ワレコ
最近餅ばかり食べている。
年末年始に掛けて毎日六個は食べている。
ワテは餅を焼いて砂糖醤油で食べるのが好きだ。
さて、そんな餅好きのワテが現在製作している「汎用計測ステーション」と名付けたヘンテコな、いや画期的な電子工作がほぼ完成した。
少し使ってみた感じでは、なかなかいい感じだ。
では本題に入ろう。
前回記事はこちら↴
汎用計測ステーションの組み立て作業とテスト
まず本日の時点で「汎用計測ステーション」は下写真のように組み上がった。
写真 ワレコ式の汎用計測ステーションの現在の様子(一部の機能を除いてほぼ完成)
前回記事で紹介した45度傾斜の木製シャーシに各機能のプリント基板を木ネジで固定している。
これら数種類のプリント基板はPCBWayさんに発注して製作した物だ。10x10cm2以内の面積なら10枚発注しても5ドルと言う低価格だ。その面積を超えても高々数十ドル程度の費用で両面スルーホール基板が発注出来るのは嬉しい。
下写真はオシロスコープ観察用基板をネジ固定する為に、ドリルドライバでΦ3ミリの下穴を開けている様子。
写真 木製シャーシに基板を木ネジで固定する為の下穴開け作業の様子
下穴を開けたあとで下写真のようにインパクトドライバーを使ってステンレス3×10ミリの木ネジで基板を固定した。
写真 インパクトドライバーを使ってステンレス3×10ミリの木ネジで基板を固定
各基板は四隅の四カ所にネジ穴があるが、取り敢えず対角線の二箇所のみ木ネジで固定した。
二台の可変安定化電源の出力延長基板の取り付けと動作確認
下写真はワテが昨年ヤフオクで安く入手した二台のKENWOODの可変安定化電源18V3Aだ。
写真 ワテが昨年ヤフオクで安く入手したKENWOODの可変安定化電源18V3A(二台)
電圧も電流もアナログメーター式だが、CVCC電源機能も搭載しているので実験用には手頃な電源だ。安定化電源の電流計はアナログ式のほうが針の振れで電流の急激な変化を認識し易いのでワテ好みの電源だ。
さて、KENWOODの可変安定化電源出力をケーブルで延長して下写真の白色レジスト基板(PCBWayさんに発注)に接続する。
写真 可変安定化電源出力の延長基板(電源ON/OFFスイッチ付)
トグルスイッチを切り替える事でこの基板上で電源のON/OFF制御が可能だ。
なお、上写真右がオリジナル基板でトグルスイッチのONとOFFの文字が逆になっていた。
これはワテのミスと言うよりも意図的にそうしていたのだ。つまりスイッチは45度傾斜パネルに付けるので、スイッチのレバーを自分の方に(下側に)倒せば通電するイメージで写真右のようにON/OFFのシルク文字を入れていた。
でも、よく考えてみると、トグルスイッチは上に倒すとONが一般的だ。なので、急遽白色テープに文字を印字して上写真左のように改良した。
次に、下写真のようなケーブルを四本作った。このケーブルでKENWOOD電源と白色基板を接続するのだ。
写真 四本の接続ケーブルを自作(KENWOOD電源と白色基板を接続する)
丸形圧着端子(R2-6)にはΦ6ミリの穴が開いているが、それをKENWOOD電源の⊕端子と⊖端子に接続する。
一方、バナナプラグ側は下写真のように白色基板に取り付けたバナナジャックに基板の裏側から挿し込むと言う斬新な手法で接続した。
写真 白色基板に取り付けたバナナジャックに基板裏側からバナナプラグを挿し込む
当初はバナナプラグを使わずに電線を白色基板に直接半田付けする予定であったが、今後、改良する可能性もあるので基板の脱着が容易に出来るように取り敢えずバナナプラグを用いたのだ。
下写真ではKENWOODの二台の可変安定化電源出力を、白色基板上に取り付けた赤黒チップジャックにテスター棒を挿し込んで電圧をテスターで計測している様子を示す。
写真 テスターで白色基板の赤黒チップジャックに出力されている電圧を計測中
下写真は全体の様子を示す。
写真 KENWOOD可変安定化電源の出力を白色基板まで延長してテスターで電圧計測実験中
白色基板上に出力ON/OFFのトグルスイッチを設けた事で、可変安定化電源を使った実験がやり易くなる。
下写真はテスターで計測した電圧。
写真 テスターで計測した電圧
と言う訳で、まあこの白色基板の目的は作業台の少し奥に設置した二台のKENWOOD可変安定化電源の出力を白色基板まで延長しただけの単純なものだ。
基板上にある赤黒チップジャックや格子状に配置したスルーホールにも電圧が来ているので、それらの電極を使って被測定基板に電圧を供給する事が可能だ。
さらに二台の電源を赤黒チップジャックを使って直列接続すれば(負-GND-正)の正負二極電源に出来るので両電源を使うオペアンプの実験にも便利だ。
スルーホールには下写真のテストワイヤを挿す事が出来るのだ。
両端がスルーホール用金属板バネタイプ
一端がスルーホール用金属板バネ、もう一端がブレッドボード用金属ピンタイプ
このスルーホールワイヤーの適合スルーホール径は 0.9から1.0ミリ(適合基板厚 1.6ミリ)なので、ワテ設計の基板では 0.75、0.80、・・・、1.05ミリまでの七種類のスルーホールを開けている。
抵抗値・コンデンサ容量値の簡単計測ステーション機能の紹介
下写真はワテが2019年12月14日に発表した抵抗やコンデンサの計測に便利なテスター用冶具だ。
写真 ワテが2019年12月14日に発表した抵抗やコンデンサの計測に便利なテスター用冶具
この冶具の詳細は下記事で紹介している。
今回製作する計測ステーションにこの冶具を組み込む事にした。
上写真のハの字の木製台座にはネオジム磁石を両面テープで貼り付けていて、その上にアルミテープを貼っている。まずはそれらを解体する。
写真 以前に製作した抵抗やコンデンサの計測に便利なテスター用冶具を解体して再利用する
下写真のように新たに木片を切り出して上写真で紹介したハの字型の台座を作成する。
写真 新たに木片を切り出して上写真で紹介したハの字型の台座を作成する
でも実は、この木製台座は新規製作するのではなくて解体した旧型の台座をそのまま流用して使う予定だったのだが、失敗したのだ。
どういう事かと言うと、今回製作する計測ステーションは前面が45度傾斜している。そこに取り付けた基板にハの字型に木製台座を固定する為には、木製台座の下側を斜めにカットする必要があるが、その角度が非常にややこしかったのだ。
実際、上写真でも分るように卓上スライド丸ノコを使って数回切断してようやくピッタリの傾斜角で切断する事が出来た。
そのようにして新規製作した木製台座をプリント基板に取り付けた様子を下写真に示す。木製台座はプリント基板に開けたΦ3.2穴を使って木ネジ3x10mmで固定している。
写真 抵抗値・コンデンサ容量値計測用の計測台座の製作途中の様子
上写真のハの字型電極の部分は木製台座の上に長方形のネオジム磁石を両面テープで貼り付けて、その上に銅箔テープを貼った。初期版と同じくアルミテープでも良かったが、今回は気分を変えて銅箔テープにしたのだ。その結果、高級感がある仕上がりとなった。
下写真がその完成形だ。
ハの字型台座の上に抵抗を載せて抵抗値をテスターで計測している。
写真 ハの字型台座の上に抵抗を載せて抵抗値をテスターで計測している様子
その拡大写真を下に示す。
写真 鉄を含むリード線は磁石に吸い付くので手で押さえなくても抵抗が計測出来る
上写真のリード型抵抗はリード線に鉄を含んでいるのでネオジム磁石に吸い付いている。
その結果、手を放してもテスターで抵抗値が計測できるのだ。
下写真のように100.4Ωと計測出来た。
写真 抵抗・コンデンサ計測基板を使って計測した抵抗値
なかなか使い易いぞ。
もしリード線が非磁性体で磁石に吸い付かない場合には、ハの字型台座に載せたリード型抵抗のリード線を軽く手で押さえてやれば良い。
このハの字型計測台座を使う事で、抵抗値測定やコンデンサ容量測定の作業が飛躍的にやり易くなるのだ。
オシロスコープ計測基板の紹介とテストの様子
下写真の緑色基板は上部に取り付けたBNC端子を用いてオシロスコープに接続している。
写真 オシロスコープ計測基板を使ってArduinoで発生させたパルスをオシロ計測する様子
下写真はArduino UNO基板の拡大で、白色テストケーブルはGNDへ、赤色テストケーブルは13番ピンに接続している。
写真 Arduino UNOの13番ピンからPWMパルス発生させている
その白色テストケーブルはオシロ基板のGND側に接続し、赤色テストケーブルはオシロ基板の信号入力側に接続している。
この接続に用いたのが、一端がスルーホール用金属板バネ、もう一端がブレッドボード用金属ピンタイプの下写真の製品だ。
Arduino UNOを用いて連続パルス波形を発生させるスケッチ(プログラム)を即席で書いた。
書いたと言うよりもネット検索して見付けたやつをそのまま流用しただけだが。
図 Arduino UNOを用いて連続パルス波形を発生させるスケッチ(プログラム)
そのスケッチのコードを以下に示す。
int outPin = 13; void setup() { // put your setup code here, to run once: pinMode(outPin, OUTPUT); } //pinはピン番号 void loop(){ digitalWrite(outPin, HIGH); delay(2); digitalWrite(outPin, LOW); delay(1); }
このスケッチでは13番ピンに対して2msの期間は出力を5Vにし、1msの期間は出力を0Vにしている。その繰り返しだ。
でいいのかな?
下写真がオシロスコープで観察したその波形だ。
写真 Arduino UNOで発生させた連続パルス波形をオシロスコープで観察成功
と言う訳で、この緑色オシロスコープ観察基板を使うとスルーホールテストワイヤーを使って被測定対象の回路と簡単に接続出来る。
ただし、今回使った秋月電子製のスルーホールテストワイヤーは長さが20cmくらいしか無いので使い辛い。
40から50cmくらいの長いタイプがあれば良いが、無さそうなのでこの20cmのやつをちょん切って延長しようかなと思っている。
あるいはスルーホールに差し込む金属板バネ部品だけ単体で売っていると良いのだが。
まとめ
ワレコ
ワテ考案の計測ステーションのアイデアは皆さんいかがですか?
ワテとしてはこれを使えば自作の電子機器の動作確認などが手軽に出来ると思うのだが。
当記事ではワテが考案した計測ステーションの組み立て作業や、現在完成している以下の基板を実際に使う様子を紹介した。
- KENWOOD可変安定化電源(二台)の出力を延長する白色基板
- 抵抗測定・コンデンサ容量測定に便利なハの字型台座(磁石付き)を使ったテスター計測基板
- オシロスコープ計測に便利な緑色基板
記事でも紹介したようにこれらの三種類の基板は、ワテが思い描いていた通りに動作した。
今後の予定としては、まだ未完成の以下の基板を完成させたい。
- ステレオアンプ基板
- スピーカー基板
これらの基板は自作プリアンプや自作パワーアンプの製作途中で動作確認に使うのが目的だ。
スピーカー基板に取り付ける小型スピーカーは秋月で一個100円で買ったやつがあるのでそれを木製シャーシに内蔵させる予定だ。
ステレオアンプ基板に関しては、小型のアンプを自作してシャーシに内蔵させる予定だが、今のところ未定だ。
それと、冒頭で紹介した計測ステーションの全体写真で、左端二枚の緑オシロ基板の右隣りに基板一枚分の場所を開けている。
この部分には、手持ちのパスルジェネレータ出力信号をBNCケーブルで引っ張ってきて、その出力信号を扱える基板を新規に作成して追加する予定だ。
そのパルジェネ基板は、構造的には緑のオシロ基板と全く同じなので、緑オシロ基板を流用しても良い。
でも、同じ緑色だと混乱の元なので、次回何か新しい電子工作の基板をPCBWayさんに発注する時に、緑基板のデータを流用して紫色か青色など、今回の計測ステーションで未採用のレジスト色で発注したい。
(続く)
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