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【ワレコの電子工作】昔作った金田式DCパワーアンプをレストア⑤【PCBWayからアンプ基板など到着、半田付け開始】

この記事は約19分で読めます。
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ワレコ
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暑い夏が終わって涼しい秋がやって来たと思ったら、冬のように寒い日もある。

日本の四季は二季に変わってしまったようだ。

さてワテが二十年くらい前に自作した金田式A級15WDCパワーアンプレストアプロジェクトであるが、いよいよ完成に近づいてきた。モノラル2台構成で製作している。

前回までで以下の作業が完了している。

  • ±50V定電圧電源基板が2枚完成
  • ±20V大電流定電圧電源基板の1枚目完成
  • ±50V電源、±20V電源、ブリッジ整流回路をシャーシ組み込み(1台目)
  • パワーアンプ基板、DC検出&スピーカー保護回路基板をKiCadで設計
  • KiCad設計した基板をPCBWayさんに発注

当記事では以下の作業を紹介する

  • PCBWayさんから届いた基板の紹介
  • パワーアンプ基板、DC検出&スピーカー保護回路基板の半田付け開始

前回記事はこちら⤵

では本題に入ろう。

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PCBWayさんから届いた基板の紹介

PCBWay基板発注システムは追加発注時の同梱発送が選択可能

今回もPCBWayさんに基板を発注した。

PCBWayさんに黄色レジスト・白色シルク文字で発注するとサンハヤトのユニバーサル基板っぽい色合いに仕上がるので、金田式オーディオ機器の製作には最適だ。

PCBWayさんのサイトに基板発注に必要なガーバーデータをアップロードすると通常なら一週間後くらいに自宅に基板が届く。

両面スルーホールのガラスエポキシ基板が基板製造料金が5ドル、Fedex送料が20数ドル。合計30ドル前後の費用で基板10枚を個人でも発注出来るのだ。必要なら50枚でも100枚でも発注出来る。良い時代になったもんだ。

今回はパワーアンプ基板、DC検出&スピーカー保護回路基板の二種類の基板を発注したのだが、発注後にDC検出&スピーカー保護回路基板に小さなミスを発見した。

その基板はPCBWayさんで既に製造開始しているので、キャンセルは出来ない。そこでミスを訂正したガーバーデータを改めてアップロードして、修正版の基板も発注した。

PCBWayさんの発注システムでは、追加発注の場合には、既に発注して現在製造中の基板と「同梱発送」するかしないかを選択出来るようになっている。

そこで追加発注分の基板は、直前に発注して現在製造中の基板と同梱してもらうように選んだ。

その結果、追加基板の製造料金とFedex追加料金を支払えば良いのだ。

Fedex送料は荷物重量で決まるのでPCBWayさんのシステムでは、追加発注分の基板重量を元にFedex送料追加額が自動計算されるようになっている。よく出来たシステムだ。

それも完全に日本語化されているので英語は苦手で日本語しか分からない人でもPCBWayさんのシステムなら安心して発注出来るだろう。

下写真がPCBWayさんから届いた小包だ。

写真 PCBWayさんから届いた小包

開封すると下写真のように十分なクッション材で厳重に梱包されている。

写真 PCBWayさんの小包は十分なクッション材で厳重に梱包されている

下写真のように個々の基板は発注ごとに十枚がまとめてエアーキャップで真空パックされている。

写真 エアーキャップで真空パックされている基板

下写真が今回発注した全ての基板だ。

写真 PCBWayさんに今回発注した全ての基板(8種類)

上写真左下が「金田式A級15Wパワーアンプ用基板」だ。

その上にある小型基板が「DC検出&スピーカー保護回路基板」なのだが、小さなミスがある基板だ。

そのミスとは前回記事でも書いているが「±20V電源基板」とこの「DC検出&スピーカー保護回路基板」は6ピンXHコネクタで接続する仕様で設計したのだが、実際には7つの信号が必要だったのだ。

そこで7ピンXHコネクタ対応に訂正した「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」を追加発注したのだ。

それが上写真左から二番目の基板になる。

数週間前に発注して既に到着した「±20V電源基板(XH6)」もモノラル右チャンネルアンプ用に既に一枚をはんだ付けして完成しているが、それも6ピンXHコネクタで設計製作してしまっている。

なのでその完成している「±20V電源基板(XH6)」と「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」は7本のフラットケーブルで接続するがXH6の部分は何か工夫して接続する予定だ。

PCBWayに合計三回追加発注&同梱発送依頼して送料大幅節約

このようにPCBWayさんのシステムでは非常に簡単に追加発注することが出来て、同梱発送も簡単に選択出来る。

そこで、「±20V電源基板(XH6)」もXH7ピン版「±20V電源基板(XH7)」を急遽設計して、追加発注&同梱発送依頼したのだ。その基板が上写真の左から二番目だ。

なのでまだ製作していない二台目(モノラル左チャンネルアンプ)の「±20V電源基板(XH7)」はXH7ピン版で製作する予定だ。その基板は「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」と接続出来る。

上写真ではさらに右に四種類のプリント基板が写っているのが分かるだろう。

右から2番目の上下の大きめの基板があるが、上が「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」、下が「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ」用の専用基板だ。

ワテのブログ記事で過去にこれらのぺるけ式オーディオアンプの専用基板を設計してアンプを完成させた過程を詳細に解説しているが、そこで使っている専用基板はワテがKiCadの操作を覚えたての頃だったので、色んな反省点がある。

具体的にはシルク文字が分かりづらいとか、ジャンパー線が必要になる箇所があるとか、基板レイアウトの銅箔パターンが今ひとつスマートでなくて無駄に引き回している箇所があるなどだ。

まあそう言う懸案事項はあるが基板自体は設計ミスは無かったのでそれらの基板を使えば無事にぺるけさん設計のアンプを完成させることは出来ている。

でも、今回PCBWayのシステムではあまりにも簡単に追加発注や同梱発送の依頼が出来るので、急遽ぺるけ式アンプ用の二種類の基板を再設計し直して、追加発注したのだ。

そして最後に上写真右端の黒い二種類の基板は「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」のフロントパネルとリアパネルをプリント基板で設計してこれも追加発注&同梱発送依頼したものなのだ。

という事でまとめると、今回PCBWayさんに発注した基板は以下の通り。

  1. 最初に2種類の基板(パワーアンプ基板、DC検出&保護回路基板、上写真左端)
  2. 一回目の追加発注&同梱依頼(電源基板と保護基板XH6をXH7に変更、写真左から二番目)
  3. 二回目の追加発注&同梱依頼(ぺるけ式アンプを2種類再設計、写真左から三番目)
  4. 三回目の追加発注&同梱依頼(ぺるけ式アンプ用パネル、写真左から四番目)

つまり三回も追加発注&同梱発送依頼したのだ。その都度、基板製造費用とFedex追加料金が自動再計算されるのでそれらをPayPalやクレジットカードなどで支払えば良いのだ。

その結果、合計八種類の基板をFedexで同梱発送して貰うことが出来たので、個別に四回発注&Fedex発送する場合に比べて、かなり送料を節約することが出来た。

PCBWayさんの発注システムは使いやすいし、本当によく出来ていると思う。

古いパワーアンプ基板を解体して部品を回収する

さて、下写真がレストア前の「金田式A級15W DCパワーアンプ基板」と「DC検出&スピーカー保護回路基板」だ。

正確に言うとこのアンプはA級30Wの記事を元に作っている。ただし使ったジャンク電源トランスの二次側電圧が雑誌記事のタムラトランスよりも若干低めなので、A級30W出力段パワートランジスタに供給している電圧が雑誌記事の±25VDCより低く、±22VDCくらいだった。

それを今回のレストアでは±20VDCにすることでA級15Wパワーアンプとして復活させる。

写真 レストア前の「金田式A級15W DCパワーアンプ基板」と「DC検出&スピーカー保護回路基板」

上写真のレストア前パワーアンプ基板では所謂メタルカントランジスタ(2SA607/2SC960)などを使っている。金田式で昔からよく使われているNECのトランジスタだ。これらのトランジスタはかなり昔にジャンク屋の片隅に箱に入って売っているのを見つけて何個かまとめて買ったのだ。

差動二段増幅回路の初段には雑誌記事ではソリトロン社の2N3954と言うDual FETが指定されているが、そんなFETは20年前ですらあまり流通していなかったし今では殆ど入手困難なので20年前のワテは2SK30A-GRを二個選別して接着剤で貼り合わせて代替とした。今回もそれを再利用する。

ただしアンプ基板は2N3954の足の並びGDSで設計しているが、そこに2SK30A-GRのSGDを挿し込む必要があるので、2SK30A-GRの足を曲げて千鳥足状態にしなくてはならない。

ちなみに上写真の四個のTO-3型パワートランジスタは雑誌記事ではNECの2SA627/2SD188が各二個ずつ使われているが、ワテの場合はそんなトランジスタは手持ちに無かったので、オン・セミコンダクターのMJ15023(PNP)/MJ15022(NPN)を採用した。たまたま手持ちに有ったからだ。

そのうちの二個の上には灰色の四角いゴム(高熱伝導)をプラスチック板で押させているが、この下にバリスタダイオードを入れて熱結合している。接着剤で貼ってしまうとメンテナンス性が悪くなるからだ。

という事で、このパワーアンプは純正金田式ではなくて、「金田式風」とか「金田式モドキ」パワーアンプと言う事になる。

下写真のように解体前のアンプ基板や保護回路基板は、二十年程前にユニバーサル基板にワテが必死で半田付けした跡が残っている。最近のワテは視力が低下しているのでこんな細かい作業はもう出来ない。

そこで必死でKiCadの使い方を覚えたのだ。そうやって専用基板を作って電子部品を半田付けするだけで電子工作を完成させる手法が成功への近道だ。電子工作は完成させてその作品を使うことに意義が有るのだ。

写真 解体前の「金田式A級15W DCパワーアンプ基板」と「DC検出&スピーカー保護回路基板」

この後、これらの基板は電動ポンプ式のはんだ吸取器を使って部品を全部取り外した。

この白光のハンダ吸取器は少々高かったが買って良かった。こんなに便利なら二十年前に買っておけば良かったと思ったが後悔はしていない。人生、後悔しても変わらない。前進あるのみだ。

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高がハンダ吸取り器一つで人生を考えるセンチメンタルなワテである。秋ですから。

電子工作ではハンダゴテだけでなくハンダ吸取り器が有れば作業効率が飛躍的に向上する。

もし今回電動ポンプ式ハンダ吸取り器を持っていなかったとしたら、上写真の基板から全ての部品を回収するのに数時間は要したと思う。

それがハンダ吸取り器を使うと一時間も掛からずに完了したのだ。

金田式A級15W DCパワーアンプ基板に部品を半田付け

回収した部品は金田式A級30W DCパワーアンプ用ではあるが、殆どの部品はA級15Wと同じなのでそのまま再利用出来た。

写真 PCBWay製A級15Wパワーアンプ基板に古いパーツを半田付け

なお、回収した部品は、例えば下写真のニッコーム抵抗のように足を短くカットしているので、スルーホールに深く挿し込むには短すぎるのだ。

写真 足が短いニッコームの抵抗も再利用する

これらの抵抗を半田付けする時には、基板を裏返すと足の短いニッコーム抵抗が抜け落ちてしまう。

そこで下写真のように基板部品面を上にしておいてスルーホールに抵抗を立てておいて、部品面からハンダゴテを当てて半田付けした。

写真 短い足の部品は部品面から半田付けする作戦がお勧めだ

部品面から半田付けする手法は最近のワテは良く使っている。

この方法は色んなメリットが有ることに気づいた。

主な物は以下の通り。

  • 部品面から半田付け出来るので基板を裏返す必要が無い。
  • その結果、作業効率も良いし、部品の高さを揃えやすい。
  • 部品面のリード線にハンダが富士山型に盛り上がるので見た目が綺麗。
  • その結果、半田付け不良が無くせる。

などか。

下写真は出力パワートランジスタのエミッタ抵抗0.47Ω(5W)福島双羽電機株式会社製だ。

写真 出力パワートランジスタのエミッタ抵抗0.47Ω(5W)福島双羽電機株式会社製を付ける

四つの金属板抵抗は下写真のように基板の端に四個横並びで取り付ける設計にした。

かつ、下写真のようにリード線を折り曲げて寝かせている。これは抵抗が直立するとタカチシャーシの上蓋に干渉する可能性があるからだ。

写真 エミッタ抵抗0.47Ω(5W)福島双羽電機株式会社製は横並びに配置した

オレンジのコンデンサ(0.033μ)と33Ω(1W)抵抗からなるゾーベル・ネットワーク(Zobel Network)というやつは基板中心に上下対称な位置に配置した。

写真 目的の抵抗値がない場合には並列作戦で解決

パワートランジスタのバイアス回路は雑誌記事では2SC1400に抵抗2個と半固定抵抗1個を使うトランジスタ方式のバイアス回路なのだが、そこに使われている270Ωが手持ちに無い。

そこで上写真のように680Ωのニッコームを基板部品面に半田付けして、裏面には470Ωを半田付けして並列接続にした。合成抵抗は約278Ωだ。

その結果、見た目はスッキリするのでこの並列作戦も最近のワテが良く使う手法だ。

なお2SC1400も手持ちに無かったので、二十年前のワテは適当に選んだと思われる2SC1775AEを使っているようだ。レストア機にもそのまま2SC1775AEを使ってみる。

という事で適当に選んだ代替パーツを使っている時点で純正金田式で無いことは言うまでも無いが、正常に動作するかどうかも怪しい。まあ兎に角、完成させてから動作確認すれば良いのだ。

何事もやってみないと分からないのだ。次に進もう。

写真 基板裏面に抵抗を追加して表面抵抗との並列接続で目的の抵抗値を得る作戦

四つのエミッタ抵抗を横並びに配置した結果、出力につながる配線パターンが矢印のような形状になっている(上写真)。

ヒートシンクに固定したパワートランジスタ(NPN 2個、PNP 2個)への接続はエミッタ抵抗の周囲に配置している大きめのスルーホール穴から配線する。

矢印の横棒の右端部分にNFB抵抗10KΩを半田付けしている。

なかなか分かり易い基板パターンに出来たと思う。

なお、注意事項としては上写真の基板に「PCBWay」さんのロゴマークが印刷されているが、これはワテがこの基板をPCBWayさんに発注したことをメモする目的で入れている。

PCBWayさんに基板を発注すると自動的にこのロゴ文字が入るわけではない。

熱結合したメタルカントランジスタを半田付けする

さて、下写真の古めかしいNECのメタルキャントランジスタも再利用する。

写真 左上:2SA607、右上:2SC1008A(裏に2SC1775AE接着)、左下:2SA607ペア

理由は不明だが二十年前のワテは2SC960の代わりに見た目が良く似ている2SC1008Aを使ったようだ。多分2SA607/2SC960コンプリペアを組むに当たり、hFEを計測して値が近いやつを探した結果、適当なペアが組めなくてNPNは手持ちの2SC1008Aの中にhFEが近いのが見つかったのだろう。

もう訳分からん。

それにしても上写真右下の2SA607なんてシリコングリスの影響かどうか知らないが表面が腐食していい感じにヤれているぞ。こんなビンテージなトランジスタを使ったアンプは良い音が出るはずだ!

真空管アンプのような耳に心地よいまろやかな音が出るかも知れない。ほんまかいな!?

と言うワテは真空管アンプは作った事が無いのだ。

何事も経験なので、兎に角、真空管アンプを一台作ってみたいと思っている。来年の目標の一つだ。

さて、下写真のようにワテ自作のhFEテスターを使って2SA607のhFEを計測してみる。

写真 ワテ自作のhFEテスターを使って2SA607のhFEを計測

その結果、下写真のようにhFE=165と計測された。

写真 ワテ自作のhFEテスターを使って2SA607のhFE=165と計測された

このコンプリペアとなる2SC1008AはhFE=170だったので、まあまあ値が揃っている。

下写真のように差動二段目の2SA607熱結合ペアを半田付けした。

写真 差動二段目の2SA607熱結合ペアを半田付けした

上写真のように専用基板なので差動二段目の2SA607熱結合ペアの六本の足はスルーホールに綺麗に収まっている。

この辺りが専用基板を使うメリットだろう。

写真 裏に2SC1775AEを熱結合している2SC1008Aを半田付けする前

裏に2SC1775AEを熱結合している上写真の2SC1008Aもこの後で半田付けした。

下写真は初段の2SK30AGR(ATMかも知れない)熱結合ペアのVGSやIDを計測して特性が揃っているかどうか確認している様子だ。

写真 ぺるけ式FET & CRD選別冶具(改訂版)を使って2SK30AGRペアの特性を計測

測定の結果、2SK30AGR熱結合ペアの特性は揃っていたので、この古いFETも再利用した。

ただし上でも述べたようにアンプ基板は2N3954の足の並びGDSで設計しているが、そこに2SK30A-GRのSGDを挿し込む必要がある。

東芝の2SK30や2SK170, 2SK117などのJFETは内部構造がドレイン(D)とソース(S)に関して対称に作られているらしいので、DとSを入れ替えても良いと言うのはワテも知っている。

そこで、2SK30AGRのDとSを入れ替えて、かつ、三本足をぐにゃっと曲げて千鳥足状態にしたらどうにか基板に挿し込む事が出来たので半田付けした。

でも本当は2N3954を使いたいワテである。既に金田式純正とは程遠い魔改造をしているワテのA級15Wパワーアンプであるが、雑誌では2N3954が使われているので使ってみたい。変なこだわりのあるワテである。

でもヤフオクなどでは一個数千円程度で落札されているので高くて買えないし、タイムリーに二個ペアで出品されるとも限らないので、とりあえず2SK30AGRペアで行く。アンプは完成させることに意義があるのだ。

出力段のパワートランジスタを一個交換した

さて、このレストア前のA級30W DCパワーアンプは、故障して放置していたのかどうか覚えていない。兎に角、正常に動かなくなって放置したのは確かだが、何が壊れたのかなど記憶が定かでなくて覚えていない。

念のために出力段の四個のパワートランジスタのhFEを計測したのだが、ワテ自作のhFEテスターは最大でもIB=200μAしか流せない。hFE=100だとしてもIC=2mAにしかならないのでパワートランジスタのhFE計測には適していないのは知っている。

写真 出力段のパワートランジスタの一個を交換した

そんな小さなIBやICでパワートランジスタのhFEを計測してみたが、やはりhFEは78など100以下の値を示した。本当なら実際の動作状態に近いICを流して選別すべきだとは思うが。具体的には雑誌記事では2個パラレルのパワートランジスタにIC=0.97Aを流しているのでトランジスタ一個当たりなら半分の0.485A程度のICを流してhFEを計測すべきだろう。

hFEテスターのIBをもっと多く流せるようにしてパワートランジスタ計測用に改造しても良いが、パワートランジスタのhFE計測は滅多にやらないのでやる気が出ない。

まあ兎に角、四つのパワートランジスタのhFEを計測したら、一つのMJ15022(NPN)が値が0だったので壊れている可能性があると判断して新品に交換した。

と言う訳で、次は「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」の製作に取り掛かる。

ちなみにタカチシャーシ(ヒートシンク一体型のHYシリーズ)の裏面写真を以下に示す。

写真 タカチシャーシ(ヒートシンク一体型のHYシリーズ)の裏面

上写真のアルミ底板の左隅部分に鉄工ドリルでΦ8くらいの穴を開けている。

その穴からプラス皿ネジが見えるのが分かるだろう。

タカチHYシリーズケースは、このプラス皿ネジでヒートシンク側板をフロントパネルあるいはリアパネルと固定する構造だが、この部分に穴を開けることで底板あるいは天板を外さなくてもヒートシンクを取り外すことが出来るのだ。

これは案外便利で、特に底板には重いトランスや電解コンデンサなどを固定しているので底板を外すなんてのは不可能に近い。

でもヒートシンクを外してパワートランジスタとか基板にアクセスしたい場合もある。

そう言うときにこの穴が役立つのだ。なのでワテの場合は天板と底板の四隅に合計8個の穴を開けている。

DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)を半田付けする

右のDAISEN製ユニバーサル基板にワテが二十年前に手配線して作ったのがDC検出&スピーカー保護回路基板だ。

下写真左がPCBWay製の「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」だ。XHの7ピンコネクタ改良版だ。間違えて発注したXHの6ピンコネクタ版は勿体無いが今回は使わない。

写真 PCBWay製「DC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)」とワテ自作基板

下写真のように二十年前のワテはスズメッキ線を使って几帳面に配線している。

写真 ワテが二十年前にはんだ付けした「DC検出&スピーカー保護回路基板」

下写真のように全ての部品を取り外した。

写真 電動ポンプ式のハンダ吸取り器が有れば部品の取り外しは楽ちんだ

パワーアンプ基板とDC検出&スピーカー保護回路基板(XH7)をヒートシンクに固定

ヒートシンクにパワーアンプ基板と保護回路基板を固定する。ヒートシンクが倒れないようにするためにクランプを使って安定性を増している。

写真 ヒートシンクにパワーアンプ基板と保護回路基板を固定する

上写真のように金具に基板スペーサーを取り付けた。

その基板スペーサーを利用して下写真のように基板を固定した。

写真 ヒートシンクに固定したパワーアンプ基板と保護回路基板(XH7コネクタ版)

上写真右の保護回路基板は、本来は左右ステレオ用なので、DC検出回路は左右2ch分ある。

緑の電解コンデンサが二個付いている部分だ。

今回はモノラル構成なので、上写真のようにDC検出回路は1ch分しか部品を実装していない。

まとめ

ワレコ
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ワテの場合、自作してしばらく使っていたけれど、その後、故障するなどして放置している機器も多い。

故障したものを放置したままと言うのは最も悪い状態だと思う。

必要なら直して使う。不要なら処分する(ヤフオク、廃棄など)。

放置は最も悪い選択だ。

という訳でワテの場合は最近では身の回りの物を整理整頓している。

不用品は粗大ゴミにバンバン捨てることで、部屋のスペースは広々と回復するし、気分的にもスッキリする。

そうすると古い不用品に気を使う必要が無くなるので、何か新しい事を始めたくなる切っ掛けにもなるのだ。

当記事ではワテが約二十年前に自作して放置したままになっていた金田式風A級30W(実際は25Wくらい)DCパワーアンプをレストアするプロジェクトの第五回目記事だ。

モノラル2台構成のA級15W DCパワーアンプとして復活させるプロジェクトは右チャンネルアンプがほぼ完成に近づいてきた。

残す作業はパワートランジスタ周りの配線、±20V大電流安定化電源と保護回路とのXH7コネクタでの接続作業などだ。

それと同時に左チャンネルも±50V安定化電源は完成しているので、±20V大電流安定化電源、パワーアンプ部、保護回路をサクサクと完成させたい。

これらのレストアで使う基板は全てPCBWayさんに発注した。

本文中でも紹介したようにPCBWayさんのサイトは完全日本語対応なので分かり易い。

かつ、追加発注や同梱発送の依頼もPCBWayの担当者さんにメールで依頼するなどしなくても、システム上で簡単に行うことが出来るのだ。

非常に使い易いシステムだと思う。

(続く)

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