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【ワレコの木工DIY】丈夫な縦長の大型本棚を自作・第6作目【ホームセンター活用】

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写真 木工が好きな子猫さん

しかしまあ、この所、木工DIYで棚ばかり作っているワテがまたしても棚を作った。

今まで作った棚は以下の通り。

    1. 棚一作目 幅900x高948x奥298 三段棚
    2. 棚二作目 幅900x高948x奥298 三段棚
    3. 棚三作目 幅900x高948x奥298 三段棚
    4. オーディオラック 幅1100x高948x奥450 三段棚 超重量級
    5. 棚四作目 幅900x高948x奥298 三段棚
    6. 棚五作目 幅900x高948x奥298 三段棚

そんなに棚が好きなのか。

棚を作り続けないと死ぬのか⁈

棚作り業界のマグロやがな。

 

まあ、部屋を整理したくても収納が無いと整理が困難だ。もちろん不用品は処分するとしても、必要なものは残しておきたい。荷物を床に置くと落ち着かないし。

なので、棚作りは断捨離を進める上でも必要なのだ。

当記事では、第六作目となる棚作り過程を紹介したい(オーディオラックも入れると第七作目)。

今回作った棚の寸法は以下の通り。

幅803x高2004x奥201

縦長のかなり大きな棚だ。特徴としては、棚板位置を可変出来る構造を採用した。

本格的な本棚としても利用可能だ。

ホームセンターで合板をカットして貰えば、あとは自宅で木ネジと木工用ボンドで組み立てるだけなのだ。

費用の総額は5千円も有れば足りる(費用は棚板の枚数に応じて若干変動する)。

皆さんでも作れるのだ。

棚作り名人ワレコと呼んでくれ!

では、本題に入ろう。

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縦型の大型棚(本棚としても利用可能)の設計図

Autodesk社Fusion360モデリングソフトを使って設計した棚

下図に今回作る大型の縦長の棚の設計図を示す。

図 今回作る棚の正面図(幅803x高2004x奥201)

側板は9ミリ厚を2枚貼り合わせている。

多数の棚板があるが、そのうちの四枚は24ミリ厚(12ミリ2枚貼り合わせ)で、側板に木ネジで固定している。

それ以外の12ミリ棚板は、側板の隙間13ミリに挿し込んでいるだけなので、自由に抜き差し出来るのだ。

完璧な設計だ。

図 今回作る棚を斜め上から見る(幅803x高2004x奥201)

斜めから見ても美しい構造だ。

どう!

いい感じでしょ!

さすが、棚作り名人!(自分で言うなw)

木工DIY初挑戦の人でも、この記事の通りにやればこんな棚を作れるのだ。

 

今回作る棚の特徴としては、以下の通り

  • ホームセンターで購入可能な板材のみ使用しているので誰でも作れる
  • ホームセンターで板材をカットして貰って、自分で木ネジ(コーススレッド)と接着剤で組み立てるだけで完成
  • 棚板枚数や棚板位置を可変出来る構造を採用したので多数の小物を収納可能
  • 本棚としても利用可能
  • 費用は約4000円程度だが、物凄く丈夫

などだ。

今回の棚作りに使用する工具

使う工具はF型クランプ、ハンドクランプ、電動ドリルドライバー、錐(きり)、木ネジ(コーススレッド)、木工用ボンド、金槌、巻き尺などだ。

それぞれの工具を解説しておく。

下図のようなF型クランプが必要になる。100均なら200円商品として売っているので、木工DIYをやるなら最低でも8個は持っておくと良い。安いけれど物凄く強固に固定出来るのだ。今回は最低1個有れば良い。

下図のようなハンドクランプもお勧めだ。上図のF型クランプは軸を回転させて部材を固定するので、回転方向に部材がズレやすい。なので、最初に下図のようなハンドクランプで挟み込んでおいてから、F型クランプ、B型クランプ、C型クランプなどの回転機構のクランプで固定するのが良い。

今回は最低1個有れば良い。

下図の電動ドリルドライバーは今回の棚作りに必須では無いが、有ると作業が捗る。もし持っていない人は、普通の手回し式プラスドライバーでも良い。

上製品はコード付きのAC100V仕様だが、DIYでたまに使うならコードタイプのほうが便利だと思う。

バッテリー充電式だと電池が無くなるとパワーが落ちるし、数年でバッテリーは劣化するが、AC100Vタイプならそんな心配は無い。

 

棚板の固定は木ネジや木工用ボンドを使う。木ネジを捻じ込む前に、下穴を開けておくと良いので、100均で錐(きり)を買っておくと良い。でも下穴を開けなくても多分大丈夫かな。

設計図では、棚板が多数あるが、そのうち最上部、最下部、中間の2枚の合計四枚の棚板は木ネジ(コーススレッド)で固定した。4枚(棚板)x2(左右)x2(一箇所辺り)=16本のネジを使う。ワテの場合は、3.8x45ミリと言うサイズを使ったが、まあ似た様なやつなら何でも良い。

例えば下写真のような半ネジタイプのコーススレッドがお勧めだ。もし全ネジを使う場合は側板には下穴を開ける必要がある。

木工用ボンドは300gも有れば十分だと思う。下図は750gの大型サイズだ。

釘は打たないのだが、作業中に金槌があるとやり易い。無くても可能。

寸法を測るために、2メートルくらいのメジャーが必要だ。

まあ、ここで示した全部の工具が無くても、最低限、F型クランプが2個有れば、どうにか出来る。

今回の棚作りに使用する木材

いつもは所謂サブロク板(3x6板)、つまり1820x910x12ミリの針葉樹合板を使って棚を作るのだが、今回は2004ミリの高さ(2メートル4ミリ)なので大型になる。

なので、一回り大きな3x8板(2430x910x9)の針葉樹合板を使う事にした。

厚さは9ミリなので、12ミリと比べると薄めだが、それを二枚貼り合わせて18ミリの板として使うので、完成した棚はかなり丈夫になる。

一方、棚板には1820x910x12ミリの針葉樹合板を使う。今まで作った棚では、棚板にはこの12ミリ厚の板を二枚貼り合わせて24ミリとして使っていたが、今回は、12ミリ厚の板を一枚で棚板とする。それらの棚板は、自由に位置を変えられる構造にした。

ただし、二カ所の棚板は、棚としての強度を増す為に、12ミリ板を2枚貼り合わせた24ミリ厚として、木ネジで固定している。詳細はこの後、図解する。

なお、棚板には一枚1300円程度の針葉樹合板をカットして使ったが、1500円程度のラワン合板のほうが重量があって強度があるのでお勧めだ。本棚として沢山の本を載せる人は、棚板にはラワン合板がお勧めかな。まあ針葉樹合板でも耐えられると思うが、少し弓なりに撓む(たわむ)と思う。あるいは必要なら棚板も板を二枚貼り合わせて強度を増しても良い。

なお、ホームセンターで木材を買う場合には、JAS規格のホルムアルデヒド飛散等級がF☆☆☆☆のものを選ぶ事。エフ星四つと覚えておくと良い。この記号が印刷されている合板はホルムアルデヒドが最も飛散しにくいので、内装に使う事が許可されている。

一方NON-JAS合板やホルムアルデヒド飛散等級の☆が少ない合板は屋外でしか使ってはいけないので要注意だ。室内で使うとシックハウス症候群になる恐れがあるので要注意だ。

写真 JAS規格 F☆☆☆☆表示のある構造用合板なら低ホルムアルデヒドなので安心

室内で使う棚には、上写真のような判子が押してある合板を選ぶと良い。

板取り(木取り)図

まず、棚の左右の側板に使うのが下図左の2430x910x9の針葉樹合板だ。

黄色の板が四枚取れるので、各二枚を貼り合わせて18ミリ板として側板に使う。

茶色の小板(高さ68)は、棚板を支える部材に使う。必要な枚数は、棚板の数に応じて各自決めて下さい。

ワテの場合には、卓上スライド丸ノコを持っているので、自分でカットして小板を作成した。

図 棚板位置可変構造の縦型の大型棚(本棚にもなる)の板取(木取り図)

上図右は、棚板だ。12ミリ針葉樹合板をカットすると8枚(あるいは上部の端材を横にカットすれば9枚)の棚板が作れる。棚を「目」の字型に組むだけで8枚の棚板を使う。なので12ミリ針葉樹合板を二枚使って16~18枚の棚板を作っておけば、実用的だろう。その辺りは、必要に応じて棚板の枚数を決めて下さい。

なお、重い物を沢山載せる予定の人は、2~3百円値段がアップするが棚板には12ミリ厚のラワン合板のほうが丈夫だと思う。あるいは、予算があれば集成材を使えば、重い物を沢山載せても棚板が撓む事も無いだろう(値段が高いが)。

ワテの場合には、HiKOKI 卓上スライド丸のこ FC7FSBを持っているので、必要に応じて自宅でカットした。

ワテの場合には、このHiKOKIスライド丸ノコの鋸刃を純正品から社外品に交換して使っている。ワテお勧めの鋸刃はこれだ。

この替え刃が良く切れる。一般的な鋸刃は72山だが、このSK11木工用ハイパーチップソー超仕上げは90山もあるので、切り口がスベスベの滑らかな仕上がりになるのだ。つまり物凄く綺麗な切断面なのだ。さすがハイパーだ。

下写真の製品は値段が安いにも係わらずレーザー光線でカット位置を確認出来る機能(レーザーガイド)付きだ。

ただしこの製品は海外製のようで、丸ノコ替え刃(下写真)も海外規格のようだ。なので日本製なら取り付け穴は直径20ミリが標準だが、この製品は替え刃の仕様を見ると内径は1インチ(25.4mm)との事なので要注意だ。

あるいは海外製替え刃の場合、内径30mmのタイプもあるのでややこしい。

80刃タイプなので刃数も多く、アマゾンの評価も高いから切れ味は良いのかな。

今回作成する棚の概算費用(木材のみ)

今回掛かった費用のうち、木材関連は約5000円だ。

項目 単価 数量 小計
3x8(2430x910x9)針葉樹合板 1800 1800
3x6(1820x910x12)針葉樹合板 1300 2600
カット料金 30 20 600
合計     5000円

表 大型の縦長棚の材料費(木材やカット料金)

なお、3x6(1820x910x12)針葉樹合板は、どこのホームセンターでも売っているが、3x8(2430x910x9)針葉樹合板となると、扱っているお店が限られる。

かなり大型のホームセンターなら売っているので、近所にある数軒のお店を回ってみると良い。

あるいは、材木屋さんとか木工所とかに行けば、個人に小売りしてくれる場合もある。

あるいは高さが2メートルも必要無ければ、1820x910x9ならどこにでも売っているので180cm程度の高さの本棚を設計すれば良い。

木材のカットに関する注意事項としては、ワテの場合には自宅で卓上スライド丸ノコを使って多数の小板をカットして自作したが、ホームセンターでカットして貰う場合の注意事項を以下に記しておくので参考にして頂きたい。

重ねカットが安いお店を選ぶ

もし、ホームセンターで多数の小板をカットして貰う場合には、重ねカットすると料金が割安になるお店がお勧めだ。

つまり、ホームセンターのパネルソー(木材を切断する大型装置)では50ミリ厚くらいまでならカット出来る。今の場合、9ミリ合板をカットするので、5~6枚重ねて(45~54ミリ)カットする事が可能だ。良心的なお店だと5枚重ねカットでもワンカット料金(20円~)で計算するが、悪質なお店だと5カット分の料金を請求されるのだ。

今回みたいに多数の小板を作成する場合には、重ねカットをワンカットとカウントするホームセンター以外には行ってはいけない。なぜなら最終的に30枚前後の小板を作成するので、重ねカットしてもカットした板の枚数分の料金が掛かるお店ならワンカット20円だとしても600円、ワンカット50円なら1500円にもなってしまうので。

ホームセンターの無料工作室を活用する

あるいは、費用を安く抑えたい場合には、ホームセンターに併設されている無料工作室を利用する作戦も良い。大き目のホームセンターには無料工作室があり、電動工具も無料で使える場合が多い。

なので、パネルソーで長板状にカットして貰った合板を無料工作室に持ち込んで、電動丸ノコや電動ジグソーなどを使って自分で小板状に切断しても良い。

なんなら自宅で組み立てるのでは無くて、無料工作室(あるいは数百円程度の料金で有料工作室でも良い)を借りて、この棚を組み立ててしまうのも良いかも知れない。工作室には沢山の電動工具があるので、それらを借りれば作業がやり易い。

それに自宅でこんな大きな棚を組み上げるのは作業スペースが無い人もいると思うが、ホームセンターの無料工作室なら広々としているし、木くずなどが出ても掃除も楽なのでお勧めだ。お店によってはクランプ類も完備しているかもしれないので、無料で使えるならとても有難い。

完成した本棚はホームセンターの無料貸し出し軽トラを借りて自分で運べば良いのだ!

組み立て図と組み立て手順の説明

今回作成する棚の最大の特徴は、棚板を固定せずに側板の隙間に差し込んでいるだけなので、必要に応じてその位置を変えられると言う点だ。この機能によって、収納する品物の大きさに応じて、棚板間隔を変更出来るのだ。

市販の既製品なら下写真のような物が存在する。

この手の商品を買えば手軽に棚を作れるけれど、意外に値段が高いので材料費が掛かってしまう。まあ木工DIYの場合、加工済みの材料は加工の手間が掛かっているのでその分の手間賃が商品価格に上乗せされているので、値段が上がるのは仕方がない。

そう言う点では、未加工の荒材が最も安いのだ。その代表例が今回使う構造用合板(針葉樹合板とかラワン合板など)。

そう言う安い材料を使って、今回は、溝付の側板を自分で作るのだ。

図 組み立て図の詳細

注意事項としては、上図の茶色の多数の小板は高さが69になっているが、実際は68にカットした板を貼っている。その68ミリ小板と下に来る棚板との間に1ミリの隙間を設ける事によって棚板を自由に抜き差し出来るようにするのだ。なので、棚板の間隔は69ミリになる。

棚の横幅は設置場所に応じて変えると良いだろう。

つまり、まず四枚の水色の24ミリ横板を、二枚の側板に木ネジで固定して、長方形の棚の形を作る。その時に、将来、この棚を分解する必要が無ければ、木ネジだけでなく木工用ボンドを使って貼ると強度が増す。

この時点で、棚は「目」の形になっている。

 

次に、多数の茶色の側板を張り付けて行く作業であるが、水色の板を基準にして下から上に順番に貼り付けて行くと良い。その時には、上図右側にある多数の寸法が役立つだろう。

側板貼り付け時の注意事項としては以下の通り。

つまり、左右の側板に張り付けた高さ68ミリの小板の上に12ミリ厚の棚板を載せる構造だ。

68ミリ小板の上下の間隔は13ミリに設計しているので、12ミリ板を挿し込んでも1ミリの余裕がある。それによって、自由に棚板の位置を変更出来るのだ。

かつ、棚板の横幅も設計図では767ミリになっているが、これだと左右に隙間が無いので、棚板を抜き差しし辛い。なのでワテの場合には、ホームセンターで767ミリにカットして貰った部材を自宅に持ち帰り、現物合わせで寸法を測って767ミリ幅の横2ミリをスライド丸ノコで切り落として765ミリ幅棚板とした。

もし棚板位置を固定してしまう場合なら、上下左右に1ミリの隙間を設ける必要は無いが、もしワテと同じく棚板を抜き差し出来る構造にしたい人は、隙間を設けると良い。

縦長の大型棚の製作の様子

まずは、二枚の側板を作る。

ホームセンターで3x8(2430x910x9)針葉樹合板を縦に201ミリ幅でカットして貰ったので四枚の長板(2004x201x9)がある。それらの各二枚を木工用ボンドで貼り合わせる作業だ(下写真)。

写真 9ミリ厚の針葉樹合板を二枚貼り合わせて18ミリ板にする作業

冬場(1月)の寒い季節でも、木工用ボンドは数時間放置するとほぼ固まる。仕様では24時間以上すれば十分にくっ付く。

写真 9ミリ板を二枚貼り合わせて18ミリ板にした側板(これを2枚作る)

 

12ミリ針葉樹合板を二枚貼り合わせている作業の様子(下写真)。

写真 12ミリ針葉樹合板を二枚貼り合わせている作業の様子(2セットを作成中)

これらの24ミリ厚横板は、側板にネジ止めしての形状に組むので4セットの24ミリ板を作成する必要がある。

上写真のように沢山のクランプが有れば作業がし易いが、持っていない人は、必要に応じて釘や木ネジを使って固定してしまうと良い。

木ネジ(コーススレッド)を使って棚を目の形状に組み上げる

12ミリ合板を二枚貼り合わせて24ミリ厚にした天板、底板、二枚の棚板の合計四枚の板は左右の側板にコーススレッドを使ってネジ固定する。

漢字で言うと「目」の字型に組み上げるのだ。

合計16個のネジを使うので、それくらいなら手回し式の錐(キリ)で下穴を開けても良い。

ワテの場合には、先日購入したスターエム社製の「スターエム 58X-3090 ハイス六角軸皿取錐 3×9」を使った。

これが優れモノで、要するにΦ3の下穴を開けると同時に、ネジ頭が埋まるようにΦ9の面取り穴も開けられるのだ。

写真 スターエム 58X-3090 ハイス六角軸皿取錐 3×9

実際に皿取錐 3×9を使ってみた(下写真)。

写真 皿取錐3x9で穴を開けた例

上写真のように、Φ3の下穴を開けると同時にΦ9の皿ネジの頭が収まる穴を開ける事が出来るのだ。

なお、針葉樹合板は柔らかい部類の木材なので、あまり速く穴開けすると多少のバリが出る(上写真)。

なので、ゆっくり穴開けするとより綺麗に仕上がる。

で、この穴にコーススレッド(3.8x45)を捻じ込んだのが下写真。

写真 皿取錐3x9の穴にコーススレッド3.8x45を捻じ込んだ例

一般的なコーススレッドの頭の直径は9ミリ弱が多い。

ワテが持っている以下のコーススレッドの頭の直径をノギスで計測してみたが、どれも8.Xミリだった。

3.8x75
3.8x65
3.8x55
3.8x45
3.8x38
3.8x25

表 ワテ所有のコーススレッド一覧

なので、3x9タイプの皿取錐を買ったのだ。同シリーズには他にも3x8、3x10などもある。

実際に皿取錐3x9を使ってみたが、3.8x45ミリコーススレッドの頭がΦ9の穴にピッタリと埋まるのでいい感じ。皿取錐3x8だとネジ頭が穴の縁に当たってしまうと思う。皿取錐3x10なら余裕でネジ頭が収まるので、まあ皿取錐3x10でも良いかもしれない。

いずれにしてもワテの場合には皿取錐3x9が最適だった。

なお、もし4.2x75などのネジ径が4.2タイプのコーススレッドを使っている人は、ネジ頭の直径も3.8タイプよりは大きいと思うので、実物をノギスで測るなどして、最適なサイズを買うと良いだろう。

と思って少し検索してみたところ、偶々見付けた以下のサイト(株式会社ダイドーハント、ネジなどの専門業者さんのようだ)、

https://daidohant.com/product/course-thread/コーススレッド/

を見る限り、4.2のネジ頭も8.Xミリだ。

5.1x120と言う太くて長いネジの場合には、ネジ頭は9.2ミリになっている。

なので木工DIYに使う殆ど全てのコーススレッドのネジ頭は8.Xミリのようなので、面取錐を買うなら皿取錐3x9が良さそうだ(気になる人は各自で確認して下さい)。

 

スターエムの面取錐は材質が二種類あるようだが、

ワテの場合は、後者のハイス鋼タイプを買った。

仕様:6.35mm六角軸
皿角度:90度
タイプ:下穴錐タイプ
サイズ:下穴3mm×皿取9mm
軸:ハイス材
刃:ハイス材

スターエム 58X-3090 ハイス六角軸皿取錐 3×9の仕様

まあ普通鋼タイプに比べて300円くらい高かったが、やっぱりハイス鋼(ハイスピード鋼)ってのがいいよね。日本語なら高速度鋼。そのまんまやがな。

スターエム 58X-3090 ハイス六角軸皿取錐 3×9は付属の六角レンチを使うとΦ3キリとΦ9の外側を分離出来る(下写真)。

写真 スターエム 58X-3090 ハイス六角軸皿取錐 3×9のΦ3軸は長さ調整可能

Φ3キリには上写真のようにネジが当たる部分が数ミリに渡って平に加工されている。

従ってその範囲内で有ればΦ3キリの位置を前後に移動出来る。その結果、Φ3キリの穴開け深さを微調整する事は可能だ。でも、移動範囲が数ミリなのであまり大きく動かす事は出来ない。まあ深穴を開けたい場合には、単体のΦ3キリを使ってその穴に追加工すれば良い。

なお単体で内刃のΦ3キリのみの購入も可能なので、内刃(というか内錐)が摩耗したら交換すれば良い。例えば以下の製品が見付かった。これは普通鋼タイプだが、ハイス鋼タイプもある。

アマゾンをスターエム 皿取錐 内錐 3mmで検索する。

 

もし、穴開けの深さをピッタリと決めたい場合には、別売りのドリルストッパーを使えば良い。

ワテも近々購入する予定だ。

棚板を支える多数の小板をスライド丸ノコでカットして自分で作成する

68ミリ高さの側板を作成している様子(下写真)。

写真 卓上スライド丸ノコを使って68ミリ幅で合板をカットする様子

上写真では、多数の68ミリ側板を作成するので、まず、68ミリ幅の位置に木片をF型クランプで固定している。その木片をガイドにして板材をカットして行く(下写真)。

写真 68ミリ幅に側板をカットしている様子(二枚重ねでカットした)

寸法の短い板をカットするテクニックを下写真に示す。

手で押さえると危険なので、下写真のように縦長の木片を使って押さえると良い。

写真 スライド丸ノコで手を斬らないようにするテクニック

その結果、下写真のように幅10ミリ程度の寸法でも、安全に難なく切り落とす事が出来る。

写真 手で押さえずに10ミリ程の縁を切り落とす例

最終的に、下写真のようにカットに成功した。

写真 安全に10ミリ程の縁を切り落とした例

いや~、スライド丸ノコは買って大正解だった。

3万円くらいの価格だったが、日曜大工が楽しくなる。何と言っても、真っ直ぐにスパッと切断出来るのが嬉しい。

ワテお勧めのHiKOKIの卓上スライド丸ノコ

海外製だが人気が高くて値段も手頃、かつレーザーガイド付きの高性能卓上スライド丸ノコ

棚板支えの小板を貼り付けて行く作業を開始

棚板支えの小板を貼り付けて行く作業を開始した。

写真 F型クランプとハンドクランプを使って棚板支えの小板を貼り付けて行く様子

こう言う水準器を一台持っていると、この手の作業が捗る。

シンワさんは定規、ノギス、その他の寸法測定機器の超有名メーカーだ。

ワテもシンワのデジタルノギスが欲しいのだが、高級品なので結構高いんだよね。なので中華製のやっすい奴を使っている。

 

写真 F型クランプとハンドクランプを使って棚板支えの小板を貼り付けて行く様子2

小板を張り付ける作業では、下写真のように基準となる24ミリ板(写真最下部の棚板)からの距離を正確に計測してクランプで固定すると良い。

写真 F型クランプとハンドクランプを使って棚板支えの小板を貼り付けて行く様子3

小板貼り付けの注意事項としては、上でも書いたように小板は基準となる位置から定規で寸法を測りながら貼り付けて行く事。そうでは無くて、予め側板に設計図から求めた小板貼り付け位置に鉛筆で線を引いておいて、その線に沿ってドンドン貼って行くのはお勧めしない。

なぜならば、小板の寸法が設計通り高さ68ミリにカット出来ているかどうか分からないからだ。なので、必ず一段ずつ現物合わせで寸法を測りながら貼り付けて行くべきなのだ。

もし小板の高さが設計68ミリより2ミリ長くて70ミリだったとしても、下棚板との隙間が1ミリ程度開くように貼り付けて行くと良い(下写真)。

図 棚板を自由に抜き差し出来るように1ミリ程度の隙間を開ける

そうすると、棚の最上部では70ミリ小板を張り付ける余裕が無くなるが、最上部に棚板を作らなくても実用上は問題ない。

小板の貼り付け位置を微調整するテクニック

小板の貼り付け位置を微調整するテクニックとしては、所定の位置より数ミリ上に仮固定しておいて、金槌を使って軽くトントンと叩いて下げると良い。位置が決まったらクランプを強く固定する。

写真 小板を張り付ける作業で、縦方向の位置を金槌で調整している様子

同様に、小板と側板の前面の部分をピッタリと面一にするには、下写真のように小板を金槌で軽くトントン叩いて平面を合わせる。

写真 小板を張り付ける作業で、横方向の位置を金槌で調整している様子

上写真のように、一段の小板貼り付けが完了したら、必ずその下にある棚板を抜き差ししてみて、スムーズに抜き差し出来る事を確認する。

かつ、小板を張り付ける際に塗った木工用ボンドがクランプで固定する事ではみ出して棚板にまで浸透している可能性がある。もし棚板に木工用ボンドが付いて固まってしまうと引き抜く事が出来なくなるので、棚板を抜いてみてもし木工用ボンドが溝の部分にもはみ出していたら、水雑巾で綺麗にボンドを拭き取る事。

ワテの場合、F型クランプ8個、ハンドクランプ6個しか無いので、全ての側板を一気に張り付ける事は出来ない。なので、土日の二日に分けて少しずつ貼り付けて行った。

側板の貼り付けは二カ所をクランプで固定するので、最低でも2個のクランプが必要になる。もしクランプを2個しか持っていない人は、側板を一枚ずつ貼り付けて行く事になるので、速乾性の木工用ボンドを使えば2~3時間である程度固まるので(十分な強度になるのは24時間以上)、合計十数枚の側板を貼るとしても、地道にコツコツやって行けば数日で完了する。

下写真は、前日貼って、貼り付けが完了した小板の例だ。

写真 18ミリ側板(9ミリを二枚貼り合わせ)に高68x奥201x幅9の小板を13ミリ間隔で貼った

上写真のように、18ミリ側板(9ミリを二枚貼り合わせ)に高68x奥201x幅9の小板を13ミリ間隔で貼って、いい感じに溝が形成出来ている。

棚板を側板の溝にはめ込む構造は、木工の世界では「大入れ継ぎ」とか「大入れ組手」と呼ばれる高度な手法だ。その為には、電動ルーターとか電動トリマーが必要になる。ワテも一台欲しいのだが予算が無いw

あるいは、丸ノコで13ミリ幅で切り込んで鑿(のみ)で仕上げて溝を掘っても良い。でも素人DIYではそんな高度な加工は難しいので、ワテ考案の合板貼り合わせ方式による大入れ組手風の加工がお勧めなのだ。

二日目も、クランプを総動員して側板に小板を貼り付けて行った(下写真)。

写真 F型クランプで棚の左側板に小板を貼り付けている様子

木工DIYにはクランプは必須

こんな風に沢山のクランプを使って木工DIYをやっている写真を見ると物凄く本格的なDIYに見えて、素人の人にはハードルが高く見えるかもしれない。ワテの場合も、他の人のホームページでこんな写真を見た時にはそんな印象を持ったのだが、実際にやってみるとそうでもない。つまり木工にはクランプは必須なのだ。値段もダイソー辺りの100均で、200円商品としてF型クランプは売っているので、ワテも8個買って来たのだ。なので、日曜大工で木工をやるなら、ノコギリや金槌も必要だが、クランプも数個は買っておくと良い。お勧めはF型クランプとハンドクランプ(大型洗濯バサミみたいなやつ)だ。

繰り返しになるが、F型クランプなどの軸を回転させて固定するタイプのクランプでは、一気に回転させると押さえている部材に回転の力が加わって位置ずれを起こすので要注意だ。

慎重に、ジックリゆっくりと回転させるのがコツだ。

かつ、最初にハンドクランプで固定しておくと、失敗が少ない。

固まった木工用ボンドを剥がす事は殆ど不可能

ちなみに、一旦木工用ボンドで貼り付けてしまった木材は、引き剥がす事はほぼ不可能。

以前に、カーオーディオ用スピーカーを自作していて、木材同士の貼り付け位置を間違えてしまったのだ。貼り合わせて三時間後くらいに気付いたのだが、夏場の暑い時期だったので接着剤も良く乾いている。

その時の木材は2x4材つまり、断面が38x89の木片同士の接着だったのだが、慌てて風呂場でシャワーを掛けたり、数時間お湯に漬けたりして接着剤が溶けるかなあと試したのだが、その程度では全く剥がれない。

最終的には、金槌で強く叩いて徐々に隙間を開けながら、さらに数時間水に漬けて徐々に接着剤を溶かす作戦を実施した。でも最終的には金槌で叩いて無理やり剥がした結果、一方の木片に相手側の木の表面の繊維がくっ付いて剥がれてしまう結果となった。

と言う事で、木工用ボンドは乾くと剥がすのは手ごわい。

 

当初の設計では、全段に69ミリ間隔で棚溝を作成する予定で有ったが、下写真のように、上中下の三段のうち、最下部には、棚溝は作らない事にした。当面は端材置き場として使い、必要なら後からでも棚を作ってもいいし。

写真 上中下の三段のうち、最下部には棚を作らずに端材置き場にした

大入れ組手風の加工も完璧に決まった

で、土日の二日を使って、無事に完成した縦長の丈夫な棚(本棚にもなる)の写真を紹介しよう。

写真 68ミリ高さの小板を13ミリ間隔で貼り付けて12ミリ棚板を挿し込む構造が完成

どう!

いい感じで加工できているでしょ!

ホームセンターでカットして貰った木材を貼り合わせるだけでこんなに完成度の高い棚を自作出来るのだ。費用も約四千円程度。

仕上げにニス、ペンキ、オイルを塗っても良い

必要なら、ニスやペンキ、あるいはオイルを塗れば、物凄く高級感が出る。針葉樹合板を使うのでワテのお勧めは水性ニスだ。安いし、使い終わった刷毛は水洗い出来るので水性ニスが使い易い。

もし集成材や無垢板を使うならオイル仕上げが綺麗になる。

写真 68ミリ高さの小板を13ミリ間隔で貼り付けて12ミリ棚板を挿し込む構造が完成2

四千円で家具屋さんで、同じようなサイズの棚を買ったとしても、こんなに丈夫な棚は買えないだろう。

普通は、やっすいカラーボックスみたいな本棚ですら三千円くらいするし。

でも自分で作れば、こんなに丈夫な棚を作れるのだ。

写真 68ミリ高さの小板を13ミリ間隔で貼り付けて12ミリ棚板を挿し込む構造が完成3

 

写真 68ミリ高さの小板を13ミリ間隔で貼り付けて12ミリ棚板を挿し込む構造が完成4

下写真のように、13ミリの隙間に12ミリ針葉樹合板の棚板を挿し込む構造なので、必要に応じて位置を可変出来る!

写真 68ミリ高さの小板を13ミリ間隔で貼り付けて12ミリ棚板を挿し込む構造が完成5

堂々の完成

写真 完成した大型の棚(棚板位置可変構造)

一部、側面の小板を貼っていない部分がある。理由は、板材が足りなくなったので。必要なら将来、追加で貼り付けてもいいし。

まとめ

2020年早々、またしても棚を作った。

今回は、高さ2メートル4ミリもある大型の棚だ。

材料費は約四千円。

あとは、100均ダイソーで200円商品のF型クランプを最低2個買って、木工用ボンドと16本の木ネジが有れば完成する。

なので、これらの工具を買ったとしても、製作費用の総額は五千円も有れば足りるだろう。

皆さんにもお勧めしたい。

なお、ホームセンターで木材のカットなど未経験の人でも全く心配無い。

このページに掲載している設計図を印刷してお店に行って、その通りにカットして貰えば良いのだ。

畳一枚くらいのサイズの針葉樹合板(1820x910x12)は一枚当たり10キログラムくらいの重量がある。今回はそれくらいの板を二枚使うので、約20~30キロくらいの重量になるだろう。

長さも2メートル級の板が四枚もあるので、電車や徒歩で自宅まで持ち帰るのは困難だ。

それも心配無いのだ。

多くのホームセンターでは、無料の軽トラを貸し出している。ワテの経験では、それらの軽トラは全てオートマチック車だ。

なので、運転免許がある人ならば、軽トラを借りて自宅まで運べばガソリン代すら無料でタダで自宅まで配送できる。

かつ、普段は自動車に乗っていない人なら、自動車の運転の練習にもなる。

一石二鳥のホームセンター貸し出し軽トラなのだ。

こんな便利なサービスは使わな損損!

まあ、これでワテの工作室もかなりの沢山の収納棚が完成したので、徐々に小物を整理して、スッキリと整理整頓したい。

しかしまあ、我ながら棚作り好きにも程がある。

棚作り職人ワレコの誕生である。

なんのこっちゃw

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コメント

  1. じゃいん より:

    構造用合板のバリ取りはどうしていますか?

    私の近所のホームセンターで売っている構造用合板は表面にささくれが多くて、1日かけてやすりがけしないととても使えません。(それでも手触りに不安があるぐらい)

    切断面ではなく表面です。

    • wareko より:

      じゃいん様
      この度は小生のサイトにコメントありがとうございます。
      さて、構造用合板の切断面のバリや表面のささくれの処理ですが、私の場合には何もしていません。
      理由は、今まで作った棚は工作室に置いて不用品など載せて整理棚として使っていますので、表面に多少のささくれがあっても気にせず使っています。
      将来、もし居室で使う時には、表面や角をサンダーで研磨して滑らかにしてから水性ニスなど塗るつもりです。