猛暑日が続いていたのに台風が近づいてきたら急に涼しくなってきた。
まあ暑いよりも涼しい方が快適だなあ。
現在ワテは木工作業部屋のサイクロン集塵システムをリニューアルしている。
暑いけれど少し作業が進んだ。
前回記事はこちら⤵
では本題に入ろう。
今回行う作業
下図が木工作業部屋のサイクロン集塵システムの配管設計図です。
図 木工作業部屋のサイクロン集塵システムの配管設計図
前回の作業では、上図の作業台2に載せている卓上スライド丸ノコ、ボール盤、ベルトディスクサンダーの三台の機器をサイクロン集塵システムのボイド管に接続出来るように配管は済ませている(下写真)。
写真 塩ビボールバルブ50AをΦ100ボイド管に仮接続している(壁に固定前)
ただしこれは仮の配管であり接続部の接合や配管の壁固定はまだやっていない。
今回はその部分に取り付けたボールバルブを壁に強固に固定したのでその作業を紹介したい。
塩ビパイプ50とボールバルブ50Aを接続する
まず塩ビパイプ50とボールバルブ50Aを接続する。
写真 シリコンシーラントを塩ビパイプ50の端に薄く塗った
塩ビパイプと塩ビボールバルブなどの継手との接合は本来は下写真のような専用の接着剤で接合する。
しかしながら上写真のような専用接着剤は正確に言うと接着剤と言うよりも塩ビを溶かして接合する溶剤なので、一旦接着すると分解するのは破壊しない限り不可能に近い。
そこで塩ビはシリコーンシーラントを使って接着する事にした。
シリコーンシーラントは以前にこの記事でジェットウォッシャーのUSB充電ケーブルをマグネット充電ケーブル接続方式に改造した時に防水加工をするために購入したやつがある。
通常は上写真のようなシリコーンシーラントは一本全部を使い切るような使い方が一般的だ。少量を使って残りを何ヶ月も保管していると全部固まってしまうから。
ワテはそのシリコーンシーラントの残りをガラス瓶に入れて保管していた。三ヶ月後の先日開封してみたら、固まることもなくシリコーンシーラントとして使うことが出来た。
そのシリコーンシーラントを塩ビパイプ50の端に薄く塗布して、下写真のように塩ビボールバルブに差し込む。
写真 シリコーンシーラントを塩ビパイプ50の端に薄く塗布して塩ビボールバルブに差し込む前
上写真において、塩ビボールバルブの内壁や塩ビパイプは事前に消毒用エタノールで綺麗に清掃している。
下写真のようにシリコーンシーラントを薄く塗布した塩ビパイプを塩ビボールバルブにしっかりと差し込んだ。
写真 シリコーンシーラントを塩ビパイプ50の端に薄く塗布して塩ビボールバルブに差し込んだ
シリコーンシーラントで接着することで高い気密を実現出来ると同時に、将来何か必要が有れば塩ビパイプと塩ビボールバルブとの接合を外すことも可能だ。
数時間後にシリコーンシーラントが固まったのでボールバルブを壁に固定する。
ボールバルブを壁に固定する
下写真のような台座を端材を使って即席で自作した。
写真 ボールバルブ固定用の台座を壁に固定した
上写真の台座は12ミリ構造用合板端材、2×4端材と下写真のジョイントマットの端材を使っている。
一方、下写真のように65Aサイズの金属製サドルをホームセンターで買ってきた。
写真 65Aサイズの金属製サドルにクッション材を貼った
念のためにクッションテープを金属サドルバンドに貼り付けた。
そして下写真のように塩ビボールバルブ50Aを壁面に固定した。
写真 塩ビボールバルブ50Aを壁面に固定(バルブは開状態)
当初はサドルバンドは下側の一箇所で固定していたのだが、赤いレバーが若干硬めなのでレバー開閉時にボールバルブが若干ではあるがぐらつく。その結果、上下の配管もグラつく。
そこで上下二個のサドルバンドで固定することでボールバルブのぐらつきを無くして操作性を良くした。
その結果、赤いレバーを力一杯回しても上下の配管がグラつくこともなく、安定してレバー操作出来るようになった。
写真 塩ビボールバルブ50Aを壁面に固定(バルブは閉状態)
同様にして下写真のように二番目のボールバルブも壁に固定する。
写真 二番目のボールバルブ(ボール盤用)を壁に固定する為の台座
この台座の2×4端材の高さは最初の台座に比べて高さが高い。
その理由はΦ100ボイド管から下に出ている分岐部分の角度が1つ目と2つ目とで異なっているから。
つまりΦ100ボイド管にΦ65の穴を開けてそこにΦ75ボイド管をカットしてΦ65サイズにしたボイド管を挿し込んで木工用ボンドで接着した時に、角度が若干ずれてしまったのだ。まあいい。気にしない。といいつつ物凄く気になるワテである。
下写真のように二番目のボールバルブも壁に固定することが出来た。
写真 二個のボールバルブ50Aを壁面にサドルバンド65Aで強固に固定出来た
上写真のように右側ボールバルブは卓上スライド丸のこの集塵ポートに接続している。
一方、左側ボールバルブは3メートル洗濯ホースを接続している。これは部屋の掃除用だ。
ボール盤作業時の切り屑をこの洗濯ホースで吸引出来るように洗濯ホース固定冶具を作りたいと思っている。
今後の配管作業の予定
今回は作業しなかったが、Φ100ボイド管には3つのボールバルブを取り付ける予定だ。
左端に付ける予定の三番目のボールバルブはKyoceraベルトディスクサンダの集塵ポートに接続する予定だ。
さらに下写真のようにT字型の分岐継手を使って、今回作業したΦ100ボイド管を二分岐している。
写真 部屋の奥にある二本のΦ100ボイド管に接続する予定の配管
このように分岐して、作業部屋の奥にある二本のΦ100ボイド管をサイクロン集塵システムに接続する予定なのだ。
サイクロン集塵システムを構築する場合の注意事項
ワテが初めてサイクロン集塵システムを自作したのが数年前でその第1号機はこの記事で紹介している。
下写真にサイクロン集塵システム1号機を示す。
写真 ワテ自作のサイクロン集塵システム1号機(今回解体した)
それらの経験に基づいてこれからサイクロン集塵システムを構築する皆さんにアドバイスをしたい。
まず、サイクロン集塵システムを作る場合には、集塵能力の高い掃除機・集塵機を使う事に注意を払う人は多い。
その事は間違いでは無いのだが、ブラストゲート(配管の途中に入れるシャッター機構)に関しては注意を払う人は多く無いように思う。
つまり、ネット検索してみると多くの人は下写真のような市販のブラストゲートを使っている例が多い。
これらのブラストゲートはABS樹脂製で、一個あたり千円前後で買える。
作業部屋に長い配管を張り巡らせるとブラストゲートも数多く使う。ワテの場合は狭い部屋だがそれでも合計7~8個くらいのブラストゲートを使っていた。
そうなると、費用を抑えるためになるべく安いブラストゲートを使おうと言う発想になるのは仕方が無いし、ワテもそう言う発想で一個数百円で買えるシャッタースライド式のブラストゲートを買ったのだ。
ところが安いブラストゲートは隙間から空気が漏れるのだ。そんなブラストゲートを7個も8個も使うと集塵機の本来の吸引力が半分以下くらいに落ちてしまうのだ(ワテの体感で)。
まあ半分ならまだ良いが、30%くらいに落ちてしまうと粉塵をまともに吸引出来ない。
つまり、サイクロン集塵システムは集塵機の能力だけ高くても意味がなくて、ブラストゲートや配管の継手などからの空気漏れをほぼゼロにすることも同じくらいに重要なのだ。
その事に気づいていない人が多いように思う。
と言うワテも気づいていなかったのだ。
なので下写真の京セラ(旧リョービ)の集塵機なら吸込仕事率が280Wと高いのでこれを使えば高性能な集塵システムを自作出来ると思って購入したのだ。
この選択は間違っていなかったが、ブラストゲートの重要性を分かっていなかったので安いブラストゲートを買ってしまった。
その結果、空気漏れがあるので集塵機がいくら高い能力があっても、配管にブラストゲートを追加して行くに連れて全然吸わんぞ!と言う失敗に終わったのだ。
ワテお勧めは水道用ボールバルブ
シャッター板スライド式の安いブラストゲートに代わるゲート機構を必死でネット検索したのだが、なかなか良いものが見つからない。
下図のようなゲート機構を自作する案も検討したが、一個1000円以下程度の予算で気密の高い完璧なものが作れるかどうかは分からないし。
ワテ考案の密閉性の高いブラストゲート案1 | 塩ビ継手90°大曲がりYを使うブラストゲート案2 |
そんな中で値段的にもまあまあ安くて、密閉性に関しては完璧な性能と言っても良いのが水道用の塩ビボールバルブだ。
ワテの場合は50Aサイズのボールバルブを採用することにした。
50Aサイズのボールバルブはボール部分の穴径は実測で45mmくらい、差し込み部分は呼び径50のVU管が挿し込めるので直径約60mmある。
50Aサイズのボールバルブは2000円~1万円くらいの価格だ。ワテはホームセンターで一個3000円弱で六個買って来た。かなりの出費だが、使い物にならない安いブラストゲートに数千円の出費をするなら、ボールバルブを買うほうが良いとワテは思う。
なお、一回りサイズの小さい40Aのボールバルブならもう少し値段も安くなるが、穴径が小さくなるので吸引性能も落ちるから不採用とした。
注意事項としては、ボールバルブはメーカーや構造によって開閉レバーの操作が物凄く固いものがあるので要注意だ。
実際、ワテも数カ所のホームセンターでボールバルブを手にとって実際にレバー操作をやってみたが、片手で簡単にスムーズに開閉出来る製品もあれば、両手で力一杯回してようやく開閉出来る製品もある。
というわけでボールバルブを買うなら通販で買うよりも店頭で実物を操作してみて使いやすい製品を選ぶのが良いだろう。
まとめ
着々と木工作業部屋のサイクロン集塵システムをリニューアルしている。
涼しい秋になったら木工DIYで色々作品を作りたい。
当記事は現在ワテが作業中の「サイクロン集塵システムリニューアルプロジェクト」の第二回目だ。
木工作業におけるサイクロン集塵システムは高い吸引力を発揮出来てこそ意味がある。
吸引仕事率の高い集塵機を使っても、配管の継ぎ手部分やブラストゲートの隙間などから空気漏れがあると、そのサイクロン集塵システムの吸引力は途端に低下する。
今回のリニューアルプロジェクトでは、第一号機のそう言う失敗の経験を踏まえて、完璧な気密性を実現出来る水道用ボールバルブを採用したのだ。
一個三千円弱のボールバルブを数個買うと2万円前後の出費になるので、集塵機の値段よりも高くなる可能性すらある。
でもワテのこの決断は間違っていないと思う。
サイクロン集塵システムは集塵機だけでなく配管やゲート機構を含めてトータルのシステムとして高い吸引能力を実現出来てこそ意味が有るからだ。
皆さんにも水道用ボールバルブをお勧めしたい。
(続く)
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