写真 スピーカーセレクターを自作予定の猫さん
またヘンテコな物を作った。
先日無事に完成した「ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)」は、その後、ワテのPCオーディオ環境に組み込んで、ほぼ毎晩ラジコの音声を再生している。
スピーカーまで距離1メートルくらいのニアフィールドで聴いているが、ノイズも皆無で安定性も良く使い易いアンプだ。
ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)を組み込む前の、2020年5月24日現在のワテのPCオーディオ環境は下図の通り。
図 2020年5月24日現在のワテのPCオーディオシステム
右上にあるオレンジ色の電源ケーブルで壁コンセントに挿しているのが、ワテ自作の一括スイッチ付コンセントボックスだ。
プリアンプは、同じくぺるけ式のFET平衡型差動プリアンプVersion 2.0だ。
パワーアンプには、ローランドの小型パワーアンプSRA-50を使っている。
スピーカーはAuratone 5CとKenwood S270を自作スピーカーセレクターで切り替えて使っている。
このスピーカーセレクターは数年前にトルグスイッチを使って自作したものだ。二つのスピーカーを切り替える事が出来る。1 in 2 outと言う仕様になる。
今回新たに、ラッチングリレー式のスピーカーセレクターを作ってみた。
1台のアンプに対して5台のスピーカーを切り替えられる仕様にした。すなわち1 in 5 outになる。
当記事では、そのラッチングリレー式スピーカーセレクターの構造や製作過程を紹介したい。
オーディオ業界初?と言っても良いヘンテコな、いや斬新な、仕様を多数採用してみた。
では、本題に入ろう。
過去に作ったラッチングリレー式入力セレクター
この所、ラッチングリレー(=ラッチリレー)を良く使っている。
初めてラッチングリレーを使ったのは、冒頭でも紹介したが、ぺるけ式のFET平衡型差動プリアンプVersion 2.0を作った時に、入力セレクター回路にラッチングリレーを採用した。
秋月電子でこのプリアンプに使うパーツを購入していて偶々見付けたのがNEC/TOKINの
ラッチリレー DC5V EA2-5TNAG 2回路C接点
と言うやつだ。
上写真のオレンジ色のやつがセット・リセットの2コイル型のラッチングリレーだ。
DIP14ピンのソケットには74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)を挿す。
ロータリースイッチの入力セレクターを回転すると、74HC14を使ってセットコイルやリセットコイルを駆動する幅30ミリ秒くらいのパルスを生成している。
この時には、手配線でこの基板を数枚自作したので、延べ三日くらい掛かった。
一応無事に動いたのだが、ユニバーサル基板に手配線するのはもう懲り懲り。
ああしんどい。
その回路図は以下の通り。
図 ロータリースイッチ切り替えのラッチングリレー式入力セレクター回路
この回路を5つ作って、ロータリースイッチで各入力を0V/5Vを切り替えてラッチングリレーをセット/リセットするのだ
電子回路初心者のワテの設計であるが、今のところ無事に動いている。
ラジオボタン式セレクター用に専用基板を発注した
その後、カーオーディオ用にプリアンプとパワーアンプ(LM3886使用)を自作したのだが、そのプリアンプにもラッチングリレー式の入力セレクターを組み込んだ。
その時には、PCBEやKiCADなどのEDAツールを使って、専用基板を設計して海外プリント基板業者さん(Fusion PCB)に発注したのだ。
その結果、専用基板は費用約三千円弱、納期一週間と言う速さで自宅まで届いたのだ。
その基板を使って作成したラッチングリレー式入力セレクターも無事に動作した。
この第二作目のラッチングリレー式入力セレクターは、ロータリースイッチ切り替え型では無くて、5個のモーメンタリ型プッシュボタンスイッチから成るラジオボタン式の構造にした。
ボタンを押すと、そのボタンに対応した回路のラッチリレーがセットされると同時に、直前までセットされていたラッチリレーはリセットされる。セットされたボタンの上のLEDは点灯する。そう言うラジオボタン式の回路は74HC00のNAND回路を使ってDラッチ回路を作って実現する事が出来た。
つまり、上に示した回路図の入力部分に74HC00のNAND回路を使たDラッチ回路を追加したのだ。
まあ、そんなローレベルな手法を使わなくても、PIC、Arduino、Raspberry Pi、Edisonなどのプログラミング可能なマイコンを使えば部品数も少なく簡単に作成出来るとは思うが、電子回路初心者のワテはデジタル回路の勉強をするために敢えてCMOS ICで組んでみたのだ。
その時に海外発注したラッチングリレー制御基板が10枚くらい余っていたので、それを使ってラッチングリレー式のスピーカーセレクターを作ってみたのだ。
ラッチングリレー式スピーカーセレクターの設計
今回作成する予定のラッチングリレー式スピーカーセレクターは下図のようにワテのPCオーディオシステムに組み込んで使う予定だ。
下図で黄色で示す二台の機器がそれだ。左右セパレート式(モノーラル構成)と言う画期的なスピーカーセレクターである。世界発かも知れないw
図 2020年6月9日現在のワテのPCオーディオシステム(ラッチリレー式SPセレクター採用)
上図に於いて、パワーアンプは従来使ってたRoland SRA-50から先日完成したぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)に入れ替えている。
ラッチングリレーは普通のリレーと比べて何が良いのか?
さてラッチングリレー(=ラッチリレー)は世間ではあまり一般的では無いだろう。
普通の電子工作するならDCリレーが良く使われる。ACリレーは制御系の機器では沢山使われているようだが、ワテはその分野は詳しくないのでよく知らない。
いずれにしてもDCリレーやACリレーは開閉の状態を維持する為には電磁石を動かす為にコイルに常時通電しておく必要がある。
ラインセレクターやスピーカセレクターなど、オーディオ信号が近くを通っている機器にそれらのリレーを使うと、電磁石から発生する電磁ノイズがオーディオ信号に影響を及ぼす事は有り得る。
実際、リレー式のセレクターで設計が悪いものだと50ヘルツとか60ヘルツの商用電源の信号がスピーカーから聞こえてしまうなんて話も聞いた事がある。
一方、ラッチングリレーの場合には、コイルに通電するのは接点を切り替える一瞬(通常は数十ミリ秒程度)で良いのだ。あとは永久磁石がその状態を保持するので、コイルの通電をやめても接点の開閉状態は変わらない。
と言う事で、ラッチングリレーはオーディオ機器には最適なリレーであり、かつ、殆ど電気を消費しないので省エネにも貢献できる素晴らしいリレーなのだ。
そう言う理由で、ワテの場合にはリレーと言えばラッチングリレーが大好きなのだ。
今回作成するラッチングリレー式スピーカーセレクターの仕様
今回作成するラッチングリレー式スピーカーセレクターの仕様は以下の通り。
- モノラル型スピーカーセレクターを二台作成する(高級セパレート式w)
- 1 in 5 out(1台のアンプに対して5台のスピーカーを切り替えられる)
- モーメンタリ型5連ラジオボタンを左側セレクターに配置する
- 右側セレクターは左側セレクターと連動する(LANケーブルで接続)
- 入出力端子は端子台を使う
などか。
この仕様を少し説明しておこう。
スピーカーセレクターは左右を分離してモノラル型
まず、スピーカーセレクターは左右を分離してモノラル型にする。
市販のスピーカーセレクターは左右ステレオ一体型が多いが、それだと左右スピーカーの沢山の配線が一台のスピーカーセレクターに密集して接続されるのでケーブルが入り乱れる欠点がある。
そこで、スピーカーセレクターをモノラル構成にして左右で分離する事にしたのだ。そのスピーカーセレクターを左右のスピーカーの近くに設置すれば、スピーカーセレクターと5台のスピーカーの配線は短く出来るメリットがある(上図緑色のケーブル)。
かつ、アンプから二台のスピーカーセレクターまでの配線は二本のケーブルを接続するだけで良いのだ(上図紫色のケーブル)。
つまりまあモノラル構成のスピーカーセレクターのメリットとしては、配線がスッキリ、短く出来るのだ。
左右スピーカーセレクターは8芯ストレートLANケーブルを使って連動
左スピーカーセレクターには5連プッシュボタンスイッチを取り付ける。右スピーカーセレクターと連動させるために有線式にしたのだが、使っていないLANケーブルやLANコネクタが有ったのでそれらを使って接続する事にした。
LANケーブルを使っているが、LANのプロトコルを使って通信する訳では無くて、単にリレー駆動信号を8芯ストレートLANケーブルを使って伝送しているだけだ(正確に言うとリレー駆動信号と言うよりもDラッチ回路のH/L状態を伝送している)。
サトーパーツ12極M4ネジ端子台を使う
スピーカーケーブルを接続するターミナルは、端子台を使う事にした。
市販のスピーカーセレクターの場合なら、大型のスピーカー端子を多数配置している製品が多い(下写真)。
一方、ワテの自作のスピーカーセレクターは、サトーパーツの12極端子台を採用した。
まあ端子台は見た目はオーディオ機器としては安っぽく見えるが、電気的な接続と言う観点では、丸型圧着端子をネジで強固に固定出来るので最適なのだ。
逆に、金メッキされた煌びやかなスピーカーターミナルに、金メッキのバナナプラグを挿す方式でスピーカーケーブルを配線しているオーディオマニアな人が多いが、バナナプラグを挿し込む方式は圧着端子ネジ止め方式に比べると接触抵抗が大きいんじゃ無いかと思う(ワテの印象)。
サトーパーツML-51-S1AXSの仕様
メーカー名: サトーパーツ
型番:ML-51-S1AXS-12P
定格 250V-15A
絶縁抵抗 DC500V、1000MΩ以上
耐電圧 AC2000V (1分間)
取得規格 UL規格
極数 (P) 1~20
絶縁材 P.B.T. (UL94V-0)
端子ネジ セムスネジ (M4×8) 、端子ネジ締付トルク 1.2N・m MAX
端子金具 はんだ付け用端子
本体色 B (黒)
取付方式 ネジ止め
使用上の注意 ①20P以外の極数は、本体を切断加工して作成されますので本体の両端もしくは片側に切断加工跡(段)が残ります。②規格品としてご使用の場合は、規格上の制約等をご確認ください。③電線を接続せずに端子ネジを締めつける場合は、0.2~0.3N・mのトルクで締めつけてください。④ネジ締めにインパクトドライバーを使用するとネジ部破損の恐れがありますので使用しないでください。⑤電線接続の際は強く締めすぎるとネジ部破損の恐れがありますので、締付トルクを守ってください。
引用元 http://www.satoparts.co.jp/JPN/item/ML/ML-51-S1AXS/
今回採用したサトーパーツML-51-S1AXSの12Pタイプの寸法図は以下の通り。
サトーパーツML-51-S1AXSの寸法図
引用元 http://www.satoparts.co.jp/JPN/item/ML/ML-51-S1AXS/
上図のように、M4ネジの左右の仕切りの間隔は8.7ミリだ。
この値は端子台に取り付けられる圧着端子の最大寸法を制限するので、端子台を購入する場合には十分に調査しておく必要がある。
似た様な端子台はこちら↴
12極のうち2極はアンプからの入力、10極は2極x5台のスピーカーと言う構成にする。
端子台はM3ネジのものが多いが、今回は一回り大き目のM4ネジのタイプの製品を選定した。
それによって比較的大き目の裸圧着端子 (R形)丸形を使う事が出来る(下写真)。
この3.5ーR4サイズの裸圧着端子なら、下表に引用した日本圧着端子製造株式会社さんの裸圧着端子の仕様書を見ると、
表 日本圧着端子製造株式会社さんの裸丸型圧着端子の例(一部引用)
引用元 http://www.jst-mfg.com/product/pdf/jpn/A-A1.pdf
リングの最大径B =8.0mm
中央穴径Φd2 =4.3mm
なので、今回採用したサトーパーツML-51-S1AXS-12P(M4ネジ、仕切り間隔8.7ミリ)に取り付けられる(はずだ)。
この丸形裸圧着端子3.5ーR4なら、適用電線範囲は撚線の場合なら3.5㎟が使えるのでかなり太いスピーカーケーブルを接続する事が出来る。
そこまで太いケーブルが必要無ければ、一回り小さめの
丸形裸圧着端子1.25ーR4
などが良いだろう。どちらもR4なのでM4ネジに取り付けられる。
いずれにしても、ワテの場合には、スピーカーケーブルの接続には丸型裸圧着端子をがっしりとネジ止めするのが好きだ。
金メッキのスピーカーターミナルや金メッキのバナナプラグと言う一般的な手法は好きでは無い。
だいたい、世の中の電子機器、電気配線の殆ど全ての場所で圧着端子や端子台は使われている訳なので、電気的な接続と言う観点では十分に実績も信頼性もあるのだ。
一方、オーディオ信号の接続に限り、金メッキを多用したスピーカーターミナルに金メッキバナナプラグを挿すなんてのは、単なる見掛け倒しだろう。
バナナプラグを挿し込むよりも、プラスドライバーで圧着端子を端子台にネジできつく締め付けておくほうが、確実な電気的接続になる事は言うまでも無いだろう。
と言う事で、金メッキされた高級オーディオパーツを買う小遣いの無いワテのボヤキ以外の何物でもないw
ラッチングリレー式スピーカーセレクターの製作開始
さて、秋月電子で買ったラッチングリレーは一個80円と格安だった。
でも、一般にはラッチングリレーは一個500円前後の値段だ。
なので、今回5台のスピーカーを切り替えるので、2Cタイプのリレーを使うとしても最低でも左5個、右5個、合計10個のラッチングリレーを使う。
もし1Cタイプのリレーなら左10個、右10個、合計20個のラッチングリレーを使う事になる。
一個500円としても、20個なら1万円!
プアオーディオ派のワテの場合、自作機器に1万円の出費は厳しいのだ。
しかし、幸いにしてPanasonicの以下の型番のDSパワーリレーを30個くらい持っている。
定格制御容量 8A 250V AC
5A 30V DC
開閉回数 10万回以上
入手したのはもう何年も前なのだが、いつか何かに使おうと思って買ってみたのだ。値段も格安だった。どこで買ったのか忘れた。オークションか、ジャンク屋か、リサイクルショップ辺りだと思う。
ラッチングリレーはネット通販でも売っている。
やっぱり日本製(オムロン、パナソニックなど)は値段が高い。
でも中華製ならかなり安い。
特にこれなんか、四つのリレーが乗った基板が千円程度なのでスピーカーセレクターに使えそうだ。
接点容量も15A 125VACなのでスピーカーセレクターには十分な性能だ。
商品説明に「ラッチ」と書いてあるけれど本当にラッチングリレーなのかな?
それとも、普通のリレーをラッチングリレーのように操作する電子回路が付いているという意味かもれない。
PanasonicのDSパワーリレーの仕様
PanasonicのDSパワーリレーの仕様をパナソニックのサイトから引用させて頂く。
ちなみに、パナソニックのリレー製品の場合、「品番」と「型番」があるのでややこしい。
型番 DSP1a-L2-DC12V
今回ワテが使うのは1aタイプ(=ノーマリーオープンな接点が一個ある)なので、回路は一回路のみ。なので一台のスピーカーの+と-の信号を同時開閉するには2個のリレーが必要になる。それが左右で必要になるので、4個のリレーを使う。
従って5セットのスピーカーを切り替えるには
左チャンネル 2x5=10個のリレー
右チャンネル 2x5=10個のリレー
合計20個のリレーを使う。
引用元 https://www3.panasonic.biz/ac/j/search_num/index.jsp?c=detail&part_no=AGP2204
今回使うのは、L2タイプなので2巻き線型(セットコイル、リセットコイル)になる。
このリレーはサイズは小型だけれど、定格制御容量8A 250V ACなので、かなり大出力アンプでも電流容量的には行けそうだ。
コイル印加セット・リセットパルス時間はコイル定格電圧で25ms以上
ラッチングリレーを使う上で注意しなくてはならないのは、セット・リセット信号のパルス幅だ。
このDSPリレーの場合には25ミリ秒以上が推奨されている。
DSPリレー使⽤上の注意事項
● セット、リセットパルス時間
ラッチングタイプのセット、リセットパルス時間については使⽤周囲温度の変化やご使⽤状況における確実な動作のため、コイル印加セット、リセットパルス時間はコイル定格電圧で、25ms以上とすることをおすすめします。
引用元 https://www3.panasonic.biz/ac/j/search_num/index.jsp?c=detail&part_no=AGP2204
なので、余裕を見てセット・リセット共に40ミリ秒くらいのパルス幅にする予定だ。
ラッチングリレー式スピーカーセレクターのブロック図
今回製作予定のラッチングリレー式スピーカーセレクターのブロック図を以下に示す。
先日完成したぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)の出力を左右二台のスピーカーセレクターに接続するのだ(下図)。
図 ラッチングリレー式スピーカーセレクターのブロック図
上図のように接続するスピーカーのプラス端子、マイナス端子の両方を切り替える方式だ。
なので、もしこのスピーカーセレクターの入出力を逆に使ってアンプセレクターとして利用した場合には、BTLアンプにも対応の安全仕様だ。
さて、左右のスピーカーセレクターには、それぞれ5台のスピーカーを接続する事が出来る。
左チャンネルのスピーカーセレクターにはモーメンタリ型5連プッシュボタンスイッチを取り付ける。
これは、以下の記事で紹介したプッシュボタン式の入力セレクターと同じ構成だ。
つまり、押下されたラジオボタンの情報を保持する機能は74HC00のNAND回路を四つ使ってDラッチ回路を構成して実現している。
リレーのセット信号、リセット信号は74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)を使って生成している。
一方、右チャンネルのスピーカーセレクターにはLED表示は無いので74HC00のDラッチ回路は搭載せずに、74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)を使ったリレーのセット信号、リセット信号発生回路のみ搭載している。
8芯ストレートLANケーブルで連結した
使っていない8芯ストレートLANケーブルとLANコネクタが余っていたのでそれらを使って左右のスピーカーセレクターを連動させる事にした。
以下のように信号を割り当てた。丁度8信号なので8芯ストレートLANケーブルで伝送出来た。
2 Dラッチ回路4のH/L出力
3 Dラッチ回路3のH/L出力
4 Dラッチ回路2のH/L出力
5 Dラッチ回路1のH/L出力
6 12VDC
7 5VDC
8 GND
表 左右スピーカーセレクター間をLANケーブルで伝送する信号(ワテ規格)
なお、右チャンネルスピーカーセレクターにも74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)を使ったリレーのセット信号、リセット信号発生回路のみ搭載しているが、この信号は左チャンネルスピーカーセレクターでも生成している。
その左チャンネルで生成したリレーセット・リセット信号を右チャンネルにも伝送すれば右チャンネルの74HC14によるリレーのセット・リセット信号発生回路自体を省略できる。
当初はその案で行く予定であったのだが、その場合には、左チャンネルから右チャンネルへ伝送する信号線の数が倍増する。
つまり、必要な信号線の数は以下のように21本の信号になる。
それとGNDも必要
まあDーSUB25ピンのRS232Cケーブルなど使えば可能ではあるが、配線が面倒なのと、RS232Cケーブルを持っていないので買うとなると二千円くらいの出費は痛いのでこの案は不採用とした。
それで、右チャンネルにも74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)を使ったリレーのセット信号、リセット信号発生回路を搭載して、左チャンネルから右チャンネルに伝送する信号は現在選択されているスイッチの状態を示すDラッチ回路のH/L信号を伝送する事にしたのだ。
それに、海外発注したラッチングリレー制御基板が沢山余っていたので、この際、全部使う事にしたのだ。
まずは左チャンネルから作る
下写真は、Fusion PCBさんで製作して貰った両面スルーホール基板だ。
秋月のオレンジ色のラッチングリレー制御用に製作したが、2巻き線タイプのラッチングリレーなら他社製の物にも使える。
写真 スピーカーセレクター左チャンネル基板の製作開始
下写真のように、取り付ける抵抗やコンデンサは念のために事前に値をテスターで計測しておく。
写真 抵抗やコンデンサの計測に便利なテスター用冶具
上写真に示す強力ネオジュウム磁石を使ったテスター計測冶具の詳細は以下の記事で解説している。
この冶具はとても便利なので、皆さんにもお勧めしたい。費用は500円も有れば完成するだろう。
サンハヤトのリードベンダーを使って抵抗やダイオードの足を綺麗に折り曲げると仕上がりも綺麗になる。
サンハヤトのリードベンダーは電子工作をする人には必須のツールだ。
サンハヤト リードベンダー RB-5を使うと、上写真のように抵抗の足を指定した間隔(2.54ミリの整数倍)で曲げられるだけでなく、下写真に示すようにトランジスタ・FETの三本足の両側を綺麗に整形する事も出来る。
写真 サンハヤトのリードベンダーを使ってTO-92型トランジスタ2SC1815GRの左右の脚を広げた
写真 左チャンネルスピーカーセレクターのリレー制御基板が完成した(74HC14, 74HC00使用)
上写真で示す左チャンネルのスピーカーセレクター制御基板では、下段にある74HC00のNAND四回路を使ってDラッチ回路を構成して、押下ボタンの状態を記憶している。
その出力信号を元に、上段の74HC14(6回路シュミットトリガインバーター)でラッチリレーのセット信号とリセット信号を生成している。
つまりボタンが押下されたリレーのセット信号を生成すると同時に、直前までセットされていたリレーにはリセット信号を送る。
まあ電子回路初心者、デジタル回路超初心者のワテの設計であるが、今のところ正常に動作している。
スピーカーセレクターのシャーシはMDFボードで自作
先日自作したぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)のシャーシもMDFボードで自作した。
ダイソーで100円あるいは200円で売っている6ミリ厚のMDFボードをワテ所有の日立工機スライド丸ノコでカットして木工用ボンドで貼るだけなので手軽に自作出来るのだ。
ワテが使っているスライド丸ノコはこれだ↴
最大切断幅305ミリなので、ちょっとした木工DIYには最適だ。もしそれ以上長い寸法を切断したい場合には、マキタの丸ノコを使う。あるいはホームセンターで木材を買う時点で、お店の大型パネルソーでカットして貰えば良いのだ。
写真 木工用ボンドで木材を貼り合わせて左右スピーカーセレクターを製作している様子
下写真に示すようにリレーは裏返して両面テープで貼り付けている。
写真 左チャンネルのスピーカーセレクターの製作途中
上写真の5枚のリレー制御基板は、この時点では単体の基板だが、その後接着剤アラルダイトを使って一枚に貼り合わせた。
その基板を断面がEになっている木材を2本使って凹みの部分をレールにして固定する。
基板には多数の信号線を配線するので、ピンヘッダーとピンソケットを多用してソケット式にした。
ピンヘッダーの切断には、60W半田ごてにカッター刃をネジ止めした即席のヒートカッター(=ホットナイフ)を使ったら上手く行った。
写真 自作ホットナイフで連結ピンヘッダーを切断している様子
ピンヘッダーを使って配線している様子を下写真に示す。
写真 一枚の制御基板で二個のラッチングリレーを制御するのでセット、リセット信号が合計4本
なお、この時点で左チャンネル基板のみを動作確認したところ、セット信号とリセット信号を逆に配線している間違いを発見。
10個のリレーのセット端子とリセット端子の半田付けを全部やり直しか!?
めんどくさー
憂鬱な気分。
もっと良い解決策は無いのか?と30秒くらい考えた。
その結果、上写真のようにピンヘッダーのピンを抜いてセット信号とリセット信号の位置を入れ替えたら無事に解決。
完璧なリカバリーと言っても良いだろうw
右チャンネルスピーカーセレクターの製作
下写真は右チャンネル基板だ。
右チャンネル基板には74HC14が乗っているが74HC00は乗っていない。
写真 右チャンネルスピーカーセレクターがほぼ完成した
今回使用するパナソニックのラッチングリレー(DSP-1a-L2-12V)は12Vタイプなので、電源には秋月の12V1AのACアダプターを使う予定だ。
一方、74HCxxシリーズのCMOSロジックICには5VDCが必要になるので、三端子レギュレータを使って12Vから5Vを生成する回路を即席で自作した(下写真)。
写真 12VDCから5VDCを生成する三端子レギュレータ回路を自作
電源ライン、アースラインはシールド線の素線7本を電動ドリルで捩じった物を使った。
所謂、金田式7本撚り線と言うやつだ。電源回路にこの7本撚線を使う事で音に深みが増し、かつ、繊細な音になるのだ。
ほんまかいなwww
プリント基板は上写真のように裏返して配線した。
その理由は、下写真に示すように基板の裏側に両面テープを貼ってMDFボードシャーシに貼り付けるのだ。
ワテの場合には下写真のニトムス製の超強力両面テープを使っている。
普通のテープだと接着出来ないポリプロピレン板やポリエチレン容器などにも使えるのでお勧めだ。
完成したモノーラル構成ラッチングリレー式スピーカーセレクターシステム
コロナウイルスで外出自粛していて時間がある時にコツコツ製作していたのだが、一ケ月くらいで完成した。
写真 モノーラル構成ラッチングリレー式スピーカーセレクターシステム(ほぼ完成)
上写真のように、プリント基板は専用基板を作成したので抵抗、コンデンサ、ICを半田付けするだけで良いのだが、基板とリレーの間の配線、基板と押しボタンスイッチとの配線、左右スピーカーセレクター間の配線などで多数の電線を半田付けする必要が有ったので、結構面倒臭い作業だった。
なお、配線に使用したのは手持ちに有った単線ケーブルを使ってみた。
撚線と比べると単線は要するに針金みたいな感じなので、必要な形に曲げるとその形状のまま動かない。
従って、上写真のように割とスッキリと配線出来た(と言う事にしておく)。
正面から見たモノーラル構成のラッチングリレー式スピーカーセレクター
写真 正面から見たモノーラル構成のラッチングリレー式スピーカーセレクター
上写真のように、左チャンネルスピーカーセレクターのフロントパネルには五個のモメンタリ型押しボタンスイッチ(日本開閉器 EB-2011 単極双投 ON-(ON) )と、その上にΦ2ミリの赤色発光ダイオードを配置した。
このΦ2の凸円柱型赤色LEDは楽天などで売っている。
同じシリーズで赤色や黄色もある。
円柱の長さは4.5ミリなので6ミリ厚MDFボードの裏側を少し削ればパネルと面一に出来る。ワテの場合は0.3ミリ程円柱が飛び出すようにした。
自作アンプの製作例などを見ると、こんな巨大なLED表示を良く使っているのを見るが、
ワテが使ったやつは直径がΦ2ミリと小さいので控え目な表示に出来るので最近のワテは良く使っている。
端子台周りの配線の様子
リレーと端子台の間の配線は銅単線で配線した。
AWG20の銅単線で、直径はデジタルノギスの実測でΦ0.87ミリだ。
写真 銅単線で配線したリレーと端子台
ワテの場合は、最近は電子工作の配線には銅単線(銅針金)を良く使う。従来はΦ0.6くらいのスズメッキ線やハンダメッキ線を使っていたのだが、或る時、ホームセンターで売っていたΦ0.5の銅線を使ってみたらとってもいい感じなのだ。
#24番手(Φ0.5前後)がワテ好みだ。
まあオーディオマニヤな人で無酸素銅純度99.99999%などの高価な配線材料しか使わないなんて言う人からすれば、ホームセンターの純度すら分からないやっすい銅針金でオーディオ機器を作成するなんてのは話にならないレベルだと思うが、まあ、銅の純度が99.99999%と99.5%で音の違いを聞き分けられると言う人がもし居たら、ワテは聞き分けられないほうに10億賭けてもいいぞ。ワテと勝負するか?もちろんジンバブエドルで。
銅単線の何が良いかと言うと、以下の通り。
- 見た目が銅色で綺麗
- 銅表面は半田の濡れが良い
- 半田の銀色と銅色の境界が見分けやすいので半田の乗り具合が一目瞭然
- スズメッキ線を半田と勘違いして半田付けしようとするウッカリミスが無いw
- Φ0.5x7メートルで200円弱と安い
要するに銅単線(銅針金)を使うと半田付けがやり易く、かつ仕上がりが確認し易いのだ。
半田付けが下手な人にお勧めだ。ホームセンターで150円くらいで買える。
ただし、銅表面の光沢は手で触ると手の脂とか汗の塩分などで直ぐに酸化してしまう。
なので、半田付けした後は直ぐにアルコールやフラックス洗浄剤で表面を綺麗にクリーニングしておいて、プリント基板防湿コーティング剤を塗布しておくと良い。
なお、銅線はハンダが乗り易いのでフラックスは滅多に使わないが一瓶持っておくと便利だ。
5連プッシュボタンスイッチとLED表示の動作の様子
完成したモノーラル構成ラッチングリレー式スピーカーセレクターの動作確認してみた。
下写真のようにモーメンタリ型プッシュボタン1を押すと、そのスイッチに割り当てられているラッチリレー(左チャンネル2個、右チャンネル2個)が一斉にカチッと音を立ててセットされる。
写真 スピーカー1を選択した状態
次に、下写真のようにスイッチ2を押すと、現在セットされている四つのリレーが一斉にカチッと音を立ててリセットされると同時に、新たに四つのリレーが一斉にセットされる。
写真 スピーカー2を選択した状態
つまりまあ、ほぼ同時に8個のリレーが一斉に駆動されるのだ。
その結果、電流もかなり流れる。
表 パナソニックDSP-1a-L2ラッチリレーの定格励磁電流、コイル抵抗、定格消費電力
上表を見ると、具体的にはリレーのセットまたはリセットコイル一個当たり25ミリアンペアの電流が流れる。
なので、8個のリレーが一斉に動作すると、25x8=200mAの電流が流れるのだ。
ワテの場合には、余裕を見て12V1AのACアダプターを使う予定だ。
以下、同様にスピーカー3、スピーカー4、スピーカー5を選択しても正常にラッチングリレーが動作した。
写真 スピーカー3,4、5を順番に選択しても正常に切り替わった!
上蓋を付けていないので光っていないLEDも背面からの光で明るく見えているが、上蓋を付けるとその問題は起こらない。
LANケーブルは8芯ストレートを使う、クロスケーブルは不可!
さて、無事に完成したので調子に乗ってスイッチをカチカチ押しまくってラッチングリレーの開閉音を聴きながら浮かれていたら、アホな失敗をしてしまった。
上写真に登場したオレンジ色のLANケーブルはちょっと長かったので、手持ちにあった短めのLANケーブルを使って動作実験したところ、スイッチ2を押してもリレーが開閉しない。
写真 LANクロスケーブルをうっかり使って74HC00を壊してしまった
で、実験に使っている高砂製作所の定電圧電源の電流表示を見ると2Aとか流れているし!
ええ?
なんでやねん?
慌てて電源を切った。
で、良く見たらLANケーブルがストレートでは無くてクロスケーブルだったのだ。
その結果、リレー駆動用の12VDCが二番目の基板の74HC00の11番ピンに印可されてしまったのだ。
東芝TC74HC00AP絶対最大定格 (注 1)
項 目 | 記 号 | 定 格 | 単位 |
電源電圧 | VCC | −0.5~7 | V |
入力電圧 | VIN | −0.5~VCC + 0.5 | V |
出力電圧 | VOUT | −0.5~VCC + 0.5 | V |
入力保護ダイオード電流 | IIK | ±20 | mA |
出力寄生ダイオード電流 | IOK | ±20 | mA |
電 源 /GND 電 流 | ICC | ±50 | mA |
許容損失 | PD | 500 (DIP) (注 2)/180 (SOP) | mW |
保存温度 | Tstg | −65~150 | °C |
注 1: 絶対最大定格は、瞬時たりとも超えてはならない値であり、1 つの項目も超えてはなりません
引用元 https://toshiba.semicon-storage.com/info/docget.jsp?did=6907&prodName=TC74HC00AP
まあ上表を見ると、電圧関連の絶対最大定格は7V程度なので、12Vを加えたら壊れるのは当然だ。
あかんがな。
でも74HC00が一個だけ壊れたのは不幸中の幸いだ。全部のCMOS ICが壊れていたら恐らくこのプロジェクトはしばらく中断して、この記事の執筆も数カ月先あるいはプロジェクト自体を中止したかも分からない。
まあDIP14の74HC00はICソケットを使わずに直接基板に半田付けしているので取り外すのに悪戦苦闘したが、はんだシュッ太郎NEOや半田吸い取り銅網線を使って10分ぐらい掛かって無事に74HC00を交換する事が出来た。
はんだシュッ太郎NEOは実売価格五千円くらいだが、これがあるとパーツの取り外しが格段にやり易くなる。
銅網線だと消耗品なので、長い目で見ると出費が嵩む。その点、はんだシュッ太郎は半永久的に使えるので、長い目で見ると得なのだ。
残りの作業
現状では、電源をOFFしてONすると、D-latch回路の選択状態はランダムになってしまう。
つまり、本来は一つのD-latch回路のみH出力になり、他の四つのD-latch回路はLになるべきなのだが、その規則が成り立たない。
その結果、ラッチングリレーの初期状態も不定になってしまう。
それだと、複数のスピーカーが同時にアンプに接続される危険性もある。
なので、電源ON時にはパワーオンリセット的な回路を追加して、1番目のスピーカーをONにするなどの機能を追加したい。
PCオーディオ環境に組み込んだ
2020年6月11日(木)追記
その後、ラッチングリレー式スピーカーセレクターは無事に完成して、ワテのPCオーディオシステムに組み込んだ。
まず、予定していたパワーオンで1番目スピーカーを選択する回路は採用を見送った。
理由は、作るのが面倒なので。
パワーオンで1番目のスピーカー選択機能が動かない
と言うのは、前回、カーオーディオ用プリアンプに同じラッチングリレー式セレクターを組み込んだ時には、パワーオンで1番目入力を選択する機能を入れた。
今回、それと全く同じ回路を試したのだが、何故か期待通り動かん!少し調査したが原因不明だ。
そこで、全く新規に別の回路をブレッドボードに試作したら、それは無事に動いた。具体的には74HCT14(6回路シュミットトリガインバーター)を使って、パワーオンで単発のパルスを発生させて、そのパルスで2SC1815を使って小型のDCリレーを駆動する。そのリレーは1番目スピーカーを選択するプッシュボタンスイッチに並列に入れておく。
つまりリレーがオンすると、プッシュボタンスイッチ押下と同じ動作になる。これでパワーオンで1番目スピーカー選択は実現出来たのだが、面倒なので作らなかった。まあ要するに手抜きと言うやつだ。
それよりも、なぜ、最初に試したシンプルな回路が動かなかったのか気になるので、いつか解明したい。
さて、上蓋をMDFボードで作成して木ネジで固定した(下写真)。
写真 上蓋を取り付けたラッチングリレー式スピーカーセレクター
MDFボードは安くて加工し易いのでオーディオ機器のシャーシの材料には最適だ。
上写真のシャーシならダイソーで売っている6ミリ厚の200円のMDFボードを二枚くらい使えば出来るので、費用は400円で2台のシャーシを作れるのだ。
スピーカーケーブルは2.0㎟のごく普通の赤白や青白ケーブルを使う。
写真 裸圧着端子 R2-4を使ってスピーカーケーブルを製作中
上写真のように、ごく普通の銅線用裸圧着端子を使ってスピーカーケーブルを自作した。もちろん使うのはニチフの圧着端子だ。
そして、下写真の圧着工具は電線サイズ0.3・0.5・1.25・2・3.5・5.5に対応しているので、電子工作DIYならこの圧着工具が有れば殆どの場合足りる。
下写真のように、ラッチングリレー式スピーカーセレクターをワテのPCオーディオシステムに組み込んだ。
当初は、スチールラック棚板裏側に磁石で貼り付ける予定で有ったのだが、計画変更して素直に棚板の上に載せる方式にした。
写真 ワテのPCオーディオシステムに組み込んだラッチングリレー式スピーカーセレクター
上写真のように、先日完成した「ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)」は、左側ラッチングリレー式スピーカーセレクターの上に移動した。元々は最下段のプリアンプ(ぺるけ式FET平衡差動プリアンプVersion2.0)の上に載せていたのだが、発熱が多いのでエアコン吹き出し口に近い上段に移動したのだ。
右側ラッチングリレーユニットは合板に隠れて見えないが、左側と同じ棚の右端に載せている。
下写真は、左側ラッチングリレー式スピーカーセレクターを横から見たものだ。
写真 ラッチングリレー式スピーカーセレクターの端子台の様子
上写真のように、端子台にはスチールラックの側面から簡単にアクセスできるので、スピーカーケーブルの取り付けや交換が簡単に出来るのだ。
また、見た目は安っぽい端子台だけれど、プラスドライバーでM4ネジをしっかり締め付けられるので、接触不良は全く起こらないのだ。完璧だ!
ちなみに、従来使っていた初期版のスピーカーセレクターを下写真に示す。
写真 以前に作成したトグルスイッチ式の1 in 2 outのスピーカーセレクターは廃止
上写真に使っている端子台は同じくサトーパーツの製品だが、ネジサイズはM3なので、今回採用したM4サイズの端子台より一回り小さい。そのために、取り付けられる裸丸型圧着端子のリングサイズも小さいのしか使えないので少々不便だった。その反省も踏まえて今回は大型のM4サイズを選択したのだ。
と言う事で、新たに作成したラッチングリレー式スピーカーセレクターであるが、無事にワテのPCオーディオシステムに組み込む事が出来た。
使って数日になるが、その時の気分でスピーカーを切り替えられるのでとってもいい感じだ。
モーメンタリ型5連プッシュボタンスイッチを押すと、ラッチングリレーがカチカチと小気味よく反応して切り替わるので気分爽快だ。
今回作ったのは1 in 5 out だが、現状3チャンネル分の空きがあるので、自作スピーカーを作って接続したいと思っている。
まとめ
当記事では、ラッチングリレー式のスピーカーセレクターの自作過程を紹介した。
- 左右チャンネルを分離したモノーラル構成
- 使用するリレーは2コイルラッチングリレー
- 左右チャンネルの連動機能はLANケーブルで接続(Dラッチ回路のH/L電圧を伝送)
と言う、あまり世間では見掛けない仕様にしてみた。
オーディオ業界初と言っても良いだろう。
まあ、一応は正常動作しているので良しとする。
MDFボードで自作したシャーシの裏側にはネオジュウム磁石を取り付けてスチール製ラックの側面や棚板の背面などに強固に固定出来るようにした。
と言うのは、スピーカーセレクターには太いスピーカーケーブルが沢山集中して配線されるので、軽いスピーカーセレクターだと安定性が悪いからだ。
と言う事で、あとはパワーオンリセット的な回路を追加したら完成だ。
まあ、本当は、さらに以下の仕様を追加したかった。
- 左右独立2電源(超高速レギュレーター)
- 電流伝送方式(左基板から右基板へリレーセットコイル・リセットコイル駆動電流を送る)
まあ無線と実験などのオーディオ自作系雑誌で良く見かけるキャッチフレーズだ。
そうすると、いよいよワテもオーディオ業界に
として、センセーショナルなデビューを飾れるかも知れない。
無いかw
無いな。
あと、完全対称、バッテリー駆動、メタルキャントランジスタ、Nutube採用とか入れるべきか。
もちろんコンデンサは双信SEコンデンサだ。
んなアホな!
その後、シャーシを作り替えた。
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