ワレコ
バッテリー式のインパクトドリルドライバーをAC100Vケーブル駆動に改造するシリーズ記事の後半だ。
下の前回記事では、ワテが十年以上前に買ったニッカド電池式のDeWalt製18Vインパクトドリルドライバーをサーバー電源12Vで駆動出来るように改造した過程を紹介した。
当記事では、サーバー電源ユニットや6メートルケーブルなどをコンパクトに収納出来る木製ラックを自作したので、その詳細を紹介したい。
まあ百パーセントワテの備忘録なのでそんなのに興味ある人は世界中に五人くらいだろう。
その内の一人があなただ!
では、本題に入ろう。
完成した木製収納ラック
サーバー電源ラック兼コードリール巻き取り機構の写真を以下に示す。
写真 サーバー電源ラック兼コードリール巻き取り機構
持ち手付きにしたので、自由に移動可能だ。
針葉樹合板の端材を木工用ボンドで貼り合わせて、設計図を描かずにその時の気分で作ったらこんな構造になった。
塗装はカンペハピオの水性着色ニスシリーズの「新けやき」を塗った。100ML入りで丁度全部使い切った。
こんなに明るい色だとは思っていなかったが、まあ確かに欅(けやき)の赤茶色の雰囲気は出ている。
現状では下写真のように12V65A出力のサーバー電源を二台収納しているが、最大で四台収納可能だ。
写真 最大四台の12Vサーバー電源を搭載可能なので、12V、24V、36V、48V出力(各65A)可能
上写真では、二台のサーバー電源のうち、一台にのみAC100Vケーブルを挿している。
その理由は単にL型のケーブルが一本しか手持ちに無かったので。
近いうちに近所のハードオフ辺りのジャンク品コーナーでL型の電源コードを100円で買ってくる予定だ。
下写真のように、6メートルの4芯キャプタイヤ 1.25SQ x 4ケーブルを巻き取れるリール構造を採用した。巻き取ると言っても手で巻く必要があるのだが。
写真 四極スピコン、十極端子台など採用している
一方、AC100Vケーブルは上部に載せられる。
コードリール巻き取り機構は、下写真のような市販品を意識して作成したのだ。
下写真のように端子台を採用したので、沢山の電線をスッキリと配線出来た。
写真 端子台を使うと沢山のケーブルをスッキリと整理して配線出来る
なお、端子台は新品で買うと結構高いけれども(千円前後)、ジャンク品なら百円くらいで売っているのでお勧めだ。
下写真に、DeWaltの18V充電式電動インパクトドリルドライバーをケーブル駆動している様子を示す。
写真 6メートルの4芯キャプタイヤ 1.25SQ x 4ケーブルの先端に四極スピコンを付けている
ノイトリックのNL4MPスピコン(speakON)は本来はスピーカー用ケーブルコネクターだ。
それを電動工具のケーブル化に利用した例は、恐らく世界初だろう。
ギネスブックに申請予定だ。
下写真では、ドリルが回転している様子を撮影したものだが、回転している様子は分かり辛い。
でも確実に回転している。
写真 18V電動ドリルドライバーを12Vサーバー電源駆動しているが実用性は十分ある
現状では、18V電動ドリルドライバーを12Vサーバー電源で駆動しているので、100%フル回転では無いが、ドリルでの穴開けとかドライバーでのネジ締めなど、全く問題無く使えている。
もしパワーが必要なら、サーバー電源を二台直列接続した24V駆動にも簡単に改造出来るのだ。つまりスピコンの半田付け部分を変更するだけで良い。
前回記事で紹介したように6メートルケーブルは10A程度の電流が流れると2Vほどの電圧降下が発生した(実測)。
なので、24V駆動の場合には実質22Vで18V電動ドリルドライバーを回す事になるので、18V電池をフル充電した直後に匹敵するマックスパワーで使用できるはずだ。
と言う訳で、いい感じにコンパクトに収納出来るラックが完成した。
写真 持ち運びやすい持ち手付きの汎用12-24-36-48V電源(最大電流65A)
持ち手付きサーバー電源ラック兼ケーブルリールの製作過程紹介
もし類似の作品を製作したいと言う読者さんの為に、その製作過程を紹介しよう。
まあ、そんな物好きな人は滅多に居ないと思うが。
写真 コードリール部分にはΦ150ボイド管端材を利用した(紙なので木工用ボンドで貼れる)
上写真のようにコードリール部分にはΦ150ボイド管端材を利用した。その脇にはコードが通る斜めの穴を開けている。
このボイド管端材は、下記事で自作の半田付け排煙システムを作成した時に出たものだ。
わずか数センチのボイド管端材ですら捨てずに溜め込んでいた。
何となく近いうちに何かの役に立つと言う勘が有ったのだが、まさにその勘が当たったのだ。
上写真でも分るように、12ミリ厚の針葉樹合板の端材を木工用ボンドで組み合わせて作成したので、至る所で継ぎはぎだらけなのだ。
下写真はコードリール巻き取り部分の正面になる板だ。
上写真のようにクランプで固定して木工用ボンドがくっ付くまで待つ。
数時間後に木工用ボンドが固まったので、下写真のようにジグソーで円形にカットした。そして上部に持ち手を接着しているのだ。
その後で、下写真のように表面をマキタ仕上げサンダで240番で研磨した。
と言う訳で、設計図も書かずに行き当たりばったりで思い付くままに製作したのだが、下写真のような複雑な構造になった。
あとは、カンペハピオの水性着色ニスを塗った。
新ケヤキと言う明るい色なのだが、実際に塗ってみると確かにケヤキの木っぽい赤茶色だ。
塗装前に仕上げサンダである程度は研摩したのだが、入り組んだ構造なので磨けていない部分も多い。かつ、針葉樹合板の端材を木工用ボンドで接合して組み上げているので、木工用ボンドが板の表面に薄い膜を作っている場所も多い。
その結果、塗装にむらが生じている。
写真 正面の円盤の上部にはケーブル末端を引っ掛けられる溝を掘った
正面の円盤上部にはケーブル末端を引っ掛けられる溝を掘ったのだが、中々良いアイデアだと思う。
まとめ
ワレコ
斬新な作品が完成したと思っている。
YouTube動画などでは充電式電動工具をAC100V駆動に改造する類似の解説動画も多いが、ワテの作品ほど汎用性があるものは見た事が無い。
ワテ作品の場合には、以下の特徴がある。
- 四極スピコン採用で、12V、24V、36Vの三種類の直流電圧を電動工具に供給できる
- 必要に応じて接続工具側で電圧を選択出来る(スピコン半田付け箇所変更すれば良い)
- サーバー電源(最大四台)と6メートルコードを収納出来る木製ラックで自由に持ち運べる
などか。
まさに世界初のアイデア満載の画期的な作品なのだ。
やはりギネスブックに申請すべきだろうか!?
ちなみに掛かった費用は概算で以下の通り。
項目 | 単価 | 数量 | 小計 |
サーバー電源2台セット | 2,000円 | 1 | 2,000円 |
4芯キャプタイヤケーブル(1.25SQ x 4) | 250円/メートル | 6 | 1,500円 |
針葉樹合板端材 | 50円 | 1 | 50円 |
カンペハピオ 水性着色ニス 新けやき 100ML | 100円(セール品) | 1 | 100円 |
端子台 | 400円 | 1 | 400円 |
ACケーブル | 100円 | 2 | 200円 |
合計 | 4,250円 |
まあ、新品のニッカドバッテリーを買えば四千円くらいするので、ケーブル式への改造費が4,250円なら良しとしよう。
(完)
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