ワレコ
電子工作するなら専用基板はいいぞ!
最近つくづくそう思う。
まあチャレンジャーな人はユニバーサル基板にスズメッキ線で必死に手配線するってのも、電子工作の楽しみの一つかもしれない。
昔のワテもそんな風にユニバーサル基板に手で配線していた。でもどんなに慎重に配線しても、ニ、三カ所くらい配線間違いする。
それを修正する為に半田吸い取り線を使って部品を外していると、コテで熱し過ぎて基板のランドが剥げてしまうとその穴には半田付けが出来ない!その結果、基板がグダグダになってしまいヤル気喪失し、未完成のまま放置。あかんがなw
でも、二年ほど前にKiCadの使い方を覚えて基板製造業者さんに発注したプリント基板を使って自作の電子機器を組み立てたのだが、これが素晴らしい。
何と言っても、部品を半田付けするだけで目的とする電子工作の作品が完成するのだ。
事前にKiCadで入念にチェックしているので配線間違いが入り込む可能性は無いからだ。
と言う訳で、今回もPCBWayさんに発注していた金田式DAC(No.281、無線と実験2022年2, 3, 4月号)の専用基板が到着したので早速半田付け作業を開始した。
前回記事はこちら↴
では本題に入ろう。
金田式DAC( No.281、MJ2022年2, 3, 4月号)専用基板の紹介(PCBWay製 )
まあ正統派の純正金田式オーディオ機器は専用基板を使うのではなくて、サンハヤト製のユニバーサル基板に、確か7本撚りとかの自作の電線で手で配線しなくてはならない。
ワテの場合、純正の手法に対するこだわりは全くない。要するに動けばいい。電子工作は兎に角完成させる事に意味があるのだ。
と言う訳で、先日KiCadで設計してPCBWayさんに発注していたプリント基板が到着した。
基板製造に必要なガーバーデータをアップロードして、約一週間後に自宅に配送された。速いぞ。
PCBWayさんの小箱 | クッション材で厳重に梱包 | 各10枚の基板は真空パック |
今回は三種類の専用基板を発注した。
- DAI, DAC基板
- DSC基板
- ±7.5V電源基板
だ。
この三種類の基板のうち、DAI, DAC基板とDSC基板は無線と実験の記事で紹介されていた金田先生製作例の基板レイアウトに準拠して配線してみた。
一方、±7.5V電源は無線と実験の記事ではリチュウムイオン電池で生成しているが、ワテの場合は三端子レギュレータ(LM317, LM337)を使って生成する事にした。
それと、以前に別の用途に製作していた+5V, +3.3V 電源基板(PCBWay製)も一緒に紹介する。これらの電源がDAI, DAC基板に必要になる。
以下ではそれらのプリント基板を紹介しよう。
DAI, DAC基板、DSC基板(金田式 No.281)
まずはDAI, DAC基板(左)、DSC基板(右)だ。
写真 金田式 No.281用 DAI, DAC基板(左)、DSC基板(右)
どう!?
見た目は金田式っぽいでしょ!
PCBWayさんでガラスエポキシ基板で黄色レジストを選ぶとサンハヤトの紙フェノール基板っぽい色合いになるのだ。
無線と実験の製作例では、TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)のCS8416とPCM1794Aはサンハヤト SOPピッチ変換基板SSP-61に半田付けしている。それら二枚の基板を2.54mmピッチユニバーサル基板(サンハヤト ICP-96)をカットして、その上に半田付け固定している。
一方、上写真のワテ基板では、CS8416とPCM1794Aを直接半田付け出来るようにした。
TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)のCS8416半田付けランド付近拡大
写真 TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)のCS8416半田付けランド付近拡大
上写真で、半田付けのランドの表面処理は「有鉛はんだレベラー」を指定している。その結果、光沢のある綺麗なランドに仕上がっているので半田の乗りは良さそうだ。
それ以外には、無鉛はんだレベラー(RoHS対応)、 無電解金フラッシュ(ENIG)、その他、色んな表面処理が選択可能だ。
ちなみに「CS8416-xZZ」や「R6 47k」などのシルク文字は以下の寸法を指定しているが、文字のカスレなどは無く太さも一定で綺麗に仕上がっている。
幅 1.0 mm 高さ 1.0 mm 太さ 0.15 mm
DAI, DAC基板、DSC基板 裏面
写真 DAI, DAC基板(左)、DSC基板(右) 裏面
上写真のDAI, DAC基板(左)では、裏面はベタアースにしてみた。KiCadを使ってベタアースを作成したい領域をお絵描きツールで囲めば、自動的にベタアース化出来る。
まあ無線と実験の記事ではベタアースは採用されていないが、この基板はデジタル回路基板なので取り敢えずベタアースにしてみた。効果は不明だ。
ちなみにDAI, DAC基板(左)には六個のネジ穴が開いているが、これは必要ならDSC基板(右)を載せて二階建てに出来るようにしたのだ。
±7.5V電源基板、+5V +3.3V 電源基板
下写真左は±7.5V電源基板(今回製作)、右は +5V, +3.3V 電源基板(以前に製作)だ。
製造時期が違っても、同じような色合い、同じようなシルク文字で仕上がっているのが分るだろう。PCBWayさんには過去に何度も発注したが、このように仕上がりの品質が安定しているのでくり返し発注しても安心感がある。
写真 ±7.5V電源基板(左)、+5V +3.3V 電源基板(右)
これら基板は40x39mmと言う小型サイズにした。
±7.5V電源基板(左)は表面実装タイプではなくてTO-220型の正負可変三端子レギュレータ(LM317, LM337)をスルーホールに半田付けする。出力電圧範囲は±1.25~±37Vで可変出来る。
基板サイズを小型化したかったので、抵抗やコンデンサは表面実装タイプを想定しているが、そのパッドにはスルーホールも開けているのでリード型の抵抗・コンデンサも取り付け可能なのだ。
一方、上写真右の+5V +3.3V 電源基板は、三端子レギュレータ(表面実装TO-252、リード型TO-220)を取り付け可能だ。出力電圧は取り付ける三端子レギュレータに応じて好きな正電圧を選べる。
今回は+7.5V出力を+5Vや+3.3Vの入力に入れて+5V、+3.3Vを生成する予定だ。
このように、この小型電源基板は表面実装部品だけでなくリード型部品も取り付け可能なので汎用性が高く、手持ちの部品を無駄なく活用できるのだ。大谷翔平二刀流基板と呼ばれている。
金田式DAC(No.281)半田付け作業開始
±7.5V電源基板に部品を半田付け
まずは±7.5V電源基板に部品を半田付けした(下写真)。
写真 ±7.5V電源基板に部品を半田付け完了(部品面)
二個の多回転型(25回転)ポテンショメーターを回す事で出力電圧を±1.25V~±37Vに可変出来る。
下写真は、基板の裏面だ。裏面にも表面実装部品を取り付けて基板サイズを小型化した。
写真 ±7.5V電源基板に部品を半田付け完了(半田面)
表面実装部品は各種のサイズがあるが、ワテの場合は基本的には1206(3216M)サイズを使うようにしている。長さ3.2mmなのでどうにか扱える大きさだ。それより一つ小さいサイズ0805(2012M)だと長さ2.0mmなのでかなり小さいが、それも頑張れば手半田出来るサイズだ。
写真 1206(3216M)サイズの表面実装抵抗(KOA製 1/4W タイプ)取り付け前
表面実装部品の半田付けではSMDピンセットや実体顕微鏡も必要になる。
あと、最近ワテが買った半田付けの道具でお勧めなのが下写真のHOZANの大型のスポンジだ。
写真 大型の水スポンジが便利(カッターで切り込みを入れると良い)
上写真では分かり辛いが、ワテはこのスポンジに縦に1cm間隔くらいに数本の切り込みを入れている。
その溝に沿ってコテ先をなぞれば、先端の半田除去がやり易くなるのだ。
+5V、+3.3V電源基板に部品を半田付け
次は+5V、+3.3V電源基板に部品を半田付けした。この基板ではTO-252型の表面実装タイプの三端子レギュレータを半田付けする。
そこで下写真のように、二個有る大型ランドの右側に少し半田を盛っておいた。
写真 三端子レギュレータ取り付けランド(右)に半田を盛った
下写真のようにその部分にTO-252型三端子レギュレータを載せて半田ごてで熱してみた。
写真 表面実装タイプの三端子レギュレータを半田ゴテで付けるのは断念
しかしながら、上写真のように大型のコテ先で熱したが、先ほど盛っておいた半田を溶かす事が出来なかった。
ちなみにワテが使ったコテ先は下写真右のD型タイプだ。
写真 HAKKO T12シリーズコテ先 左:T12BCF2、右:T12D24
ワテは通常は上写真左の 白光 2BC型 面ノミ T12BCF2を好んで使っている。このコテ先は先端斜めカット面のみ半田が付くが、側面には半田が付かないのでコテ先が太くならないからワテ好みなのだ。
大物部品の半田付けでは白光 D型 T12D24を使う事が多い。
D型タイプは両面が半田メッキなので、両面や側面にも溶けた半田が広がるので半田付けする時にコテ先が太くなるのが嫌いだったのだが、慣れると使い易い。
ホットプレートリフローはんだ付け作戦で行く
そこで、急遽、ホットプレートリフロー方式ではんだ付けする事にした。
半田付け専用に使っている小型のホットプレートを取り出した。下写真のように半田の小片を一つ載せておくと良い。
写真 ホットプレートの電源をONして半田小片が融けるまで待つ
ワテが使っているホットプレートは温度調整機能は無い。
電源オンして半田小片が融けるまで待つ。半田小片が融けたら、下写真のように基板をホットプレートの上に載せる。
写真 ホットプレート上の半田小片が融けたら適温なので基板を載せる
上写真のように表面実装部品を載せた基板を載せる。もちろんランドには少量の半田を事前に盛っておく。必要ならフラックスも塗布しておくと良い。
しばらくすると下写真のように半田が融けて、表面実装部品が半田の表面張力を受けていい感じの位置に収まるはずだ。もし位置ずれが有る場合はピンセットなどで突いて修正すると良い。
そして素早くラジオペンチでネジ穴を摘まんで基板をホットプレートから持ち上げる。
写真 加熱し過ぎると部品が壊れるので半田が融けたら素早く基板を引き上げる
引き上げた基板は下写真のように作業台の上に敷いているダンボールの上に置けば自然冷却出来る。
写真 ホットプレートで熱した基板をダンボールの上で冷やす
このようにホットプレートを使ったリフロー作戦は、案外簡単に出来るのだ。
ホットプレートを使うリフローの実例をネット検索すると、マイコン制御してホットプレートの温度を調整して最適な温度プロファイルになるようにするなどしている例もある。
ワテも当初はそんな複雑な制御をしなくてはホットプレートリフローが出来ないのかと思っていたのだが、実際にやってみるとそんな事をしなくても上で紹介した半田小片が融けたら基板を載せるやり方でも十分だった。
表面実装抵抗やコンデンサを手半田する
あとは表面実装タイプの抵抗やコンデンサを手作業で半田付けした(下写真)。
写真 完成した電源基板拡大(実体顕微鏡の接眼レンズをスマホカメラ撮影)
上写真のように表面実装コンデンサなどを手作業で半田付けした。ちょっと斜めになっているが、あまり深追いして位置修正を繰り返すと熱で部品を壊すので、程々にしておくのが良い。
これらの部品もホットプレートリフローで半田付けしても良いのだが、今回は手作業でやってみた。
次回は基板発注時にステンシルも同時発注して、そのステンシルを使ってクリームハンダを塗布して、ホットプレートリフローで一気に全部の表面実装部品を半田付けしてみたい。
電源基板の半田付け作業は無事に完了した。
DAI、DAC基板に部品を半田付け
久しぶりの半田付け作業だが、電源基板の半田付けで勘を取り戻したので、次はDAC基板本体の半田付け作業を行う。
まずは完成写真をお見せしよう。
部品面 | 半田面 |
写真 DAI、DAC基板に部品を半田付け完了した
上写真のように、手持ちに有った互換部品を使ったので純正金田式では無いけれど、雰囲気はまあまあ金田式に似ている。これなら金田式風DACと呼んでも良いだろう。
TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)CS8416とPCM1794Aの半田付け
以下では、TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)のCS8416とPCM1794Aの半田付け作業など紹介したい。あくまでワテ自己流なので正統派の半田付けプロ職人の人が見ればおかしな点があるかも知れない。
まずはCS8416の半田付けだ。
下写真のようにCS8416をマスキングテープで固定した。
上写真のようにCS8416を固定したら、四隅のピンを半田付けして動かないようにしておいた。
次に下写真のように全部のピンを一気に半田付けした。この半田付け作業で使ったのは白光 D型 T12D24だ。
写真 全部の足(ピン)を多目の半田で一気に半田付け
注意事項としては、長時間半田ゴテで熱すると部品を壊す可能性があるので、短時間で仕上げる事が重要だ。具体的には上写真の場合なら片側の半田付けに1秒以内くらいか。
要するに片側12本のピンを写真上から下に向かって一気に半田を盛る感じ。
あとは下写真のように半田吸い取り網銅線を使って余分の半田を吸い取った。
写真 半田吸い取り網銅線を使って余分の半田を吸い取る
上写真のような半田吸い取り作業では、やはり白光 D型 T12D24が使い易い。このコテ先は平坦部分が広いので銅網線に接する面積が広いから熱が伝わり易いからだ。
で、下写真のようにTSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)CS8416の半田付けが完了した。
写真 TSSOP-28サイズ(Pitch0.65mm)CS8416の半田付けが完了
同様に、下写真のようにPCM1794Aも半田付けした。
PCM1794Aも半田付けした | 拡大 | さらに拡大 |
まあ、短時間でササっと半田付けを終える事が出来たので、熱で部品を壊している可能性は無いと思う。
でもまあ、この後、動作確認するまでは安心できないが。
リード型抵抗を半田付けする
次はリード型部品の半田付けだ。
まず、ワテの手持ちに有った進工業やニッコームの抵抗を半田付けする。
写真 パーツボックスに有った進工業やニッコームの抵抗を使う
上写真のように進工業の小型タイプ(1/4W)の抵抗やニッコーム(1/2W)などをミックスして使う。
サーマルリリーフスルーホールとは?
このDAI, DAC基板の半田面にはKiCadを使ってベタアースを配置した。
下写真はその一部拡大写真だ。
写真 DAI, DAC基板の半田面のベタアース
その拡大写真を以下に示す。
写真 サーマルリリーフ型スルーホールの例(左)と普通のスルーホール(右)
上写真の二つの穴はリード部品を半田付けするスルーホールだが、左側の穴の周りの形状に特徴がある。まるで救命浮輪のような形状だ。
これは半田付けした時に熱が周りのベタアースに逃げ辛いようにしているのだ。もしベタの銅箔の中に単純にスルーホール穴が開いていると、半田ゴテで熱しても熱が逃げて半田が溶けにくい。KiCadを使うと自動でこのような便利な機能が使えるのでお勧めだ。
手持ちのコンデンサを活用する
ワテのパーツボックスを物色したら目的とする容量、電圧のコンデンサが見つかった。
いつ買ったか忘れたOSコンを使う | フィルムコン、スチコンなど使う | 銅箔スチコンが有ったので使う |
サンハヤトのリードベンダーは電子工作には必須だ(下写真)。
写真 サンハヤトのリードベンダーは電子工作には必須
と言う訳で、下写真のようにどうにか半田付けが完了したDAI, DAC基板。
写真 半田付けが完了したDAI, DAC基板、動作確認は未だ
PCBWay製黄色レジスト両面スルーホール基板にオレンジ色のニッセイフィルムコンデンサや紫色のOSコンデンサ、そして茶色の板状の金属皮膜抵抗を使ったので、雰囲気だけは十分に金田式と言っても良いだろう。
DSC基板に部品を半田付け途中、不足部品発注予定
最後にDSC基板に部品を半田付けした。
無線と実験の記事ではこの基板にはスケルトン抵抗と言う大型の抵抗を使うのだが、値段が高い。
で、ワテの手持ちに有った茶色の大き目の抵抗に目的の値(680Ω、270Ω)が有ったのでそれを使う。
写真 リードベンダーで抵抗の足を折り曲げる
下写真のように抵抗、コンデンサ、半固定抵抗など半田付けした。
写真 手持ちに有った抵抗、コンデンサ、半固定抵抗を半田付けした
半固定抵抗50Ωも記事指定の小型の青色のタイプ(COPAL TM-7P、三回転)が偶々手持ちに有ったので使った。
SEコンデンサは値段が高くて買えないので手持ちのマイカコンデンサを付けた。
ただし、記事指定の2200pFや3300pFの容量が無かったので、下写真のように基板裏側に並列でマイカコンデンサを追加して近い容量にした。
写真 基板裏側に並列でマイカコンデンサを追加して近い容量を実現
裏側に部品を付けても部品面からは見えないので、このDSC基板も金田式風の雰囲気を十分に醸し出しているぞ!
なお、この後、110Ωや130Ωの抵抗を数個表面に半田付けする必要があるのだが、手持ちには120Ωや150Ωなら何個かあるのだが、110Ωや130Ωは無かったので通販で購入予定だ。
それとトランジスタを半田付けすればDSC基板の半田付け作業は完了する。
電源基板の正常動作確認成功
電源基板の動作確認をした。
写真 +5Vと+3.3V電源基板(左)、±7.5V電源基板(右)
ワテが持っている二台の定電圧電源を直列接続して(+15)-GND-(-15V)の正負電源とした。
その±15V出力を下写真の±7.5V基板の左側入力に入れる。
写真 ±7.5V基板動作確認中(左側入力に±15V、右側出力電圧を±7.5Vに調整)
そして青色の25回転型ポテンショメーターを回して出力電圧を±7.5Vに無事に調整する事が出来た(下写真)。
写真 -7.5V、+5V、+3.3Vの各出力を得る事が出来た(+7.5Vは写真撮り忘れ)
この計測では、秋月電子で買った両端バネ付のケーブル(赤、青、黒などセット)を使っている。
上写真のようにスルーホール穴(Φ0.8~Φ1.0)に差し込むと金属バネでしっかりと固定されて抜け落ちない。
このケーブルはお勧めだ。
バネーバネ | スルーホール用テストワイヤ TT-200 (10本入) |
バネーピン | スルーホール用テストワイヤ TP-200 (10本入) |
二種類ある。
両端がバネ式のやつと、片側がバネでもう一端がブレッドボード挿し込みピンになっているタイプ。
ポテンショメーターの回転方向と出力電圧の関係
なお、±7.5V基板では二個の青色の25回転型ポテンショメーターを付けている。
プラス側電圧出力ではポテンショメーターを右に回すと出力電圧がプラス側に大きくなる。左に回すとゼロに近づく。
マイナス側電圧出力ではポテンショメーターを左に回すと出力電圧の絶対値は大きくなる。右に回すとゼロに近づく。
このように回転方向と電圧変化の方向を揃えてみたのだが、それはKiCadで基板レイアウトを設計する時に三本足の半固定抵抗の中央端子を両隣りのどちらの足に接続するかと言う単純な事なのだが、案外ややこしい。
今回製作した基板では、ワテの期待通りの動きをしたので、この電源回路は無事に完成した。
ただし、無線と実験の記事では、電源回路には三端子レギュレータは使わずにトランジスタなどで組んだディスクリート回路方式だ。
と言う訳で、やはりワテ製作のDACは金田式と言うよりも金田式風と言う事になる。
まとめ
ワレコ
久しぶりに製作する金田式オーディオ機器であるが、ワテの場合は専用基板無しではもうこんな電子工作は出来ないかな。
と言う訳で、発注している部品が到着したら早く完成させたい。
当記事は、無線と実験2022年2, 3, 4月号に掲載されている「金田式DAC(No.281)」を自作するシリーズの第二回目だ。
前回記事で紹介したKiCadで設計した専用基板が、発注していたPCBWayさんから到着したので当記事ではその基板の紹介と半田付け作業の過程を紹介した。
何度も言うけれど、やっぱり専用基板は良いわ。
ユニバーサル基板に配線する場合には、碁盤の目のように並んだ小さなドーナッツ型の半田ランドを数えて目的の場所を探す。そしてその位置に部品を半田付けする。そんな作業を繰り返しながら、電気的に接続する部品同士はスズメッキ線などで繋げて行く。
そんな作業を何度も繰り返していると、うっかり間違えて一列ズレていた!なんて失敗はワテだけでなく皆さんも何度もあるだろう。その時の絶望感と言ったら。この数時間の作業はなんだったのか…
専用基板を使い始めてからはそんな失敗はあり得ない。半田付け作業が単調な作業になってしまうくらいあっけなく完成するのだ。
上で紹介した四枚の基板の半田付け作業は、三時間くらいで完了した。
例えば当記事で紹介したDAI, DAC基板をもし手作業で金田先生のやり方で一枚作成するなら、順調に行ったとしても恐らくニ~三日は掛かると思う。もし途中で配線間違いなどが有ればその修正作業に数時間、その結果、完成までに毎日数時間の作業で一週間くらい掛かるかも知れない(ワテの場合)。
と言う訳で皆さんにもKiCadをお勧めしたい。
KiCadの教科書を買う
まずはどれでも良いから一冊本を買って読んでみると良い。
もしLTspiceも一緒にマスターしたいなら↴がお勧めだ。
ワテはこの↴トランジスタ技術のバックナンバーを取り寄せて貰って買った。
付属DVDの動画解説が分かり易い。
EAGLEも有名な基板設計ソフトだが、有料製品の機能制限版なのでワテは使わない。
それよりも完全フリーなKiCadが使い易い(ワテの場合)
(続く)
組み立てた↴
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