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スライドレール式の七段引出しツールボックスが完成した。
我ながら良い作品が出来上がったと思う。
現在製作中のスライドレール式七段ツールボックスであるが、前回までで外枠や七個の引出しは完成している。
残す作業は、七個の引出しを外枠のスライドレールに固定する作業だ。
結論としては、すっごく使いやすいツールボックスが完成した。
前回記事はこちら⤵️
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では本題に入ろう。
ツールボックス外枠の仕上げ
前回記事ではツールボックスの外枠を四枚の18mmパイン集成材を使って四角形に組み上げるところまでを紹介した。
下写真がその外枠の天板部分だ。
写真 ツールボックス外枠天板に若干の出っ張りがある
上写真のように木工用ボンドだけで貼り合わせたツールボックス外枠の天板には中央付近に1ミリ程の膨らみがあり、側板よりも上に出っ張っている。
膨らんだ理由は、天板に使ったパイン集成材がもともと湾曲していたと思われる。
このままでも実用上は問題は無いが、ここは鉋で削って平坦化する事にした。
ワテ所有の数丁の寸八鉋の中で、よく斬れそうなやつを使って削ってみる。
写真 寸八鉋「武房」でパイン集成材を削る
削った鉋屑がヒラヒラと空を舞うような削りが理想なのだが、下写真のように素人丸出しの鉋屑しか出せない。全然あかんがな。
写真 パイン集成材の鉋屑の厚さは50マイクロメートル
デジタルノギスで鉋屑の厚みを計測したら50マイクロメートルだ。10マイクロメートルくらいを目指したい。
さて、久し振りに鉋を使ったら楽しくなったので、ツールボックス製作は中断して鉋削りの練習をやってみた。
下写真のように、別の寸八鉋「大自然」と言うやつを使って檜の厚めの板を削ってみた。
写真 檜の板を鉋で削る練習
上写真のように鉋屑が断片化してしまい、全然駄目だ。もっとヒラヒラと空を舞う鉋屑を出したいのだが。
断片化する理由は、恐らく鉋刃に対して裏金の位置が悪いんだと思う。裏金を鉋刃の刃先にもっと近づければ良いと思うので、次回はその辺りを注意して鉋を使ってみたい。
ちなみに下写真が寸八鉋「大自然」と言うやつだ。良さそうな鉋でしょ。リサイクルショップで1000円で買ったのだが。
写真 寸八鉋で檜の板を削る練習
ここで使っている檜は昨年の5月の連休に奈良・和歌山・三重を車中泊しながら伊勢神宮にお参りに行った帰りに三重県でたまたま立ち寄った材木屋さんで買って来たやつだ。
柾目で節なしの檜の分厚い板はホームセンターにもあまり売っていないので、三重県を車で走っていて見付けた材木屋に寄ってみたら手頃なやつが有ったので数本売ってもらった。値段も安かった。
この檜はたぶん奈良県で伐採された吉野桧の銘木あるいは三重県の尾鷲ヒノキかも知れないので、削るだけだと勿体ないのでこの檜材を使って何か作品を作りたいを思っている。
写真 ツールボックスの製作を中断して檜材の鉋掛けに熱中したワテ
さて、本題に戻ろう。
下写真のようにツールボックスの天板の中央部分の膨らみを削って平坦化する事が出来た。
写真 ツールボックス天板の中央部分の膨らみを削って平坦化した
下写真のように仕上サンダを使ってパイン集成材の表面を研磨する。
写真 仕上サンダを使ってパイン集成材の表面を研磨
下写真のように外枠の研磨が完了した。
写真 ツールボックス外枠の研磨作業が完了
このあとで、面取り鉋を使って外枠の鋭い直角エッジを軽く面取りしておいた。
面取り鉋は以前は使ったことが無かったのだが、一昨年くらいに購入して使ってみるととっても便利なことに気づいた。
パイン集成材で作ったツールボックス外枠にニスを塗る
さて、パイン集成材で作ったツールボックスの外枠に何らかの塗装を施す事にした。
以前のワテは木工作品に塗装することは無かったのだが、最近はよく塗装する。
塗装しなかった理由は、塗装してもしなくても機能性が向上する訳でもないし(屋外で使うための耐水塗装は使うが)、油性塗料は刷毛の手入れが面倒臭いし。
でも、水性塗料を使えば手軽に塗装出来るし、刷毛の手入れも水洗いで簡単なので最近は塗装をよくやるようになったのだ。
今回はニスを塗ることにした。
つやけし乳白色と言うやつだ。
写真 つやけし乳白色ニス(水性)を塗る
100均で買ったステンレス製のボールにニスを入れて刷毛で塗る。
写真 ニスを塗る為に準備した道具
ニスを塗り終えたツールボックス外枠の写真を取り忘れた。
このあとで、最終完成時に撮影しているのでそれを見て下さい。
ニスは2回塗り重ねた。
一回目と二回目の間に数時間の間隔を開けたので、その間に刷毛が乾かないように下写真のようにステンレスボールや刷毛をタッパー容器に入れて蓋をしておいた。
写真 タッパー容器を使えば刷毛の乾燥を防止できる
カンペハピオ水性ニスつやけし乳白色は初めて使ったが、塗り重ねると薄い乳白色になる。
この乳白色のニスはどんな木材に向いているのだろうか?
説明書には以下の記載があった。
二度塗りしたが、塗膜が分厚い場所は下地のパイン集成材の木目があまり見えない。薄い場所は透明ニスみたいな感じ。
なので、乳白色ニスを塗る場合には、塗膜を均一にする技術が必要だと実感した。100均の安っぽい刷毛は適さないのかも知れない。
刷毛で有名な大塚刷毛さんの商品には一本数千円もの高級刷毛もある。
七段の引出し取り付け
いよいよ引出しを取り付ける。
三段引きのスガツネスライドレールは下写真のように三段目のレールを簡単に外せる。
写真 三段目のレールを外した状態(灰色のプラスチック部を押さえると簡単に外せる)
このスガツネ工業さんの三段引きスライドレールは左右ペアの2本セットで売っているのでお買い得だ。左右の区別も無いので使い易いし。
三段目レールの外し方は簡単で、灰色のプラスチック部を押さえると簡単に外せるのだ。
そのレールを下写真のように引出し側板の中心線に合わせておいて、ハンドクランプでしっかりと固定しておいてネジ穴を開ける。
写真 引出し側板にスライドレール固定用のネジ穴を開ける
上写真のようにここでもセンター一発がとても役に立った。
下写真のように最下段の引出しを取り付けてみた。
写真 最下段の引出しを取り付けてみた
ところが引出しを押し込むと下写真のように最後の数センチが何かに干渉して押し込めない問題が発覚。
写真 引出しの最後の数センチが何かに干渉して押し込めない問題が発覚
おかしい。
設計ミスか!?と焦るワテである。
で、結局、引出しを強く押し込んだら無事に収まった。
な~んや、そう言う事か。
その後は、引出しを出したり引っ込めたりしても問題なくスライドしている。
なので、最初に数センチが押し込めなかった原因は不明だ。
でも、今思うとワテが使った固定ネジ(3.5x10mmステントラスタッピング)の頭がスライドレールの何かの部品と干渉していた可能性が高い。
「カチカチ」と金属同士が当たる音はしなかったので、恐らくはトラスネジの頭がスライドレールに使われている樹脂製のパーツに当たっていたのかも知れない。
なお、強く押し込むと問題なく最後まで押し込めて、スライドレールはスムーズに作動している。
ところが、再び引出しを引出してスライドレールから取り外し、再び引出しをスライドレールに取り付けると、最後の数センチが押し込めない問題が再現するのだ。
なので、やはりトラスネジの頭が何かの樹脂製の部品を干渉しているようだ。干渉していても強く押し込めば引出しは正常に収納出来るし、その後は、正常に引出したり収納したり出来ている。
下写真のようにスガツネスライドレールを引出し側板の上下中央位置に固定している。
写真 スガツネスライドレールを引出し側板の上下中央位置に固定した
ワテの場合はスライドレールは側板の上下中央位置に合わせて固定している。それが最も分りやすかったので。
残りの六個の引出しも同様に固定して、下写真のように七段引出しツールボックスが出来上がった。
写真 七段引出しツールボックスが出来上がった
上写真で、下段の3つの棚は手を入れる隙間があるので引っ張り出せる。
ところが上段の4つの棚は上下に5mmほどの隙間しか無いので、手が入らないから開けられない。
なので、何らかの取っ手やツマミが必要になる。
その前に、下写真のように引出し前面板の角が鋭角で手触りが悪いので、面取り鉋で軽く面取りしておいた。
写真 引出し前面板の角が鋭角で手触りが悪いので面取り鉋で軽く面取り
ちなみに上写真の面取り鉋は昨年、リサイクルショップで330円で買ったやつだ。
引出し前面板に取っ手やツマミを付ける案は中止して、前面板自体を加工して引出し操作をやり易く改造する。
その理由は、狭い廊下の隅にツールボックスを設置する予定なので取っ手やツマミの出っ張りさえも居住性を損なう可能性があるから。それに安易に既製品のパーツを買うのは自称DIYの達人のワテの信条に反する。
下写真のように前面板の中央に指を引っ掛けられるように隙間を開ける。
写真 前面板中央に指を引っ掛けられるように隙間を開ける
下写真のように、大きめの鑿を使って引出しの前面板の指掛け部分を仕上げる
写真 大きめの鑿を使って引出しの前面板の指掛け部分を仕上げる
下写真のように、細い半円柱の形状のヤスリを使って引出し前面パネルのエッジを研磨して仕上げた。
写真 細い半円柱の形状のヤスリを使って引出し前面パネルのエッジを研磨して仕上げ
ちなみに上写真で使っている半円形の赤いヤスリはハードオフで110円で買ったやつだ。酷使しなければ半永久的に研磨力が持続するのでこの赤いヤスリはお勧めだ。
サザンレッド材で作った棚板正面板はクルミオイル仕上げする
以前に1リットルの大型容器でアマゾンで買った食用クルミオイル1000mlサイズは、まだ8割以上が残っている。
そこで今回はクルミオイルを積極的に消費する為に、サザンレッド製棚板前面板に食用クルミオイルを塗ることにした。
写真 サザンレッド材はクルミオイルが染み込むと濃い色合いに変化する
上写真のようにサザンレッド材はクルミオイルが染み込むと綺麗な濃い色合いに変化するのでDIYには最適だ。
下写真のように、七段全ての棚板にクルミオイルを塗布し、無事に完成したワテ自作の七段引出し式ツールボックス。
写真 七段全ての棚板にクルミオイルを塗布し完成したワテ自作の七段引出し式ツールボックス
この写真だけを見れば、飛騨高山の高級木製家具に見えなくもない(はずだ)。
なお、上写真に於いて前面板の指掛け加工は上部の5段のみとした。下部の2段は元々隙間が開いているので、指掛け加工をやらなくても指を掛けられるので。
それと残り2段の指掛け加工が面倒だったと言うのも理由の一つだが。
でも結果的には上部5段と下部2段の境目が一目で分かるので、例えば上から5段目の引出しを開けたい場合に、上から1, 2, 3, 4, 5などと数えなくても一目で5段目が分かるのだ。
さらに、前面板の隙間から中が見えるのでどの引出しに何を収納しているのかが分かり易いメリットがある。
下写真のように七段引出しは完全に引き出すことが可能だ。ただし下写真のように全部を同時に引き出すと、前方に重心が偏るので棚外枠の後部が浮き上がってしまう。
写真 七段全部を引き出すと前方に傾くので注意
下写真のように完成した七段引出しを設置予定場所に設置して、以前はA4レターケースに収納していた各種のハンドツール、文房具小物、その他を七段引出しに整理してみた。
写真 完成した七段引出しにハンドツールや文房具類を収納した
上写真のように自作七段引出し(スライドレール方式)を使って早速手持ちのハンドツールを中心に整理した。
従来の4段式レターケース(A4サイズ以下対応)に乱雑に放り込んでいたハンドツール類を新型七段引出し式ツールボックスに収納し直した。
まとめ
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今回のスライドレール式七段引出しツールボックスはワテの木工DIY作品の中でも最高の仕上がりと完成度と機能性を持つ作品となった。
ワテもやれば出来る自信が付いたのだ。
当記事は木工DIYでスライドレール式の七段引出しツールボックス製作プロジェクトの第3回目(最終回)である。
前回まででツールボックス外枠や七個の引出しは完成していた。
今回はその七個の引出しを、ツールボックス外枠に事前に取り付けているスライドレールに固定した。
作業自体はスムーズに行ったのだが、取り付けた引出しを押し込んでも最後の数センチが何かに引っ掛かって押し込めない問題が発生した。
その時には設計ミスかなと思ってヒヤッとしたが、結局は強く押し込んだら解決し、その後は引出しの抜き差しはスムーズに動いている。
第一回目の記事に書いたように製作費用は概算で8700円だ。サザンレッド材など利用したが、セール品や端材を多用したので製作費用をかなり抑える事が出来た。
今回の作品の特徴としては、組み立てには木工用ボンドのみを使用した。ネジ類はスライドレールの固定に使っただけで、ツールボックス外枠や七個の引出しの組み上げにはネジも釘も一切使っていない。
その理由は、木工用ボンドだけで十分な強度が出ると予想したので。それに木ネジを使う為には下穴を開ける必要があるが、今回は七個もの引出しを作るのでネジで固定するとなるとかなりの数のネジを打つ必要がある。
そもそもこの手の木製家具に金属製の木ネジが多数打ち込まれているのは見た目も悪い。その対策としては木ネジを埋め木する手法もあるが、面倒くさいし。
と言う事で、今までは木工作業部屋のA4レターケースに収納していたハンドツール類を自作ツールボックスに整理し直した。かつ、A4レターケースに入り切らないので作業部屋の色んな場所に分散して収納していた使用頻度の少ないツール類も自作ツールボックスにまとめて整理出来たので、今後は工作作業が捗ると期待出来る。
ワテ所有の使用頻度が少ないツールの具体的を上げるなら以下の通り。
などか。これら以外にも沢山あるが。
(続く)
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