ワレコ
さっき東京オリンピック2020の開会式を見たぞ。
まあ、トラブルもなく無事に終わって安心した。
オリンピック開催反対派も多いので、何らかの反対勢力が妨害工作をするんじゃ無いか!?などと心配していたのだが杞憂に終わって良かった。
ワテの印象としては、まあ、色んな出し物が有って退屈する事もなく、楽しむ事が出来た。
無観客だけど満席に見える椅子のアイディアは今後世界に広まると思う。
特許取っているのか!?
まあ東京オリンピックは開会式までに色んな事件・トラブルが有ったが、始まった以上は応援したい。
さて、金田式プリアンプのレストアプロジェクトであるが、前回記事はこちら↴
前回記事から一ケ月近く経ってしまったが、PCBWayさんに製作依頼していたプリント基板とシャーシのパネル(フロント、リア)が到着した。
当記事では、PCBWayさんから届いたプリント基板やアルミパネルの紹介をしたい。
結論としては、プリント基板はいつも通り安定した品質で満足、今回初めて製作依頼したアルミパネル加工は自作DIYでは到底実現出来ない完成度の高さに感動した。
では、本題に入ろう。
PCBWay製のプリント基板の紹介
PCBWayさんにプリント基板を発注した場合、通常なら一週間程度で自宅に基板が配達される。
今回は、プリント基板が二種類と、アルミパネル加工の二種類、合計四項目を発注した(2021-06-23)。
PCBWayさんのサイトにログインすると、自分が発注した品物の製造状況を逐一確認する事が出来る。
二種類のプリント基板に関しては、いつも通りに発注後四日ほどで完成した。
一方、今回初めて発注したアルミパネル加工であるが、当初の予定では製作に10~12 日程度掛かるとの事で、完成予定が2021-07-04だったのだが、二週間ほど伸びてしまった。その理由は後述。
PCBWayさんから届いた小包を下写真に示す。
写真 2021/7/24に到着したPCBWayさんの小包(Fedex)
いつもならプリント基板だけなので、もう少し小ぶりのPCBWayさんの白っぽい箱に入っているのだが、今回は大き目のダンボール箱で来た。
早速その中身を開封した。
写真 十分な梱包材でしっかりと梱包されているPCBWayダンボール箱
中身を取り出した(下写真)。
写真 プリント基板(二種類)、アルミパネル(二種類)
まずはプリント基板を紹介しよう。
金田式プリアンプ用のPCBWay製両面スルーホール基板
下写真に±35V定電圧電源基板(左)とEQアンプ・FLATアンプ共通基板(右)を示す。
それぞれ十枚で発注したのだが、十一枚入っていた。
写真 ±35V定電圧電源基板(左)とEQアンプ・FLATアンプ共通基板(右)
プリント基板の仕様は以下の通り。
- レジスト:黄色
- シルク文字:白色
- 両面スルーホール基板
- サイズ:86x86x1.6厚
- パッド処理:有鉛ハンダメッキ
- 銅箔厚 35μm
などか。
金田式プリアンプで定番のサンハヤトの基板 AT-1Sっぽい色合いになるように黄色レジストを指定したのだ。
写真 EQアンプ・FLATアンプ共通基板(左)と±35V定電圧電源基板(右)(部品面)
どう?
中々いい感じで金田式風の基板の雰囲気が出ているじゃあ、あーりませんか!?
なお、上写真の基板表面にある「PCBWay」のロゴ風文字はワテが入れたものであり、PCBWayさんに基板を発注すると自動的にこのような文字が入る訳ではない。
PCBWayロゴを入れた理由は、PCBWayさんで作成した基板で有る事をメモしておくと言う単純な理由だ。
金田式プリアンプ完成予定3DCG
下図にKiCadの3DCG機能で製作したCG画像を示す。
EQアンプ・FLATアンプ共通基板 | ±35V定電圧電源基板 |
図 KiCadのCG製作機能で描画した完成予定図と基板レイアウト
上図のように、基板の部品配置を基板中点に対して点対称に配置した。
最近の金田式アンプの事情は知らないのだが、ワテがこの金田式プリアンプを作った当時に参考にした書籍「最新オーディオDCアンプ 金田明彦 誠文堂新光社」では、サンハヤトの基板を使ってこんな風に点対称に左右チャンネルの回路が配置されていた。
そこで、今回も専用基板を作るに当たり、左右チャンネルを点対称に配置してみたのだ。ただし、金田式のオリジナル基板の部品配置をソックリ真似した訳でなく、雰囲気だけを真似したのだ。
なので、トランジスタ、FET、抵抗、コンデンサなどの配置は金田式オリジナルとは全く異なっている。
下写真が基板の裏面(半田面)だ。
写真 EQアンプ・FLATアンプ共通基板(左)と±35V定電圧電源基板(右)の半田面
上写真において、主要な配線パターンは1.0ミリで描画している。
主要なパッドはドリル径が0.8ミリ、パッド径が1.6ミリだ。
ビア(VIA)はドリル径が0.4ミリ、ビア径が0.8ミリだ。
EQアンプ・FLATアンプ共通基板の拡大写真
PCBWayさんに両面スルーホール基板を発注するのは今回を含めて十数回目になる。
黄色レジスト基板の発注も三回目くらいになる。
下写真はEQアンプ・FLATアンプ共通基板の拡大写真だ。
主要な配線は裏面の半田面に描画したので、下写真の部品面には+35V、-35Vの電源ラインと二箇所のジャンパー配線しかない。
写真 EQアンプ・FLATアンプ共通基板の拡大写真(部品面)
上写真で、C105、22k、1500pなどのシルク文字は以下の文字サイズを指定している。
高さ 1.0mm
太さ 0.15mm
文字高さ1.0mmと言うとかなり小さな文字だが、上写真のように文字がかすれたりする事も無く、どの文字も指定通りの寸法で綺麗に描かれているのが分るだろう。
PCBWayさんへの基板発注は十数回目だが、シルク文字の仕上がりは毎回こんな風に安定しているので、何度発注しても安心感がある。
下写真はその裏面だ(半田面)。
写真 EQアンプ・FLATアンプ共通基板の拡大写真(半田面)
上写真のように、半田のランドはデフォルトの有鉛半田メッキで仕上がっている。
この有鉛ハンダメッキ処理されたパッドは光沢があり、半田付けをする際にもハンダの乗りが良くて気に入っている。
もちろん、無鉛ハンダメッキや金メッキ(追加料金)なども指定出来る。
±35V定電圧電源基板の拡大写真
下写真には、±35V定電圧電源基板の拡大写真を示す。
昔の金田式アンプで良く使われていたTO-66型のパワートランジスタ2SC1161と2SA566(ワテは2SA653を使う)を直接基板にM3ネジ止めと半田付け出来るように基板を設計した。
まあKiCadを使えばこんな感じのプリント基板は自由自在に設計出来るので、電子工作が物凄く楽しくなる。
写真 ±35V定電圧電源基板の拡大写真(部品面)
KiCadを学習するなら以下の書籍がお勧めだ。
表 ワテお勧めKiCad教科書(ワテは右端トランジスタ技術バックナンバーを取り寄せて勉強した)
上写真に示すように、こちらの±35V定電圧電源基板も非常に綺麗な仕上がりだ。
こんな綺麗な仕上がりの両面スルーホール基板が十枚で5ドルの製作費で発注出来るんだから、便利な時代になったもんだなあとしみじみと思う。
今回は二種類の基板を各十枚発注したので、基板の製作費は10ドル(5ドル+5ドル)。やっすいぞ!
下写真にその半田面を示す。
写真 ±35V定電圧電源基板の拡大写真(半田面)
上写真の中央部分の幅広の導体部分はGNDラインだ。部品面と半田面とで同じパターンを描いて、それらを多数のVIA(ビア穴)で連結して電流容量を増やしてみた。
それ以外の配線部分も、なるべく両面で同じ銅箔パターンにして同じくVIAで連結している。
まあ、今風の金田式アンプなら電線を七本撚りして基板に半田付けして電流容量を増やす手法が用いられているが、それを両面スルーホール基板を利用して真似したのだ。
と言う訳で、繰り返しになるがPCBWayさんの両面スルーホール基板は何度発注しても毎回安定した品質であり、かつ、いつも同じような雰囲気の仕上がりで出来上がるので、非常に満足度は高い。
皆さんにもお勧めしたい。
PCBWay製のアルミパネルの紹介
今回初めて金属加工をPCBWayさんに依頼してみた。
下写真にその完成品を示す。
写真 PCBWay製の黒アルマイト加工パネルにシルクスクリーン文字入り
このアルミパネルの仕様は以下の通り。
- サイズ:210x60x3厚
- 黒色アルマイト加工処理
- 文字:シルクスクリーン印刷(当初はレーザー刻印加工で依頼したが事情があって変更、後述)
- 製作費用: $ 37.00/枚
- 製作日数:10~12 日程度
黒色アルマイト加工処理を依頼したが、写真でも分るように光沢も控え目で落ち着いた感じの仕上がりだ。
下写真では、表面に白っぽい点が幾つかあるが、これは撮影時に木工DIYの大鋸粉が付着したもので、パネルに傷が有る訳では無い。
文字入れはシルクスクリーン印刷に変更
実は当初は文字入れはレーザー刻印加工で依頼したのだが、事情があってシルクスクリーン印刷に変更になった。
その事情とは何かというと、レーザー刻印加工ではラスター彫刻とベクター彫刻の二種類がある(今回知った)。
PCBWayさんにレーザー文字加工(Laser Engraving)を依頼する時には、以下のファイルフォーマットが利用出来る。
Supported files
pdf, svg, jpg, jpeg, png, dwg, dxf, slddrw, ai, eps
File size < 5 MB
引用元 https://www.pcbway.jp/rapid-prototyping/manufacture/
これを見る限り、svg, dwg, dxf, aiなどのベクター形式のデータだけでなく、jpg, jpeg, pngなどの画像(ラスター)形式も可能との事だ。
ワテの場合には、念のためにSVG(Scalable Vector Graphics、スケーラブル・ベクター・グラフィックス)と言うベクター形式でデータをアップロードしたのだ。
ところが、PCBWayさんではワテがアップロードしたSVGデータではレーザー文字加工が出来ないとの連絡が来た。ワテのSVGデータではPCBWayさんのレーザー加工機には読み込めなかったらしい。詳細は不明。
それで、pngやdxfなどの形式にデータを変換してメールで送付したのだが、それらのデータも上手く行かなかったのだ。PCBWayさんでは画像データではレーザー文字加工は出来ないのでベクター形式が必要との事だった。
ところがワテが送ったSVG形式データではなぜかレーザー文字加工が出来ないのだ。おかしい。
それで、ワテとしてはパネルに文字が入れば良いのでレーザー加工で無くてもシルクスクリーン印刷でもOKですよと伝えた。
その結果、出来上がったのが写真で紹介したこの黒色アルマイト加工のパネルなのだ。
と言う訳で、もし次回、類似のパネル加工をPCBWayさんに依頼する場合には、今回と同じくシルクスクリーン印刷で行こうかなと思っている。
それなら画像データでも問題無く行けると思うので。
なお、その後少し考えていて気になる事を思い出した。
つまりワテが用意したSVGデータであるが、それはアルミパネルの表面にFusion360で描いたスケッチ文字をSVGにエクスポート出力したものだ。それなら純粋なベクター形式のSVG形式だと思う。ただしそれは文字の輪郭のみのデータだ。
ワテは文字の内部も塗り潰したいので、そのSVGデータをInkscapeと言うフリーなツールを使って編集して、文字内部領域塗りつぶしたのだ。
そうすると、恐らくその時点でSVGデータはベクター形式とラスター形式が混在したものになった可能性がある。
それを出力したSVGファイルをPCBWayさんにアップロードしたので、それが今回の問題の原因かも知れない。
PCBWay製の黒色アルマイト加工パネル(シルクスクリーン印刷文字有り)
そのパネルの拡大写真を紹介しよう。
写真 金田式風のフォントで製作した黒アルマイト加工パネル(シルクスクリーン印刷)
まさに「金田式」と言う感じだ。
中々いい感じに仕上がっているでしょ!
こんな加工は個人のDIYではほぼ不可能だ。
もし自分でやるとなると、CNCルーターとレーザー彫刻機を買えば原理的には可能だが、使いこなすのは難しいだろう。
それに金属加工はCNCルーターで可能だとしても、アルマイト処理を自宅でやるのは困難だ。
なお、上写真を見ると、TUNERやAUXの文字の部分の濃淡が若干であるがムラがある。
その理由は不明だ。
もしかすると、最初からシルクスクリーン印刷で加工を依頼していれば、良かったのかも知れない。
今回は途中でレーザー文字入れ加工からシルクスクリーン印刷に変更になったようなので、通常とは違うイレギュラーな作業手順になり、そう言う事が文字の仕上がり品質に何か影響したのかも知れない。
まあ、上写真ではフラッシュで明るくして撮影しているから文字の濃淡が目立つが、普通に肉眼で見る限りはそんなには目立たないので満足できるレベルだ。
電源スイッチ、ヒューズホルダーなどをパネルに取り付ける
さっそく電源スイッチやヒューズホルダー、インレットなどをパネルに取り付けてみた。
写真 ヒューズホルダー、電源スイッチ、ACメガネインレット、ACアウトレットの各部品
上写真の四つのパーツを早速パネルに取り付けてみた(下写真)。
写真 ロッカースイッチ(電源スイッチ)をフロントパネルに嵌め込んだ!
上写真のように、スイッチを四角穴に押し込むと、ピッタリとはまって二箇所の爪が引っ掛かり、完璧に固定出来た。
この瞬間が気分爽快だ。自分でヤスリを使って四角穴の穴開け加工をやると、何度もサイズを調整して、スイッチが上手くはまるか調べる作業を繰り返す必要がある。ヤスリで出た金属粉末の掃除も面倒だし。
それが、PCBWayさんのパネルでは、一発でスイッチが嵌るのだ。感動的だ!
なお、金田式アンプではロッカースイッチはあまり使われないのかも知れない。確か日本開閉器工業NKKのトグルスイッチが良く使われるようだが。
まあ、今回は何となくロッカースイッチを使ってみた。
ワテの場合、純正金田式などには全くこだわりは無い。
あくまで金田式風あるいは金田式モドキで良いのだ。つまりまあ自作だから好きなように作ればいいだろと言う感じ。
その裏面を下写真に示す。
写真 フロントパネルに嵌め込んだロッカースイッチの端子
ちなみにこの電源スイッチは、
と言うやつだ。
次に、リアパネルに三つの部品を取り付けてみた。
写真 リアパネルに取り付けた三つの部品
こちらも、設計通りの寸法で仕上がっているので、三つの部品が完璧に収まっている。
いや~、素晴らしいぞ。
リアパネルに取り付けたパーツの仕様は以下の通り。
エコー電子 パネルマウント用ACアウトレット AC-1F
エコー電子 パネルマウント用メガネACインレット AC-M01SB02
従来なら自分で金属加工していたので、ボール盤で穴開けて、ハンドニブラで広げて、ヤスリで形を整えると言った素人DIY工作をしていたが、今回はCAD(Fusion360)で設計したSTEPデータをPCBWayさんのサイトにアップロードして、あとは全部PCBWayさんにお任せしたのだ。
この手の金属加工を自分でやるのも自作の楽しみと言う事も出来るが、しかしながら、アルミパネルを自分で加工しても完成度の高い物を作る事は難しい。
それにアルミ板厚3ミリとなると、普通のハンドニブラでは無理があるし。
上のハンドニブラだと、アルミ板で1.5ミリ以下だ。
特に文字入れ加工となると、インスタントレタリングを貼ったり、あるいは、透明シールに印字してアルミパネルに貼るなどの方法しかない。
それを今回は金属加工も文字入れもPCBWayさんに依頼したので、非常に完成度の高いパネルが完成したのだ。
その裏面を下写真に示す。
写真 アルミパネル(リア)に取り付けた三つの電子部品
なお、注意深い読者の方は気付いているかも知れないが、「UNSWITCHED」と「AC100V」の文字とそこに取り付けたコネクタがうっかりして入れ替わっていた。
本当なら「UNSWITCHED」の下にAC100V用の2Pソケット穴を開けて、「AC100V」の下には2Pメガネソケット穴を開けるべきだったのだ。
Fusion360で設計した時点で、ワテが間違えていたのだ。
失敗!
まあ、気にしない。
と言いつつ、物凄く気になるワテであるw
まとめ
ワレコ
PCBWayさんに製作依頼したプリント基板とアルマイト加工パネルはいい感じで完成した。
特に今回初めて依頼したパネル加工は大満足だ。
やっぱりこの手の金属加工や文字入れは、DIYで自分でやるのは限界がある。
そう言う点ではPCBWayさんのような専門業者さんに依頼するのがお勧めかなと思う。
当記事ではワテが現在レストア中の金田式プリアンプに使うプリント基板二種類とアルミパネル(フロント、リアの二種類)がPCBWayさんから到着したのでその詳細を紹介した。
費用は以下の通り。
EQ・FLATアンプ共通基板 | 10枚 | $ 5 |
±35V定電圧電源基板 | 10枚 | $ 5 |
フロントパネル | 1枚 | $ 37 |
リアパネル | 1枚 | $ 37 |
FEDEX送料 | $ 28 | |
割引 | $ -2 | |
合計 | $ 110 |
表 PCBWayさんで製作した基板2枚とアルミパネル2枚の費用(送料含む)
両面スルーホール基板が二種類とアルマイト加工パネル(シルクスクリーン文字入れ)が二種類でこの費用ならかなり納得の値段だ。
もし日本の金属加工業者さんに同じような金属加工や文字入れを依頼したとすると、おそらく最低でもパネル一枚当たりで1万円~2万円くらいの費用が掛かると思うので。
と言う事で、納期が二週間ほど伸びてしまったが、無事に基板とパネルが完成したので、金田式プリアンプレストアプロジェクトを継続したい。
なお、今回作成した二種類のプリント基板であるが、各十一枚ある。自分で使うとしても、順調に行けば各一枚しか使わない。もしFLATアンプだけでなくEQアンプを作るとしても、二枚しか使わない。
と言う事で、大半が余る。
もし欲しいと言う人が有る場合には、送料程度の費用で差し上げても良いのだが、匿名でブログを運営している関係で、発送も匿名で出来るんならお送りしますが。
まあ、こんな古いアンプ用の基板を欲しいなんて言う人は多分いないだろうw
(続く)
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