今年も、もう三月半ばだ。
最近気分が停滞気味のワテです。
暖かくなってきたので徐々に気分が上向いてきた。
さて、ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版の第二号機製作プロジェクトであるが、完成が近づいてきた。
前回記事で紹介したプリント基板を使ってシャーシのパネルを作る案であるが、PCBWayさんに発注していたプリント基板が到着した。
当記事ではそのプリント基板を使ったシャーシパネルを用いて、いい感じのアンプ用のシャーシを製作することが出来たので、その製作過程を紹介したい。
では、本題に入ろう。
プリント基板をシャーシパネルにするアイデア
PCBWay社のプリント基板が到着
下写真がPCBWayさんから到着した小箱だ。
PCBWayさんのサイトに基板製造に必要なガーバーデータをアップロードして、約一週間で自宅に到着した。
写真 PCBWayさんからFedexで届いた小箱
下写真のように数種類の基板が真空パックされて梱包されている。真空パックされているので輸送中の振動でも基板が互いに擦れないから傷が付かないので安心だ。
写真 今回PCBWayさんに発注した数種類のプリント基板
上写真の黒色基板がシャーシパネルに使うプリント基板だ。一方、黄色レジストの基板は今回の記事には無関係な基板だが、追加で必要になったのでシャーシパネルを発注したあとで追加発注した。
PCBWayさんの発注システムはよく出来ていて、発注して製造開始している基板がある時に、別のガーバーデータをアップロードして基板を追加発注した場合には、必要ならその発注を一つ目の発注の基板と同梱発送して貰える。
今回も同梱発送を選んだのでFedexの送料を節約することが出来た。具体的にはFedexの送料は重量や大きさにもよるが、今回のような数種類の基板を各10枚程度の発注なら、約25ドル程度の送料になる。
もし同梱発送でない場合には約25ドルの送料が2倍掛かるが、一回で済んだのでその分を節約出来たのだ。
下写真が「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」を収納するシャーシのパネルに使うプリント基板だ。
写真 「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」のシャーシパネルに使うプリント基板
前回記事でも説明したが、プリント基板のサイズが100mm x 100mm 以内なら10枚の製造費用が5ドルなので、上写真のようにフロントパネルもリアパネルも二分割で製作した。
もちろん多少製造費用が上がるが横長の一枚板で設計して発注しても良い。
アンプシャーシ用のパネルの紹介
下写真がフロントパネル用のプリント基板だ。
写真 「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」シャーシ用のフロントパネル基板
上写真で、POWERとBASS BOOSTにはトグルスイッチを取り付ける。PHONESの場所にはヘッドホンジャックを付ける。ボリューム取付箇所には回転防止の縦のスリットも開けた。
プリント基板は高性能なCNCマシンで行われているので、円形だけでなく好きな形状に加工して貰える。ただし、あまり狭いスリット状の加工は出来ない。
どんな加工が可能かは、以下に示す「PCBWay 基板製造基準」を見れば良い。
スリット状の加工に関しては、その中に「Slot width」と言う項目があり、
Non-plated slot ≥0.8mm
と説明されているので、最小スロット幅は0.5mmだと思う。
それよりも狭いスロット、つまり細いスリット状の加工はデザインルールエラーとなるので、もしそう言うデータを含んだガーバーファイルをアップロードするとPCBWayさんからエラー報告が来るはずだ。
その場合にはエラー内容を見て、その部分を修正して修正版ガーバーデータを再アップロードすれば良い。
四隅にはM3.2のネジ穴を開けている。
両面スルーホール基板なので表も裏もベタアースにしてみた。その結果、どれくらいの電磁シールド効果が期待出来るのかは不明だが。
下写真がリアパネル。
写真 「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」シャーシ用のリアパネル基板
上写真のリアパネルは、左側がINPUT用のRCA赤白ジャックを取り付ける。下段にはジョンソンターミナルタイプのスピーカー端子を四つ取り付ける。
右側基板はヒューズソケット、ACインレット、ACアウトレット(UNSWITCHED)を取り付ける。
基板パネルにパーツを取り付けた
下写真が、それらのパーツを取り付けたパネルを示す。
写真 フロントパネル基板、リアパネル基板にパーツを取り付けた
どう!
なかなかいい感じじゃあ、あーりませんか!?
黒色レジスト基板に白色シルクで文字を描いている。
写真 フロントパネル基板、リアパネル基板にパーツを取り付けた(裏面)
基板厚は1.6mmだが、上写真右の差し込み式ACメガネインレットは最大取付板厚は1.2mmだ。それを無理やり固定しようとしていたら、二個ある爪の一方を折ってしまった。あかんがな。
まさに「短気は損気」。ワテの場合、物凄く気が短い。
そう言う場合には、逆に冷静になってじっくりと問題解決を図るのが良い。
と言う事で、手持ちには何個かACメガネインレットを持っていたので、新品に交換すると同時に爪の先端を2ミリほどカッターで削って板厚1.6mmに取り付けられるようにして無事にリカバリー出来た。
ちゃんと冷静にやれば出来るやん。
木製シャーシをトリマー加工して穴を開ける
フロントパネルとリアパネルが期待以上にいい感じに完成したので気分爽快だ。
それらを前回記事で紹介した木製シャーシに取り付ける為に、木工DIYを行った。
まず下写真のように部品の場所に印を付けた。
写真 リアパネルに取り付ける部品の位置に鉛筆でマーキングした
下写真のように穴あけ加工したい場所にまずはドリルで穴を開けた。
写真 木工用ドリルで穴あけ加工を行った
大量の切屑が出る。このあとでワテ自作のサイクロン集塵システムで掃除した。
ワテお勧めのドリル刃は下写真のSTAR-Mの竹用ドリルだ。
この竹用ドリルは竹専用と勘違いしがちだが、そうではなくて竹にも綺麗な穴あけ加工が出来るくらい切れ味が良いので木工にも最適なドリルと言う意味だ。
次は、下写真のようにワテ自作のトリマーテーブルにストレートビットを取り付けて、フリーハンドで鉛筆線に沿って加工した。
写真 自作トリマーテーブルに付けたストレートビットでフリーハンドで穴あけ加工完了
フリーハンドではあるが、綺麗に加工することが出来た。
なお、これくらいのトリマー加工でも、大量の切屑が飛び散る。上写真に写っている切屑の十倍くらいの切屑が周囲に飛び散ったのでサイクロン集塵システムで掃除した。
このトリマーテーブルはなかなか使い易いが、今後の予定としてはサイクロン集塵システムで吸引しながら加工出来るように改良を行う予定だ。
写真 ワテ自作のトリマーテーブル
なお、上写真のトリマーテーブルで開口部が正方形では無くて長方形にした理由は、トリマー専用テーブルとして使うなら正方形で良かったのだが、ジグソーテーブルも兼用するために長方形にしたのだ。
今後、ジグソーもこのテーブルに上下逆向きに取り付けてジグソーテーブルとして使えるようにしたい。
プリント基板パネル採用のアンプシャーシ完成
木製シャーシの穴あけ加工が完了したので、パネルを取り付ける。
まずは下写真のように各部品をしっかりと固定する。
写真 薄型スパナやナットドライバーは電子工作には必須
上写真では前後共に12mmサイズの六角ナットのRCAジャックを固定している様子を示す。
ワテお勧めのこのRCAジャックはトモカの製品だ。
トモカの赤色RCAジャックは樹脂部が全部赤色なので分かり易いのだ。他社製の赤色RCAジャックの場合には金属リング部は赤色だが、樹脂部が白いものが多いので真後ろから見ると白色RCAジャックと区別出来ない欠点がある。
と言う事で下写真のようにプリント基板採用のシャーシパネルをM3タッピングネジで固定した。
写真 プリント基板採用のシャーシパネルをタッピングネジ固定(フロントパネル)
下写真はリアパネル。
写真 プリント基板採用のシャーシパネルをタッピングネジ固定(リアパネル)
どう!
いい感じでしょ!
市販のタカチのシャーシを買えば穴あけ加工は自分で出来るが、文字入れをレタリングでやってもここまで完成度の高い文字入りパネルを作ることは困難だろう。
オーディオ機器は見た目が重要だ。
なお、上写真で「AC100V」と「UNSWITCHED」の文字が入れ替わっている間違いをしてしまった。まあいい。ワテしか使わないので、細かいことは気にしない。
シャーシの裏側にゴム足を貼り付けた。
写真 アルミ複合板(A4サイズ=297x210x3t)の底板にゴム足を貼り付けた
下写真のようにアルミ複合板にエゾマツ無垢材を組み合わせて自作したシャーシにプリント基板式パネルを取り付けて、完成度の良いシャーシを自作することが出来た。
写真 アルミ複合板とエゾマツ無垢材(内側にMDF貼り付け)で自作したアンプ用ケース
下写真のようにスイッチング電源とアンプ基板を配置する予定だ。
写真 スイッチング電源とアンプ基板を配置
本当なら配線まで済ませた写真を掲載したかったのだが、最近は気分が乗らなかったのでそこまでは進んでいない。
写真 ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版の第二号機製作途中(フロント)
この時点ではサイドウッドに採用したエゾマツ無垢材は無塗装であったが、このあとで表面にクルミオイルを塗り込んだ。
写真 ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版の第二号機製作途中(リア)
クルミオイル塗ったシャーシの写真は次回記事でお見せしたい。
なお、エゾマツ無垢材にはクルミオイルがあまり染み込まなかったので、見た目は殆ど変わっていない。
杉材ならクルミオイルを塗ると杉材の色が濃くなりオイルフィニッシュの良さが出るのだが、エゾマツ無垢材はオイルフィニッシュには向いていないようだ。
まとめ
自称DIY業界のDr.スランプのワテであるが、
千里の道も一歩から
と言う事で、少しずつではあるが完成に向かっている。
当記事ではPCBWayさんに発注していたシャーシパネル用のプリント基板が到着したので、前回記事で紹介した自作木製シャーシに取り付ける作業過程を紹介した。
本文中でも説明したように、オーディオ機器は見た目でほぼ決まると言っても良いだろう。
オーディオ&無線自作系YouTuberの宮甚商店さんもワテと同じ意見だ。
ブラインドテストでアンプの違いを聴き分けられるなんて言う人は殆どいない。
高級オーディオシステムで聴けば気分が高揚するから良い音に聞こえる。
アンプの違いよりも、スピーカーの違いや設置環境の違いによる音の変化は分かり易い。
と言う事で、オーディオは各人が好きなようにやれば良いのだ。
マルチアンプシステムに凝り過ぎて泥沼に嵌まるのも、それもオーディオ趣味の醍醐味というやつだろう。
極太電源ケーブルを否定するつもりも無いし、仮想アースとやらを否定するつもりも無い。
そう言う製品を使えば良い音が出るはずだと言う気持ちが重要なのだ。
ワテが「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版」を作るのは二回目だ。
一回目に作ったのが数年前で、その時にも専用基板を設計した。
その専用基板はワテがKiCadを覚えて初めて設計した基板なのだが、凝り過ぎて使いづらい基板になってしまった。
具体的にはシルク文字が多すぎたのと、基板の表裏になるべく同一パターンを配置して多数のVIAで連結して電流容量を増やしたのだが、その結果、多数のVIAが開いているので見た目がユニバーサル基板のように多数のスルーホール穴が開いているのだ。なので、パーツを差し込んで半田付けする時に、どの穴に差し込めば良いのか迷ってしまう。
その専用基板を使ったアンプ自体は無事に完成して、現在のワテのPCオーディオの中心的アンプとして日常的に活用している。
ノイズも皆無でナチュラルサウンドなので、PCオーディオには最適だと思う。
今回、第二作目を作るに当たり、新規に専用基板を設計し直した。前回の第一作目の基板を大幅に簡素化して、見た目もシンプルでパーツの取付や半田付けがやり易い基板にしたのだ。
残す作業は配線作業のみなので、時間がある時にサクサクと作業を進めたい。
この第二号機はワテのベッドサイド(正確には布団サイド)で寝転んで音楽やYouTubeなどを視聴する時に活用したいと考えている。
(続く)
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