木工作業部屋のサイクロン集塵システムを少し改良した。
木屑の掃除に使う洗濯ホースをサイクロン集塵システムに接続したのだ。
前回の記事はこちら⤵
と言う事で当記事は単なるワテの備忘録だ。
では、本題に入ろう。
サイクロン集塵システムリニューアル案
下図が現在製作中のサイクロン集塵システムだ。
図 呼び径50Aのボールバルブを使ってサイクロン集塵システムの配管をリニューアルする案
上図に於いて配管はΦ100のボイド管やアルミフレキホースを使っている。
各電動工具に接続する集塵ホースには密閉性の高い水道用の塩ビボールバルブ50Aを取り付けている。
ワテが使ったボールバルブは下写真の製品では無いが、似たようなタイプのやつだ。
従来は下写真に示すようなスライドシャッター式のゲート(=ブラストゲート)を使っていた。
ブラストゲートは木工系の多くのYouTube動画で使っている人が多いのでワテも使ってみたのだが、隙間から空気が漏れる欠点がある。
その結果、集塵能力を高めるのが困難なので、密閉性の良いボールバルブに変更することにしたのだ。
木屑掃除用に洗濯ホースをサイクロン集塵システムに接続する
上図において緑色のホースはホームセンターなどでよく見かける洗濯ホースだ。
1m、2m、3mなどの各種サイズがあり、値段も数百円なので安い。
その洗濯ホースを下写真のΦ100ボイド管に差し込めるようにするのが今回の作業内容だ。
写真 集塵用ボイド管の途中に穴を開ける
上写真のΦ100ボイド管にΦ45の穴を開けたい。
手持ちにはΦ42のホルソーしか無いので、兎に角、下写真のようにΦ42穴を開けた。
写真 ホルソーでΦ42を開ける
ボイド管は紙なので下写真のように穴は簡単に開けられる。
写真 Φ42の穴を開けたボイド管Φ100
このあと、カッターや金工用の丸棒ヤスリなど使って穴径をΦ46くらいに広げた。
紙筒で配管を分岐する
下写真右側のトイレットペーパーの芯のような部材は厚紙やボイド管Φ75などをカットして木工用ボンドで貼り合わせて自作したものだ。
写真 3D印刷した継ぎ手(左)、Φ100ボイド管から分岐する部材(右)
一方、上写真左の部材は3Dプリンタで印刷したもので、大穴側にはこの紙筒を差し込める。小穴側には先ほど紹介した洗濯ホースが差し込めるように穴の径を決めている。
紙筒を半分に切るために卓上スライド丸のこで作業をしたのだが、失敗した(下写真)。
写真 紙筒を半分にカットしたが失敗
卓上スライド丸のこで小さな部材をカットする場合には部材の固定がやり辛い。
手で持ってカットするのは危険だが、円筒状の紙筒はクランプし辛いので手で持って恐る恐るカットしたのだが、途中で手が滑って紙筒が動いてしまいその結果、回転刃に部材が引っかかり上写真のように斜めにカットされてしまった。危ない危ない。
幸い怪我はしなかったが、丸鋸系は大怪我しやすいので要注意だ。
と言う事で、残りの部分は手鋸で切断した。最初から手鋸で切れば良かった。
半分にカットした紙筒の一端はΦ100ボイド管の曲面に合うようにベルトディスクサンダーで丸く削った(下写真)。
写真 紙筒の一端を曲面に仕上げて表面の紙も削り取った
ボイド管の表面の紙はツルツルしていて接着剤が付きにくそうなので、ベルトディスクサンダーで一皮剥いている。
下写真のようにマヨネーズ容器に入れている木工用ボンドを紙筒やボイド管に開けた穴にタップリと塗り込み、接着する。
写真 紙筒に木工用ボンドを塗りたくる
下写真のように紙筒をΦ100ボイド管に差し込んで接着する。
写真 紙筒をΦ100ボイド管に差し込んで木工用ボンドで接着する
半日ほど乾燥させると下写真のように木工用ボンドが十分に乾いた。
写真 半日ほど乾燥させると木工用ボンドは十分に乾く
当初は紙のボイド管をサイクロン集塵システムの配管に使うと強度的に心配で有ったが、それは全くの杞憂で有った。
物凄く丈夫なのだ。
上写真の紙筒を木工用ボンドで貼って分岐している部分も、木工用ボンドが乾くと非常に強固にくっついている。少々引っ張ったくらいではびくともしない。
下写真のように事前に3Dプリンタで印刷していた継ぎ手を紙筒に差し込んだ。
写真 3Dプリンタで印刷していた継ぎ手を紙筒に差し込んだ
現状では3D印刷した継ぎ手は紙筒に差し込んでいるだけだが、それでも十分な気密はあるが、より高い気密を求めるならシリコンシーラントなどで隙間を埋めても良い。
あとは下写真のSANEI 洗濯機排水ホースを継ぎ手に差し込めば良い。
写真 今回使うのは3mの洗濯ホース
下写真のように洗濯ホースの継ぎ手を3D印刷した灰色の継ぎ手に差し込む。
写真 洗濯ホースの継ぎ手を3D印刷した灰色の継ぎ手に差し込む
上写真の緑色洗濯ホースの継ぎ手は入り口がΦ32、30mm奥がΦ33のテーパー状になっている。
一方、Fusion360で設計した灰色の継ぎ手部分はこのテーパー形状に合うように30mm奥がΦ32、入り口Φ33のテーパー状にしている。
その結果、下写真のように洗濯ホースと灰色継ぎ手は完璧にフィットするのだ。
写真 洗濯ホースと灰色継ぎ手はいい感じに差し込むことが出来た
灰色継ぎ手をテーパー状に設計したので洗濯ホースを差し込むだけで摩擦で保持されている。
接着剤などで貼り付けなくても十分な気密が保たれているようだ。
下写真のように3mの洗濯ホースは使わない時にはフックに引っ掛けて収納することにした。
写真 3mの洗濯ホースは使わない時にはフックに引っ掛けて収納する
と言う事で無事に作業が完了した。
まとめ
狭い作業部屋で木工作業を行うにはサイクロン集塵システムは必須だ。
丸鋸でも手鋸でも、木材をカットすれば大量の大鋸粉が発生するからだ。
それを紙フィルター式の掃除機で吸うと直ぐにフィルターが詰まる。
上写真のようなサイクロン集塵システム用キットを買って、あとはペール缶の蓋に穴を開けてボルト固定すればサイクロン集塵システムは完成する。
当記事ではワテの木工作業部屋のリニューアル作業の一環として、3メートルの洗濯ホースをΦ100ボイド管に接続する作業を紹介した。
紙製のΦ100ボイド管は好きな場所に穴を開けて自作の紙製継ぎ手で分岐させることが出来る。それらは木工用ボンドで貼るだけなので、作業も簡単だ。
今回はその紙筒に被せる部材を3Dプリンターで印刷したが、3Dプリンターを持っていない人は、全ての部材を紙で作っても良いだろう。
これで作業部屋の清掃作業がやり易くなる。
かつ、この洗濯ホースは掃除だけでなく、作業台の上で使う電動工具の集塵用ホースとしても利用できるので応用範囲が広まるのだ。
なお、この洗濯ホースには当初はボールバルブの開閉機構を入れる予定であったが、記事で示すように開閉機構は何も入れていない。
なのでもし他の装置、例えば卓上スライド丸のこの集塵ホースのボールバルブを開いても、この洗濯ホースも開いた状態なので、それでは卓上スライド丸のこの集塵が出来ない問題が起こる。
その対策としては、洗濯ホースを使わない時には洗濯ホースの先端に何らかの栓を差し込んで閉じるようにする予定だ。
大型のゴム栓とか、木の丸棒を差し込むなど予定している。
(続く)
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