写真 ぺるけ式TRミニワッターPart5(19V版)で2代目広沢虎造を聴く浪曲女子。江戸っ子だってなぁ、神田の生まれよ
現在作成中の「ぺるけ式TRミニワッターPart5(19V版)」であるが、残す作業は以下の通り。
- ヘッドホンジャックの左右信号の配線間違いの修正
- Bass Boost切り替えスイッチの取り付け
- 電源表示の緑LEDの取り付け
- 天板の取り付け
今回は、このうちの最初の二つの作業を行った。
前回の記事はこちら↴
では、本題に入ろう。
ヘッドホンジャックの左右信号の配線間違いの修正
ワテの場合、ロータリースイッチとかトグルスイッチとか、どんなに複雑なものでも配線作業は滅多に間違わない。
間違わないコツとしては、事前にノートに実体配線図を手書きして、配線経路を確認すると同時にその意味を正しく理解しておけば良いのだ。
今回のヘッドホンジャックの配線に関しても、ノートに実体配線図を手書きして、ぺるけさんの設計の意味を理解した上で配線作業を開始したのだが、間違えてしまった。
下写真は正常な配線。
写真 ヘッドホンジャック周りの実体配線図
ワテの間違いは、上写真において、二本の赤配線(2、3)と二本の青配線(6、7)が入れ替わっていたのだ。
その結果、ヘッドホンの左右の音が入れ替わっている。スピーカーから出る音は正常だ。
ちなみに、滅多に配線を間違えないワテが配線を間違えた理由は、ノートの手書き文字が汚くて、自分で書いた文字を読み間違えたのだ。
アホやがなw
マル信無線電機製ヘッドホンジャック(MJ-188-C)の仕様
3極パネルマウント型の1/4インチフォン用ステレオジャックφ6.3/3極の大型単頭ジャック
さて、配線の修正作業は写真には撮っていないが、簡単に終わった。
こういう場合、間違えている配線(2、3、6、7)を全部外してしまうと余計に混乱の元だ。
なので、まずは2、6を外して入れ替えて半田付け。
次に3、7を外して入れ替えて半田付け。
そんな風にすれば間違う可能性を減らす事が出来る。
慎重派のワテだ。
Bass Boost切り替えスイッチの取り付け
さて、次はBass Boost切り替えスイッチの取り付け作業だ。
Bass Boost切り替えスイッチはアンプ回路(下図)の負帰還回路の部分に入っている。
引用元 http://www.op316.com/tubes/mw/mw-19v-p5.htm
このぺるけ式TRミニワッターPart5(19V版)を製作するに当たり、以前、LTspiceで回路をシミュレーションしてみた。
LTspiceでBass Boost回路をシミュレーションしてみた
その時の回路図を用いて、Bass BoostがOFFとONの場合の周波数特定をシミュレーションしてみた。
Bass BoostがOFF(上)とON(下)のシミュレーション結果を下図に示す。
図 LTspiceでシミュレーションしたBass Boost回路(上:オフ、下:オン)
実線がゲインで、破線が位相だ。
シミュレーション結果を見る限り、Bass Boostを有効化すると、100ヘルツ以下くらいの低域が数デシベルくらい増強されるようだ。
なお、LTspiceシミュレーションをするに当たり、ぺるけさんの設計の回路図にある東芝のトランジスタとかFETのSPICEモデルを準備する必要がある。それらのSPICEモデルはワテがネットで見付けた怪しいやつを使っているので、上のシミュレーション結果は100パーセント正しいかどうかは疑問があるが。
まあ大体の傾向としてこんな感じになると言う程度の理解で良いだろう。
MDFボードを使って自作したシャーシは加工が容易
さて、Bass Boostスイッチをフロントパネルのどこに取り付けるか検討した。
左端に付ける案も検討したのだが、左端には電源表示の緑LED取り付け用の小穴(Φ2)を開けているので、その上にBass Boostスイッチを付けると、電源スイッチに見えてしまう。
パネル中央にトグルスイッチを付けると言うデザインはワテは好きになれない。
と言う事で、パネル右側のヘッドホンジャックの隣に取り付ける事にした。
具体的には、下写真の位置に取り付ける事にした。
写真 Bass Boostスイッチの取り付け位置にΦ6の穴開け加工
シャーシはMDFボードで製作したので、加工しやすい。
なので、アンプがほぼ完成しているけれど、そのままの状態でフロントパネルに木工ドリル刃を使ってΦ6の穴開け加工をした。
ちなみに上写真でヘッドホンジャックの穴中心位置はパネル右端から30ミリ位置だ。そして、その左にトグルスイッチ取り付け穴を開けたのだが、その位置はヘッドホンジャックの穴中心位置から30ミリではなくて35ミリにした。
ワテが目で見て最もバランスが良くなる位置がそこだったのだ。
均等に30ミリ、30ミリの位置にパーツを取り付けるよりも、30、35と言うふうにバランスを崩す事で、逆にパネルデザインに安定感が生じるのだ。
ほんまかいなw
Bass Boostスイッチとアンプ基板の接続もコネクタ式にした
今回のアンプ製作では、メンテナンス性を向上させるために、全ての配線をコネクタ式にした。
最初からそう決めていた訳では無くて、作っている途中でそんな風に仕様を決めたのだ。
つまり、以下の部分にコネクタを採用した。
- 電源の19.5V赤、黒ケーブル(VHコネクタ8P)
- 入力XLR5キャノンコネクタ(ピンヘッダー2Pで自作)
- スピコンとの接続(VHコネクタ2P)
ところが、Bass Boostスイッチとアンプ基板の間の配線は、当初は電線を直接半田付けする予定であった。
その為に、アンプ基板のBass Boostスイッチへ接続する二個の電極パッドの間隔は、2.54ミリ幅ではなくて、適当な間隔にしていたので2.54ミリタイプのコネクタが挿し込めない。
あかんがな。
で、少し考えた結果、トグルスイッチ側にピンヘッダー2Pを取り付けてそちらをソケット式にする事にした。
まずは、L型1列ピンヘッダーを2Pで切り離して、かつ、L型ピンを引き抜いて下写真のように向きを変えて挿し込んだ。
写真 L型1列ピンヘッダーを2Pで切り離して、自前の特殊な2Pコネクタピンを作る
まあ上写真のような形状のコネクタピンは既製品でも売っているが、ワテは自宅に在庫を持っていないし、わざわざ買っても滅多に使う機会も無い。
なので、自作したのだ。
その自作2Pピンを2セット作成して、下写真のように2極双投のトグルスイッチに半田付けした。
写真 自作2Pコネクタピンを2セット作成して2極双投のトグルスイッチに半田付け
上写真ではちょっと分かり辛いかも知れないが、まあ要するに先ほど作成した2Pのコネクタピンをトグルスイッチの上電極、中央電極に半田付けしている。
トグルスイッチは2極なので、奥の端子(上ー中ー下)と手前の端子(上ー中ー下)の上と中の電極にそれぞれ自作2Pコネクタピンを半田付けしているのだ。
上写真では、トグルスイッチのレバーが上に倒れているので、トグルスイッチの中央電極は、下電極と導通している。つまり、自作2Pコネクタピン間はオープンになっている。
従って、この状態ではBass BoostがONになっている。
もし、トグルスイッチのレバーを下に倒すと中央電極と上電極がクローズするので、つまり、自作2Pコネクタピン間はショートする。
従って、その状態ではBass BoostがOFFになるのだ。
お分かりいただけただろうか?
2Pのソケットをケーブルに半田付けする
この2Pコネクタピンに挿し込める2Pソケット付きケーブルを自作した。
写真 自作2Pソケット付き赤白ケーブル(Bass Boostスイッチ右チャンネル用)
同様に青白ケーブルにも2Pソケットを半田付けしたものを作った。
なお、これらの赤白ケーブルや青白ケーブルはいつ買ったかも分からない古いケーブルを使ったので、導線(スズメッキか)が酸化しているようで、ハンダの乗りが悪かったw
まあいい。たっぷり半田を盛っておいたので、ちゃんと導通はしているはずだ。
あまり古いケーブルは廃棄して新品を買うべきだなw
で、フロントパネルにBass Boost切り替えトグルスイッチを取り付けて、自作2Pコネクタを接続した(下写真)。
写真 フロントパネルに取り付けたBass Boost切り替えトグルスイッチに自作2Pコネクタを挿す
まあこのスイッチは、要するに挿し込んだ2極コネクタ間をオープンまたはショートすれば良いので、コネクタを挿し込む向きはどうでも良い。
写真のように赤が上で白が下でも良いし、白が上で赤が下でも良いのだ。青白に関しても同じ。
と言う事で、汎用のL型1列ピンヘッダーを利用して、トグルスイッチ側にコネクタピンを配置すると言う斬新なアイデアで、無事にBass Boost機能が完成した。
ちなみに今回利用したトグルスイッチはワテが好きなNKK(日本開閉器工業)のM-2022E と言うフラットレバータイプだ。末尾のEが無いと丸軸、Eが付くとフラットレバーになる(豆知識)。
丸軸レバーに比べてフラットレバーは指先との接触面積が大きいので、ワテはその感触が好きなのだ。
まあ、そんな事は皆さんには全くどうでも良い事だがww
写真 Bass Boost切り替えスイッチへの配線(赤白ツイスト、青白ツイスト)が完了
で、無事にヘッドホンジャックの配線間違いの修正と、Bass Boost切り替えスイッチの取り付けが完了した。
やっぱり、ヘッドホンジャックとトグルスイッチの配置は下写真で示す位置がベストだろう。
完璧なバランスを保っていると言っても過言ではない。
写真 ヘッドホンジャックの左隣り35ミリ位置に配置したNKK M-2022Eスイッチ with 丸ナット
完璧なデザインは1ミリたりとも、その位置を変える事は出来ないのだ。ほんまかいなw
まあ上の写真において、トグルスイッチとヘッドホンジャックの間のシャーシの黒い部分の幅は実測で23ミリ、ヘッドホンジャックとシャーシ右端までの黒い部分も23ミリなので、それでバランスが良く見えているのだ。
ワテの目は正しかったのだw
なお、NKK(日本開閉器工業)のトグルスイッチM-2022E(フラットレバー)には、別売りの丸ナット(AT-501)を付けてみた。
標準だと味気ない六角ナットだが、この丸い飾りナットに変えるだけで高級感が増すのだ。
あとは、フロントパネル右下に開けている小穴Φ2ミリに電源表示の緑LEDを配線して、シャーシ上部カバーを取り付ければ完成だ。
まとめ
当記事では、ワテが自作中のぺるけ式TRミニワッターPart5(19V版)に関して、以下の二つの作業の過程を紹介した。
- ヘッドフォンジャックの左右配線の付け間違いを修正
- Bass Boost機能の切り替えトグルスイッチの取り付けと配線
これらの作業は、約一時間くらいで完了した。
後者のBass Boost機能の切り替えトグルスイッチの取り付けと配線に於いては、汎用のL型ピンヘッダーを使って自前の2Pコネクタを作成して、基板側では無くてトグルスイッチ側をソケット化すると言う、斬新な手法を紹介した。
まあ、この手の工作は、色々とアイディアを考え出す事も楽しいのだ。
ワテの場合、ヘンテコなアイディアなら幾らでも思い付く自信はある。
常識に囚われずに、常にユニークな発想を心掛けるのが良い。
あとはシャーシの天板と電源表示の緑LEDを取り付けて配線すれば完成だ。
完成したら、改めてDCバランスなど調整して、周波数特性なども計測して、そのあと、ワテのPCオーディオシステムに組み込む予定だ。
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