのはたきがお勧め
話が少し脇に逸れるが、卓上スライド丸ノコの大鋸粉を掃除するには、箒(ほうき)やブラシを使うよりも、下写真のようなマイクロファイバーのはたきがお勧めだ。
写真のように、マイクロファイバーは狭い隙間に入るので、取り辛い大鋸粉を綺麗に取り除いてくれる。
ワテが買ったマイクロファイバーハタキに似た商品はこちら↴
さて本題に戻ろう。
木製クリップの先端に大中小の穴を開ける
三角形状のクサビを貼り付けた木工用ボンドが乾燥したので、次はその部分に木工ドリルで穴を開ける。
クリップの口が開かないように、下写真のようにF型クランプで固定しておいて卓上ボール盤で穴を開けた。
下写真のように四つの穴を開けた。
Φ6、Φ8、Φ10、Φ12だ。
目玉クリップ応用の木製大型クリップ式半田付け補助具が完成
下写真が、穴開けが完了した木製大型クリップだ。
上写真のように卓上スライド丸ノコで面一にカットした完璧な切断面!
そして、卓上ボール盤で精度良く穴開け加工が出来ている。
自称、DIYの達人だ!
大きさは下写真のように、長さ10センチくらい。幅はツーバーフォー材なので89ミリだ。
下写真のように、四つのサイズの異なる半円形の溝がクリップの上下二枚の板に形成されているのだ。
ワテ自作の木製大型クリップ式半田付け補助具を使ってみる
では、早速この木製大型クリップ式の半田付け補助具使ってみる。
下写真のように、幾つかのコネクタ、端子などを用意した。
ちなみに上写真で奥に見える緑の基板は、先日自作したDCDCコンバータ基板だ。
まずはミノムシクリップの電極をクリップで挟んで固定してみる(下写真)。
下写真のようにミノムシクリップの金属部分はΦ6mmの溝で固定する事が出来た。
次はワニ口クリップだ(下写真)。
ちなみにミノムシクリップとワニ口クリップの違いを知らなかった人は、全くの素人と言っても良いだろう。
ミノムシクリップはこんなやつ↴
ワニグチクリップはこんなやつ↴
明日から自慢できるぞw
ちなみにワテの場合は、数年前に知った。あかんがなw
下写真のように、ワニ口クリップの金属部分は平坦な部分で挟むのがやり易かった。
ワニ口クリップの金属部分は楔型になっているので、円形の溝に挟むとずり落ち易かった。
なので、上写真のように平坦部分で挟むのが良さそう。
あるいは、滑り止めとして耐熱シリコンシートを半円形の上下に貼ると言うアイディアも良いと思う。
例えば100均のキッチン用品売り場に行けば、耐熱シリコン鍋つかみとか、オーブン用耐熱シリコンマットが売られている。それらはワテの調査では-30度~230度くらいの耐熱温度範囲だ。
そう言うシリコンシートをカットして、半円形の穴の部分に張り付けておけば、ワニ口クリップのような形状のパーツでも、ずり落ちる事無くしっかりと保持出来るだろう。
今度ダイソーへ行ったらシリコンシートを買ってくる予定だ。
次は、テストクリップあるいはテストフックと呼ばれるやつだ。
下写真のように、テストクリップのキャップを抜き取って、先端の長細いフックの部分を木製クリップの平坦部分で押さえ込んだ。
次は、バナナプラグソケットとかバインディングポスト、あるいはジョンソン・ターミナルと呼ばれるターミナルを固定してみる(下写真)。
まあワテの場合はジョンソンターミナルと言う呼び方が好きだが、ジョンソンの由来は知らない。
さてそのジョンソンターミナルは下写真のようにΦ10の溝にピッタリとはまる。
次は、大型ヘッドホンジャックだ。Φ6.3mmだったかな。
下写真のように、Φ12ミリの溝に挟み込めばしっかりと固定出来た。
次は、下写真のように、9ピンD-SUBコネクタを固定してみる。
下写真のように、平坦部分で挟み込めば、抜群の安定感だ。完璧や!
次は、キャノンコネクター関連を固定してみる。
まずは、ノイトリックの四極スピコンコネクタを固定してみる。
下写真のように、クリップの口を大きく開いて平坦部分でしっかりと固定出来た。
次はケーブルを接続するプラグタイプのキャノンコネクターを固定してみる。
下写真のように、中身の電極部分を取り出せば、円形の溝で固定出来る。
あるいは、太い胴体部分もΦ12ミリの溝で押さえ込めば安定感は良い。
と言う事で、普段ワテが使うくらいの電極端子、ケーブルプラグ、コネクタ類はどれも完璧に固定する事が出来たのだ。
ワテ自作の木製大型クリップ式半田付けサポートツールを写真で紹介
最後に、もう一度ワテ自作の木製大型クリップ式半田付け作業補助ツールを写真で紹介しよう。
写真 白木材の木目がバームクーヘンに見える
1×4材、2×4材の端材で作ったにもかかわらず、高級感が漂っている。
その理由は、シンプルなデザインにもかかわらず、高度な機能性を秘めているからだ。
写真 電子パーツをクランプする機能以外の一切の無駄を省いたシンプルなデザイン
ワテ考案のこのクランプは、グッドデザイン賞受賞候補になる可能性もある。
あるいはMOMA(ニューヨーク近代美術館)の永久展示品に推薦される可能性すら有り得る完璧なデザインと言っても良いだろう。
100均キャン★ドゥで二個100円の目玉クリップを一個使ったので、製作費は50円だ。あとは木片の端材とネジ2個有れば完成する。
美しいデザインだ!
電子パーツをクランプすると言う目的以外に一切の無駄を省いたデザイン。
ワテは、今後は工業デザイナーとして斬新な作品を次々に発表したいと思っている。
まとめ
ワレコ
芸術は爆発だ!
と言ったのは岡本太郎さんか。
ワテの場合は、
電解コンデンサの爆発には要注意だ!
と言いたい。
当記事では、半田付け作業をやり易くする補助具の製作過程を紹介した。
具体的には、目玉クリップを利用して、木材の端材をネジで固定して大型の木製クリップを作成する。
その閉じ口の部分に円形の溝を大小合わせて四種類彫った。
その円形溝に各種のコネクタを挟み込めば安定して保持出来る。
かつ、木製なので半田の熱が適度に分散するので、例えばビニールケーブルの被覆が融けるなどの失敗も起こらないはずだ。
まあ、現品限りなので限定一個しか無いがもし売って欲しいと言う人が居たら、100万円税込、送料込みで販売しても良い。
もし売れた場合には、目玉クリップはもう一個余っているので、第二作を作る予定だ。
(完)
コメント