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【ワレコのDIY】12V車に24Vリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載してサブバッテリー昇圧走行充電システムを自作【設計編】

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ワレコ

春が近づいて来た。

春になったら車中泊の旅に出掛けたい。

その為に走行充電システムを自作する事にしたのだ。

車中泊で快適に過ごす為には、車内でAC100V電源が使える事が望ましい。

ワテの車はハイゼットカーゴなのでメインバッテリーは12Vだ。

その車に24Vのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(Redodo 24V 100Ah)、24V DCACインバーター、ソーラー充電器を組み合わせた走行充電システムを自作して搭載する事にしたのだ。

なぜ12V車に24Vサブバッテリーや24Vインバーターを搭載するのかは記事中で説明したい。

当記事は設計編と言う事で第一回目の記事だ。各種の案を検討してみた。

今後、製作編、走行実験編などの記事を予定している。

製作編はこちら⤵️

では本題に入ろう。

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  1. 車中泊にはAC100V電源があると便利
  2. リチウム電池は発火の危険性が高い
  3. 新たにサブバッテリーシステムを自作する事にした
    1. 案1:走行充電器+ソーラーパネル+12Vバッテリー+インバーター
    2. 案2:走行充電器+12Vバッテリー+インバーター
    3. 案3:ソーラー充電器+ソーラーパネル+インバーターでソーラー発電システム
    4. 案4:ソーラー充電器を走行充電器として使うサブバッテリーシステム
      1. 12Vバッテリーで大電流を流すのは危険だし熱損失も大きい
    5. 案5:ソーラー充電器+昇圧コンバーター+24Vサブバッテリーシステム
    6. 案6:ソーラー充電器で小型12Vバッテリー2台直列24Vを充電案
    7. 案7:24V昇圧+ソーラー充電器+Redodo24Vバッテリー+24Vインバーター【決定】
      1. 電菱 24V純正弦波インバーター(700W)を購入
      2. リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはRedodo製に決定
  4. Redodo 24V100Ahバッテリーの紹介
    1. Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーを開封する
    2. Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーの特徴
    3. Redodo 24V 100Ah バッテリーの付属品
  5. 自作予定の昇圧サブバッテリーシステムに使う部品の紹介
    1. 電菱(DENRYO)純正弦波24V700Wインバーター(SP-700-124)
    2. 自作24V昇圧サブバッテリーシステムに使う全部品
    3. ソーラーチャージャーコントローラー使用上の注意
      1. 非絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合
      2. 絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合
  6. まとめ

車中泊にはAC100V電源があると便利

実は、ワテは三年ほど前にポータブルバッテリーシステムを購入した。

【ワレコのレビュー】車中泊用にポータブル充電器を買った【小型コンパクト】
写真 これから久米島まで車中泊に出掛ける車中泊女子、久米仙を飲むぞ! ワテもいよいよ車中泊に出掛けたいと思っている。 車中泊をやるなら最低限必要な物は、以下の品物だろう。 車、網戸 布団、寝袋など サブバッテリーなどの電源 下着、衣類を数日...

それはバッテリー、充電システム、DCACインバーターなどの機能が一体化した製品だ。

具体的には以下のような製品だ。

そのポータブルバッテリーを使って車中泊の旅に何度か出掛けたが、確かに便利であった。

ポータブルバッテリーを使っている時には車のメインバッテリーの電気は全く消費しないので安心して電化製品を使う事が出来る。

車内でAC100Vが使えるので、夜間は車の天井に取り付けたAC100V用のLED照明を点灯させれば快適に過ごせる。車内でノートパソコンを使ったりして快適に過ごせた。

あるいは車内でお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、IHクッキングヒーターで調理する人もいる。

ポータブルバッテリーはコンパクトな筐体なので持ち運びも簡単だ。自宅の停電時には非常用電源として使う事も出来る。

車のシガープラグにケーブルを接続してDC12V(走行中はDC14V程度)を取り出して、ポータブルバッテリーの入力に接続するだけで走行充電が可能だ。

こんなふうにポータブルバッテリーはとても便利なので車中泊には必須と言っても良いだろう。

リチウム電池は発火の危険性が高い

しかし、現在はワテはそのポータブルバッテリーは手放したので持っていないのだ。

ポータブルバッテリーを手放した理由は、安全性の観点で不安が有ったからだ。

つまり、その当時のポータブルバッテリーにはリチウム電池が使われている事が多かった。ワテが購入したポータブルバッテリーもリチウム電池であった。

よく知られているようにリチウム電池は発火の危険性が伴う。

特に金属リチウムは水に濡れると激しく反応して発火するので大火災になる事もある。

ポータブルバッテリーを車に搭載したままだと、夏場の炎天下なら車内温度は70度を超える事もある。冬場なら零下になる事もあるだろう。

そんな過酷な環境下にポータブルバッテリーを常時搭載しているのは気分的にも落ち着かない。万一発火でもしたら車が燃えるかもしれない。

実際、車に設置していた小型冷蔵庫に付いていたリチウム電池が発火して車が燃えてしまった火災事故の動画をYouTubeで見付けた。

動画【閲覧注意】爆発したバッテリーが原因で車両火災が発生!リチウムサブバッテリーの発火リスク…

上動画では車内が激しく燃えているので、この車は恐らく修理不能で廃車になる運命だろう。

ワテが心配していたのはまさにこんな火災事故だ。

かと言って、ポータブルバッテリーを使わない時には自宅の室内に保管するとしても、留守中に万一発火でもしたら自宅が火災に見舞われる可能性もある。車が燃えるよりも自宅が燃えるほうが被害が甚大だ。

と言う訳でリチウム電池を搭載しているポータブルバッテリーはどこに保管しても発火の危険が伴うのだ。

そう言う理由で、ワテはポータブルバッテリーをリサイクルショップに持ち込んで処分したのだ。

新たにサブバッテリーシステムを自作する事にした

ポータブルバッテリーが無いと車中泊では不便だ。

そこで、今回新たにポータブルバッテリーを購入する事を考えた。

最近のポータブルバッテリーには発火の危険性が少ないリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)が使われているものも有る。

出力500Wの製品なら五万円前後で販売されている。

アマゾンでLiFePO4を採用したポータブル電源を見る<<<

なので手っ取り早くやるならLiFePO4採用のポータブルバッテリーを買ってしまうのが良いだろう。

一方、ポータブルバッテリーを買うのでは無くて、サブバッテリー、走行充電システム、DCACインバーターなどを組み合わせたサブバッテリーシステムを自作して車内でAC100Vを利用する人も多い。

さらにそのシステムにソーラーパネルも組み合わせた充電システムを自作する人もいる。

ワテもいろいろ検討した結果、ポータブル電源を買うのでは無くて、サブバッテリーシステムを自作してみる事にしたのだ。

案1:走行充電器+ソーラーパネル+12Vバッテリー+インバーター

ネット検索すると、下図のようなサブバッテリーシステムを構築している例が多い。

図1 RENOGY社の走行充電器を使った走行充電システム(ソーラーパネル付き)

上図のシステムは、走行充電器、ソーラーパネル、サブバッテリー、DCACインバーターを組み合わせたサブバッテリーシステムだ。

それらの機器を個別に購入して、赤黒の太い電線でそれらを接続して上図のようなサブバッテリーシステムを構築するのだ。

この場合、走行充電器にはRENOGY社の製品を使っている人が多いようだ(下写真)。

サブバッテリー、インバーター、ソーラーパネルは各社から販売されているので、自分の好きな機種を選ぶ事が出来る。RENOGY社の製品なら以下のものがある。

さて、ワテも上図のようなサブバッテリー走行充電システムを作りたいのだが、そんなに電気は使わないので当面はソーラーパネルは無くても良い。

案2:走行充電器+12Vバッテリー+インバーター

そこで上図のシステムからソーラーパネルを消したのが下図(図2)だ。

図2 RENOGY社の走行充電器を使った走行充電システム(ソーラーパネル無し)

ソーラーパネルまで車載するのはかなり大掛かりな作業になる。具体的には車の屋根にソーラーパネルをボルトや接着剤などで固定しなくてはならない。

一方、上図のようにソーラーパネルを付けない場合のシステム(図2)なら走行充電器、サブバッテリー、インバーターなどを組み合わせれば比較的簡単にサブバッテリー走行充電システムを構築出来る。

 

ワテの場合も上図のような構成のサブバッテリーシステム(ソーラーパネル無し)を自作したいと考えている。

ただし、予算はなるべく抑えたいと思っている。具体的には、総額5万円以下くらいには抑えたい。

各部品の購入予算は以下の通り。

購入予定部品 予想価格 説明
走行充電器 約5千円 RENOGY製なら3万円くらい
サブバッテリー(リン酸鉄リチウムイオンバッテリーLiFePO4タイプ) 約2万円 50Ah前後の製品を予定
DCACインバーター(600~1000W程度) 約2万円 純正弦波タイプが必須
配線、圧着端子、ヒューズ、スイッチなど 約5千円 必要に応じて
合計 約5万円  

表 ワテ自作予定の予算5万円のサブバッテリー走行充電システムの部品予想価格

これなら5万円程度に収まる計算だ。

そうすると走行充電器は5千円前後の製品が購入候補なので、先ほど紹介したRENOGY社の走行充電器は高くて買えない。

案3:ソーラー充電器+ソーラーパネル+インバーターでソーラー発電システム

RENOGY社の走行充電器に代わる製品を探していると、下図のようなソーラー充電器が有る事が判明した。これはソーラーチャージャーコントローラーとも呼ばれる。

図3 ソーラー充電器を使って自宅にソーラー発電システムを構築する例

上図のシステムは自宅にソーラーパネルを設置してこのソーラー充電器を使ってソーラー発電システムを構築する例だ。

このシステムを応用すれば車載用のサブバッテリー走行充電システムを自作出来るのではないか?とワテは考えたのだ。

つまり、上図においてソーラーパネルの電気をソーラー充電器に入れるのではなくて、自動車メインバッテリーの電気をソーラー充電器に入れてやればサブバッテリーが充電できるのではないのか?

案4:ソーラー充電器を走行充電器として使うサブバッテリーシステム

それを下図(図4)に描いてみた。

図4 ソーラー充電器を使ったサブバッテリー走行充電システム案

ソーラー充電器を走行充電器として使う事はあくまで自己責任である。

ネット検索してみると、上図のような構成で走行充電システムを構築して車中泊用のサブバッテリーシステムとして利用している例は多くは無いが幾つか見付けた。

なので技術的にはやれば出来ると思う。

このソーラー充電器はネット通販価格だと二千円前後で販売されている。従って予算的にもワテの予算(五千円)の範囲内に収まるのだ。

ソーラー充電器(ソーラーチャージャー)は似たような製品が沢山あるが、ネット情報を見る限り、このALLPOWERSさんの製品が評価が高い。

よし、このシステムを作ってみるかな!

12Vバッテリーで大電流を流すのは危険だし熱損失も大きい

しかし、まだ懸案事項がある。

それは12Vサブバッテリーに例えば1000Wの12V DCACインバーターを組み合わせて使うとすると、流れる最大電流は

1000W / 12V = 83.33 A

にもなる。

従って接続に使う赤黒ケーブルは外径が太い22sqケーブル(外径9.9mm、許容電流115A)や38sqケーブル(外径12.4mm、許容電流162A)が必要になる(下図参照)。

14sqケーブル(外径7.7mm、許容電流88A)だと電流値がギリギリなので危険だろう。

https://www.taiyocable.com/upImage/product/216%20KIV%20LF202112.pdf

引用元 太陽ケーブルテック株式会社

22sqや38sqなどの太いケーブルは1メートル当たり数千円もするし、22sqや38sq電線用の丸形裸圧着端子は一個100円~200円くらいもする。

裸圧着端子 R38-8 の意味は
Rはリング(Ring)型を意味する。他にY型などがある。
38sqケーブル用
8はM8ネジ用

さらに38sqを圧着できる圧着工具なんてワテは持っていないので、もし買うなら一万円程度の出費になる。

下写真のやつは若干安いが。

 

それにそもそも83アンペアなんていう大電流だとケーブルの電力損失も無視できない。

例えば22sqで1メートルケーブルに83アンペアを流す場合を考える。

上表から導体抵抗は 0.844 Ω/km なので

抵抗R(22sq,1m) = 0.844 Ω/km x 1m = 0.844Ω/1000m x 1m = 0.000844Ω = 0.844 x 10-3Ω = 0.844mΩ

なので、ケーブルの電力損失は

電力W = V x I = R x I x I  = R x I2 = 0.844×10-3 x 83 x 83= 5.9W

となる計算だ。

赤ケーブル1m、黒ケーブル1mで配線したとすると、5.9Wの二倍の損失になるので11.8Wがケーブルで熱として消費される事になる。

もし2000Wや3000Wの12Vインバーターを使うとなると、流れる最大電流は1000W 12Vインバーターの場合の2倍や3倍が流れる。

電力損失は電流の二乗に比例するので、2000Wや3000Wインバーターの場合の電力損失は上記計算結果の4倍や9倍になる計算だ。下表にまとめてみた。

    ケーブル1mの電力損失
12Vバッテリーと組み合わせるインバーター ケーブルに流れる最大電流 8sq 14sq 22sq 38sq
12V 1000Wインバーター 1000W / 12V =   83.3A 16.1W 9.2W 5.9W 3.4W
12V 2000Wインバーター 2000W / 12V = 166.6A 64.4W 36.7W 23.4W 13.8W
12V 3000Wインバーター 3000W / 12V = 250.0A 145.0W 82.5W 52.8W 31.0W
12V 4000Wインバーター 4000W / 12V = 333.3A 257.8W 146.7W 93.8W 55.1W

表 12Vバッテリーと12V用インバーターで流れる最大電流や電力損失計算例

大体、83アンペアなんていう大電流はワテは怖くて扱えない。

電子工作なら1Aの電流ですら大電流と言う感覚がある。普段はせいぜい300mA以下くらいの弱電流しか扱わないので。

案5:ソーラー充電器+昇圧コンバーター+24Vサブバッテリーシステム

そこでワテは考えた。

12Vバッテリーではなくて24Vバッテリーを使えば電流は半分に減らせるのだ。

つまり24Vのサブバッテリーに24VのDCACインバーターを組み合わせるのだ(下図)。

ケーブルもそれほど太いタイプを使わなくても良くなる。

図5 24Vサブバッテリーと24Vインバーターを組み合わせて電流半減案

上図のようにメインバッテリーの12Vを昇圧型DCDCコンバーターを使って24Vに昇圧する。

その24Vをソーラー充電器に入力するのだ。

このALLPOWERSのソーラー充電器は12V出力ソーラーパネルを接続すれば12Vバッテリーの充電が出来るだけでなく、24Vソーラーパネルを接続すれば24Vバッテリーの充電が出来るのだ。

バッテリー電圧が12Vから24Vに変わると、同じ電力なら流れる電流は半分になる。

つまり先ほどと同じく1000Wのインバーターを使うとしても、12Vではなく24V1000Wインバーターを使えば、それを24Vバッテリーに接続すれば最大電流は

1000W / 24V = 41.6A

となるので、電流は12Vの場合(83.3A)の半分になる。

同じく22sqケーブル1mでの電力損失は

電力W = V x I = R x I x I = R x I2 = 0.844×10-3 x 41.6 x 41.6 = 1.5W

となる。つまり電力は電流の二乗に比例するので、12Vの場合(5.9W)の四分の一になるのだ。

赤ケーブル1m、黒ケーブル1mなら合計損失は 1.5 x 2 = 3Wだ。12Vの場合なら11.7W。

24Vの場合も下表にまとめてみた。

    ケーブル1mの電力損失
24Vバッテリーと組み合わせるインバーター ケーブルに流れる最大電流 8sq 14sq 22sq 38sq
24V 1000Wインバーター 1000W / 24V =   41.7A 4.0W 2.3W 1.5W 0.9W
24V 2000Wインバーター 2000W / 24V =   83.3A 16.1W 9.2W 5.9W 3.4W
24V 3000Wインバーター 3000W / 24V = 125.0A 36.3W 20.6W 13.2W 7.8W
24V 4000Wインバーター 4000W / 24V = 166.7A 64.4W 36.7W 23.4W 13.8W

表 24Vバッテリーと24V用インバーターで流れる最大電流や電力損失計算例

と言う事でバッテリー電圧は12Vよりも24Vのほうが何かと有利だ。

具体的には41.6Aなら8sq(許容電流61A)や14sq(88A)でも良いので、22sq(115A)や38sq(162A)のような極太のケーブルを使わなくても良い。

同じく圧着端子も8sqや14sq用で良いから単価が下がる。

さらに圧着工具も手持ちに14sqまで圧着出来るものを持っているので新規に38sq用などを買う必要が無い。

このようにバッテリーを使うサブバッテリー走行充電システムや住宅用ソーラー発電システムでは、使うバッテリーの電圧が高い方が発電効率でも、作業性でも、部品価格でも、全ての面で有利なのだ。

ちなみに48Vのインバーターも市販されているので、12Vを48Vに昇圧すればさらに電流を減らせる。実はその案も検討したのだが、48Vインバーターは市販製品の数が少ないのでこの案は不採用とした。

と言う事で、昇圧コンバーターを使って12Vを24Vに昇圧してそれをソーラー充電器に入力する上図のシステムを構築する案でほぼ固まったのだ。

12Vを24Vに昇圧するには昇圧型DCDCコンバーターを使えば良いだろう。

もし12Vをシガープラグから取り出す場合は最大電流は10A(最大ワット数120W)が限界なので、24Vなら最大5Aになる。

それくらいの能力がある昇圧型DCDCコンバーターなら自作しても良いし、ネット通販でも二千円前後くらいで売っている。

上の二つの製品は共に最大出力電流10Aだ。なので、12V/10A入力を24V/5Aに昇圧して使えば120Wでサブバッテリーを充電出来る計算だ。

25.6V100Ah(2560Wh)バッテリーを120Wで充電すると計算上はフル充電に13時間(2560Wh/120W=13.3h)掛かる。

ワテの場合には、消費電力1KWもあるような電熱器などは今のところ車内で使わないのでバッテリー残量がゼロになるまで使い切る事は無い。なので120W程度の電力で充電出来れば十分だ。

もし数百ワットの大電力でサブバッテリーを充電したい人は、シガープラグから電気を取り出すのではなくてメインバッテリーから直接取り出せば良い。ただし素人が作業すると危険が伴うが。

ちなみに昇圧機能付きのアイソレーターあるいは走行充電器と呼ばれる製品がある(下写真)。

この製品は12V車専用で、12Vを14.3Vに昇圧してサブバッテリーを走行充電する。

ワテが選択した昇圧型DCDCコンバーターは入力電圧範囲DC 10〜60V、出力電圧範囲DC 12V-60V、最大出力電流10Aなので、万能型のアイソレーターと言っても良いと思う。

 

さて、この案5(図5)は中々良い案だと思ったのだが一つ問題がある。

それはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで24Vタイプだと、100Ahとか200Ahなどの大容量製品しか売っていない。値段も10万円以上するのだ。

それでは予算オーバーだ。困った。

案6:ソーラー充電器で小型12Vバッテリー2台直列24Vを充電案

そこでワテは考えた。

12V 10Ah程度の小型のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーなら1万円弱で売っている。

これを二台買って直列接続すれば小形の24Vサブバッテリーシステムが構築出来る。

それを下図に図解してみた。

図6 小型12Vバッテリー2台直列で使い昇圧コンバーターとソーラー充電器と組み合わせる案

なお、24VのDCACインバーターは12V機ほどは種類は多くは無いがネット通販で入手可能だ。

値段的にも1000Wクラスの24V純正弦波インバーターなら2万円前後で入手可能だ。

よし、この案6を自作するぞと決めたのだ。

案7:24V昇圧+ソーラー充電器+Redodo24Vバッテリー+24Vインバーター【決定】

電菱 24V純正弦波インバーター(700W)を購入

まず、24VのDCACインバーターは電菱(DENRYO)のSP-700-124と言う製品を購入した。

電菱 DC-AC正弦波インバータ SP-700-124A
出力:700W
入力電圧:24V
出力電圧:100/110/115/120VAC
周波数:50/60Hz

実は以前に海外製の12V DCACインバーターを購入した事が有るのだが、出力電圧がAC100VにならずにAC30Vくらいしか出なかったので返品した経験がある。恐らく初期不良だと思うが、今回は念のために国産の電菱さんの製品を購入した。

この製品は出力700Wの純正弦波インバーターだ。

ワテの場合には車中泊で使う電化製品は、スマホ、タブレット、扇風機(DCファン利用の自作品)、LED照明程度なので、300Wも有れば足りる。将来的には電気ケトルでお湯を沸かしたいので少し余裕を見て700Wのインバーターを購入したのだ。

なお、純正弦波インバーターではなくて疑似正弦波インバーターはお勧めしない。疑似正弦波インバーターは出力波形が滑らかなサイン波では無くて、カクカクと角ばった疑似的な三角波なのだ。疑似正弦波は修正正弦波、矩形波などとも呼ばれる。

疑似正弦波インバーターでは動作しない電化製品が多いので、買うなら値段は若干上がるが純正弦波インバーターをお勧めする。疑似正弦波では電化製品が動作しないだけでなく故障する場合もあるからだ。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーはRedodo製に決定

次に12Vの小型リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの機種選定をしていた。

候補としては10~30Ah程度の小型の製品だ。例えば下写真の製品なら一台1万円弱で購入可能だ。二台購入しても2万円弱に収まる。

そんな時にRedodoさんからリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの製品レビューの依頼を頂いたのだ。Redodoさんのバッテリー製品をワテに提供して頂けるとの事だ。

「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」のキーワードでアマゾンや楽天などのネット通販サイトを検索していると、必ずRedodoさんの製品がヒットするのでRedodoさんの名前はワテも以前から良く知っていた。

こんなにタイムリーにRedodoさんさんから製品レビュー依頼を頂けるなんて、まさに渡りに船と言う感じ。

と言う事で12Vバッテリーの二台購入案は中止して、下図のようにRedodoさんの24V(表記は25.6V) 100Ahバッテリーを使ったサブバッテリーシステムを自作する事に決定した。

図7 Redodo 24V100Ahバッテリーを使った昇圧サブバッテリーシステムを自作する【決定】

このRedodo製24V100Ahバッテリーなら電流容量も100Ahと大きいので2000Wや3000W級のインバーターを組み合わせる事も可能だろう。

あるいは将来、ソーラーパネルを使って自宅にソーラー発電システムを構築する時のバッテリーとしても利用出来るだろう。

そんな巨大バッテリーを提供していただけるのは有難い。

ただし商品を提供して頂けるからと言ってRedodoさんに配慮して商品の良い点ばかり強調して悪い点には触れないと言うのでは公平なレビューは出来ない。

そうではなくて、ワテが実際に使ってみて、その経験に基づいて良い点、悪い点を遠慮なく記事にして皆さんにお知らせしたいと思う。

と言う事で先ずは車中泊用のサブバッテリー走行充電システムの構築を目指す。

その次の計画としては、ソーラーパネルを購入して自宅にソーラー発電システム設置の実験もやってみたいと思っている。

Redodo 24V100Ahバッテリーの紹介

さて、直ぐにRedodoさんからバッテリーが届いた。

Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーを開封する

早速開封してみる。

写真 Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが届いた

上写真のように幅60cmくらいのダンボール箱だ。

Redodo公式サイトで 24V 100Ahを見る

ダンボール箱を開封すると下写真のように製品マニュアルがある。日本語なので安心だ。

写真 Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのダンボールを開封

白いクッション材で厳重に保護されている。

そのクッション材を外すと下写真のようにRedodo 24V 100Ah LiFePO4 バッテリーが現れた。

写真 Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのクッション材を取る

そして、下写真のようにRedodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを取り出した。重量は約21.8kgなので重いが成人なら一人で持ち上げられる。鉛バッテリーでこのサイズなら三倍くらい重いと思う。

写真 Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを取り出した

下写真がRedodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーだ。

写真 Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー

Redodo 24V 100Ah 基本情報

動作電圧 25.6V
充電電圧 28.8 ± 0.4V
最大継続負荷パワー 2560W
最大継続 充/放電 電流 100A

引用元 Redodo 24V 100Ahの説明書

Redodo 24V 100Ah 主なパラメーター

セル 四角LiFePO4セル
公称容量 100Ah
使用可能容量 100Ah
公称電圧 25.6V
エネルギー 2560W
充電方法 CC/CV
充電電圧 28.8 ± 0.4V
推奨充電電流 20A(0.2C)
バッテリー管理システム(BMS)ボード 100A
最大継続充電電流 100A
最大継続放電電流 100A
最大放電電流5秒間 280A
最大継続負荷パワー 2560W
内部インピーダンス ≦ 40 mΩ
保護規格 IP65
バッテリーパックケース アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)
寸法 長さ 532mm x 幅 207mm x 高さ 215mm
重量 21.8kg
温度範囲

充電:    0℃~50℃

放電: -20℃~60℃

保存: -10℃~50℃

引用元 Redodo 24V 100Ahの説明書

 

Redodo 24V 100Ah がこちら↴

Redodo公式サイトで 24V 100Ahを見る

12V 100Ahはこちら↴

上製品には「Plus」の文字があるが、その意味はアマゾンのQ&Aで解説されていたので以下に引用させて頂く。

質問: 200Ahと200Ah plusは何が違いますか?
答え: PLUSと記載されている型式のバッテリーはBMSが200Aです。PLUSと記載されていない型式のバッテリーはBSMが100Aです。PLUSは継続放電電流及び継続充電電流が200Aまで可能という説明が記載されていました。つまり最大の負荷は1280Wと2560Wの区別があります。
大門 により日本で2022/09/17に

引用元 アマゾンのカスタマー Q&Aをキーワード「plus」で検索した

Redodo公式サイトで 12V 200Ah Plusを見る

12Vで人気の12V 50Ahはこちら↴

Redodo公式サイトで 12V 50Ah Proを見る

ワテも当初はこの12V50Ahを二台直列にする作戦も検討していた。

Redodoさんのバッテリー製品は各種の容量が製品ラインナップにあるので、自分の用途に合う製品を見付けやすい。

Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーの特徴

Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーの特徴を調べてみた。

主にアマゾンの商品説明を参考にまとめたものだ。

【24V100Ahは12V100Ahの2倍の使用可能エネルギー】

  • Redodo 24V 100Ah LiFePO4バッテリーは12V 100Ahと比べて、稼働時間が2倍。
  • 二台の12V100Ahを直列接続するよりも、一台の24V100Ahを使えば無駄な配線を減らせる。
  • 二台の12V100Ahを使うと電圧バランス調整が必要。24V100Ahが一台ならそれは不要。

【100AのBMSによる強力な保護】

  • BMSとはバッテリーマネジメントシステム(Battery Management System)の省略形。
  • BMSの目的は、過充電、過放電、過電流、短絡、高温カットオフなどの多重安全保護。
  • Redodo 24V 100Ahバッテリーは100AのBMSを内蔵。
  • 最大100Aの継続充放電電流、2560Wの最大負荷パワーと2560Whの容量を利用可能。

【最大20.48kWhソーラーパネル家庭用電源】

  • Redodo 24V 100Ahバッテリーは4P2S接続(4並列2直列)で大容量20.48kWh、51.2V400Ahのシステムを実現(注1)
  • 家庭用バックアップ電源にもお勧め
注1(算出方法は以下の通り)

  • 25.6V x 2直列 = 51.2V
  • 4並列の容量 = 100Ah x 4 = 400Ah
  • 1台の電力量 = 25.6V x 100Ah = 2560 Wh
  • 8台の電力量(4並列2直列)= 2560Wh x 8 = 20480 Wh = 20.48KWh

【10年の使用寿命と鉛蓄電池より1/3軽量】

  • Redodo 24V 100Ah バッテリーは4000回リサイクルできて10年まで長く使用可能
  • Redodo 24V 100Ah バッテリーの重さは約21.8kg、同容量の鉛バッテリーの1/3、持ち易い持ち手付き
  • 低自己放電率および2倍の使用可能なエネルギー量で、鉛蓄電池を完全に代替可能

写真 Redodo 24V 100Ah バッテリーの重さは約21.8kgで持ち易い持ち手付き

ちなみにバッテリーの反対側の写真は以下の通り。絵柄が多少異なる。

写真 Redodo 24V 100Ah バッテリーの反対側は別の絵柄

Redodo 24V 100Ah バッテリーの付属品

Redodo 24V 100Ah バッテリーの付属品は

  • 日本語説明書
  • M8x16mmボルト4本
  • 赤黒の端子絶縁カバー

だ(下写真)。

写真 Redodo 24V 100Ah バッテリーの付属品(M8x16mmボルト4本、赤黒の端子絶縁カバーなど)

付属品のM8x16mmボルト4本や絶縁カバーの拡大写真を以下に示す。

写真 付属品のM8x16mmボルト4本や絶縁カバーの拡大写真

上写真のようにM8x16ボルトには最初からスプリングワッシャ、平ワッシャが付いている。

なお、上写真の六角ボルト頭の対辺はデジタルノギス実測で12.7mmだった。なので厳密に言うとM8ボルト(対辺13mm)ではなくて1/2インチ(12.7mm)サイズ六角ボルトかも知れない。

なのでもし手持ちに1/2インチ(12.7mm)スパナ(下写真)が有ればそれを使う方がピッタリと合う。

でも対辺13mmのスパナでも問題無く扱う事は可能だ。

あるいはボルト頭には大型サイズのプラスドライバー溝があるので、大型のプラスドライバー(3番)を使っても良い。

下写真左端のPH3(=3番)と言う大型サイズのプラスドライバーでボルトを締める事が出来る。

自作予定の昇圧サブバッテリーシステムに使う部品の紹介

以下では、昇圧サブバッテリーシステムの自作に使う為の部品を紹介しよう。

電菱(DENRYO)純正弦波24V700Wインバーター(SP-700-124)

写真 電菱 24V700W DC-AC正弦波インバータ SP-700-124

下写真のように24V入力部にはM8サイズの大型のプラスネジが付いている。

写真 電菱 24V700W DC-AC正弦波インバータ SP-700-124の24V入力端子

下写真はAC100V出力部や電源スイッチだ。

写真 電菱 24V700W DC-AC正弦波インバータ SP-700-124のAC100V出力や主電源スイッチ

自作24V昇圧サブバッテリーシステムに使う全部品

下写真が今回作成予定の12V=>24V昇圧走行充電サブバッテリーシステムに使う部品一式だ。

写真 作成予定の12V=>24V昇圧走行充電サブバッテリーシステムに使う部品一式

写真 サブバッテリーシステムに使う部品 説明
Redodo 24V 100Ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリー 2560Wh LiFePO4 10年寿命 最大負荷電力2560W BMS保護 充放電サイクル4000~15000回 容量拡張可能 RV キャンピング オフグリッド 防災グッズ 非常用電源 PSE技術適合
Redodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー Redodoさんご提供
電菱 DC-AC正弦波インバータ SP-700-124A
電菱 DC-AC正弦波インバータ SP-700-124A ネットで購入
マーベル(MARVEL) 圧着工具 ハンドプレス 裸圧着端子・スリーブ用 MH-14
MARVEL 裸圧着端子・スリーブ用 MH-14 リサイクル屋で新品未使用を購入。14sqまで対応。
フジ矢(Fujiya) ケーブルハンディカッター 240mm 600-240
フジ矢 ケーブルハンディカッター 240mm 600-240 最大60sqまで切断可能
KIVケーブル 8sq 赤黒セット 1m 切り売り1m~30m 600Vケーブル 電気機器用ビニル絶縁電線 バッテリー常時電源 KIV電線 8㎟ 絶縁キャップ付き KIV 赤 黒 電線 ケーブル
KIVケーブル 8sq 赤黒セット 切り売り 購入した電菱インバーターは5.5sqでも良いのだがワンサイズ太い8sqを購入。
シリコンワイヤー, CESFONJER 14 AWG シリコンケーブル[4m黒と4m赤], 柔軟 高温抵抗錫メッキ銅線のケーブル, 電子機器、ドローン、航空機用バッテリーなどの配線に。
2sq ワイヤー(14AWG) 黒赤セット 2sq赤黒ケーブルはホームセンターで切り売り購入
日本圧着端子製造(JST) R8-8 (100個入)
日本圧着端子製造(JST) R8-8 (100個入) 箱買いすると安いので100個購入
ニチフ R2-8 【100個入り】 銅線用裸圧着端子(R形)丸形
ニチフ R2-8 丸形裸圧着端子(100個入り) 箱買いすると安いので100個購入
ニチフ端子工業 絶縁キャップ(LP TIC-8/赤/30個入り) 適用端子8mm²用
8sq 絶縁 キャップ 赤 裸圧着端子 絶縁キャップを被せると安全
絶縁キャップ TIC8 黒 30個 (00-4028)
8sq 絶縁 キャップ 黒 裸圧着端子 絶縁キャップを被せると安全
WMYCONGCONG 0/2/4ゲージ ヒューズブロックホルダー ANL用 80A ANLヒューズ付きカーオーディオアンプ用、金メッキ (80A)
ヒューズブロックホルダーとANLヒューズ(80A) ネットで人気のヒューズを購入
Ampper バッテリー切換 スイッチ 2ポジション (275A), 12-48 V ボート車用 保護電源 漏電防止 バッテリー切断スイッチ (On/Off)
Ampper バッテリー切換 スイッチ 2ポジション (275A) ネットで人気のスイッチを購入。Redodoバッテリー⊕極とインバーター⊕極との間に入れる予定
ソーラーチャージャーコントローラー ALLPOWERS 20A 電流表示バージョン 12V/24V LCD 充電コントローラー 電圧ディスプレイ 液晶 デュアル USB付き ソーラーパネル バッテリレギュレータ 温度表示 自動調整スイッチ 過負荷保護(青)
ソーラーチャージャーコントローラー ALLPOWERS 20A 電流表示バージョン ALLPOWERS製品が評判良かったので購入

表 作成予定の12V=>24V昇圧走行充電サブバッテリーシステムに使う部品一式

下写真が、ALLPOWERS社のソーラーチャージャーコントローラー(20A)だ。アマゾンで約二千円。

写真 ALLPOWERSソーラーチャージャーコントローラー(20A)の動作実験中

上写真は以前にこのALLPOWERSソーラーチャージャーコントローラーに定電圧電源からDC12VやDC24Vを入力して、12Vバッテリーや24Vバッテリーが充電できるかどうか試した。

その時には手持ちにある小型の12Vバッテリーを1台や2台直列で使って実験した。

その結果、このALLPOWERSソーラーチャージャーコントローラーを使うと、12Vバッテリーでも24Vバッテリーでも充電出来た。

ALLPOWERSソーラーチャージャーコントローラーでは設定メニューでバッテリーの種類を選ぶ事も出来る。

鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リン酸鉄リチウム電池の三種類から選べるので、今回使うRedodo 24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーにも対応している。

と言う事で、準備は整った。

あとは組み立てるだけだ。

ちなみにALLPOWERS社ソーラーチャージャーコントローラー(20A)の代替で使えそうな商品は沢山ある。

ただし上の二つの商品はワテは使った事は無いが。

ソーラーチャージャーコントローラー使用上の注意

さて、このALLPOWERSソーラーチャージャーコントローラーを使う上で重要な情報を見付けた。

以下のYouTube動画だ。

上動画をクリックすると途中から再生されるが、その部分に重要な説明がある。

要約するとこのソーラーチャージャーコントローラーには下部に六つの電極が並んでいる。

1 ソーラーパネルに接続
2 ソーラーパネル⊖に接続
3 バッテリーに接続
4 バッテリー⊖に接続
5 外部負荷に接続(必要に応じて)
6 外部負荷⊖に接続(必要に応じて)

上動画によると、これらの電極のうち三つの電極は内部的につながっているのだ。

つまりこのソーラーチャージャーコントローラーは⊖側の電圧(負電圧)を制御する方式らしいのだ。

実際にテスターで導通を調べると確かに三つの電極は繋がっているようだ。

非絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合

そうすると、非絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合には自動車アースとサブバッテリーアースの関係は下図のようになるはずだ。

図 非絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合のサブバッテリーシステム

上図に於いて、もし自動車アースとサブバッテリーアースを接続すると、ソーラー充電器は負電圧を制御出来なくなる?と思われるのでこのシステムは正常に動作しないと思う。

では、絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使うとどうなるのか?

絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合

その場合には下図のようになる。

先ほどの図と殆ど同じでDCDCコンバーターが絶縁型に変わっただけだ。

図 絶縁型DCDC昇圧コンバーターを使う場合のサブバッテリーシステム

この場合なら、もし自動車アースとサブバッテリーアースを接続してもソーラー充電器は負電圧を制御出来るかも知れないが、確証は無い。敢えて接続する必要は無いと思うが。

なので結局のところ非絶縁型でも絶縁型でも、自動車アースとサブバッテリーアースは接続しないほうが良いだろう。

ただし車のメインバッテリーとサブバッテリーシステムとを電気的に切り離すと言う観点では、上図の昇圧絶縁型DCDCコンバーターを採用するほうが良いだろう。

なおアマゾンなどで売っている価格の安い昇圧型DCDCコンバーターは殆ど全てが非絶縁型だ。絶縁型になるとトランスが必要になり部品点数が増えて値段も上がるからだ。

いずれにしても実際に試してみて正常に動くかどうか注意したい。

まとめ

ワレコ

電気は難しい。

その上、大電流は感電すると非常に危険。

でも安全対策しながら作業すればDIYでバッテリーの取り付けは出来る。

当記事では、ワテのハイゼットカーゴに新たに走行充電システムを自作して搭載するプロジェクトの第一回目記事として、各種の走行充電システムを検討した。

最終的に選んだ案は、メインバッテリー電圧12Vを24Vに昇圧して、それを24V対応のALLPOWERSソーラー充電器に入力する。

ソーラー充電器にはRedodoさん提供の24V 100Ah LiFePO4 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを接続する。

そしてインバーターは24V700Wの電菱 DC-AC正弦波インバータ SP-700-124Aを使う。

これがワテが自作予定のサブバッテリー走行充電システムの案だ。

バッテリーには発火の危険性が少なくて安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)を採用したので安心だ。

メインバッテリー12Vを24Vに昇圧して、24Vバッテリー、24Vインバーターを使うのがこの案の重要ポイントだ。それを24Vシステムと呼ぼう。

24Vシステムの利点は本文中で説明したように、24Vシステムならケーブルを流れる電流が12Vバッテリー、12Vインバーターを使う12Vシステムの半分になるので、安全性や電力損失の点で有利だからだ。

もちろん12Vを24Vに昇圧するDCDCコンバーターの変換効率は100%では無いので、その変換に於いて幾らかの電力損失はある。なので必ずしも24Vシステムが12Vシステムよりも全体としての電力損失が少ないとは言えない。

でも電力損失は電流の二乗に比例するので、12Vシステムよりも24Vシステムのほうが有利だろう。それに24Vシステムなら8sq程度のケーブルで配線出来るので、その点も大きなメリットがあると言える。

世の中の多くの12V走行充電システムの自作例を見ると、中には12V200Ahや12V400Ahなどの大容量サブバッテリーを搭載して、そこに4000Wインバーターを接続して使う巨大なシステムを構築している人もいる。

そのシステムなら、

最大電流 = 4000W / 12V = 333.3アンペア

となるので、333アンペアもの最大電流が流れる。

そう言う大電流を扱う場合には電気工事の専門家やキャンピングカー業者さんに依頼するのが安心だ。

一方、ワテの場合は安全性も考慮して電流を減らせる24Vシステムを構築するのだ。

(続く)

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コメント

  1. 川間 賀津雄 より:

    初めまして。当方キャブコンを中古で購入しましたが、現在12Vのサブバッテリーが付いています。サブバッテリーを24Vにしようと思っています。LVYUAN 3000W単相二線式ハイブリッド インバーターでRedodo 24V 100Ahリン酸鉄リチウムオンバッテリー(PSE認証済み)バッテリーを考えています。ソーラーパネルはもともとついています。走行充電器は何が良いでしょうか?全くの素人なのでよろしくお願いいたします。

    • wareko より:

      川間様
      この度は小生の記事にコメントありがとうございました。
      キャブコンと言うのは初めて聞く言葉なので調べてみましたがキャンピングカーでよろしいでしょうか?

      さて、川間様は
      ・LVYUAN 3000W単相二線式ハイブリッド インバーター
      ・Redodo 24V 100Ahリン酸鉄リチウムオンバッテリー(PSE認証済み)
      ・ソーラーパネル
      をキャブコンに搭載して、車の12Vメインバッテリーやソーラーパネルの電力を使ってこの24Vサブバッテリーシステムを走行充電したいと言う事ですね?
      走行充電器は何が良いか?というご質問ですが、
      結論としましては、私は専門家では無くて素人ですので分かりません。
      素人の私が無責任なアドバイスをして事故でも起こると大変ですし。

      でも参考までに、川間様のシステムにおいて、素人の私が思い付く走行充電のアイデアは以下の通りです。

      「LVYUAN 3000W単相二線式ハイブリッド インバーター」は私も自宅にソーラー発電システムを構築した時に購入して使っています。下の記事で紹介しています。

      https://www.wareko.jp/blog/self-made-solar-power-generation-system-using-redodo-lithium-iron-phosphate-battery-and-lvyuan-hybrid-inverter

      このLVYUANインバーターを川間様はキャブコンに設置されると言う事ですね?
      もしそうなら、このLVYUANインバーターは外部からAC100Vを供給してやれば接続している24V Redodoバッテリーを充電する機能を持っていますよね。
      ですので、例えば車の12Vメインバッテリーに市販の適当なDCACインバーターを接続してAC100Vを生成して、そのAC100VをLVYUANインバーターに入力してやれば、あとはLVYUANインバーターがRedodoバッテリーを上手い具合に走行充電してくれるのではないかと思います。

      なお説明書によるとLVYUANインバーターは三つの動作モードがあります。
      それらの切り替えはLVYUANハイブリッドインバーターの設定画面01で行います。
      (1)PV優先モード(SOL)
      (2)主電源優先モード(UTI)
      (3)インバーター優先モード(SBU)

      車中泊ではメインバッテリーではなくてRedodoサブバッテリーの電力を優先して使うのが一般的ですので(3)インバーター優先モード(SBU)に設定しておくと良いと思います。
      そうしておけばRedodoバッテリー残量がある限りRedodoの電力を使い、Redodo残量が不足すると外部AC100Vに切り替わります。
      そのAC100Vは車のメインバッテリーに繋いでいるDCACインバーターが生成しているAC100Vです。
      注意事項としてはメインバッテリーを使い切るとバッテリーが上がってしまいますので要注意です。

      なお、これらの説明は単なる私の思い付きですのでこのやり方で上手く行くかどうかは保証できません。

      一番良いのはそのキャブコンを購入されたお店に相談するのが良いのでは無いかと思います。
      そう言うキャンピングカーを専門に扱っているお店なら、この手の走行充電システムのノウハウは持っているはずですので。

      では、あまりお役に立てなくて申し訳ありませんが、川間様のキャブコン用サブバッテリーシステムの完成を期待しています。