ワレコ
遂にワテのハイゼットカーゴにJBLパラゴン風フロントスピーカーを搭載したのだ。
世界広しと言えども車にJBLパラゴンを搭載した人はいないだろう。
ワテの場合は「パラゴン風」ではあるが、本家JBLパラゴンに勝るとも劣らない完璧なカーオーディオシステムが完成した。
カーオーディオ業界の伝説のスピーカーシステムになる事は間違い無い。
早いものでパラゴン風スピーカーシステムを計画したのが約一年前だ。
当初は下記事で紹介しているように自作4chパワーアンプ(LM3886x4個使用)を使ってマルチアンプ駆動する予定であった。
でもその計画は変更して、下記事のようにLCネットワークを自作して2Wayスピーカーシステムに改造して、車のカーナビ付属のパワーアンプで鳴らす予定であった。
ところがその後、多忙に付き、と言うか気分が乗らなかったので一年間寝かせていたのだ。で、先日、突如として気分が乗って来たので、このJBLパラゴン風スピーカーを完成させて車に搭載したのだ。
当記事ではワテ自作JBLパラゴン風カースピーカーの詳細を紹介したい。
では、本題に入ろう。
ワテ自作JBLパラゴン風スピーカーシステムの紹介
当初の案を下図に示す。
図 JBLパラゴン風スピーカーシステムをマルチアンプ駆動する予定だった
上図において、電源はポータブル充電器を利用する予定だった。
バッテリー駆動のマルチアンプカーオーディオと言う先進テクノロジーを集結した完璧なカーオーディオシステムを目指したのだが、実際に使ってみると車のエンジンに連動して電源のON/OFFをする機能を入れていないので使い辛い事が判明。
そこでこの先進カーオーディオシステムは中止して、下写真のようにカーナビ内蔵パワーアンプでスピーカーを駆動する事にした。
図 JBLパラゴン風スピーカーシステムにLCネットワークを追加して使用する(現行バージョン)
上図のようにワテのハイゼットカーゴのオーバーヘッドキャビネットの部分にJBLパラゴン風スピーカーシステムを搭載する。ウーファーとツイーターの2Wayスピーカーシステムだが、自作LCネットワークを追加してフロントスピーカーとする。
一方、リアスピーカーは荷室天井付近に搭載したJBL CONTROL 1Xtremeだ。イレクターパイプをカットしてハイゼットカーゴ荷室に自分で棚を作成したのだ。
LCネットワークを自作してJBLパラゴン風スピーカーシステムを作る
さて現状では下写真のようにマルチアンプ駆動版なので、NEUTRIK ( ノイトリック ) / NL4MP スピコン、4芯、角型レセプタルコネクターにウーファーとツイーターを配線している。配線材料はもちろんBELDEN(ベルデン)の通称ウミヘビ9497だ。1メートル当たり300円もする超高価なスピーカーケーブルなのだ!
写真 スピコンコネクタ版JBLパラゴン風スピーカーシステム(マルチアンプ駆動用)
ベルデン9497は非常に硬い電線なので、良く見かける紅白スピーカーケーブルのような柔軟性は全く無い。そんな硬いケーブルは車のスピーカーシステムの配線に相応しいのだ。つまり走行中の振動でもケーブルが大きく揺れる事が無いので安定したスピーカーサウンドが聴けるのだ。一方、フニャフニャの紅白ケーブルなんて使うと、ケーブルの機械的振動が電気的なノイズになり雑音が増加するのだ。ほんまかいなw
まあ、磁場の近くをスピーカーケーブルが通っている場合には、レンツの法則からワテの説が正しい事は証明できるw
高級ウォルナット塗料を行う
さてこのマルチアンプ駆動版JBLパラゴン風スピーカーシステムをLCネットワーク版に改造する。
ついでに塗装も行う事にした。
下写真のようにスピーカーユニットなどを取り外した。
下写真のようにマキタ仕上げサンダで針葉樹合板12ミリのバッフル板を研磨する。紙ヤスリの番手は240番だ。
写真 自作サイクロン掃除機で吸引しながらバッフル板に仕上げサンダを掛ける
ワテの木工作業部屋は着々と使い易くなって来たので、木工作業が楽しい。
アクリル着色ニスは今一つ綺麗に仕上がらない
実は、最初は下写真のようにチーク色の水性ウレタンニスを塗ってみた。
その結果、下写真のように針葉樹合板の木目や節が目立つ仕上がりとなった。まあ透明系のニスなのでこの仕上がりは普通なのだが、今一つ美しくない。
ちなみにこのチーク色のニスは以前に軽バン用の網戸を自作した時に木枠に塗った残りだ。
やはりこの手の透明系のニスは木目の綺麗な板材に塗布するのが良いだろう。
今回使った節の多い針葉樹合板は透明ニスを塗ると節の多い安っぽい材の粗が目立ってしまい、かえって汚く見えてしまう。
そこで急遽、カンペハピオの水性木部保護塗料(ウォルナット色)で上塗り塗装した。
この塗料は先日、窓に後付けで換気扇を取り付け工事した時、自作したラブリコ風突っ張り棒の塗装に使ったやつだ。
下写真はカンペハピオ 水性木部保護塗料 ウォルナットを一度塗り乾燥後の状態だ。
下写真はカンペハピオ 水性木部保護塗料 ウォルナットを二度塗り乾燥後の状態だ。
二度塗りでも良かったのだが、試しに三度塗りしてみた。
下写真はカンペハピオ 水性木部保護塗料 ウォルナットを三度塗り乾燥後の状態だ。
三度塗りすると安っすい針葉樹合板の節も見えなくなり、木目が薄っすらと見えてまるで高級ウォルナット板材かのごとく完璧な仕上がりに出来た。
LCネットワークを自作する
下図がLTspiceを用いてクロスオーバー周波数1KHzで設計したLCネットワーク(2Wayスピーカー用)だ。
ウーファー(EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット、ペア)の感度88 dBに比べて、ツイーター(CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402)の感度が98dBと大きいので、ツイーター側にアッテネータ(AT-40H)を入れている。
共立エレショップさんのサイトからAT-40Hの写真を引用させて頂く。
このアッテネータ(AT-40H)は8Ωと40Ωの二個の巻線抵抗が連動して動く構造になっている。アンプ側から見て一定のインピーダンスになるように工夫されているようだ。
500μHのコイルを巻く
ワテの場合、自称オーディオDIYの達人なのだが、ネットワークを自作するのは初めてだw
コイルを巻くのも初めての経験。
100均で買って来たコースターにΦ30ミリ丸棒を長さ20ミリにカットしてボビンを自作した(下写真)。
このボビンにΦ1.0のポリウレタン線10メートルを巻いてみた。
そのインダクタンスを計測すると240μHくらいになった。欲しいのは500μHなので足らないw
そこで新たにボビンを自作して巻き直す事にした。
丸棒の長さを倍の40ミリにすればインダクタンスも倍になると思ったのだが…
写真 丸棒長さを倍の40ミリにしてボビンを再作成する
写真 木工用ボンドで貼る
写真 ボビン側板は丸では無くて四角形にした
下写真のように解体した初期版コイルのポリウレタン線Φ1.0長さ10メートルを新しいボビンに巻いた。
ここでインダクタンスを計測したら170μHしかないぞ!?
ああそうか。コイルのインダクタンスはコイル長l には比例しないのだ。
参考までにTDKさんのサイトにソレノイドコイルのインダクタンスの公式が掲載されているので引用させて頂く。
図 ソレノイドコイルのインダクタンス公式
引用元 https://www.tdk.com/ja/tech-mag/electronics_primer/1
つまりまあソレノイドコイルのインダクタンスは巻き数Nの二乗に比例して、コイル長l には反比例するのだった。すっかり忘れていた。
と言う事で、結論としてはコイルのインダクタンスは巻いてみないと分からないと言う事だ。
なのでポリウレタン線を10メートル継ぎ足して更に巻き数を増やす。
継ぎ足し部分は下写真のように半田付けだ。
熱収縮チューブのシュリンクには、先日購入した白光FM-206のホットエアーノズルが大活躍(下写真)。
で、最初の10メートルで170μHしか無かったので500μHなら三十メートルくらい必要なのかなと思ったが、結局18メートルくらいで500μHを達成出来た。
写真 完成した500μHのコイル
なお、コイルを巻きながらインダクタンスを計測する時のコツを紹介しよう。
例えば今現在何μヘンリーなのか知りたい場合、その部分でポリウレタン線をカットする必要は無い。
あるいは、ポリウレタン線の被覆を剥がす必要もないのだ。
コイルのインダクタンスを計測する時には、まだ巻いていないポリウレタン線は直線状に引き延ばせばその部分のインダクタンス成分は殆ど無視できるので、結局は巻いているコイル部分のインダクタンスが計測できるのだ。
ワテの場合、一つ目のコイルを巻いている時にはこの手法に気付かず、少し巻いてはポリウレタン線の被覆を少し削って導通するようにしてLCRメーターで計測を繰り返すと言う面倒なやり方をしていた。
でも二個目のコイルを巻いていてこの新しい手法に気付いたのだ。学習能力の高いワテである。ほんまかいなw
LCネットワーク版2WayスピーカーJBLパラゴン風を組み上げる
無事に塗装も終わり、コイルも巻けたのでLCネットワークをスピーカーシステムに取り付ける。
写真 ネットワークを取り付け前のJBLパラゴン風スピーカー
アッテネータを取り付ける
まず、下写真のように既存のNeutrikの四極スピコンコネクタを取り外して、タカチ電機工業 NCP型音声入出力コネクターパネル NCP-26Bを取り付けた。中心にはΦ9ミリの穴を開けている。
このタカチのコネクターパネルには二種類あるので要注意だ。
つまり、CANNONコネクタのF77サイズとNeutrikサイズのそれぞれに対応しているコネクタパネルがある。
前者がITT Cannon F77用、後者がNeutrik用。
これらは長方形サイズやネジ穴位置が若干異なっている。
今回使ったのは後者のNeutrik用NCP-26Bだ。
写真 タカチ電機工業 NCP型音声入出力コネクターパネル NCP-26BにはΦ9ミリの穴を開ける
下写真が共立エレショップで購入した8Ωと40Ωの二種類の巻線抵抗が連動して動く特殊なアッテネータだ。型番はAT-40H。
写真 AT-40HはΦ9ミリの取り付け穴
高級バイポーラコンデンサを並列接続してハイパスフィルターを作る
LTspiceで入念にシミュレーションしてクロスオーバー周波数を1KHzにする為に算出したハイパスフィルタの容量は33μFだ。
ここには、以下の高級コンデンサを惜しげもなく投入している。高級コンデンサこそ高音質が実現出来るのだ。それでこそ真のオーディオマニヤなのだ。
- ニチコン(NICHICON)無極性 電解コンデンサ 50V 22μF ¥116(税込)
- ニチコン(NICHICON)無極性 電解コンデンサ 50V 10μF ¥116(税込)
- ニッセイ フィルムコンデンサ 250V 1µF 約¥10ジャンク屋
これらの高級パーツを組み合わせて設計値通りの33μFを実現している。完璧や。片チャンネルで約250円もの資金を投入した高級ハイパスフィルターが完成したのだ。
上写真のようにプリント基板はマザーツール社の高級ガラスエポキシ両面スルーホール基板1.6ミリ厚だ。十年以上パーツボックスで寝かせていた超高級品だ。勿体なくて今日まで使えなかったw
ワテは200円くらいで買ったはずだが…
早速テスターでキャパシタンスを計測したら、34.4μFもある。
あかんがな。
まあ1~2μF程度キャパシタンスが大きくなっても、カットオフ周波数が数ヘルツくらい低域に移動する程度なので問題無いだろう。気にしない。
でも物凄く気になるワテである。
基板の配線には、ホームセンターで買った高級銅単線Φ0.9ミリを採用している。ここは単線を使うのが正しいのだ。撚線なら音がばらけるイメージがあるが、単線なら真っ直ぐストレートに電気信号が伝わるのである。これこそピュアオーディオの真髄なのだ。
まさに見たまんまのイメージだ!
写真 プリント基板は木片の上にタッピングネジで固定する
半田付けして配線を行う
エーモン工業のギボシ端子を使ってカーナビのパワーアンプと接続する
使う予定のオスメスのギボシ端子を並べてみた。
パワーアンプのスピーカー出力は赤黒スピーカーケーブルΦ2.0ミリで配線して、ハイゼットカーゴのオーバーヘッドキャビネットの辺りまで線を引っ張っている。
スピーカーの赤色ケーブル(+)にはギボシ端子メスを使う事にした。大き目の絶縁被覆で覆われているので、ショートしにくい構造だからだ。一方、黒色ケーブル(ー)側はGNDかと思ってオス型ギボシ端子を使ったのだ。でももしアンプがBTL出力ならマイナス側はGNDではないのでどこかにショートする危険性があるなあ。今気づいた。
と言う事で、アンプ出力には正負どちらの電線もギボシ端子メス型を使うべきだった。一方、スピーカー側はギボシ端子オス型を使うのが良いだろう。ワテの場合は、オスメス混在して支離滅裂になってしまったが、まあ電気的に繋がっていれば問題無い。自称DIYの達人だ。
ベッセルのワイヤーストリッパーは使い易い
アップガレージで買った安もんの圧着工具は失敗だった。まあ圧着は出来るが今一つ仕上がりが悪い。それにワイヤーストリッパー部分の二枚刃がピッタリ閉じないので被覆が剥けないのだ。あかんがなwww
やっぱり圧着工具はある程度ええもんを買わなあかん。
そこで上写真のように電線の被覆は定番のベッセルのワイヤーストリッパーで剥くのだ。
Φ2.0の太線まで対応しているのが赤いグリップのやつだ。
黄色グリップは細線用。この二種類のワイヤーストリッパーを持っていれば電子工作は完璧にカバーできる。丁寧に使えば半永久的に使えるので、ここはベッセルの超定番ワイヤーストリッパーがお勧めだ。
写真 ワテ自作のお助け孫の手で配線を押さえておいて半田付けする
ベルデンウミヘビ 9497スピーカーケーブルで配線した
下写真のようにLCネットワークの内部配線は全て高級ベルデンウミヘビ 9497スピーカーケーブルで配線している。ここはピュアオーディオマニアのワテとしても妥協できない部分だ。
下写真のように、ベルデン9497はツイストペアケーブルなのだが、一部の配線ではツイストペアをばらして、単線として配線している。その場合もコイル状に捻じれているが、その微妙な捻じれがオーディオ信号に微妙なエッセンスを与えるのだ。なんのこっちゃ。
今日は絶好調だ!
使用したスピーカーユニットの仕様
写真 CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) ED3402(一個三千円弱)
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402
EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット、ペア
写真 EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット、ペア
サウンドハウスさんで買った。
知る人ぞ知る音響機器関連の激安通販サイトだ。2000円以上の買い物で送料無料なのが嬉しい。
EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット、ペア
この商品は、商品説明には記載されていないが、ペアでの販売だ。
下写真のように、兎に角完成した。
高級ウォルナット塗料、高級バイポーラ電解コンデンサ、高級ポリウレタン線、高級ユニバーサル基板、高級ベルデンスピーカーケーブル、まさに高級尽くし!
そしてバッフル板は安っすい針葉樹合板。
これには意味があるのだ。
つまり、良く知られているようにパラゴンのキャビネット素材には米松合板が使用されているのだ。特に最初期型には米松合板が使われている。
ワテ設計のJBLパラゴン風スピーカーも、輸入針葉樹合板を使う事で、オリジナルパラゴンの音質に限りなく近づく事が期待できるのだ。
写真 スピーカー保護グリルはファンガードを流用すると言う完璧なアイデア
そこまで緻密に計算して、針葉樹合板を使っているのである。
自作が出来ない人は、こう言うのをオーバーヘッドキャビネットに載せても良いだろう。
完成したJBLパラゴン風スピーカー(2Way LCネットワーク版)
下写真が完成したJBLパラゴン風スピーカーだ。2WayのLCネットワークはスピーカー付近に配置している。
手巻きコイルの真横にウーファーの大型フェライト磁石があるのが気になるが、まあ、ウーファーボイスコイルとLCネットワークコイルの磁束が干渉して上手い具合にモーションフィードバックが掛かり、ウーファーのコーン紙の動きを完璧に制動する事が出来る可能性もある。
その結果、完璧な低音再生を実現出来るのだ。
下写真のように、アッテネータの回転ツマミには、SATO PARTS(サトーバーツ)のアルミ無垢の高級ツマミを採用した。
上写真のように針葉樹合板の穴開け箇所に板割れやめくれがあるが、高級ウォルナット塗料によっていい具合にレトロな雰囲気に仕上がっている。まさにビンテージな掘り出し物のJBLパラゴンを彷彿とさせるのだ。そこまで計算して針葉樹合板の加工をしていると言うのは嘘です。
ワテの場合、ジャンク屋で一個50円くらいで買った。
下写真は高域(1KHz以上)を担当する大型磁石搭載のコンプレッションドライバーツイーターだ。
写真 CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402
上写真のようにツイーター周辺の針葉樹合板の円形部分を曲面加工する事で、理想的なホーン形状を実現出来ている。スーパーコンピューターでも計算が困難な独特な曲面形状をワテの手作業で仕上げているのだ。
下写真はEMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット。
写真 EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット
下写真のように高級ウォルナット塗料がJBLパラゴン風スピーカーの仕上がりを完璧なものにしている。
素晴らしい完成度だ。
一個150円のファンガードには到底見えないワテの高級パラゴンw
完成したJBLパラゴン風カースピーカーを車載する
早速このJBLパラゴン風スピーカーをハイゼットカーゴに搭載した。
上写真のように、運転席上部のオーバーヘッドキャビネットにスッポリと収まる構造なのだ。
スピーカーの重量は未計測だが、十キロ弱はある。その重量を支えるのは、上写真の車体天井の左右にある鉄製の車ボディのフレーム。そのフレームの上にスピーカーシステムの横棒が乗っかる構造だ。
上写真のようにオーバーヘッドキャビネットの中央部分には幅1cmくらいで長さ20cmほどの開口部がある。
写真 助手席上部の左側スピーカー部
この開口部がいい具合にバスレフポートとなり、低音が増強されるのだ。
ほんまかいなw
JBLパラゴン風スピーカーの音は?
さっそくJBLパラゴン風スピーカーの音を聴いてみた。
素晴らしい音だ。
今まで聴いた事があるどのカーオーディオシステムよりも素晴らしい。
知人にカーオーディオシステムに凝っている人が居て、過去にはマッキントッシュアンプ、ボーススピーカー、今は総額100万円くらいの超高級ダイヤトーンシステムで組んでいる人がいるのだが、その音よりも何倍も素晴らしい。ちなみにボーススピーカーの時は十数個のスピーカーが車に付いていた。多いわw
ワテがJBLパラゴンの構造を車載スピーカーに採用した最大の理由は、パラゴンのようにバッフル板で音を反射させて拡散させる事でナチュラルに広がる音場を構築出来ると考えたのだ。今の場合はバッフル板はハイゼットカーゴの天井になる。
多くのカーオーディオマニアの自作スピーカーの例を見ると、フロントの左右のピラーにツイーターを埋め込むなどの方式を良く見かける。そう言うのは全くの素人と言っても良いだろう。
ツイーターのような指向性の高いスピーカーを耳から数十センチと言う短距離で直接耳に向けても正しいステレオサウンドは再現出来ない(ワテの音響理論では)。
それを理解するには、例えばプロ歌手の人が目の前数十センチの距離で生で歌ってくれたとして、五月蠅くて聴いていられないだろう。
もし車内にニアフィールドリスニング環境を構築するとしても、運転席は左右スピーカーの右側に大きく片寄っているいる訳なので、そもそもリスニングポジションをセンターに持って行かない限り、ニアフィールドリスニング環境は構築出来ない。
それらを全て解決するのがパラゴン構造なのだ。
ワテが自作したパラゴン風スピーカーシステムでは、スピーカーは天井方向を向いている。スピーカーから出た音波は湾曲した天井に反射して車内に拡散して理想的な音場を構築できるのだ。つまりパラゴン構造では、車内のすべての場所が理想的なリスニングポジションとなるのだ。
その上、バッフル板には針葉樹合板を採用しているので、ますますJBLパラゴンのオリジナルサウンドに近づくのだ。
実際に運転中にバッフル板を手で触ると、音に連動して振動しているのが分る。軽い針葉樹合板をバッフル板に採用した事で、バッフル板自体も音を奏でているのだ。これはまさに波動スピーカー理論の寺垣式スピーカーと同じ原理なのだ。
かつ、リアスピーカーにもJBL Control Xtreme1を採用する事で、完璧なサラウンド音響がワンボックスカーの中に実現出来る。
運転席上部にアッテネータのツマミがあるので、走行中に手を伸ばせば自由にアッテネータの値を変更する事も可能だ。
高域を担当するツイーターはCLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402で、仕様は以下の通り。
- ドライバー
- スロート径:1インチ
- ボイスコイル:φ3.44cm
- 周波数特性:800Hz~20kHz
- 最低クロスオーバー周波数:800Hz
- 感度:98dB
- 許容入力:20W(RMS)
- インピーダンス:8Ω
いわゆるコンプレッションドライバーと言うやつだ。
写真 CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) ED3402
直径90ミリの強力磁石を搭載しているのでずっしりと重い。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402
一個三千円弱なので二台買っても五千円くらいと安いが、周波数特性は800Hz~20kHzと広く、感度98dBと高い。
カーオーディオ用ツイーターなら500円玉くらいの大きさにもかかわらず一台一万円くらいの値段だけ高い高級品もあるが、クラッシックプロED3402はそんなツイーターとは比べ物にならないくらい高性能なのだ。
走行中に実際にアッテネータのツマミを回してみたが、ワテの設計通りアッテネータのツマミ中央付近(12時)でウーファーとのバランスも良くつながっている。
少しボーカル域を強調したい場合には、少し右に回転すると(2時あたり)良い。
逆に、低域を増強したい場合には、左に回して10時くらいにすれば良いのだ。
実用性満点、操作性完璧、音質は最高、高級ウォルナット仕上げ、言う事無しの完璧なJBLパラゴン風サウンドシステムが完成したのだ!
実際に使ってみて感じた事
その後、車でドライブしながらこのJBLパラゴン風スピーカーシステムから出て来る音を聴いてみたのでその印象をお伝えしたい。
まず、少し上で指摘したオーバーヘッドキャビネット中央部にある開口部がバスレフポートの機能を果たしている可能性に関しては、確かにその効果は有るようで、この開口部から重低音が出ていた。
具体的には下写真の溝口肇さんのチェロ演奏のCDを再生したのだが、チェロの低周波の音波で車内がビリビリ振動するくらい、低音が増強されていたぞ。
完璧やw
次に、読者の皆さんも最も気になると思われるJBLパラゴンと同じくバッフル板(車の天井)に音を反射させて鳴らす効果に関してであるが、これも素晴らしい効果を発揮しているぞ。
つまり、運転席の上空付近から自然な感じで音場が広がっているのだ。例えて言えばかなり大型の高級ヘッドホンを頭に装着しているような感じ。溝口肇さんのチェロ演奏を大音量で鳴らしても、決して五月蠅く感じる事も無く、理想的なリスニングルームがハイゼットカーゴに実現出来たのだ。
いや~、ここまで完璧なJBLパラゴンサウンドが再現できるとは思わなかった。
ただしワテはJBLパラゴンの音を聴いた事が無いw
実際に使ってみて感じた事2
リサイクルショップでジャンクCDが四枚で50円で売っていた。その時に下写真のCDも買った。
二枚組だが一枚目しか無かったのでジャンク品になっていたようだ。
このテナーサックスが素晴らしい。
ハイゼットカーゴで走行中にワテ自作JBLパラゴン風スピーカーシステムで大音量で鳴らして聴いているが、素晴らしい音が出ている。車内なので誰にも気兼ねする事無く大音量で聴ける。
カーナビアンプのボリュームを最大にしても、このウーファー(EMINENCE ( エミネンス ) / ALPHA4-4 4Ω フルレンジスピーカーユニット、ペア)やコンプレッションドライバー(CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402)は余裕で鳴らし切っている感じ。
これらのスピーカーユニットはコンサートなどで酷使されるPA用スピーカーに使われるユニットなので、耐入力も高いし能率も良い。
と言う事で、車内でテナーサックスを爆音で鳴らしているハイゼットカーゴが走っていればそれはワテだw。
その後、同じくハードオフで「昭和の演歌」9枚組がバラで各200円で売っていたので、全部買って来た。
藤圭子さんのドスの効いた声。前川清さんのうなり声。うなるうなるw
長崎い~わ~あああ、今~日もおおおぉぉぉぉぉ、雨えだああったぁああああああ~
を大音量で鳴らしても、素晴らしいボーカルが聴ける。
冗談抜きで(この記事が冗談だったのかw)、ワテが今まで聴いた事があるカーオーディオシステムで最高の音で鳴っている。
まとめ
ワレコ
オーディオ産業はピュアオーディオマニアがいるから成り立っている商売だろう。
メーター数万円のスピーカーケーブル、数万円もの壁コンセントプラグ…
メーター10万円のスピーカーケーブルを使うとして、1メーター(10万円)で配線するよりも2メーター(20万円)で配線するほうがいい音になるのか?
そんは筈は無い。スピーカーケーブルなんて短ければ短い方が良いからだ。
ワテの場合は、そんな「オーディオ用」パーツは買わない。
買えない。買った事が無い。「買わない」三原則だ。
まさにプアオーディオ派だ。
当記事では、自称カーオーディオシステムの達人のワテが、恐らく世界初となるJBLパラゴン風スピーカーシステムを車載するプロジェクトを紹介した。
発案して約一年も掛かってしまったが、無事に完成した。
その音質はワテの想像以上に良く、安っすい軽バンとは思えないステレオサウンドが再現出来ている。その理由は幾つか考えられるが、最も大きな理由はやはりJBLパラゴン風の構造を採用した事で、直接音が耳に入らず湾曲天井に反射させて音を拡散させているからだろう。
次の理由としては、採用したスピーカーユニットの選択が正しかったと思われる。
つまり、高音域を担当するスピーカーユニットはCLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / ED3402を採用したのだが、ツイーターと言っても強力な磁石を持つ大型のコンプレッションドライバーなのだ。
最低クロスオーバー周波数は800Hzと低く、周波数特性は800Hz~20kHzと広い。かつ、感度が98dBもあるのだ。そのコンプレッションドライバーで殆どの音声帯域を受け持たせているのだが、コンプレッションドライバーなので密閉したスピーカーキャビネットに入れなくても高音質で鳴らせるのだ。もしコーン紙タイプのスピーカーユニットなら、まともな音で鳴らすには重量があり、ある程度大きな容積のあるボックスが必要になる。
でも狭い車内にそんなボックスを搭載する事は困難。それを解決したのが、コンプレッションドライバーの採用案なのだ。
このようにオーディオ歴数十年、自称ワレコ鉄男と呼ばれているワテの技術の全てをつぎ込んで設計して自作したJBLパラゴン風カーオーディオシステムがここに完成したのだ。
皆さんにもお勧めしたい。
スピーカーユニット、ケーブル、キャノンコネクタ、その他オーディオ関連パーツを買うならサウンドハウスさんがお勧めだ。
業界最安値と言っても良いくらい安いし、2000円以上で送料無料なのが嬉しい。
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