ワレコ
電子工作の秋だ。
そこで一句
名月を半田付けしてくれと泣く子かな
割子一茶
さて、電子工作と俳句の融合と言う訳分からない俳句で始まったこの記事では、電子工作作業机をイレクターパイプを使って使い易く改造したので、それを紹介したい。
では本題に入ろう。
イレクターパイプを作業机の上に渡す
改良前の作業机
下写真が改造前のワテの作業机だ。
まあ写真撮影前にある程度は片付けたのだが、それでもゴチャゴチャしているが。
写真 改造前のワテの作業机(半田ゴテケーブルが絡まり易い問題あり)
最近では表面実装部品も使う事が多いので、半田付け作業は上写真の実体顕微鏡を使う事が多い。
そうすると、半田ゴテを左の実体顕微鏡の辺りまで持って行く必要があるが、その時にケーブルが絡んだり引っ掛かったりし易いのだ。
この実体顕微鏡はワテ自作のレール式スライド機構に吊り下げている。
ワテが使っているハンダステーションは白光の下写真の製品だ。
白光FM-206には三つの接続ソケット(レセプタクル)1、2、3があり、標準で三種類のコテが付いている。
FM-206に接続可能なコテと接続レセプタクル(1、2、3)の関係は以下の通り。
表 Hakko FM-206ハンダステーションに接続可能なコテのタイプ(黄色は標準付属品)
引用元 FM-206の取扱説明書
上表で分かるように黄色で示した標準付属の三種類のコテ先を挿す場所は、決まっている。
ホットツイーザーは現状ではあまり使わないので外している。
その代わりにFM-2027を追加で一本購入して使っている。
その結果、ワテのFM-206は二本の半田ゴテと一本のホットエアーの三本構成だ。
それらのケーブルが絡まって使い辛いので、現状では上写真のように棚の上から垂らした紐で半田ゴテのケーブルを吊っている。
それである程度はケーブルの絡まりが無くなったのだが、それでも時々ケーブルが絡まったり、FM-206本体を載せている塗装コンパネの角にケーブルが引っ掛かるなど問題も多い。
ちなみにその塗装コンパネで作った排煙フードはテスター台にしている。
パイプファン内蔵の排煙フード製作記事はこちら↴
と言う事で、半田ゴテケーブル引っ掛かり問題を解決するために、改良してみた。
改良後の作業机
下写真のように矢崎化工株式会社のイレクターパイプを作業机の上に渡したのだ。
写真 イレクターパイプで改良後の作業机(半田ゴテケーブル絡まり解消)
そして半田ゴテのケーブル類は下写真のようにイレクターパイプに引っ掛けた。
写真 イレクターパイプに半田ゴテのケーブルを引っ掛けて絡まり防止できた
上写真のように二台の半田ゴテや上段のホットエアーのケーブルが絡まり辛くなったのだ。
半田ゴテのケーブルは、上写真のように上から吊るす作戦がお勧めだと思う。
上から吊るすとケーブル同士が絡まり辛いし、半田付け作業の時にケーブルが邪魔にならないからだ。
作業台の上に横棒作戦はお勧めかも
作業台の上に横棒を渡す作戦は、実際に使ってみるととっても便利だと気付いた。
現時点で思い付くだけでも以下の利点がある。
- 半田ゴテのケーブルを引っ掛けると絡まない
- テスターリードを引っ掛けて整理整頓出来る
- 他のテストケーブル類も必要なら引っ掛けて整理出来る
などか。
それと、さらなる改良案が浮かんだのだが、例えば下写真のような金属メッシュパネルを作業机に取り付けた支柱に固定すればそこに各種の工具などを引っ掛ける事も出来るだろう。
と言う訳でこんな金網メッシュパネルを買って来て右側支柱に固定してみる予定だ。
矢崎イレクターパイプの達人
ワテの場合、自称矢崎イレクターパイプの達人だ!
イレクターパイプを使って過去に幾つかの作品を作成した。
具体的には、ハイゼットカーゴの荷室に天井棚を取り付けたのと、運転席後ろ側面にテーブルを自作した。
つまり過去に二作品しか作っていないにもかかわらず、矢崎イレクターパイプの達人を自任している。
なんでやねん。
その作品がこれだ↴
今回使用したイレクターパーツの紹介
ワテは下写真のように机の上に合板を敷いていて、その左右に針葉樹合板24mm厚を取り付けている。
写真 机右側のパイプ固定の様子
その二枚の側板に下写真のイレクターパイプ900mmを二本固定して左右の支柱とした。
固定には下写真のジョイントJ-46を使っている。
J-46の取付穴はΦ4.4mmなので、下写真のようなトラスタッピングネジ4ミリを使った。
ただし、このあとで載せる横棒の重量で支柱パイプが下にずり落ちる可能性があるので、下写真のリング状ジョイントのJ-131を支柱パイプに取り付けている。
そして、下写真の2000mmのパイプを横棒として支柱に固定した。
左右の支柱に横棒の固定には下写真のジョイントを二個使った。
このJ-13Bジョイントも重量物を載せると滑り落ちるのでJ-131ジョイントを支柱パイプに取り付けて滑り落ち防止に使っている。
あとは必要に応じて下写真のようなエンドキャップを付けておくと見た目も良くなり安全だ。
他にはゴム製エンドキャップやキャスターなどもある。
DIYには矢崎イレクターパイプがお勧め
矢崎イレクターパイプは2000mmのやつでも千円ちょいで売られているので割安感がある。
通常はホームセンターにはアイボリー色と黒色が置いてある場合が多いが、他にも数色あるので必要なら取り寄せて貰えば良いだろう。
大型のホームセンターならストレートパイプだけでなく、半円形に曲げたイレクターパイプも売っている場合もある。あるいは自分の好きな形状にパイプを曲げて貰える特注オーダーも可能だ。
イレクターパイプはΦ28mmが標準だが、それ以外にΦ32やΦ42と言った太いタイプもあるので、強度が必要な工作をする場合にはこれらの極太パイプを利用すると良い。
ジョイントも各種の種類があるので、一度ざっと目を通しておいて、こんな場合にはこんなジョイントを使えば良いのかを把握しておくと良い。
なお、これらのジョイントは樹脂製だが、強度が必要なら金属製のジョイントもある。
イレクターパイプとジョイントの接合方法
金属製ジョイントは六角ボルトとナットでイレクターパイプを締め付けて固定する方式だ。
一方、樹脂製ジョイントとイレクターパイプとの接合には下写真の専用接着液を使う。
なお、この接着液で接着すると剥がす事は困難だ。
もし剥がしたい場合には、樹脂製ジョイントが破損する覚悟で強く引き剥がせば剥がせなくはない。
ワテの場合は、実はこの接着剤は使った事が無い。
なぜなら一度貼ってしまうと分解するのが困難なので。
それと今回の作品でも使ったが、下写真のような固定用ジョイントを組み合わせれば接着しなくてもパイプがズレないように組み上げる事も出来るからだ。
なのでワテの場合はイレクターパイプ接着未経験者と言う事になる。
それにもかかわらず矢崎イレクターパイプの達人なのだ。
その理由は秘密だ。
イレクターパイプは簡単に切断出来る
金属パイプの切断なんて、金切り鋸でギコギコ切る必要があるのでは?と思っている人も多いだろう。
そうすると切り口はキザキザで汚いし、切断面も斜めになってしまう事が多い。
でも心配無いのだ。下写真のようなパイプカッターを使うと誰でも簡単に金属パイプを切断出来るのだ。
下写真のやつがイレクター純正のハンドカッターだ。
「ハンドカッター」と言う名前が付いているが、下写真のような市販の汎用のパイプカッターと機能的には同じだ(ワテの理解では)。
なので、下写真のようなパイプカッターでもイレクターパイプを難なくカットする事が出来る。
なお、パイプカッターを使った事が無い人はYouTube動画などでパイプカッターの使い方を勉強してから作業すると良い。
要するにパイプカッターはレバーを回してパイプカッター用の円盤状の刃を少しずつパイプに押し当てながら切り込んで行くのだが、上手に作業すると殆ど力を加える必要は無い。
そしてレバーを持って十数回くらいパイプカッターをパイプの周りに回転させるとパイプは綺麗に切断出来る。
ところが素人の人がパイプカッターを使うと、アホみたいに強い力で円盤刃をパイプに押し当てて切り込もうとする。その結果、パイプカッターがスムーズに回転しないのだが、それを無理やり回すもんだから直ぐに刃がダメになってしまうのだ。
それは全くの素人。
上手にパイプカッターを使えば、刃の摩耗は殆ど無いので刃を交換する事無く何十本でもパイプをカット出来る。
矢崎化工公式動画にイレクターパイプのカット手順解説動画があった。
あるいはコメリ公式チャンネルにあるパイプカッターの使い方動画も参考になる。
まとめ
ワレコ
整理整頓は人生の基本だ。
当記事では電子工作作業机にイレクターパイプで横棒を渡して半田ゴテのケーブルの絡まり対策を施した過程を紹介した。
横棒を渡す事で半田ゴテのケーブルの絡まり問題を解決出来ただけでなく、テスターリード線、その他のテストケーブル類も必要に応じて横棒に引っ掛け整理する事が出来る事を発見。
この手法はどんな机にでも簡単に応用できるので皆さんにもお勧めしたい。
整理整頓すると気分が良い。
沢山溜め込んでいる電子部品を使って今後もドンドン作品を作りたい。
と同時に松尾芭蕉のようにワテも片雲の風に誘われて漂泊の旅に出掛けたいと思っている。
そして電子工作俳人になるのだ。
電子工作+俳人+車中泊
この三つを組み合わせたYouTuberになるかな。
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