ようこそ。
当ページにお越し頂いた皆さんは、これからインターネットを始める予定でしょうか?
現在ではスマホ利用者さんの数がパソコン利用者を上回っていますから、皆さんの多くはスマホでこのページにお越し頂いていると思います。
当ページでは、これから自宅や会社で本格的にインターネットを始めようと言う人向けに、インターネットに関する解説をします。
インターネットを始める
インターネットの仕組みを知らなくても、利用する事は簡単です。
しかしながら、インターネットの仕組みをよく理解しておくと、様々なメリットがあります。
例えば、自宅でインターネットを始めるにあたり、自分でネットワーク機器の設定が出来るようになる。
あるいは、インターネットの仕組みを理解していると、フィッシング詐欺やネット犯罪に巻き込まれにくくなるなどです。
しかしながら、インターネットの世界では、IPアドレスとか無線ルーターとかLANとか、そう言う専門用語が沢山出てきますので、初心者の人は中々馴染みにくいものです。
当記事では、それらの専門用語の意味を理解して、出来る限り自力でネットワーク設定が出来るようになる事を目指します。
つまり、今まではスマホだけを利用していた皆さんが、自宅にインターネットを引いてパソコンを使ってインターネット接続を行えるようにする為の知識です。
或いは既に自宅にインターネット環境があるけれど、ネットワークの設定方法が全く分からない。また或いはプロバイダ業者を変更して、より高速でかつ安い業者を選定したいのだが、ネットに関する基本知識が無いので自分で判断できない。
そう言う人にもお勧めです。
インターネットとは何か?
インターネットが本格的に世間一般に普及し始めたのは1996年頃からだったと思います。
1994年くらいからインターネット(Internet)やWWW(World Wide Web、ワールドワイドウェブ)と言う技術がコンピュータ分野で話題に成り始めました。
インターネットとは、世界中のコンピュータをネットワークで互いに接続して構築したネットワーク網です。
英単語の web とは 蜘蛛の巣と言う意味です。
世界中に張り巡らされたネットワーク網があたかも蜘蛛の巣のように見える事から、World Wide Web と名付けられた訳です。
その短縮形が WWW です。
これは語呂も良いし覚えやすいし、20世紀最大の発明の一つと言っても良いでしょう。
しかしながらWWWやInternetを発明した人はノーベル賞を受賞していません。不思議ですね。
さて、インターネットは世界中に張り巡らされたネットワーク網を使ってコンピュータ同志が互いに情報を伝達する技術です。
そのネットワーク網は
- 光ファイバーケーブル
- 人工衛星通信
- NTTの電話回線
- 無線通信
- ケーブルテレビ
- その他
など、様々な手法が使われています。
そのインターネットを利用してホームページに掲載した情報を閲覧したり、電子メールを送信したりする事が可能になります。
インターネットをするには何が必要?
自宅でインターネットを始める場合に何が必要になるのかをまとめてみました。
以下の項目が必要となります。
- 回線事業者との契約
- プロバイダ業者との契約
- ルーター(自宅とプロバイダ業者間の通信を受け持つ)
- ハブ(複数台のコンピュータを接続出来る機器。必要ならば。)
- パソコン、タブレット、スマホなど
以下ではそれぞれの項目について説明します。
その中でも、まず最初に行うのがインターネット接続をする環境を整える作業です。
具体的には、au光とかNTTフレッツ光などの接続業者さんとの契約です。
その際に間違えやすいのが、「回線事業者」と「プロバイダ業者」の違いです。
この二つの用語の違いを正しく理解するとインターネットの理解が深まります。
回線業者とプロバイダ業者の違いを理解する
この章では、回線業者とプロバイダ業者の違いを理解する事を目的としています。
両者の違いを正しく理解した上でインターネットに接続するための業者選びを行えば、正しい判断が出来るでしょう。
「回線業者」と「プロバイダ業者」と言う言葉を初めて聞く人も多いと思います。
あるいは、そんな言葉の説明はどうでも良いから兎に角インターネットが自宅で使えるようにしたい。そう言うせっかちな人もいるでしょう。
しかしながら、インターネットを行うためには接続業者を選ぶ必要があります。
その為には、「回線業者」と「プロバイダ業者」の違いを理解しておく事が必要なのです。
それらの違いを理解した上で各社の申し込みページを見ると、説明内容も良く理解できますので、自分に最適な業者を選ぶ事が出来るでしょう。
ところが「回線業者」や「プロバイダ業者」についての何の知識もないまま、各社のホームページを見ても、恐らく何も分からないと思います。
どこのページを見てもフレッツ〇〇、au光〇〇のようなサービスが沢山あります。
一体全体何が違うの?
もう訳分からない。
そんな状態になるでしょう。
と言う事で、以下では「回線業者」と「プロバイダ業者」の違いを説明します。
聞きなれない言葉ですが、意味は非常に簡単ですので誰でも理解できるでしょう。
電力会社との対比で理解すると分かり易い
例えばあなたが東京電力との間で電力使用契約を結んだとしましょう。
その場合には、電力会社が自宅まで電気を届ける為には二つの項目が必要になります。
- 電気を送電するための電柱、電線などの送電設備(インフラ)
- 送電設備を使って送電される電気(サービス)
です。
送電設備はインフラと呼ばれる場合もあります。
また、電力会社が提供するサービスは電気の供給です。
一方、インターネット接続を行う場合にも、通信設備(インフラ)と通信サービスが必要になります。
通信設備とは、各家庭まで情報を伝達するための設備であり、具体的には電線、光ファイバーなどです。
その通信設備を使って提供される通信サービスが各種情報の提供です。
具体的にはネットワーク経由で提供される文字、画像、動画などのデータ、あるいは電子メールなどの機能です。
電力使用契約とインターネット契約を対比させて表にまとめてみました。
電力使用契約 | 項目 | インターネット契約 |
電線、電柱、鉄塔など 電力会社が提供 |
必要な設備 |
自宅までのネットワーク施設 (電線、光ファイバー、無線など) 回線事業者が提供 |
電気の供給 電力会社が提供 |
提供されるサービス |
情報の伝達 (文字、画像、動画、メールなど) プロバイダ業者が提供 |
表 電力使用契約とインターネット契約を対比
この表の右側に示すように、インターネット契約に於いては自宅までのネットワーク施設を提供するのが回線事業者であり、その施設を使って各種の情報を提供してくれるのがプロバイダ業者となります。
この点が重要です。
例えば良く目にするNTTのフレッツ光とは何でしょうか?
その辺りを詳しく見て行きましょう。
回線業者
フレッツ光とはNTT東日本/西日本のブロードバンドサービス(回線)です。
先ほど説明したように電線、光ファイバーなどの回線だけではインターネット接続は出来ません。
その回線を利用して接続サービスを提供するプロバイダー業者が必要になります。
世の中には「フレッツ光〇〇」と名の付くサービスが多数あります。
- OCNのフレッツ光 (NTTコミュニケーションズ株式会社)
- ぷららのフレッツ光 (株式会社NTTぷらら)
- WAKWAK光 with フレッツII(株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー、NTT-ME)
- @nifty光ライフ with フレッツ
- ASAHIネット 光 with フレッツ
- エキサイト光
- BIGLOBE 光パックNeo with フレッツ
- DTI 光 with フレッツ
- hi-ho 光 with フレッツプラスコース
- So-netのフレッツ光
引用元 2018/4/8現在のフレッツ公式サイト( https://flets.com/ )の情報
これらのサービスは、プロバイダサービスと回線がセットになったものです。
例えば「OCNのフレッツ光」の場合であれば、NTTの光回線(FTTH)を利用して、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社がOCNと言う名前のプロバイダサービスを提供しています。
「OCNのフレッツ光」の詳細を表にまとめると以下の通り。
回線業者 | NTT東日本あるいはNTT西日本 |
プロバイダ業者 | NTTコミュニケーションズ株式会社 |
プロバイダサービス事業の名称 | OCN(オーシーエヌ、Open Computer Network) |
このように、通信設備を提供する業者を回線事業者と呼び、回線を使って接続サービスを提供する会社をプロバイダ業者と呼びます。
上記の例ではNTT本体が回線事業者、NTTの子会社のNTTコミュニケーションズがプロバイダ業者となります。
どうですか?
分かりましたか?
でも恐らく初めて聞いた人はまだ分り辛いと思います。
要するに「OCNのフレッツ光」であれば、
NTTのフレッツ光ファイバーを使って、NTTコミュニケーションズがやっているインターネットサービスがOCNと言う理解で良いでしょう。
あるいは「So-net 光 with フレッツ」であれば、NTTのフレッツ光ファイバーを使ってソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社行っているインターネットサービスがSo-net(ソネット)と言う事になります。
つまり、各社が提供しているプロバイダサービスにおいて、「フレッツ光」という名称が入っているものは、回線はNTTの光回線を使っているサービスと言う事になります。
なお1985年4月の通信自由化に伴って、NTT以外にも多くの会社が回線事業に参入しています。
代表的な回線業者
代表的な回線業者は以下の通り。
- NTT東日本
- NTT西日本
- 携帯電話事業者(au、ソフトバンク)
- 各地の電力会社
- 各地のケーブルテレビ会社
- 各地の有線放送会社
- その他
上にリストしたいずれの会社も、全国にある電柱に電線、電話線、光ファイバーなどを張り巡らしてインターネット回線網を構築しています。
それ故に回線事業者と呼ばれます。
まとめると、回線事業者とは、電線、電話線、光ファイバー、無線通信などの情報通信設備を提供する会社です。
この点を理解出来れば、次に説明するプロバイダ業者を理解する事は簡単でしょう。
プロバイダー業者
正式名称は、「インターネットサービスプロバイダー」
それを英語で書くと「Internet Service Provider」
provider【名詞】
供給する人、一家の稼ぎ手、供給者、準備者、設備者、調達者、扶養する人、一家の大黒柱
日本語で言う場合には、多数の別称があります。
- プロバイダ
- プロバイダー
- インターネットサービスプロバイダ
- インターネット接続業者
- ネット接続業者
- 接続業者
など。どれも同じ意味です。
回線事業者が提供をする設備を利用して、通信サービスを提供する会社がプロバイダ業者です。
例えば東京と大阪に住んでいる人が互いに電子メールを送る場合には、直接に通信する事は出来ません。
東京の人は、どこかのプロバイダ業者Aと契約する必要があります。
同じく大阪の人も、どこかのプロバイダ業者Bと契約する必要があります。
その状態で東京の人が大阪の人にメールを送ると、
東京の人
↓
プロバイダ業者Aのコンピュータ
↓
多数の中継機器
↓
プロバイダ業者Bのコンピュータ
↓
大阪の人
送信したメールは、このようにプロバイダ業者のコンピュータを経由して伝達されます。
プロバイダ業者も多数あります。
通信会社系のブロバイダ
NTT系 | OCN、ぷらら、WAKWAK |
KDDI系 | auひかり、コミュファひかり |
ソフトバンク系 | Yahoo!BB |
歴史的にはNTTの電話回線を利用してアナログモデムを使ってセンターのコンピュータに接続するパソコン通信が1980年代から90年代にかけて普及しました。
ニフティサーブ(NIFTY-Serve)、PC-VANなどが有名です。
1990年代後半からのインターネットの登場でパソコン通信は衰退して今ではサービスは廃止されていますが、その当時のニフティサーブは現在のインターネットプロバイダーのニフティ(富士通系)に引き継がれています。
また、PC-VANは現在ではインターネットプロバイダーのBIGLOBE(ビッグローブ、元はNEC系で現在はKDDI系)に引き継がれています。
この様に、NTT・KDDIなどの通信会社、NEC・富士通などのパソコンメーカーは古くからネット接続のサービスを提供しています。
通信会社系のブロバイダ
通信会社系のブロバイダの特徴としては、携帯電話各社が提供しているプロバイダサービスなので、日本全国ほぼどこでも加入出来ます。
自分の住所を入れると対応地域かどうか確認出来るので、気軽に確認してみると良いでしょう。
電力会社系のプロバイダ
北海道電力系 | HOTCN |
関西電力系 | eo |
中国電力系 | MEGAEGG |
四国電力系 | Pikara |
九州電力系 | BBIQ |
日本電信電話公社、いわゆる電電公社が民営化されたのが1985年です。民営化により名称も変更され、日本電信電話株式会社(NTT)と呼ばれるようになりました。
それまでは日本における通信事業は電電公社の独占市場でしたが、民営化された以降は民間企業も通信市場に参入が可能になりました。
具体的には第二電電(DDI)、日本テレコム、日本高速通信などの新電電(NCC)がサービスを開始しました。従来はNTTの電話番号だけでしたが、新規参入した電話会社が増えるにつれて、今まで見た事も無い局番がどんどん増えて行ったので混乱した記憶があります。
さらにその通信事業市場に参入したのが日本各地の電力会社です。
九州電力は1972年(昭和47年)に日本で初めて光ファイバーを実用化した事で知られています。また東京電力も1978年(昭和53年)に光ファイバーケーブルを実用化しています。
元々、電力会社は日本各地に無数の電柱や電線を張り巡らしていますので、その設備を利用すれば通信事業に参入する事は容易です。
電機メーカー系のプロバイダ
NEC | BIGLOBE |
富士通 | @nifty |
ソニー | So-net |
パソコン通信の時代からネット接続を行ている人には、これらのプロバイダーの名前は昔から馴染みのある名前だと思います。
最近では多数のプロバイダ業者がありますが、これら電力系のプロバイダ業者は老舗と言っても良いでしょう。
一体型
今まで説明したように、回線業者とプロバイダー業者が別々の会社の場合もあれば、同じ会社が両方を運営している場合(一体型)もあります。
一体型の典型的な例は、電力会社系のインターネット接続サービスの場合には、回線事業とプロバイダ事業が一体となったサービスを提供している場合が多いです。
通信自由化の波に乗って通信事業に参入した電力会社が各地に光ファイバーを張り巡らして回線を提供する。その回線を自社でも利用してプロバイダ事業を行う子会社を設立する。
そう言う流れで電力会社系のインターネット接続業者が多いのでしょう。
例えば九州地区ではBBIQ(ビビック)という光インターネットダービスがあります。
これは九州電力系の九州通信ネットワーク株式会社(略称:QTNet)と言う会社が運営しています。
回線プロバイダ分離型と一体型の良し悪しはあるのか?
長年インターネットを使って来た私の経験では、どちらを選択しても大きな違いはありません。
例えば分離型のSo-netのフレッツ光に加入した場合ですと、回線はNTT東か西の光ファイバー回線、プロバイダーはソネット(ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)です。
もしインターネット接続で何らかのトラブルが発生して自宅のパソコンがインターネットに接続出来なくなった。
そう言う場合に問い合わせ先はNTTなの?それともソネットなの?と迷うかもしれません。
でも、心配はありません。
取り敢えずソネットに問い合わせれば、ソネットでもNTTの回線状態を把握していますので、もしどこかの中継装置でトラブルが発生してその結果通信が出来ない状態なのかどうかなどは分かります。
もしプロバイダー側で障害が発生していないなら、問題はあなたの自宅の側にある事が推測されます。無線機器が故障しているとか、パソコンの設定が間違っているなど。
と言う事で、実用上は回線業者・プロバイダ業者が一体なのか別の会社なのかに関しては気にしなくても良いでしょう。
しかしながら、回線業者とプロバイダ業者が分離している場合の短所として、料金の支払先が二カ所になる場合が有ります。あるいは、申し込み手続きに関しても、別々の契約書を書く必要がある場合もあります。
そう言う点では、回線・プロバイダ一体型の場合には窓口が一社なので分かり易いのは確かです。
光コラボレーション
最近では、光コラボレーションも良く宣伝されています。
略して「光コラボ」と言います。
光コラボとは、NTT東日本やNTT西日本が管理運営しているフレッツ光回線を、民間企業が借り受けて利用するビジネスモデルです。
例えば「ソネット光コラボ」なら、ソネットがNTTからフレッツ光回線を借りて行っている回線事業に、ソネットのプロバイダサービスが一体となったものです。
従いまして、従来は光インターネットをやるならまずはNTTと光回線契約をしてから、プロバイダ業者者と契約する必要がありましたが、今ではNTTを通さなくても直接プロバイダ事業者に光回線契約とプロバイダ契約を同時に行う事が可能です。