ワレコ
ワテの場合、電化製品をコンセントに挿そうとした時に、コンセントの口が足りないとイライラする。
写真 たこ足配線状態のコンセントには差込口がもうない!
その対策として、壁コンセントにはテーブルタップを接続して差込口の数を増やしている(下図)。
ワテが使っているタップはこんな感じのやつだ。ただし、新品で買うと高いので、中古屋で数個まとめ買いしたやつだ。確か、一個当たり300円くらいだったかな。
OA用のテーブルタップの裏側にはマグネットが付いているものが多いので、スチールラックの支柱などに貼り付けて利用している。
ところが、ワテが使っているテーブルタップは4口タイプのもが多いので、電化製品、計測器、オーディオ機器が多いと、4口の全てを使ってしまっているものもある。
それを解決する為に、4口テーブルタップを二台連結して使っている場合もある。
そうすると、二台目のタップを一つ目のタップに接続する為に、一つ目のタップの口を一個使ってしまうので、8口(=4口+4口)ではなく、実質7口タップになってしまう。
何だか損した気分。それに、見た目も美しく無いし。
じゃあ、8口とか10口のタップをネット通販で買うかなあ!と思っても、一台数千円もするので手軽には買えない。
じゃあ自作してみるかなあと思って週末を利用して11口タップを自作してみた。
結論としては、いい感じの11口タップを自作出来た。
材料費も2000円程度。
皆さんにもお勧めしたい。
では、その製作過程を記事で紹介しよう。
ワテ自作のテーブルタップの設計図
下図がワテが作成予定のテーブルタップの設計図だ。
3DのモデリングソフトRhinoceros(ライノセラス)の90日お試し版を利用中のワテであるが、Rhinocerosをかなり使いこなせるようになって来た。
図 ワテが自作予定のテーブルタップの3次元モデル
仕様としては以下の通り。
- 3P接地型のダブルコンセントを5個使う(10口)
- コンセントには抜け止め機構は無し
- ACインレットを付けて電源ケーブルは脱着可能とする
- 反対側の側面には単体のコンセントを付ける(1口)
- 裏側にはマグネットを取り付ける
5個のダブルコンセントの間隔は必要ならば広げても良い。
例えばこんなACアダプターを沢山挿したい人は、5つのコンセントの間隔を広めにしておくとお隣さんを気にする事無く余裕を持って挿し込める。
なお、上の設計図はACインレットと1口コンセントを追加する前の状態なので、それらは設計図には描かれていない。
ワテのパーツボックスには、幾つかのコンセントがあるので、今回のテーブルタップ自作プロジェクトで利用する予定だ。
それ以外に足らない物は、ジャンク屋、オークション、ホームセンターなどで調達する予定だ。
11口テーブルタップ用のパーツを集める
電材のメーカーと言うと、
- パナソニック株式会社(旧パナソニック電工株式会社)
- 株式会社 明工社
- 神保電器株式会社
- 東芝ライテック株式会社
- アメリカン電機株式会社
などが有名だ。
コンセントの候補
例えばパナソニックの3P接地コンセントで一般的なやつはこれだ。
まあ、大体どこで買っても数百円の値段なので、これを5個買うとそれだけで2000円近い出費だ。
あるいは、オーディオマニアな人に人気があるのが医用コンセントだ。ホスピタルグレードとも呼ばれている。
見た目は最初に紹介したコンセント WN1512Kと同じだが、この医用コンセントWN1318Kは、電極のバネが強化されているので一般向けコンセントに比べてプラグをしっかりとくわえ込むのだ。
だからウッカリ足を引っ掛けてケーブルを引っ張っても抜けにくい。そう言う長所があるので、病院などの現場で利用されているのだ。
医用コンセントはパナソニックだけでなく、他のメーカーからも各種販売されている。
オーディオマニアな人も、医用コンセントを使っている人も多い。
あるいは、色違いもある。
まあ、確かに医用コンセントはプラグを差し込んだ時のホールド感がずっしり重い感じなので、安心感は高い。
でも難点は値段が高いのだ。
と言う訳で、今回の自作テーブルタップにはこんな高級品は使えない。
ワテの場合、個人的には下図のスタイルの丸いデザインのコンセントのほうが好みだ。
なんとなくノスタルジックな感じ。古き良きアメリカを連想するのはワテだけかも知れないが。だからアメリカン電機と言う名前なのかもしれない(ワテの勝手な推測)。
あるいは、本格的オーディオマニア向けには、こんな製品もある。
まあ、オヤイデ電気もフルテックもオーディオ用の電線、電材などのパーツでは有名なお店だ。
抜け止め有、抜け止め無しのどちらが良いか?
まあそれは好き好きだろう。
ワテの場合は抜け止め無しが好きだ。
つまり、プラグを単に差し込むだけの普通のコンセントだ。
簡単で分かり易いからワテ好み。
一方、抜け止め有りのコンセントの場合、差し込んで捩じるとプラグの電極がロックされる。
プラグを抜く場合には、逆に捩じってロックを解除してから引き抜く必要がある。
ワテの場合、この捩じる動作が好きになれない。
プラグを抜く場合、捩じってから引き抜くのか、引っ張りながら捩じるのか、よく混乱するのだ。その結果、イライラ。ワテは短気だ。
なので、ワテの場合、最近では抜け止め無しのコンセントしか買わない。
昔買ったコンセントの中に、抜け止め有りのものも2個ほどあるのだが、普段プラグを滅多に抜き差ししない電化製品用に使っている。
ちなみにオーディオマニアな人は抜け止め無しのタップを使う人が多いようだ。
抜け止め無しタップの場合、タップの電極と差し込んだプラグの電極は面接触になるし、その状態でプラグをクネクネ動かしてもあまりグラつかない。
一方、抜け止め有りタップの場合、捩じってロックした状態ではタップの電極と差し込んだプラグの電極は線接触になるらしい(詳しい構造は知らないが)。
かつ、プラグを動かすとロックされているにも関わらずかなりグラつく。その瞬間、接触が一瞬途切れて電源が落ちるなんて経験をワテも何度かした事がある。パソコンの電源コンセントが刺さっている抜け止め有りタップに別の機器のプラグを挿そうとして、パソコンのプラグにちょっと手が触れただけなのに、一瞬にしてパソコンの電源が切れる。
ワテは抜け止め有タップのそんな挙動が嫌いだ。
同様に、抜け止め有タップのそう言う特性がオーディオマニアな人には敬遠されているようだ。
中古品・新古品のコンセントを買う
と言う訳で、ワテの場合は出来るだけ安い予算で口の多いテーブルタップを自作したいので、ジャンク屋とかヤフオクで入手した中古品・新古品の電材を利用する事にした。
過去に入手していた物や、今回新たに入手した電材は以下の通り。
品名 | 型番、仕様 | 写真 | 数量 | ワテが入手した単価 | ワテの購入価格(税込み) |
3P 接地コンセント |
WN1512K 新古品 |
5 | 150 | 750 | |
3P 接地コンセント |
明工社 新古品 |
5 | 90 | 450 | |
埋込接地コンセント |
WN1101 新古品 |
5 | 100 | 500 |
表 自作テーブルタップに使う電材(コンセントなど)
ダブルコンセントが合計10個あるので、上で紹介した設計図のテーブルタップを二台作成出来る。
テーブルタップにはカバーは付けない
まあ、出来れば下図のようなコンセントカバー(コンセントプレートとも呼ばれる)を付けたい。見栄えが良くなるし、コンセントに埃が溜まるのを防止できる。
でも、今回ワテが設計したテーブルタップに合うようなコンセントカバーは市販品には無い。
市販品ならこんなのはある。
こんなスイッチボックスとコンセントプレートを買えば、見栄えの良いテーブルタップを自作出来る。
上図の製品は3連タイプだが、4連、5連、6連まである。
上図は6連プレートだ。
これに適合する6連コンセントボックス(=スイッチボックスとも言う)も売っている。
ダブルコンセントを6個取り付ければ、合計12個口のテーブルタップを自作出来る。
でもパーツ代がかなり高くなる。
じゃあ、アルミ板をCNCフライスで加工して自作するなどの案もあるが、CNCフライスなんて持っていないし。
と思ってアマゾンを検索してみたら、こんなのを見付けた。
今の時代、こんな安いCNCルーターがあるのか!
知らなんだ。
買ってみるかな!
今回はこんなCNCフライスは無いので、ワテ自作のテーブルタップにはカバーは付けない事にする。
テーブルタップの枠の部分の素材の選定
理想的には金属製の枠にしたい。
でも加工が面倒。
ワテが持っている工具と言えば、ボール盤、丸ノコなどだが、ちゃんとした作業場が無いので、部屋の中で作業する事になる。アルミなどの金属加工は金属屑が飛び散るし、床に傷が付かないように養生する必要もあるし何かと面倒。
木工なら、金属加工ほどは手間が掛からないから木工で行く予定。
じゃあ、ホームセンターで安く手に入る2×4材でテーブルタップの枠組みを作るかなあ?などと考えながら、週末にホームセンターをブラブラしていたのだ。
例えばこんなツーバイフォー材ならホームセンターでも200円くらいで売っている。
でも板厚が分厚いので、それで枠を作るととっても大きなテーブルタップになってしまう。
出来れば既製品のテーブルタップのような細長いスタイルにしたい。
何か良い素材は無いかなあ~
と思案しながらホームセンターをブラブラ。
廻り縁(マワリブチ)と言うのが目に入った
材木売り場でこんなのを見付けた。
廻り縁(マワリブチ)と言う製品だ。
今までにもホームセンターで見掛けたことはあるのだが、本職の大工さんが部屋の内装工事をする時に、壁の床付近、あるいは天井付近に装飾目的で使うパーツだなあと言うのは知っていた。でも、ワテには縁の無さそうなパーツだった。
ところが、木製だし、細長いし、値段もそんなに高くないし(上図の製品は天然木製なので高いが)。
- 用途:内装用。 温もりのある天然木製モールディングです。廻り縁やチェアレールとして壁の装飾に、また、家具の装飾に使用できます。
- サイズ:高さ×幅(奥行)×長さ: 30×12×3650mm
- 材質:天然木(一部フィンガージョイント)。
- 表面:無塗装。 ※天然木を無駄なく使用しているため木独特のシミ、カスリ、ピンホールがある場合があります。塗りつぶし塗装をおすすめします。
アマゾンにも多数のマワリブチを売っている。
あるいはアルミ製のマワリブチもある。
厚さ9×幅35×長さ3950mm のサイズで一本1000円くらいだった。
約4メートル近くあるので半分に切って貰った。
なお、半分のサイズ(長さ1820mm)のものも販売しているホームセンターもある。
でも、値段が600~700円くらいだったので、それなら長い3950mmを一本買ったのだ。
複数のテーブルタップを自作する予定なので。
なお、ワテが買ったマワリブチの材質は木製では無さそう。正確には知らないが、見た感じでは、紙みたいな素材だ。手で折り曲げればポキッと折れるくらい華奢な素材だ。
ドリルで穴を開けると、茶色い粉状の削りカスが出て来る。
MDFボード(中密度繊維板)に似ている。あるいはMDFボードそのものかも知れない。
テーブルタップの製作開始
マワリブチを620ミリにカットしたものを二本用意する。
その間に橋渡しする木片(25x25x42)を6個用意する。
図 マワリブチの枠組みと木片の接着の様子
それらを木工用ボンドで貼り合わせて、上図のようにF型クランプで固定する。写真下部の6個の木片は、二台目のテーブルタップに使う予定。
上図に於いて、マワリブチはナチュラルな木目調だがそれは木目調の化粧シートが貼ってあるから。
写真でマワリブチ枠組みの内側も見えているが、茶色い色をしている。これがマワリブチの本来の色。やはりMFDボードっぽい色合いだ。
ちなみに、この手の木工をする場合には、F型クランプはとても便利。
木工用ボンドでの接着には大いに役立つ。
図 マワリブチと木片の接着の様子(F型クランプで固定)
木工用ボンドは大き目のサイズを買っておくと便利。チューブ式よりも下図のような大型容器入りの方が使い易い。
使い古した歯ブラシでボンドを掬い取って木材に塗れば良い。
木工用ボンドは長期保管していると容器の水分が蒸発して若干硬くなる場合がある。そんな時は水で薄めて混ぜれば元に戻る。
図 橋渡しした木片に5個のコンセントを取り付ける予定
皿木ネジでコンセントを木片に固定した。
電動ドライバーでネジ止めする前に、念のために、下穴を開けておいた。
ワテの場合、電動ドリルで下穴を開ける場合に、中心位置がずれる失敗を良くする。
なので、今回は、穴を開けたい位置に錐(キリ)で軽く穴を開けておいて、その穴を電動ドリルに取り付けた下穴ドリルで攻めた。
その結果、穴がずれる失敗も無くなり精度良く位置合わせが出来た。
あるいはこんな便利製品を買うと良いのかも。
安いので今度買ってみる予定だ。
その下穴に皿頭木ネジ(2.7mmx16mm)を使ってコンセントを取り付けた(下図)。
図 コンセントを皿頭木ネジで固定した状態
図 コンセントボックスの裏側の写真
上図のように、橋渡しした木片は側板よりも高さを低くしている。
その空間に電線を通す予定だ。
ACインレットを取り付ける
図 ACインレットを取り付けた状態
上図は、エコー電子のネジ止め3極ACインレット(AC-P01CF01)を取り付けた状態だ。
一方、反対側には、下図の1口のコセントを取り付ける予定だ。
まずは、ACインレットの取り付け作業の詳細を紹介しよう。
図 ACインレットを取り付けた状態(拡大)
上図のようにACインレットを固定するためにアルミ不等辺Lアングル(1.0t x 15 x 25 x 1000)を短く切ったものを二個用意した。
アルミアングルが廻り縁の外側に来ているので見た目が悪い。内側に入れる案も検討したのだが、その場合は、ACインレットの固定ネジをドライバーで締める作業空間が必要なので、テーブルタップの幅をもう2センチほど広げる必要がある。
今回は、狭い場所にテーブルタップを設置する予定なので、幅を広げたくない事情があったので、上写真のような、アルミアングルが外にくる構造にした。
その辺りのデザイン変更は皆さんの好みに応じて自由にやれば良い。
アルミの切断は、ピラニア鋸がよく切れる。
写真 ピラニア鋸でアルミLアングルを切断する
万能鋸の草分け、ピラニア鋸の工作対象(ワーク材)と切れ味
木材、金属、プラスチック樹脂、といった身の回りにある通常の工作素材であれば切り口も鮮やかに容易に切れます。誰にでも、どこでも使えるピラニア鋸
片手で持ち、軽くゆっくりと挽くだけで最大限の性能が引き出せるので、初めての人、学童、ご婦人から、DIY用、プロ用、木工、金工、大工、クラフト、理化工作、調理料理、園芸、内装、電設などに、学校、家庭、オフィス、作業現場などあらゆる場所でその他機能振りを発揮致します。
引用元 株式会社 ピラニア・ツールのサイト
なお、鋸での切断作業には、バイスがあると作業がしやすい。
ワテが使っているのは上の製品だ。
アルミ製なので、鉄製に比べると軽いので持ち運びしやすい。
アルミアングルを直接で手支えて切るのに比べると、このようなバイスに固定して切るほうが遥かに安定して切れる。
本格的な鉄鋳物製のナベヤバイスなどと比べると、アルミ製の軽いバイスは華奢ではあるが、軽くて手軽に使えるので一個買っておくと作業が捗る。
切断したLアングルに3ミリのドリルで穴を開けて、無事にACインレットの固定に成功した。穴開け作業でも、アルミバイスがとても役立った。
インレットを付けずにケーブルを付ける場合
ACインレットを付けずに直接ケーブルを配線したい人にはケーブルグランドと言うパーツがお勧めだ。
別の記事の写真を引用すると、ケーブルグランドとは下写真の黒いパーツだ。
ケーブルを挿し込んで、外側のリングを締め付けるとケーブルが締め付けられて固定出来る構造になっている。
詳細はこの記事を参照下さい。
ケーブルグランドはケーブルの直径に応じて何種類か持っておくといざという時に必要なやつを使えるので便利だ。
ケーブルグランドは有名メーカー品をバラで買うと一個100~300円くらいする(ワテの経験)。
この手のパーツは無名のメーカーのやつでも特に使い勝手が悪いなどと言う経験はワテは無い。
この個数でこの値段ならお買い得だと思う。
1口接地コンセントを取り付ける
写真 1口の埋め込み接地コンセント
上の写真に於いて、1口の埋め込み接地コンセントの固定方法は、コンセントの左右に窪みがあるので、そこを支える工夫が必要となる。
上図では、単に左右の側板の間にコンセントを挟んでいるだけである。
同じくアルミLアングルを切断して、二個のパーツを自作した。
写真 1口接地コンセントを固定する金具の作成(左:完成品、右:加工前)
上の写真左にある下部の凸部をコンセント側にある凹みにはめ込む事で固定するのだ。
なお、矢印は取り付けの向きを示している。
アルミの加工はハンドニブラが大活躍。
使用したアルミLアングルは厚みが1mmだが、このハンドニブラなら問題無くバリバリとアルミをカット出来る。
上図のように大まかにハンドニブラで切り取ったら、その後は金工ヤスリで削って仕上げた。
あとはネジ穴を開けて3ミリの鍋ネジで固定したら取り付け完了だ(下図)。
写真 1口埋め込み接地コンセントを自作の金具で固定した
まあ、マワリブチのナチュラル木目調の色合いと、アルミのメタリックな組み合わせが今一つ調和していないのが気になる。
まあ、見た目はともかく、実用上は問題ないので次に進もう。
配線をする
あとは、配線をすれば完成だ。
今回使用したパナソニックWN1512Kダブルコンセントの場合、銅単線Φ1.6かΦ2.0が指定されている。
なので、Φ2.0の銅線で配線する事にした。
ワイヤストリッパーを買った。
ワテの場合、ワイヤストリッパーは今まで持っていなかった。
電線の被覆を剥く場合は、カッターの刃で被覆の周囲に浅く切り込みを入れてペンチで被覆を引っ張って剥く方式で長年やっていた。
でもまあ、ここはワイヤストリッパーでも買ってみるかなあと思い立ち、ワイヤストリッパーならこのベッセルのやつが有名なので、赤黄二種類の製品を買った。
値段も手ごろだし。
No.3500E-1(赤)
AWG | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 | 22 | 24 |
線芯直径(㎜) | 2.0 | 1.6 | 1.3 | 1.0 | 0.8 | 0.65 | 0.5 |
公称断面積(㎟) | 3.3 | 2.0 | 1.3 | 0.8 | 0.5 | 0.3 | 0.2 |
No.3500E-2(黄色)
AWG | 18 | 20 | 22 | 24 | 26 | 28 | 30 |
線芯直径(㎜) | 1.0 | 0.8 | 0.65 | 0.5 | 0.4 | 0.3 | 0.25 |
公称断面積(㎟) | 0.8 | 0.5 | 0.3 | 0.2 | 0.13 | 0.08 | 0.05 |
赤(太線用)と黄(細線用)の二種類を買っておけば極細線(Φ0.25からΦ2.0)までの被覆を剥ける。単線だけでなく撚り線にも使える。
あるいはホーザンのワイヤストリッパーもなんだかカッチョイイぞ。
まあ、ベッセルにするかホーザンにするか迷ったのだが、ここは、もっともポピュラーな定番商品と思うベッセルの赤黄の二本を買う事にした。
あるいは、自動ワイヤストリッパーもかなり安いのが販売されている。
まあ、ワテの場合は自動車でもマニュアルが好きなので、ワイヤストリッパーもマニュアル式にした。
VVF 2.0の2芯(白黒)で配線する
2芯VFケーブル 2.0mmは、直径Φ2mmの銅単線(白と黒)が二本入っている。
その灰色の被覆を剥いて白線と黒線を取り出した。
3芯コンセントのプラグ差込口の長い方がW(接地側)だ。コンセントの背面にもWの記号がある。White(白色)で配線するのでWだ。
あるいはWの代わりにNの記号の場合もある。NeutralのNだ。
その逆はLで、Live(活線側)の意味だ。
下図のような形状の電線を作成する。
作成した橋渡し電線を使って、隣り合うコンセントを連結する(下図)。
今回採用したテーブルタップは、穴に銅線を差し込めば引っ張っても抜けない構造になっている。もし抜きたい場合には、近くにある穴にドライバーを差し込めば良かったと思う。
橋渡し電線作成のコツとしては、先端の12ミリの被覆をベッセルのワイヤストリッパーで剥く。
ただし、ワテの場合はワイヤストリッパーで被覆を挟んで力強く被覆を引っ張るような動作は、何だか刃先が傷みそうなので出来ない。
なので、ワイヤストリッパーで軽く傷を付けておいて、あとは、従来通りカッターの刃を傷に沿ってぐるっと一回りして被覆を斬った。
上図のようにペンチで電線を挟んで、L字型に曲げる(下図)。
写真 コンセントの橋渡し電線の完成図
まあ、オーディオマニアな人の中には、電線を直角に曲げると音が悪くなるなんて言う人もいるようだ。電気が直角に曲がると伝わりにくいと感じるのかも知れない。
なので、緩やかにカーブを描くような曲げ方で配線をする人も居る。
まあ、ワテには関係無い世界だ。
ACインレットの半田付け作業
残るはACインレットの接続をすれば完成だ。
エコー電子のACインレット3Pネジ止め(AC-P01CF01)の場合、LとNの記号が記されている。
L記号:Live(活線側)黒色で配線
N記号:Neutral(接地側)白色で配線 = W記号
の意味なので、白黒を間違えないように接続する。
半田付けは25Wの半田ゴテで作業した。
半田は千住金属工業のΦ1.2mmの鉛入り半田 スパークルはんだ(スズ含有率:60%)を使用した。
ちなみに、ワテの場合は、上図のΦ1.2mm半田と、もう少し細目の下図のΦ0.6mm半田を使い分けている。
あと、半田ゴテもも25Wと18Wの二本を使い分けている。
これくらいの太さの半田と、これくらいのワット数の半田ごてが有れば、趣味の電子工作程度なら殆どの作業に足りる。
なお、鉛フリーの半田も最近では多い。ワテの場合は、鉛入りがお気に入りだ。
ある時期、試しに鉛フリー半田を使ってみた事があるのだが、ワテが使った鉛フリー半田は溶けた半田が固まった表面の光沢が今一つ光沢が無い。
昔から使っている千住の有鉛スパークルはんだはいい感じの光沢が出る。
単にそんな理由でワテは有鉛半田が好きだ。
絶縁キャップは安いので各色、各サイズを揃えておくと便利
半田付けした後は、スミチューブ(住友電工)とかヒシチューブ(三菱ケミカル)などの熱収縮絶縁チューブを被せても良い。
まあそう言う有名ブランド製で無くても、安っすい熱収縮チューブを買っておくと何かと便利。
このセットなんて、328ピースでこの値段。ほんまかいなと言う超格安値段だ。
今回は熱収縮チューブでは無くて、ビニル製の絶縁チューブを被せてみた。
写真 銅線を半田付けして絶縁キャップを被せた
ワテの場合、たまにしかこの手の工作はしないが、以下に示す絶縁キャップはほぼ全て持っている。だたし各種類100個も無くて、数十個くらいだが。
お店でばら売りしているのを買ったやつだ。
まあ、皆さんもこの際、思い切ってこの6色くらいを買っておくと、工作が楽しくなると思う。電線の末端にこの手の絶縁キャップを被せると、下手な工作がなんだかプロっぽい仕上がりに見えるのだ。一個当たり2円前後の出費で、完成度の高い雰囲気になるのでお勧めの小物パーツだ。
もう少し小ぶりのサイズだとこれだ(下図)
5.5, 3.5, 2.0, 1.25などの数字が太さを表している。
全7色揃えるのが多過ぎると思う人は、取り敢えず白黒二色を買うと良い。
11個口 テーブルタップ堂々の完成
写真 11個口 テーブルタップの完成写真(背面)
上図のように、橋渡し電線方式でスッキリとした配線になった。
配線が完了したので、念のためにテスターで導通チェックをしておいた。あるいはショートの有無も確認したが、問題は見付からなかった。
実働約3時間の作業であったが、まあ、どうにか完成した。
出来ればもう一台作成したいと考えている。
第二作目は、
2口コンセント x 8 + 1口コンセント = 17口コンセント
を持つ巨大テーブルタップを自作したい。
なお、ある種のオーディオマニアな人の中には、上図のような橋渡し電線による配線は音が悪くなると信じている人もいるようだ。
つまり、ACインレットから来た電気が一番目のコンセント、二番目のコンセント、、、、五番目のコンセントと順番にやって来る。
五番目のコンセントに挿しているオーディオ機器は、1~4番までのタップに刺さっているオーディオ機器の影響を受けると思っているらしい。
なので、オーディオマニアな人は、橋渡し電線方式ではなくて、ACインレットから、各コンセントに個別に配線する。
つまり、五本の電線がACインレットの電極に集中するのだ。
ACインレットから各コンセントに放射状に電線が伸びている図になる。
まあ、そうすると、各コンセントは互いに影響する事無くACインレットからくる電気をダイレクトに利用出来ると考えているらしい。
まあ、気持ちは分る。
でも、果たして電気がそんな風に振る舞うのかどうかはワテには分からない。
多分、気のせいだと思うが。
でも、マニアな人は
- 電線の曲がり具合(直角に曲げると音が悪くなる)、
- 橋渡し配線よりも放射状配線のほうが音が良い、
- 電極にニッケルなどのメッキが施されていると音が悪くなる(純銅製端子とか無酸素銅端子が良いらしい)、
などの拘りを持っている人も多い。
ワテは全く気にならないが。
写真 11個口 テーブルタップの完成写真(ACインレット拡大写真)
写真 11個口 テーブルタップの完成写真(1口 インレット拡大写真)
写真 11個口 テーブルタップの完成写真(1口 インレットの配線の様子)
写真 11個口 テーブルタップの完成写真(全体写真)
と言う事で、
- 構想数カ月
- 3Dモデル作成1時間
- 材料収集に数日
- 製作に3時間
程の作業で無事に11口のテーブルタップが完成した。
11口 タップの二台分の材料費
下表に今回作成したタップのパーツと将来作成予定の二台目タップの合計ニセットのタップのパーツを示す。
品名 | 型番、仕様 | 数量 | 単価 | 価格(税込み) |
3P 接地コンセント | WN1512K | 5 | 150 | 750 |
3P 接地コンセント | 明工社 | 5 | 90 | 450 |
埋込接地コンセント | WN1101 | 5 | 100 | 500 |
廻り縁 | 厚さ9×幅35×長さ3950mm | 1 | 1000 | 1000 |
木材 | 25x25x1200 | 1 | 150 | 150 |
エコー電子 ACインレット | 3P ネジ止め AC-P01CF01 | 2 | 160 | 320 |
VVF 2芯Φ2.0 | 1.5メートル | 1 | 300 | 300 |
アルミ不等辺アングル | 1.0t x 15 x 25 x 1000 | 1 | 250 | 250 |
皿木ネジ 2.7×16 | 370本入り | 1 | 400 | 400 |
合計 | 4120 |
表 11口 テーブルタップ二台分のパーツリスト(コンセントは新古品を使用した)
この表は2台分のテーブルタップを作成出来るパーツを掲載している。
アルミアングルや木ネジなどは大半が余るので、別の用途に利用出来る。
と言う事で、一台当たり約2000円弱で11口もあるテーブルタップの自作に成功した。
まとめ
ワレコ
当記事では、11口もあるテーブルタップの自作の過程を紹介した。
コンセントは中古品・新古品を使ったので一台約2000円で作成する事が出来た。
中古品・新古品と言っても怪しげな外国製などでは無くて、パナソニック電工や明工社さんなど、一流有名電材メーカーの製品なので信頼性は高い。
マワリブチを枠に利用したが、加工し易い素材なのでお勧めだ。
ACインレットを採用したので、必要に応じて電源ケーブルの長さを変更出来るメリットがある。
サイドに1口のコンセントを取り付けたので、もしこのテーブルタップを二台連結すると21個口のテーブルタップを実現出来る。
ACインレットと1口コンセントの取り付けは、其の場しのぎでたまたま所有していたアルミLアングルを斬って使った。木製枠とアルミ金具の組み合わせが今一つデザイン的にマッチしなかた点は、反省すべき点である。次回は改良したい。
兎に角、テーブルタップ好きには堪らない物凄い数のコンセントが並ぶ。
テーブルタップ好きにも程がある!
自称、テーブルタップ好きのワテである。
本格的なテーブルタップを買う
自作するのが面倒なら、既製品を買うと言う選択肢も良いだろう。
オヤイデさんとかフルテックさんの製品は、高級オーディオの世界では有名だ。
CNCフライスが有れば金属加工も自分で出来る
CNCフライスがこんなに安いんだから、買ってみようかなあ。
USB接続出来るのか?
コメント
このまま使うと漏電して火事になるよ。
でんきや様
こんにちは。
コメント有難うございました。
>このまま使うと漏電して火事になるよ。
確かに下手な自作なので、火事とか漏電は心配なのですが、
木材を使うと危ないでしょうか?
約三カ月使っていますが、今のところトラブルは有りません。
通りすがりの一般人ですけど、まあ直ぐに危険とかそういうのは無いと思いますよ。芯線露出もなさそうですし。近所の公共施設でVVFに平型キャップ付けたアホ施工とか見かけましたし、世の中の底辺電気屋よりは圧倒的に(作業自体は)丁寧だと思います。
ただ、現代だと単線は普通はんだ付けしません。差込コネクタかリングスリーブが基本です。はんだは割れるので2mmの単線を付けるのはちょっとばかし無謀かも知れませんね。
私がもし同じようにタップを作らなければならないとしたら、内部はVVFの単線ですが、IECインレットには撚線で、コンセントとの接続には(撚線はそのまま差せないので)パナソニック電工が指定する棒端子を使うでしょう。※要、圧着工具
(いや、嘘です。私ならインレットなんぞつけません。VCTF直付が一番安心ですわ)
あと、トラッキングが怖いのでカバーはあったほうが良いですね、埃避けに。
参考になれば幸いです。
anonymous様
この度は、小生の素人丸出し「自作11口テーブルタップ」に対するコメントありがとうございました。
通りすがりの一般人との事ですが、
●芯線露出もなさそうですし
●近所の公共施設でVVFに平型キャップ付けたアホ施工とか見かけましたし
●現代だと単線は普通はんだ付けしません。差込コネクタかリングスリーブが基本です。
などのご指摘は、電気設備工事関連のかなりの上級者の方とお見受けいたしました。
そのようなanonymous様から、
●世の中の底辺電気屋よりは圧倒的に(作業自体は)丁寧だと思います。
とのご意見を頂きまして、少しは安心しました。
さらに、
●はんだは割れるので2mmの単線を付けるのはちょっとばかし無謀かも知れませんね。
●内部はVVFの単線ですが、IECインレットには撚線で、コンセントとの接続には(撚線はそのまま差せないので)パナソニック電工が指定する棒端子を使うでしょう。※要、圧着工具
●いや、嘘です。私ならインレットなんぞつけません。VCTF直付が一番安心ですわ
●あと、トラッキングが怖いのでカバーはあったほうが良いですね、埃避けに。
などの専門的なご指摘は、小生のような素人電気工作派には全く知らない知識でしたので、大変勉強になりました。
ありがとうございました。
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