ワレコ
木工作業部屋の自作サイクロン集塵システムを改良した。
ワテが自作したサイクロン集塵システムは下記事で紹介している。
このサイクロン集塵システムには例えば下記事で紹介している丸ノコを集塵ホースで接続している。
その結果、木工作業部屋で丸ノコを使っても殆ど粉塵が発生しなくなった。
素晴らしい。
さて、当記事ではそのサイクロン集塵システムに簡単な改良を加えたので備忘録として記事まとめてみた。
類似のサイクロン集塵システムを自作する人の参考になれば幸いである。
では、本題に入ろう。
三連ブラストゲート付きサイクロン集塵システムの紹介
2021年8月31日現在のワテの木工作業部屋のレイアウトは以下の通り。
図 2021年8月31日現在のワテの木工作業部屋のレイアウト
下写真がワテ自作のサイクロン集塵システムだ。
写真 完成直後のサイクロン集塵システム(その後、Φ100ホースで壁のボイド管に配管した)
このサイクロン集塵システムの特徴としては、下段にRYOBI VC-1250集塵機、中段にゴミ容器、上段にサイクロン装置を載せて設置面積を最小にしている。キャスター移動も可能だ。
かつ、Φ100mmとΦ65mmのブラストゲート(シャッター機構)を合計三個取り付けたので最大で三系統のホースを接続出来るのだ。
現状では下写真のようにΦ100の大型ホースとΦ65の掃除用ホースを接続している。
写真 このΦ100ホースの位置を右端に移動するのが今回の改造の目的だ
Φ100ブラストゲートに接続したΦ100の透明ホースは、その先にΦ100のボイド管を接続していて部屋の奥にまで配管している(下写真の白い筒)。
写真 作業部屋奥の壁にはフレンチクリート収納を自作した
部屋の奥には下写真に示すHiKOKIの丸ノコを作業台の上で使っている。
写真 Φ100集塵ホースに丸ノコの集塵ホースを接続している
この丸鋸の集塵ポートに洗濯ホースとメッシュスリーブ(編組チューブ)で自作した電源コード付き集塵ホースを取り付けていて、その先をこのΦ100の集塵ホースに接続しているのだ。
そのおかげで、作業台の上で丸ノコを使っても発生する粉塵の九割くらいは吸引出来ている感じ。
室内での木工作業がとてもやり易くなった。
DIY用丸ノコは一万円程度するが、それを買うくらいならもう少し予算を増やして上写真のプロ用最上位機種がお勧めだ。
この製品は二万円台で買えるのでお買い得感は高いし、機能的には電子ブレーキ付、始動・停止時の反動は殆ど無い、静音設計、キックバック軽減システムなどフル装備なのだ。
ワテもマキタのDIYモデルとこのHiKOKIのプロ用最上位機を使っているが、操作性、安定性、機能性、切断面の仕上がりなど、あらゆる面で全然違うのだ。
Φ100ブラストゲート位置を右に移動したい
さて、上の写真で登場した三連のブラストゲートだが、Φ100ホースを接続しているΦ100ブラストゲートが最も左端にある。
その結果、写真でも分るようにΦ100の透明ホースをかなり無理やり曲げて配管している。
時間が有る時にその配管を変更したいなあと思っていたのだが、先日、塗装コンパネ12mmに貼り付けていたそのΦ100ブラストゲートが剥がれてしまったのだ。
接着には下写真のニトムズのプチブルゴム両面テープを使っていた。
それが猛暑で室内の気温が38度くらいになり粘着物質が融けたようで、それに加えてΦ100ホースが無理な方向からブラストゲートに接続されているのでブラストゲートを引っ張る力が加わり、剥がれてしまったのだ。
そこでこの機会にΦ100ブラストゲートの位置を右側に移動する。
Φ100ブラストゲートの位置を右に移動する
下写真がΦ100ブラストゲートの位置を右側に移動した完成形だ。
写真 Φ100ブラストゲートの位置を右端に移動したので無理のない配管にできた
上写真で、左端に移動した細いホースは室内の掃除用に使っている。全長5メートルのΦ50ホースだ。
中央のブラストゲートΦ65は未使用なので、フロアースイーパーを製作する予定だ。
古いブラストゲート取付板を剥がした
以下では、この作業過程を写真を交えて簡単に紹介したい。
下写真が三連ブラストゲートを貼り付けていた塗装コンパネ12mm(430×200)だ。
写真 古いブラストゲート取付板を剥がした
この塗装コンパネを180度回転させればΦ100穴は右端に来るので、当初はその作戦で行く予定であった。
この塗装コンパネはコーススレッドでネジ止めしていたのだが、この木製ラックを作成した時に一部の部材は木工用ボンドで貼って組み上げた。
その時に木工用ボンドがこの塗装コンパネにも少しくっ付いていたので、コーススレッドを外しても塗装コンパネが木工用ボンドで貼り付いているので剥がせない。
バールを使って無理やり引き剥がしたら塗装コンパネ表面は上写真のように問題無いのだが、裏面が半分くらい引きちぎられてしまった。
写真 ブラストゲートが付いていた塗装コンパネ12mmを剥がした
下写真の四角枠上部の鴨居部分に塗装コンパネが木工用ボンドで貼り付いてしまった。
下写真は、その部分を鑿や鉋で削って綺麗に整えた状態だ。右端に大きな節目があるが、これは2×4材の節ではなくて貼り付いていた塗装コンパネに有った節目が2×4材に貼り付いているのだ。
写真 ブラストゲートが付いていた塗装コンパネ12mmを剥がした(拡大)
と言う事で、この塗装コンパネは再利用不可になってしまった。
そこで塗装コンパネの端材を使って同じ物を再作成する。ただし、Φ100穴は右端に開ける。
下写真のように自在錐を使ってΦ105、Φ70、Φ70の穴を開けた。
ワテの場合、自在錐は使用頻度は少ないけれど、安い海外製よりもちょっと高いけれど国産スターエムがお勧めだ。切れ味が素晴らしいのだ。
塗装コンパネと2×4材で組んだ窓枠の隙間を埋める素材には、100均ダイソーで買った発砲スチロール素材(5mm厚)を使ってみた。カラーボードという商品名で、450×840×厚さ5mmで100円なので安い。
それらを下写真のように2×4材で作ったラックにネジ止めした。
トラス頭タッピングネジで固定してみた。
そこに、下写真のニトムズ 強力防水用両面テープを貼った。
下写真のようにニトムズ防水両面テープを貼って穴を開けている。
下写真のように白い保護紙を剥がすと黒いプチブルゴムが現れる。これが物凄くベト付くのだ。
ブラストゲートはABS樹脂なのだが、ABS樹脂と塗装コンパネの接合に適した接着剤は探せばあるかも知れないが、ABS樹脂を接着できる接着剤は少ない。
そこでワテがたまたまホームセンターで見付けたプチブルゴム製の防水両面テープを使って貼ったのだが、非常に強力に貼り付くのだ。
プチブルゴムは物凄くベト付くので要注意だ。下写真のように手袋をして作業すると良い。
ベトベトにベト付くので出来るだけ手に付けないように注意しながら下写真のようにブラストゲートを貼り付けて配管した。
写真 新規作成した塗装コンパネ穴開き板にブラストゲートを貼り付け完了
その結果、下写真のようにΦ100ミリの太い透明ホースは右端に移動出来たので、自然な曲線を描いて壁面のΦ100ボイド管に繋がっている。素晴らしい!
写真 ブラストゲート位置を変えてスッキリ配管出来たワテ自作のサイクロン集塵システム
下写真のようにΦ65ブラストゲートには水道用VU65の90度エルボ継手を繋いでいるが、隙間を埋める為に白い継手をFusion360で設計して3Dプリンタで印刷したのだ。
なお、手袋に付いたプチブルゴムは、下写真のようにガムテープの粘着面にペタペタすると綺麗に剥がれてガムテープで回収できる。
と言う訳で、本日現在のワテの作業部屋のレイアウトは以下のようになった。
図 2021年8月31日現在のワテの木工作業部屋のレイアウト(最新版)
改造後のサイクロン集塵システムを使ってみる
Φ65ブラストゲートから出ているΦ50の透明ホースを使って、作業で出た木くずを吸ってみる。
下写真のように綺麗に床掃除が出来た。
やはり木工作業にはサイクロン集塵システムは必須だ。
サイクロン集塵システムを自作する
ネット通販でサイクロン集塵システムを自作する為に必要なパーツは簡単に入手出来る。
上写真のようなサイクロン発生機構を購入して、あとはゴミを回収する容器を用意して取り付ければ良いのだ。そして、掃除機など接続すれば完成する。
あるいは、下写真のような完成品も売っているので、あとは掃除機を接続するだけで良い。
この製品はゴミ回収容器の蓋の部分にサイクロン発生器が一体化されているのでコンパクトな設計だ。
まとめ
ワレコ
サイクロン集塵装置は室内で木工作業をする人には必須だろう。
丸ノコ、卓上スライド丸ノコ、サンダーなど、粉塵の発生する電動工具は多い。
ワテの場合は、それらの工具は全て集塵ホース(洗濯ホースで自作した)でこの自作サイクロン集塵システムに接続しているので、木工作業がとても快適になったのだ。
当記事ではワテがサイクロン集塵システムを改造した過程を紹介した。
サイクロン集塵装置、掃除機、ゴミ回収容器を縦長のラックに搭載している例は、ネットの他の人の製作例を見ても多い。
しかしながら、ワテが採用したような三連のブラストゲートを取り付けて、複数のホースを自由に切り替えられるような構造はあまり見かけない。
と言う事で、もし皆さんもサイクロン集塵システムを自作するなら、ワテみたいなブラストゲートを複数付けて切り替えられる方式にしておくと自由度が高くなり、応用範囲が広いと思う。
(完)
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