ワレコ
食欲の秋と言うが、最近のワテは食べ過ぎには注意している。
暴飲暴食は体に悪いのはワテの経験でも分る。
朝昼晩と適量の食事を規則正しく取るのが健康の秘訣だ!
さて、急に秋になってスランプ気味のワテは、先日購入した台直し鉋をレストアしてみた。
当記事ではその作業過程を紹介したい。
では、本題に入ろう。
古びた中古の台直し鉋の台を研磨する
下写真がワテが800円で買った古びた台直し鉋だ。
写真 ワテが800円で買った古い台直し鉋
この台直し鉋をレストアして復活させるのが今回の作業の目的だ。
台直し鉋の刃を抜く
まずは下写真のように鉋台の上部を木槌で叩いて鉋刃を抜く。
写真 鉋台の上部を木槌で叩いて鉋刃を抜く
なお、上写真では鉋が作業台の上に載せてあるが、実際は言うまでもなく鉋を手で持って空中に浮かせて木槌や金槌で叩く。
それと直接鉋台を叩くと鉋台が凹むので、当て木をして作業するほうが良いだろう。
注意事項としては刃が抜けた瞬間に刃が飛び上がって落下して指や手を切る事故が起きるので要注意だ。
下写真のように無事に刃を抜く事が出来た。
写真 刃を抜く事が出来た
鉋の銘は「近廣」か?
下写真のように抜いた刃は一部が錆びている。
写真 特製 登録 近廣 と読める?
上写真では「特製 登録 近廣」と読めるが、このキーワード「鉋 近廣」で検索すると、少数ではあるが同じ銘の鉋や鑿がヒットした。
あまり高級な鉋では無さそう。故 碓氷健吾さん製作の鉋などなら何万円もするが。
下写真のように鉋刃の表側にも赤錆がある。
写真 鉋刃の表側も赤錆がある
赤錆を除去するには、酢、重曹、クエン酸溶液、サンポールに浸すなどの方法が有名だ。あるいはケチャップに浸けても良い。
実際ワテも以前に錆びた金属部品の錆落としをケチャップでやった事があるが、三十分ほど漬け込んだら綺麗に落ちた。要するに酸で錆を溶かして除去するのだ。
でも中性のさび落としもある。
当初はこう言う製品を買おうかなと思ったが、上写真くらいの赤錆なら砥げば除去出来るだろう。
鉋台を作業机に固定してサンダーで磨く
さて、先ずは鉋台をサンダーで磨いてみる。
下写真のように鉋の滑走面、専門用語では台下端(ダイシタバ)と言うらしいが、その部分に打痕がある。
写真 台下端(ダイシタバ)に小傷あり
この鉋台の傷を除去するには別の平鉋を使ってこの鉋台を削れば良いが、削り過ぎて失敗する可能性もあるので、ここは大人しく仕上げサンダーで研磨するだけにしておく。
下写真のように四つのF型クランプと二本の棒材を利用して鉋台を作業台に固定した。
写真 四つのF型クランプと二本の棒材を利用して鉋台を作業台に固定
完璧なクランプテクニックだ!
ワテの場合、クランプの魔術師と呼ばれている。
下写真のようにマキタ仕上げサンダーを使って鉋台を研磨した。
洗濯ホースはサイクロン集塵システムに繋がっている。
写真 #120紙ヤスリを付けた仕上げサンダーで鉋台を研磨中
使った紙ヤスリの番手は120だ。
取り敢えずニ~三分研摩しただけでも、下写真のように表面の黒ずみを除去出来て、白樫の木肌が現れた。
写真 表面の黒ずみが除去出来て白樫の木肌が現れた
下写真のように鉋台を裏返して台上端(ダイウアバ)を研磨する。
写真 鉋台を裏返して台上端(ダイウアバ)を研磨する前
下写真は、研磨の効果を比較する為に左の三分の一くらいは磨いていない。
写真 仕上げサンダーの研磨の効果は一目瞭然
研磨で発生した粉塵はワテ自作のサイクロン集塵システムに繋がっている洗濯ホースで吸引されている。
下写真にある二つのテーブルタップの左側のやつは集塵機の連動コンセントに挿している。
写真 電動工具連動式の集塵機は便利
仕上げサンダーをこの左側コンセントに挿して使うと、仕上げサンダーのスイッチONと同時に集塵機も自動で動くのでとても便利になった。仕上げサンダーの電源をOFFすると集塵機も数秒後に自動で電源OFFされるのだ。
作業台の上に残った一部の粉塵は洗濯ホースを抜いて吸引しながら、TRUSCOダスター刷毛を使って掃除する。
写真 TRUSCOダスター刷毛でこまめに掃除する
この場合、仕上げサンダーの電源スイッチを一瞬ONして切ると、集塵機が数秒間動くのでその間に掃除を済ませれば良いのだ。
TRUSCOダスター刷毛は掃除に便利だ。
まあ普通の塗装用の刷毛でも良いが、ワテはこのTRUSCO(トラスコ)ダスター刷毛を好んで使っている。
作業台の上の清掃、卓上スライド丸ノコの清掃など、それぞれの作業場所に釘を打ってダスター刷毛を引っ掛けている。
下写真が仕上げサンダーで研磨が完了した鉋台だ。
写真 仕上げサンダーで研磨が完了した鉋台
まあ取り敢えず、鉋台の六面を仕上げサンダーで研磨した。さらに角の部分も軽く研摩した。
その結果、真っ黒に黒ずんでいた鉋台が見違えるほど綺麗になった。
写真 仕上げサンダーで研磨した鉋台
上写真のように台下端(ダイシタバ)の打痕は残っているが、まあ今回はこれで良しとする。
写真 仕上げサンダーで研摩した鉋台をいろんな角度から撮影
鉋台・砥石の面直し器でも研摩する
次に、鉋台・砥石の面直し器を使って台下端を研摩する事にした。
下写真の鉋台・砥石の面直し器は一年ほど前に中古で入手したやつだ。
写真 鉋台・砥石の面直し器を使って台下端を磨く
アマゾンにも売っている。
鉋台・砥石の面直し器とは要するに分厚い平坦なガラス板なのだ。
そのガラス板の上に長細い研摩ペーパーを敷いて鉋台を研磨するのだ。
中古で買ったこの鉋台・砥石の面直し器に付属していた80番手のペーパーを使ってみる。
写真 80番手のペーパーを使って鉋台を削る
ワテが使ったペーパーと似たようなやつはアマゾンにもある。
下写真のように台直し鉋の台下端を研磨する。
写真 台直し鉋の台下端を研磨中
研摩で発生する粉塵は洗濯ホースでサイクロン吸引する。
写真 研摩で発生する粉塵は洗濯ホースでサイクロン吸引
室内木工作業では集塵機は必須だ。かつ、サイクロン集塵システムを構築すれば、集塵機のフィルターには殆どゴミが溜まらないのだ。
下写真のようなサイクロン部品を買えば誰でもサイクロン集塵機を自作出来るのだ。
このサイクロン部品を下写真のようなペール缶に取り付ければ良い。
集塵機では負圧が発生するので樹脂製のペール缶はお勧めしない。凹んでしまうのだ。なので上写真のような丈夫な金属製ペール缶を使うのが良い。
研摩した台下端の平坦度を確認
シンワのスコヤを使って台下端の平坦度合いを確認してみる。
写真 シンワのスコヤを使って台下端の平坦度合いを確認
上写真のように、隙間もないのでまあまあいい感じ。
さらに念のために、下写真のようにシンワの30cm定規を当てて、長手対角線方向の平坦度合などもチェックした。
写真 シンワの30cm定規を当てて長手対角線方向の平坦度合などもチェック
まあ、いい感じじゃないかな?
ちなみにワテの場合は定規類はなるべくシンワ測定株式会社の製品で揃えている。
DIYで使う定規類はある程度は有名なメーカー製を買っておきたいからだ。
下の二つはDIYでは必須だ。DIYをやるなら先ずはこれらを買うべき。
鉋刃を砥石で研ぐ
さて、久しぶりに砥石を使って鉋の刃を研ぐ。
研ぐ前の鉋刃は下写真のように錆び錆びだ。
写真 赤錆まるけ(名古屋弁風)の鉋刃
この刃を研いだ(下写真)。キング砥石の1200番を使った。
写真 軽く研いで赤錆を落とした刃先
下写真のように刃裏も軽く研いだが、錆は完全には取り切れていない。
写真 刃裏も軽く研いで目立つ錆を除去した
使った砥石はキングデラックス #1200 中仕上げ用だ。
下写真のように刃の上部は若干潰れているので砥石に掛けられない。
この部分は真鍮ブラシで軽く擦って錆を落とした。
写真 真鍮ブラシなどを使って錆を落とした
下写真のように「特製 登録 近廣」らしき銘が読み取れる。
写真 「特製 登録 近廣」らしき銘が読み取れる
ワテが使っている砥石
以下ではワテが使っている砥石(類似品も含む)を紹介しよう。
まずは天然砥石。
これらの天然砥石は粒度が100番から500番くらいなので、大きな刃こぼれがある刃物を修繕する場合に便利だ。
ワテは天然砥石、君は天然色 は大瀧詠一。
なんのこっちゃ。
天然物は高いので次は人造砥石。
ワテは大昔に買ったこのキングデラックス 中仕上げ用1200番を良く使っている。
普通は1000番手の砥石を使う人が多いが、なぜワテが1200番手を使っているかというと、変人で天邪鬼(あまのじゃく)だからでは無くて、偶々1200番手を買ったから。
殆どの刃物はこの1200番で足りるが、表面を綺麗に仕上げたい場合には、仕上げ砥石(#3000~#8000くらいか)も使うと良い。
ワテも下写真のキング仕上砥 #6000 最終超仕上用を使っている。
1200番と6000番の間の2000番くらいの砥石も買おうかなと思った事もあるが、無くても良さそう。
それよりは下写真の刃の黒幕の1000番を買おうかなと思っている。何と言っても1000番は中砥の標準だし、刃の黒幕は有名なので。
そして、下写真のツボ万アトマも刃物研ぎには必須のアイテムだ!
ツボ万アトマは、アルミ合金台座に張り替え可能なダイヤモンド砥石が張り付けてある。荒目、中目、細目、極細目の四種類があるが、ネット情報では中目(砥粒サイズ#400)が最も活用場面が多そうなので買ってみた。
このアトマのダイヤモンド砥石は、勿論、刃物研ぎに使っても良いが、一般にはこのアトマを使って砥石の平面出しに使われるほうが多いようだ。
要するに凹んだ砥石をこのアトマのダイヤモンド砥石で削って平坦化するのだ。
実際にアトマ中目を使った感想としては、刃物研ぎをやる人でこのアトマを知らない人、使っていない人は、全くの素人と言っても良いだろう。
アトマが無くては刃物研ぎは出来ないと言っても良いくらいに便利なので。
と言うワテも一年前にこのアトマを買ったのだが。
レストアが完了した台直し鉋の紹介
下写真のように新品同様に蘇った台直し鉋。
写真 白樫の素肌が美しい台直し鉋
電気カンナ 自動カンナワテも自動カンナが欲しい。
レストア前後を写真で比較しよう。
写真 古びた台直し鉋とレストアした台直し鉋
八百円で買ったとは思えないくらいに綺麗になった。
なお、研磨後の白樫の鉋台が乾燥気味なので、何かワックスとかオイルを塗り込んでおこうと思っている。
下記事で使ったクルミオイルがまだ沢山残っているのでそれを塗り込むかな。
これは食用くるみ油なので、安全性も高い。
1リットル入りで三千円弱なので、広い面積に塗り広げられる。例えば大きなテーブルの天板に塗るなど。たぶん畳で3帖から4.5帖分くらいは塗れると思う(ワテの勘で)。
くるみ油を鉋台に塗り込んでみた
その後、くるみ油を鉋台に塗り込んでみた。
写真 ウエス、くるみ油、鉋台、ゴム手袋などを用意する
クルミオイルは無害だが、作業中に手にオイルが付くと写真撮影もやり辛いので、使い捨てのゴム手袋かナイロン手袋をはめて作業する良い。
写真 クルミオイルを半分くらい塗ってみた
ウエスは新ウエス、バージンウエスなどと呼ばれるやつがお勧めだ。下着などの製造工程で出る端材なので、未使用だ。
一方、リサイクルウエスというのもあるが、古着やホテルのシーツやバスタオルなどのリサイクル品なのでワテは嫌い。
あるいは下写真のような不織布ワイパーでも良いだろう。
下写真のようにBESSEYのパラレルクランプを使って鉋台を作業台に固定する。
写真 BESSEYのパラレルクランプを使って鉋台を作業台に固定
BESSEYのクランプは絶対にお勧めだ。
クランプ部が大型で、精度良く平行に移動するので安定してしっかりと部材を固定出来るのだ。
あと数本くらい長さの異なるBESSEYクランプを追加で購入したいと考えている。
下写真のように鉋台の木口の部分にはクルミオイルは良く吸い込まれる。
写真 鉋台の木口の部分にクルミオイルは良く吸い込まれた
と言う事で下写真のようにクルミオイルを塗り込んだ鉋台はしっとりとした手触りに復活した。
写真 クルミオイルを塗り込んでしっとりとした手触りに復活した鉋台
ちなみに、クルミオイルはネット情報によると半乾性油らしい。
つまり空気中では完全には固まらないのでしっとり感を維持出来る。
乾性油
空気中で完全に固まる油であり、ヨウ素価は130以上。亜麻仁油・桐油・芥子油(英語版)・紫蘇油・胡桃油(英語版)・荏油(英語版)・紅花油・向日葵油など。
半乾性油
空気中で反応して流動性は低下するものの、完全には固まらない。ヨウ素価は130から100程度。コーン油・綿実油・胡麻油・大豆油など。
不乾性油
空気中で固まらない。ヨウ素価は100以下。オリーブ油・扁桃油・落花生油・椰子油・椿油
一方、先日購入した刃物の錆止め用の椿油は不乾性油だ。なので空気中ではいつまでもサラサラした感じのオイルなのだ。
不乾性油は空気に触れても固まらないので刃物の防錆剤、手入れ油に良く使われている。
と言う訳で、台直し鉋のレストアが完了した。
あとは時間を掛けて鉋刃を研いで、台直し鉋として使える状態にしたい。
木工用ワックスやオイル
木工作品が完成したらワックスやオイルを塗り込む人も多い。
クルミオイルは臭いが良いのでワテ好みだ。
有名なワトコオイルは色数も多く、使っている人も多い。でもワトコは有機溶剤系の臭いがするのでワテはあまり好きではない。たぶん乾けば臭いも無くなるとは思うが。
マルタ純正の荏油(えあぶら)も有名だ。この製品は天然の荏胡麻油(えごまあぶら)で作られているが、生臭い魚のような臭いは苦手な人もいるので要注意だ。ワテは臭くて馴染めなかった。
あとは蜜蝋も人気がある。蜂蜜さんが集めた蜜蝋なので天然成分100%だ。
亜麻仁油も有名だ。ワテは使った事は無いが亜麻仁油は臭いもきつく無いらしいので良いかも。
まとめ
ワレコ
刃物を研ぐと気分が落ち着く。
でも刃物研ぎは明るい日中にやるべきだ。
深夜に刃物を研ぐのは縁起が悪いと言うし。
当記事ではワテが骨董屋で買った古い台直し鉋をレストアする過程を紹介した。
黒ずんでいた鉋台は仕上げサンダーで研磨して、ガラス製の台直し器を使って平面研摩した。
一方、錆ていた鉋刃は1200番手の砥石で軽く研いで、ある程度は赤錆を落とした。
研いだ鉋刃は鋼(はがね)の刃の部分もはっきりと見えて切れ味は良さそう。
今後の予定としては、この台直し鉋などを使って十丁くらいある手持ちの平鉋の台直しをやりたいと思っている。
(続く)
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