ワレコ
春が来た。
車中泊の旅に出掛けたい。
淡路島あたりに行ってみるかな。和歌山の白浜温泉も良いかも。
さて「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」製作プロジェクトであるが、遂に完成した。
前回記事ではPCBWayさんに発注していたアルミパネルが届いたので、それを使って自作シャーシを製作した過程を紹介した(下記事)。
当記事では、このシャーシにヘッドホンアンプ基板、電源基板など合計八枚の基板を取り付けて配線する過程を紹介したい。
それらの基板は全てPCBWayさんに発注した専用基板だ。
まずは、無事に完成した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」を写真で紹介しよう。
写真 「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」フロントパネル
前後パネルはレーザー切断加工で穴開けして、シャンペン色のアルマイト加工に黒色シルク文字印刷で文字入れしている(PCBWayに発注)。
パネルの色は薄いシャンペンゴールドを期待していたのだが、予想以上に濃い目のオレンジ色に仕上がって送られて来た。
でも、こうやって完成品のアンプに仕上げるとオレンジ色も悪くはないなあ。
シャーシのオレンジ色は、ボリュームの自作銅製ツマミの色と良くマッチしているし。
下写真はシャーシの内部配線の様子を示す。
写真 「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」
どう!
なかなかいい感じに出来ているでしょ!
配線作業は約二日掛かった。
では本題に入ろう。
- ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプをPCBWAY製シャーシに組み込む
- 完成した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)」紹介
- まとめ
ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプをPCBWAY製シャーシに組み込む
見栄えの良いシャーシを自作する
ワテが現在製作しているのが、
「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」
だ。
下のURLにあるぺるけさんの記事を参考にさせて頂いている。
電子工作でオーディオ機器など自作した場合、アルミシャーシをヤスリやハンドニブラで加工してパーツを取り付けるのが一般的な手法だ。
でもそういう手法だと、いかにも素人の自作っぽい雰囲気になる。
最近のワテはシャーシに使うフロントパネルとリアパネルをPCBWayさんに発注して、そのパネルを使ってシャーシを自作するようにしている。
今回のシャーシで三台目だ。
初めてPCBWayさんにアルミパネル加工を依頼したのが下記事で紹介してる「金田式DCプリアンプ」をレストアした時のシャーシだ。
金田式アンプ風の黒色アルマイト加工シャーシに白色シルク印刷で文字を入れた。フォントも今風の金田式フォントを採用してみた。
製作費用も一万数千円程度でいい感じに出来上がったのだ。
今回もPCBWay製のアルミパネルでシャーシを製作し、中に搭載する基板も全てPCBWayさんに発注した両面スルーホール基板だ。合計8種類の基板を使う。
と言う事で、今回作成するアンプは
「オールPCBWAY基板 ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」と言う事になる。
電源トランス基板
まずは電源周りから配線する。
下写真に示す緑基板にはAC15V(6VA)が二回路ある電源トランスを搭載している。RSコンポーネンツさんで買ったトランスだ。
写真 PCBWay製両面スルーホール基板で製作した電源トランス搭載基板(USBコネクタがギリギリ挿せる過密設計)
RSコンポーネンツさんには、この手の小型トランスの品揃えが豊富なのでよく利用している。
上写真のトランスはプリント基板取り付け型のEIコアタイプのトランスだ。トロイダルタイプのトランスもRSコンポーネンツさんには沢山品揃えがある。
ちなみにこの緑基板をKiCadで設計してPCBWayさんに発注した経緯は下記事で紹介している。
トランスの二次電圧AC15Vは四つのダイオードでブリッジ整流している。
この出力電圧を下写真の青色の縦長基板で安定化するのだ。
写真 LM317可変三端子レギュレータ搭載基板のポテンショメーターでDC15V出力に調整
下写真のように出力電圧がDC15Vになるようにコパルの多回転型ポテンショメーターで設定した。
写真 電源回路の出力電圧をDC15Vに合わせた
このDC15Vを「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」の電源にする。
ちなみにぺるけさんオリジナル版の電源は、15V出力のACアダプターが採用されている。
ラッチリレー駆動用5V, 3.3V基板組み立て
このヘッドホンアンプには入力コネクタを四つ付ける事にした。
入力1は秋月USB-DACをアンプに内蔵させてその出力を入力1とする。
入力2,3,4は汎用に使う。それらは全てバランス入力なのでXLR5(5ピンキャノンコネクタメス)を採用する。
さて、その入力1から4までを切り替える為に以前にラッチリレー式の入力セレクター基板を自作していた↴
この基板は表面実装部品だけで作ったやつで、ロジックIC(74HC00、74HC14)は3.3Vで駆動する。NEC/TOKIN製ラッチリレーはDC5V駆動だ。
そこで下写真に示す三端子レギュレータを二個搭載できる基板を即席でKiCad設計して、PCBWayさんに発注していた。
今回はこの黄色レジスト基板に5Vと3.3Vの表面実装型の三端子レギュレータを半田付けする。
写真 表面実装型三端子レギュレーターを二個搭載できる基板(実はリードタイプも取り付け可能)
この基板をKiCadで設計してPCBWayさんに発注した過程は下記事で紹介している。
ホットプレートを使ってSMD部品を半田付けする
下写真のようにホットプレートを使ってSMD版の三端子レギュレータを半田付けする。
基板の三端子レギュレータを載せる長方形のパッドの部分には予め半田ゴテを使って半田を盛っておく。
そこにフラックスを塗布してSMD型の三端子レギュレータを貼り付ける。
そしてホットプレートを数分間加熱する(基板はまだ載せない)。
この時、ホットプレートの上に1cmくらいの半田片を載せておくと良い。
その半田が融けたらホットプレート表面が適温に成っていると判断できるので、下写真のように基板を載せる。
写真 ホットプレートを予備加熱(数分間)してから基板を載せる
一分後くらいにパッド部分に盛っておいた半田が融ける。
もし三端子レギュレーターの位置が斜めになるなど、ずれた場合にはピンセットなどで突っついて修正すると良い。
写真 ホットプレートを使って表面実装三端子レギュレータを半田付けしている様子
半田が融けてから長時間加熱すると熱で電子部品を壊す恐れがあるので、ワテの場合は半田が融けて部品の位置合わせが出来たら素早く基板を取り出して冷ましている。
ちなみに、このホットプレート式の半田リフロー作業は今回で二回目だ。
一回目は下記事で示す大電流昇降圧型DC/DCコンバータを自作した時にやってみたら案外簡単に成功したのだ。
あとは下写真に示す幾つかの抵抗、コンデンサを半田付けすれば完成する。
写真 SMDタイプの三端子レギュレータ二個搭載基板に抵抗、コンデンサを半田付けする前
下写真のように半田付けが完了したので、出力電圧を計測して正常動作している事を確認出来た。
写真 表面実装型三端子レギュレータ(5V, 3.3V)の出力電圧を計測中
なお、今回のホットプレートを用いたリフロー作業では、最初はホットプレートが冷めた状態で基板を載せて加熱してしまった。でもそれだと徐々に加熱して行くので半田が融けるまで時間が掛かるし、その間も基板の上に載せている三端子レギュレーターにも無駄に加熱されてしまう。
なので途中でやり方を変えて、まずは基板を載せずにホットプレートを予備加熱した。そして適温になったら基板を載せた。そうすると一分後くらいに半田が融けて三端子レギュレーターもパッドの部分に上手く収まったのだ。
無事に完成した三端子レギュレータ基板は下写真のように自作の貼り付け式スペーサーを使ってシャーシ底板(アルミ複合板)に張り付ける。
写真 自作貼り付け型スペーサーを使って基板を固定する
ちなみにこの自作貼り付け型スペーサーの製作記事はこちら↴
と言う訳で、下写真のように電源周りの基板とラッチリレー式入力セレクター基板の合計四枚をシャーシに固定出来た。
写真 電源関連基板(3枚)とラッチリレー式入力セレクター基板の合計四枚
上写真のように四枚の基板はA4サイズのシャーシの中に高密度に詰め込んでいる。
ラッチリレー式入力セレクターのスイッチ基板組み立て
次は、ラッチリレーをプッシュボタンスイッチで切り替える機構の配線作業だ。
方針としては、フロントパネルに四つのモーメンタリ型プッシュボタンスイッチを取り付ける。
そのスイッチの真上には現在選択されている事を示す小型LEDを付ける。
それらのスイッチ四個、緑LED四個を搭載する基板(下写真)も急遽PCBWayさんにシャーシパネルと一緒に発注していた。
写真 四連プッシュボタンと表示LED搭載基板(ラッチリレー式セレクター切り替え用途)
下写真のようにNKK製モーメンタリ型プッシュボタンスイッチ(BB-15)はフロントパネルに開けたΦ5.6の穴に差し込むと適度な摩擦で固定出来た。
ちなみにこのスイッチは正規品なら一個二百円くらいだと思うが、ワテの場合はジャンク品を以前に安く買っていた。
写真 NKK製モーメンタリ型プッシュボタンスイッチ(BB-15)をフロントパネル穴に差し込む
下写真のようにPCBWay製専用基板の下側には四連プッシュボタンスイッチを取り付けて、上側には表示用緑LEDを四つ付ける。
写真 PCBWay基板下側に四連プッシュボタンスイッチ、上側に表示用緑LED
このスイッチ基板とラッチリレー基板との接続は下写真で示すピンヘッダーを使ってコネクタ式配線にする。その方が分解し易いので、もし何かトラブルが発生した場合にメンテナンスがやり易いからだ。
写真 秋月購入のQIコネクタを使ってプッシュボタンスイッチとラッチリレー基板を接続
下写真のように無事に接続ケーブルが完成した。
写真 ラッチリレー式入力セレクター基板と切替プッシュボタン基板とをQIコネクタ採用ケーブルで接続
最近のワテは視力が落ちているので、こんな細かいケーブル配線作業は手間が掛かる。
実体顕微鏡無しではこの手の作業はやり辛い。
ラッチリレー式入力セレクター機構の動作確認成功
さて、無事にモーメンタリ型四連プッシュボタンスイッチとLED表示の取り付けが完了したので動作確認をしておく。
写真 フロントパネルに取り付け完了した四連プッシュボタンとLED表示
上写真に示すように四つのプッシュボタンの任意のやつを押すと、そのボタン位置に対応するラッチングリレーがカチカチと切り替わる事が確認出来た。
下動画で、ラッチリレー切り替えの様子を示す。
動画 ラッチリレー式入力セレクター部分の切り替えの様子
上動画のように1から4までの任意のボタンを押すと、直前まで選択されていたラッチリレーがリセットされて、押したボタン位置のラッチリレーがセットされる。
カチカチと小気味よい音を立ててラッチリレーの接点が切り替わるのだ。
なお、今回扱う信号はバランス信号(GND, HOT, COLD)の3本なので左右チャンネルでは5本(GND, L+, L-, R+、R-)となる。
リレーで切り替えるのはそのうちの L+, L-, R+、R-の四信号だ。ラッチリレーは二回路入りなので、ラッチリレー2個を使えば四信号の切り替えが可能になる。
今回は四入力を切り替えるので合計2個x4=8個のラッチリレーを搭載している。
なお、この基板は必要なら幾らでも連結出来るので8個よりも多くのリレーでも切り替え可能だ。
秋月USB-DACタムラトランスTpAs-2S版をバランス化改造
ぺるけさんのサイトで紹介されている秋月USB-DACを改造して作るDAC製作記事を参考にワテも十年くらい前にDACを作った。
その時には出力にはタムラライントランスTpAs-2Sを使っていたのだが、出力部分はアンバランス出力にしていた。
今回、そのアンバランス版秋月USB-DACを改造してバランス化したのだ(下写真)。
写真 バランス出力化改造した秋月USB-DAC(トランス塗装が禿げないように養生テープ)
まあバランス改造と言っても、単に出力タムラトランスTpAs-2Sの配線を少し変えるだけだが。
ただし、バランス化に要した作業時間は三時間くらい掛かってしまった。
その理由は、十年くらい前に作った基板なので配線を追う作業で手間取ったから。
二番目の理由は、接続ケーブルをQIコネクタとピンヘッダで自作したが、細かい作業なので手間取ったのだ。
このタムラトランス搭載基板はユニバーサル基板で自作したものだが、今回の作業において、この基板もKiCadで設計して専用基板をPCBWayさんに発注する事も考えた。
でも現状のユニバーサル基板の出力部分を少し配線変更するだけでバランス化出来るのでユニバーサル基板をそのまま採用した。
まあ兎に角、下写真のようにバランス改造した秋月USB-DAC基板とトランス基板をシャーシに取り付けて、ラッチリレー入力基板の入力1のピンヘッダに4pinのQIコネクタを挿し込んだ。
写真 バランス化した秋月USB-DACをラッチリレーの入力1に接続
ここまでの作業で十数時間掛かった。先日の三連休の丸一日を使った。
バランス入力2のXLR5メスコネクタ配線
バランス入力部の入力2から4まではXLR5メスコネクタを採用する。
ただしXLR5コネクタは高いので(一個千円以上)、とりあえず入力2のみ取り付ける。
入力3,4は当面付けないのでリアパネルには二個の取り付け穴が開くが、まあ通気性が良くなるのでそのままで良いだろう。
下写真は4芯シールド線(Mogami No.2799)を使ってXLR5メスコネクタにQIコネクタを半田付けしている様子を示す。
写真 4芯シールド線(Mogami No.2799)を使ってXLR5メスコネクタにQIコネクタを半田付け
これらの作業は実体顕微鏡で観察しながら行った。
なお、下写真のように熱収縮チューブを必要に応じて被せると見た目が綺麗に仕上がる。
写真 熱収縮チューブを使うと配線作業が綺麗に出来る(白光FM-206付属のホットエアー利用)
従来のワテは100円ライターで炙って熱収縮さえていたのだが、昨年コロナ給付金を使って白光FM-206ハンダステーションを購入した。
それに標準装備されているホットエアー(上写真)を使うと熱収縮チューブの作業効率が格段に向上した。
こんなに便利な半田付けステーションはもっと早く買うべきだった。
実は、ポンプ式の半田除去ツールも欲しいなあと思っているワテである。
現状は、サンハヤトの半田シュッ太郎を使っているのだが、まあまあ便利なのだがやはり専用の電動ポンプ式半田除去ツールのほうが何倍も作業効率が良さそうなので。
こう言うのが欲しい。
ボリュームツマミを自作する
さて、ボリュームツマミを自作してみた。
写真 自作銅製ツマミとPCBWay製シャンペン色アルマイト加工アルミパネルが良くマッチ
どう!
なかなか高級感が出ているじゃ、あーりませんか!?
この超高級っぽい銅製ツマミの構造を公開しよう!
まずは下写真のように市販のツマミ(黒色)を付ける。ワテはコレットチャック式ツマミが好きだ。
写真 コレットチャック式ツマミの上に3Dプリンタ作成台座を被せる
上写真のように市販ツマミ(黒色)の上に3Dプリンタで作成した台座(グレー)を被せる構造だ。その台座の上に銅製のキャップを被せている。
現状では単に挿し込んでいるだけなので摩擦で保持していると言う危なっかしい構造だ。
なので例えば銅製キャップと3D印刷台座を接着してそれらにネジ穴を開けて、イモネジで固定するなどの改良案も検討中だ。
XLRコネクタをパネル背面から固定するメリット
今回のヘッドホンアンプでは多数のXLRコネクタを使う。
具体的には
- XLR5メス(NEUTRIK製)
- XLR5オス(NEUTRIK製)
- NAUSB-W(NEUTRIK製)
などだ。
これらのXLRコネクタを今回は下写真のようにパネルの背面(シャーシ内部)から固定してみた。
写真 NEUTRIK XLR5メスやUSBレセプタクルをパネル背面から固定
上写真で分かるように、固定ネジを外すとXLRコネクタはシャーシ内部に引き抜ける。
仮ににXLRコネクタと基板とをケーブルで直接半田付けしていても、基板を外したい時には一緒にXLRコネクタも取り外せるのでメンテナンス性が非常に良くなる事を発見した。
ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)配線
さて、「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)」の中心部分であるヘッドホンアンプ基板を配線する。
このヘッドホンアンプ基板の製作過程は下記事で紹介している。
この白色基板もPCBWay製だ。
PCBWayさんの白色レジスト基板は、非常に清潔感がある白色だ。
ヘッドホンアンプ、プリアンプにこの白色基板を採用すると、色付けの無いナチュラルサウンドが出るのだ。
間違い無い!
バランス入力部に改造コネクタを半田付け
さて、下写真のバランス入力端子部分(Hot, GND, Cold)の3ピン部分は3.96mmピッチにしていた。
写真 ヘッドホンアンプの右チャンネルバランス入力(Hot, GND, Cold)信号端子部分
なぜ3.96mmにしたのか自分でも覚えていない。
たぶん、VHコネクタを取り付ける予定だったのかな。でもVHコネクタの取付穴径はΦ1.65±0.1mmが推奨だが、ワテ設計基板では穴径は1mmくらいしか無いのでVHコネクタが刺さらない。
あかんがな。
じゃあケーブルを直接半田付けする案もあるのだが、そうするとメンテナンス性が悪くなる。
で、上写真のように日本圧着端子のPHR-5と言う5ピンのコネクタ(2.00mmピッチ)がパーツボックスにあるのを発見。
5ピンのうちの2番と4番をカットして1番-3番-5番の3ピンに改造すれば、ピッチは4mmになる。
このPHR-5改造3ピンコネクタを下写真のように半田付けした。
写真 ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)基板のバランス入力部に日本圧着端子PHR-5(サイド型)を3ピン改造して付けた
上写真のようにいい感じで日本圧着端子PHR-5(サイド型)を3ピン改造して取り付ける事が出来た。
素晴らしい。自称DIYの達人だ!
ボリュームからアンプ基板まで配線
下写真はアルプス4連ボリューム50KAに4芯シールド線(Mogami No.2799)を半田付けしている様子を示す。
写真 アルプス4連ボリューム50KAに4芯シールド線(Mogami No.2799)を半田付け
上写真ではgoot製のヒートクリップを使いながら半田付けしている。
このヒートクリップは電子工作をやるなら必須の小物だ。
熱に弱いパーツの半田付けや半田除去の際に、熱でパーツを壊さないようにするために足をヒートクリップで挟んでおくのだ。
フラックスをクリーニングする
さて、ホワイト基板の半田面を下写真に示す。
写真 ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)基板清掃前
上写真のように基板には半田付け後の茶色の松ヤニやフラックスが残っているので汚い。白色基板では汚れが目立つので非常に汚らしい。
基板が汚いままだとアンプが完成しても綺麗な音が出ない感じがする。
そこでフラックスクリーナーを使って基板を清掃した(下写真)。
写真 ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)基板清掃後
どう!
真っ白でしょ。
ワテお勧めは下写真のスプレー式のフラックスクリーナーだ。
良く見かける小瓶入りのフラックスクリーナーも持っているが、小瓶タイプだと蓋裏に付いている刷毛で塗布するが、そうすると刷毛も汚れて来るのが難点だ。
それに対してスプレー式ならそう言う問題が無いので、使い易い。
使い方としてはスプレーでクリーナーを噴射して綿棒などで擦れば簡単に汚れは取れる。
ただし、リード線の半田付け部分は尖っているので綿棒で擦り辛い。
そう言う箇所は使い古した歯ブラシで擦れば汚れが取れる。
そう言う作業を数回繰り返せば、基板の汚れは除去出来るのだ。
電源スイッチのLED配線と光量調整
電源スイッチ(LED照光タイプのロッカースイッチ)のLEDに配線する。
写真 電源スイッチ(照光ロッカースイッチ)のLEDに配線し光量調整抵抗値を選定中
上写真のように、LEDの電源はぺるけさん設計のヘッドホンアンプの電源部分から供給できるようになっている。
LEDに流す電流は抵抗で制限するのだが、この抵抗は半田付けせずに基板に付けたピンソケットに差し込む方式にした。
上写真ではその部分に二つのテストリードを挿し込んで、そのクリップ部分に抵抗を付けている。
下写真の黒色パネルは以前に製作した「ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)」だ。
これも同じLED照光タイプのロッカースイッチを電源スイッチに採用している。
写真 上:ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)、下:ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)
そこでそのLED光量と同じくらいになるように、今回製作中のヘッドホンアンプのLED照明の光量を決めた。
ちなみに2.2KΩに決めた。2.4KΩだと少し暗かった。
バランスヘッドホン出力、バランス出力配線
あと少しで完成だ。
ヘッドホンアンプの出力は、ぺるけさんオリジナル版では
- アンバランスヘッドホン出力(TRSジャック、フロントパネル)
- バランスヘッドホン出力(XLR5メス、フロントパネル)
の二つだ。
ワテはこの二つの出力に加えて、リアパネルにもバランス出力を出す事にした。
- バランス出力(XLR5オス、リアパネル)
つまりこの三番目の出力は、フロントに出すバランスヘッドホン用バランス出力(XLR5メス)の信号を分岐してリアパネルにXLR5オスとして出す事にした。
切り替えスイッチを付けようかなとも思ったのだが、面倒なので単純に分岐した。
下写真の長い4芯シールド線(Mogami No.2799)の右側がフロントパネルのバランスヘッドホン出力端子(XLR5メス)に繋がっていて、そこからシールド線で左側リアパネルのXLR5オスまで配線している。
写真 バランス出力をフロント(XLR5メス)とリア(XLR5オス)の二箇所に付けた
その接続ケーブルの拡大写真を下に示す。
写真 二本の黒色シールド線(2芯シールド)はバランスヘッドホン基板の左右のバランス出力に接続。XLR5メスはバランスヘッドホン端子
このように細かい半田付け作業が続くので、眼も疲れるし集中力も必要だ。
で、延べ二日掛かりで配線作業が完成した。
ああ、疲れた。
完成した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)」紹介
下写真が無事に完成した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)」だ。
写真 「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)」
正確に言うと、このヘッドホンアンプにはバランス出力改造した秋月USB-DACを内蔵したので、正式名称は以下のようになる。
まさに寿限無寿限無
長いわw
秋月USB-DACの音を聴いてみる
バランス配線改造したヘッドホンを持っていないので、普通のヘッドホンで試聴してみる。
写真 TRSヘッドホンジャックにヘッドホンを挿し込んで試聴
上写真のようにフロントパネルに付けたTRSヘッドホンジャックにヘッドホンを挿し込んで試聴する。
このTRS端子はバランス信号(GND, L+, L-, R+, R-)のうちのGND, L+, R+を接続してアンバランス出力としているので出力信号電圧はバランス出力信号の半分になる。
写真 TRSヘッドホンジャックにヘッドホンを挿し込んで入力1(DAC)選択
で、試聴の結果、ピュアでナチュラルなサウンドで鳴っている!
白色基板を採用したせいかも知れないが、本当に色付けの無い自然で心地よい音が出ている。
これはぺるけさん設計のアンプに共通する特徴だ。
ボリュームも正常に動作する。
このヘッドホンアンプ基板は数カ月前に半田付けはしていたが、動作確認は十分には出来ていなかった。
それが今回、組み立て後に一発で正常動作したのでひとまず安心した。
やっぱりKiCadを使って入念にデザインルールチェック、エレクトリカルルールチェックなどやりながら作成した専用基板を使うと、電子工作が成功する確率は飛躍的に上がる。
もしユニバーサル基板に手配線だと、今のワテには完成させる自信も気力ない。
いやぁ、良かった。
ただし、少しハムノイズが載っているぞ。
あかんがな、残念!
ボリュームを回してもハムノイズの音量は変化しないので、多分、ノイズは信号系統に載っているのでは無くて、グランドに何らかのノイズが載っているようだ。
一部木製シャーシで、シャーシ(筐体)のグランドもちゃんと取っていないし、それが原因かもしれない。
或いはUSBケーブルを通してパソコンからノイズが来ているのかも知れない。
この件は今後調査予定だ。
まずはAC100V駆動をやめて、乾電池駆動かACアダプター15Vを使うなど実験してみたい。
ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)と記念撮影
下写真の黒色シャーシは「ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)」だ。
写真 上:ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)、下:ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)
その製作記事はこちら↴
今回作成したヘッドホンアンプはプリアンプとしても使う予定なので、ハムノイズの問題が解決したらこれら二つのアンプを繋いで、ワテのPCオーディオ環境で使う予定だ。
下写真のように同じサイズなので、組み合わせて使うと一昔前のミニコンポの雰囲気になる。
写真 左:ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V(2017版)、右:ぺるけ式トランジスタミニワッターPart5(19V版)
今回作成したシャーシは底板、天板にA4サイズ(297x210x3t)のアルミ複合板を採用している。
サイドウッドの高さは60mmなので、シャーシ内部の有効高さは54mmだ。
当初はシャーシの高さをEIAの1Uサイズの44mmにしようかなと思ったのだが、60mmくらいにして正解だった。
なぜならシャーシ高さが44mmだと、色んな制約があるので自作には向かないと思う。特にトランスで高さ44ミリのシャーシに収まるタイプはRSコンポーネンツさんなどを探しても殆ど無い。
有ったとしても小型なので電流容量が足りないなどで使えない場合が殆どだ。
と言う訳で、下写真のように白色アルミ複合板の天板を付けるとオレンジ色のパネルとよく合う。
ここまでの写真はCanon Kiss Digital X一眼レフデジカメで撮影したものだ。
スマホのカメラ(Rakuten Big S)で撮影
参考までにワテが最近購入したスマホで撮影してみた。
ワテが使っているのは楽天Big Sだ。
ひと月のデータ通信量が1GB以下なら料金無料なのだ。
もしそれを超えた場合でも料金の上限は2980円で、データ通信を無制限で使えるので安心だ。
そのBig Sのカメラの画質がとっても良いのだ。
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」の内部
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」内部
下写真のようにA4サイズの広さのシャーシに8枚のプリント基板を隙間なく敷き詰めた。
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」内部
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」のヘッドホンアンプ基板(白色)付近
下写真のラッチリレー式入力セレクター回路は一応は期待通りに正常動作するが、電源投入時に初期選択状態が不定になる問題がある。
その部分は例えばパワーオンリセット機能みたいなのを作って、常に入力1が選択されるように改造したいと思っている。
写真 SMD表面実装部品で作るラッチリレー式入力セレクタ基板
写真 Rakuten Big Sのカメラで撮影した「ぺるけ式FET差動バランス型ヘッドホンアンプ15V基板バージョン(2017年)」のヘッドホンアンプ基板(白色)
まとめ
ワレコ
ああ、疲れたわ。
しかしまあ、一年以上掛かってようやく
が完成した。
耳に心地よいぺるけさん設計のアンプは長時間聴いていても疲れないのでPCオーディオ環境に最適だ。
今後の予定としては、若干のハムノイズが載っているのでその問題解決を目指したい。
それと並行して、大型液晶ディスプレイを買った結果、自作のキューブ型スピーカーを置く場所が無くなってしまったので、新たに縦長のスピーカーを自作したいと思っている。
それにしても、細かい配線作業はもう懲り懲りと言う感じ。
出来ればやりたくない作業だ。
もし今後、類似のオーディオ機器を自作する場合には、内部配線を極力無くすような基板設計を目指したい。
具体的には、入出力コネクタはパネル取り付けタイプでは無くて、プリント基板に直接半田付けするタイプを使う。
さらに、複数の基板を使わずに一枚の大きな基板に全部のパーツを半田付けするなどか。
あるいは複数基板を使う場合には、基板同士を直接コネクタで接続出来るような設計にするなどが良いだろう。
そうすれば配線作業をやらなくても良い。
(続く)
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