
皆さんDIYやっていますか?
DIYが趣味の人なら経験があると思うが、複数の電動工具や集塵機を同時に動かすと大電流でブレーカーが落ちる事がある。
その対策としては、電動工具と集塵機をそれぞれ別々のブレーカーから来ている壁コンセントに挿す方法がある。
しかしながら、そのような理想的な電源環境になっている作業場は少ないだろう。
当記事では、表題の「LiTime 24V 100Ah リン酸鉄リチウムイオン バッテリー」を使って電動工具を駆動する事でブレーカー問題を解決する事が出来たので、その過程を紹介したい。
では本題に入ろう。
電動工具と集塵機を同時使用する場合の問題点
主な電動工具の消費電力
木工DIYで使う電動工具は1000~1500Wくらいの大電力が必要なものも多い。
ワテが使っている電動工具の例を下写真に示す。
①テーブルソー(1500W) | ②卓上スライド丸ノコ(1100W) |
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③手押し鉋盤(1300W) | ④ベルトディスクサンダー(470W) |
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写真 ワテがDIYで使っている電動工具の消費電力の例
上写真の電動工具の消費電力を下表にまとめてみた。
種類 | メーカー | 型番 | 電圧 | 電流 | 消費電力 | |
① | テーブルソー | SKIL | TS6307-00 | 100 Vac | 15A | 1500W |
② | 卓上スライド丸ノコ | HIKOKI | FC7FSB | 100 Vac | 11A | 1100W |
③ | 手押し鉋盤 | RYOBI | HL-6A | 100 Vac | 13A | 1300W |
④ | ベルトディスクサンダー | KYOCERA | BDS-1010 | 100 Vac | 4.7A | 470W |
表 ワテがDIYで使っている電動工具の消費電力
上表のように強力なモーターを使っている電動工具は消費電力1500Wの物もある。
さらに注意すべき点は、モーターは電源ONの瞬間に突入電流が流れる。
以前にこの記事で紹介したが、手押し鉋盤の場合には突入電流は17.1A以上流れる事を実測で確認した事がある。消費電力で言えば1700W以上だ。
場合によっては20Aくらい流れる可能性もあると思う。20Aと言えば2000Wだ。
集塵機も1000W程度の消費電力
一方、木工作業では下写真で示すような集塵機を電動工具と同時に使う事が多い。
写真 HIKOKI RP80YB集塵機(消費電力 1140W)
上写真のHIKOKI RP80YB集塵機の場合には、カタログでは消費電力1140Wと記載されている。
と言う事は、この集塵機と同時に上記の1000W以上の消費電力の電動工具を使うと2000W以上の電力が必要になり、15Aブレーカーが落ちる事もある。
あるいはブレーカーが落ちなくても15A近い電流を定常的に流し続けていると電動工具やテーブルタップの電源コードが発熱して、最悪の場合は被覆のビニルが溶けたり発火したりする危険性もある。
その対策としては、冒頭でも述べたように電動工具と集塵機をそれぞれ別々のブレーカーから来ている壁コンセントに挿す方法があるが、そんな理想的な電源工事がされている建物は少ない。
別の対策としては、この集塵機の場合、吸引力が「強・中・弱」の三段階に設定出来るので、「弱」設定で使えば電流は3.9Aつまり390Wの消費電力に抑えることが出来るので、1000Wクラスの電動工具と同時に使う事は可能だ。
でもそうすると集塵能力が低いので、集塵機本来の能力を100%発揮する事は出来ない。
集塵機の連動コンセント機能は使えない
ちなみに下表にこのHIKOKI RP80YB集塵機の消費電力と接続可能な電動工具の消費電力をまとめてみた。これはカタログから抜粋したものだ。
集塵機の電流 | 集塵機の消費電力 | 連動コンセントに接続できる電動工具の消費電力 | |
強 | 12.0A | 1200W | 100W~285W |
中 | 7.0A | 700W | 100W~760W |
弱 | 3.9A | 390W | 100W~1050W |
表 HIKOKI RP80YB集塵機の消費電力と接続可能な電動工具
HIKOKI RP80YBの場合、連動コンセント機能を持っている。
つまり、電動工具の電源コードをこのHIKOKI RP80YB集塵機本体にある連動コンセントに挿して使う事が出来る。
その場合には電動工具のスイッチONした瞬間に、集塵機の電源も自動でONになり集塵が開始する。
電動工具をOFFすれば数秒後に自動で集塵機がOFFされる。
連動コンセント機能は非常に便利ではあるが、電動工具の電源自体を集塵機の連動コンセントから取るので、壁コンセントに挿している集塵機の電源コードには集塵機の電流に加えて電動工具の電流も流れる。
なので、15Aブレーカーが落ちないように合計消費電力1500W以内で使う為には、集塵機の吸引力を「弱(390W)」にしてかつ、電動工具の消費電力を上表の1050W以下に抑える必要がある。
となると集塵機の吸引力は低いし、先程紹介した消費電力1500Wのテーブルソーはそもそも使えない。もし使うとブレーカーが落ちるか、あるいは電源コードが熱で溶けるとか、あるいは集塵機が故障する可能性もあるからだ。
と言う事で、一般のコンセント環境(100Vac/15A)では、そもそも連動コンセント機能付きの集塵機を最大パワーの「強」で使うことは難しい。
ワテの木工作業部屋の集塵機システム紹介
参考までに本日現在のワテの木工作業部屋の集塵機システムを下図で紹介しよう。
この図は天井から下を見て描いた図面だ。
図 2025年4月12日現在のワテのDIY作業部屋の集塵システム配管図
この集塵システムの詳細は以下の記事で紹介している。
電動工具と集塵機を最大パワーで同時使用するアイデア
当記事の冒頭で説明したように、電動工具と集塵機を最大パワーで同時使用するには、それぞれの機器を別々の壁コンセントに接続して使う案がある。もちろんそれぞれの壁コンセントは別々の15Aブレーカーに接続されている必要がある。
しかし、そのような理想的な電源環境がある人は少ない。ワテの場合も、作業部屋の幾つかの壁コンセントは1つの共通の15Aブレーカーに接続されているので、この作戦は利用出来ない。
そこでワテは考えた。
ワテは下写真に示す24Vバッテリー用の3000W 正弦波ハイブリッドインバーターを持っている。 2年ほど前に購入したのだ。
このハイブリッドインバーターに強力なバッテリーを組み合わせて事前にAC電源を使ってバッテリーを充電しておけば良いのだ。
フル充電したバッテリーとハイブリッドインバーターで電動工具を駆動すれば壁コンセントのAC電源の電力を使う必要は無い。
この製品は、定格3000W / 瞬間最大6000W に対応しているので、1500Wクラスの電動工具なら全く問題なく駆動出来る。
仮に突入電流が30A程度流れたとしても3000Wなので、瞬間最大6000Wの能力なら十分に余裕があるし。
一方、集塵機は壁コンセントから電源を取れば良いので、「強」モードで使っても消費電力はカタログによると最大でも1140Wなので、15Aブレーカーが落ちる心配はない。
定格3000Wの24Vハイブリッドインバーターと組み合わせるなら、バッテリーは 24V 3000Whクラスのものを採用すれば良さそうだ。
LiTimeリン酸鉄リチウムイオンバッテリーとハイブリッドインバーターを組み合わせる
実は以前からこのアイデアは考えていたのだが、その為には24Vの強力なバッテリーが必要になるので、中々実行に移すのは躊躇していた。
そんな時に丁度タイミング良く、LiTime社さんからリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのレビュー依頼を受けたのだ。
ここは渡りに船と言う事で、そのレビューに協力させて頂く事にした。
なので、以下ではワテがLiTimeさんの製品を使ってみて感じた印象を率直に述べたい。
ワテはLiTime社の名前は以前から知っていた。
LiTimeさんは黒っぽい精悍な印象のあるバッテリー製品を多数販売されている会社だ。
LiTimeさん公式サイト
下写真はLiTimeさんのホームページをキャプチャしたものだ。
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自動車用サブバッテリーシステム構築例 | 過程用太陽光発電システム構築例 |
写真 LiTimeさんのホームページをキャプチャした例
上写真で示すようにLiTime社のバッテリーを使えば自動車用サブバッテリーシステムや家庭用太陽光発電システムを構築する事が可能だ。
かつ、LiTime社の場合、バッテリーだけでなくインバーターやソーラーチャージャーなども製品ラインナップにあるので、LiTime社の製品を組み合わせるだけでこれらのシステムを構築する事が出来る。
下図は、同じくLiTime社のホームページにある「商品一覧」で表示されるメニューだ。
図 LiTime社の「商品一覧」で表示されるメニュー
上図のようにLiTime社の「商品一覧」には、12Vや24Vバッテリーだけでなく、36Vや48Vバッテリー、純正弦波インバーター、バッテリー充電器、走行充電器、 MPPTソーラーチャージコントローラー など多数の製品がある。
要するにLiTimeさんはバッテリー関連製品をフルラインナップしているのが印象的だ。
例えば下写真の製品を使えば自動車用サブバッテリーシステムを簡単に構築出来る。つまりこの装置は車のオルタネーターで発電した14V程度の電圧を使って12Vサブバッテリーを走行充電する事が可能だ。必要なら同時に太陽光パネルを接続する事も出来る。
あるいは下写真の製品を使えば自宅にソーラー発電システムを構築出来る。いわゆるMPPTチャージコントローラーと言う製品だ。
この製品の場合、12V/24V/36V/48Vの全電圧に対応していて、かつリチウムバッテリー/鉛蓄電にも対応しているので汎用性が高い。さらにBluetoothモジュール内蔵なので、スマホにアプリを入れておけば、いつでもスマホを使ってソーラー発電システムの状況を確認出来る。
今回LiTime社さんからお借りしたのが、下写真の24V 100Ahリン酸鉄リチウムイオン バッテリーだ。
この製品はアマゾンにもある(下写真)。
24V 100Ahで2560Whなのでかなり強力なバッテリーだ。Bluetooth機能も付いているのでスマホにアプリを入れておけばバッテリーの状態をいつでもスマホでモニター出来る。
LiTime 24V 100Ah Bluetooth内蔵 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを開封
LiTimeさんからワテの自宅に巨大なバッテリーが送られて来た。
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写真 段ボール箱入りのバッテリー | 写真 十分なクッション材で保護されている |
上写真左の段ボール箱の側面にサイズが印字されている。
Size: 588 x 292 x 306 mm
と言うサイズだ。
付属品は下写真左に示す二個のボルトと絶縁用のビニル製のキャップだ。
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写真 付属品(ボルトx2個、赤黒絶縁キャップx2個) | 写真 24V100Ahバッテリーが現れた |
上写真右のように段ボール箱の中に巨大なバッテリーが横たわっている。カタログによると重量19.74Kgとの事だ。
当初は、バッテリーは重いので一人では取り出すのは難しいと思ったのだが、良く見たら下写真左のようにバッテリーの左右に持ち手が付いているのを発見。
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写真 持ち手が付いている | 写真 無事に作業台の上に取り出した |
その持ち手を使えば、一人でも難なく取り出すことが出来た(上写真右)。
LiTime 24V 100Ah Bluetooth内蔵 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴
このLiTime社製「24V 100Ah Bluetooth内蔵 リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」の特徴を以下に引用させて頂く。
- 容 量:2560Wh、電 圧:25.6V、サイズ:532*207*216mm、重量:19.74Kg
- PSE認証済、低温遮断保護、過充電保護、高温保護、過充電保護、過放電保護、過電流保護、短絡保護などの安全保護機能が搭載します。
- Bluetooth 5.0、自動接続、スマートコントロール&LiTimeアプリでバッテリーを監視
- 初回のアプリログイン時にはインターネット接続が必要ですが、その後は最大30日間、ネットワークなしでバッテリーの管理が可能です。
- 強化された低温遮断機能によって低温環境でも安全に使用できます。
- 自動車グレードのリン酸鉄リチウムセルで製造されており、高いエネルギー密度と安定性を実現し、より持続的な電力供給を提供します。
- 1Cレートの100Aの大電流で充電可能で、AGMバッテリー(通常の充電電流:0.1C)の充電と比較して、充電時間を10分の1に短縮できます。
- 推力 70~100 ポンドの 24V トローリング モーターに適用します。
- 船外機バッテリー、サブバッテリー、家庭用蓄電池、産業用蓄電池に適用です。
- 24時間カスタマーサービス、1~2日以内の配達、5年間の保証
- おすすめセット:24V100Ah+24V20Aバッテリー充電器
- 使用に関するご注意:初めて使用する場合、またはバッテリーを手動でオフにした後は、バッテリーをオンにしてBluetooth接続するために、必ずアクティベーション機能付きのLiFePO4バッテリー充電器またはMPPTコントローラーを接続してバッテリーを充電してください。
ここで、読者の皆さんの中には「1Cレートの100Aの大電流で充電可能」の部分の意味が良く分からない人もいるだろう。実は以前のワテも分からなかったので、その後、勉強したのだ。
1Cとは何か?
物理学の世界で単位Cは電気量の単位であるクーロンを意味するが、バッテリー業界ではCはクーロンでは無くてCレートと言う単位だ。
アマゾンのQ&Aで見付けた回答が分かり易いので以下に引用させて頂く。
質問: 0.2Cはどういう意味ですか?
答え: Cレートとは、電池に対して充放電するときの電流の大きさを表します。 1Cの「C」は電池の公称容量(Capacity)を定格放電して1時間(1h)で放電終了となる電流値のことです(0.2Cなら5時間で放電終了)”
引用元 アマゾンのQ&A
つまりLiTime 24V 100Ahバッテリーは公称容量100Ahなので100A放電なら1時間(1h)で放電終了になる。あるいは逆に100A充電なら1時間で充電完了になる。このようにLiTime 24V 100Ahバッテリーの場合には100Aが1Cになるのだ。
ただし、一般論としてバッテリーは短時間で急速な充電や放電を繰り返すとバッテリーの寿命を減らす危険性がある。
なので急速充電が必要で無いなら例えば1C(100A)の5分の1の0.2C(20A)充電なら5時間で充電完了、10分の1の0.1C(10A)充電なら10時間で充電完了となる。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとハイブリッドインバーターの接続作業
では早速、LiTime 24V 100Ah Bluetooth内蔵 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとハイブリッドインバーターを接続してみる。
まずは接続前に下写真のようにバッテリーの出力電圧をテスターで計測してみた。
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写真 テスターで電圧を計測 | 写真 測定値3.3Vdcが得られた |
上写真のように本来は24Vバッテリーであるが、出力電圧は3.3Vdcと言う低い電圧だった。
これは、恐らく以下の理由だろう。
つまり上で紹介した「LiTime 24V 100Ah Bluetooth内蔵 リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴」の項目の末尾にある説明を再び引用する。
使用に関するご注意:初めて使用する場合、またはバッテリーを手動でオフにした後は、バッテリーをオンにしてBluetooth接続するために、必ずアクティベーション機能付きのLiFePO4バッテリー充電器またはMPPTコントローラーを接続してバッテリーを充電してください。
要するにバッテリーを初めて使う場合には、バッテリーがオフになっているのでLiFePO4バッテリー充電器またはMPPTコントローラーを接続してバッテリーを充電する必要があるのだ。
これはつまり恐らくバッテリーに内蔵されているBMS(Battery Management System、バッテリーマネジメントシステム)が働いていて、バッテリーの出力を3.3Vと言う低電圧に設定しているのだと思う。
なぜならもし24V以上の電圧が赤黒の電極に出力されていると、うっかりしてショートさせたら火花が飛ぶとか、最悪発火するなどの危険性があるからだ。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとハイブリッドインバーターを下写真のように接続した。
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写真 全体写真 | 写真 バッテリーとブレーカーの接続付近 |
上写真を図解すると下図のようになる。
図 3000WハイブリッドインバーターとLiTime 24V100Ahバッテリー接続図
上図を簡単に説明しておこう。
まず、壁コンセントから消費電力計を経由して3000WハイブリッドインバーターにAC100Vを供給している。
ハイブリッドインバーターとLiTime 24V 100Ahバッテリーはノーヒューズブレーカー150Aを間に入れて接続している。
上図では二枚のソーラーパネルが描かれているが、今回の実験中は取り外している。
ハイブリッドインバーターで生成したAC100V出力を使って各種の家電製品を駆動する。
今回は冒頭で紹介した電気丸ノコなどの電動工具だ。
上図のように接続してハイブリッドインバーターの電源をONすると(下写真左)、バッテリー充電機能が動作する。
その結果、下写真右のようにLiTime バッテリーの両端電圧は一瞬で 26.5Vに回復した(先程は3.3V)。
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写真 ハイブリッドインバーター動作開始 | 写真 バッテリー電圧が26.5Vに回復した |
上写真左はハイブリッドインバーターの操作パネルだ。
さて、このハイブリッドインバーターは各種の設定項目があるのだが、ここでは以下の「充電器のソース優先」と言う項目を説明しておく。
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写真 充電器のソース優先=主電源優先充電 |
写真 設定6をCUB(主電源優先充電)に設定 |
上写真左のように「6:充電器のソース優先=主電源優先充電」に設定している。
この場合には、ハイブリッドインバーターに供給される壁コンセントからのAC100Vを使ってバッテリーが充電される。もし太陽光パネルを接続している場合には太陽光パネル優先(PV優先)に設定しても良い。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽光発電
LiTimeアプリを使ってみる
さて、無事にハイブリッドインバーターとLiTime 24V 100Ahバッテリーを接続したので充電が開始されている。
一方、LiTime 24V 100Ahバッテリーに付属の説明書を見ると、LiTimeアプリと言うのがあるようだ。
早速スマホにインストールしてみた。
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①LiTimeアプリ | ②利用可能なデバイスが出た | ③デバイス追加成功 |
上写真のようにまずはLiTimeアプリを開いてインストールすれば良い。
インストールが完了して実行すると利用可能なBluetoothデバイスの一覧が表示される。
そこに先ほど開封して充電開始したLiTime 24V 100Ahバッテリーのシリアル番号が表示されているので、それを選択すれば無事に接続成功した。とっても簡単だ。
無事に接続成功すると、下写真のようにバッテリーに関する各種の情報を表示出来る。
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現在50% | バランス状態=均等 | セルの状態=通常 | BMSの状態=通常 |
上写真のようにバッテリー状態は通常(正常と言う意味だと思う)で、残量は50%だ。この時点ではまだハイブリッドインバーター側で充電開始の設定をしていなかったので「放電中」と言う表示になっている。
なので、設定変更してバッテリーを充電開始した。
その結果、下写真のように充電が開始した。
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バッテリー情報 | 26%充電中(18A) | 70%充電中(22A) | 100%フル充電完了 |
上写真の電流に着目すると充電中は18Aや22A程度の電流が流れている。なので平均20Aだと仮定すれば0.2Cレート(20A、推定充電時間5時間)で充電している思われる。
実際は充電開始時点で26%くらいの残量だったので、5時間も掛からずに4時間弱程度の時間でフル充電が完了した。
このようにLiTimeアプリをスマホにインストールしておくと、離れた場所からバッテリーの充電状態などをいつでもモニター出来るので安心感がある。
バッテリー温度も表示されているので、もし何らかの異常発熱など有ればそれもスマホで把握出来る。
LiTimeリン酸鉄リチウムイオンバッテリーとハイブリッドインバーターで電動工具を使う
さて、いよいよ電動工具をこのバッテリーシステムで動作させてみよう。
まずは確認のためにテーブルソーをAC100Vで動作させて消費電力を調べてみる。
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テーブルソーやバッテリーシステムの様子 | テーブルソー(最大消費電力1500W) |
テーブルソーをAC100Vで動作させると下写真のように777.8Wの消費電力で有ることが分かった。
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テーブルソーは無負荷で 777.8Wの消費電力 |
この場合にはテーブルソーは単に鋸刃を無負荷で回しているだけだが、それでも777.8Wもの消費電力だ。
なので、もし木材を切断すればモーターに負荷が掛かりカタログ表記の1500W程度の消費電力になることが予測される。
電動工具をハイブリッドインバーターとLiTimeバッテリーで駆動する
下写真のようにハイブリッドインバーターの「1:出力元の優先度」を設定変更して「SBU インバーター優先モード」にした。
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出力元優先度をUTI(既定値)→SBUに変更 | SBUへ設定変更完了 |
この「出力元の優先度」とは何を意味するかと言うと、既定値ではUTI(主電源優先モード)となっていて、ハイブリッドインバーターに何らかの電動工具を繋いで動作させた場合に、その電力はハイブリッドインバーターに壁コンセントから供給されているAC100Vを使うと言う意味だ。
もしその時に停電などでAC100Vが途切れた場合には自動的にバッテリーの電力が利用される。
先程のテーブルソー動作時に777.8Wと計測された実験は、この設定で行った。
今回の実験では、LiTime 24V 100Ahバッテリーから電動工具に電力を供給したいので、SBU(インバーター優先モード)にする。この場合はバッテリー電圧が十分ある限りは電動工具の駆動にバッテリー電力を使う。もしバッテリー電圧が低下して十分な電力を供給出来ない場合には壁コンセントからのAC100Vを利用すると言う設定だ。
では、バッテリー駆動でテーブルソーを動作させた動画を紹介したい。
爆音にご注意下さい(物凄い爆音です)。
動画 テーブルソーをハイブリッドインバーターとLiTimeバッテリーで駆動成功(爆音注意)
上動画のようにLiTimeバッテリーで駆動したテーブルソーは、壁コンセントAC100Vで駆動するのと全く遜色なく猛烈なパワーで動作している。
動画の最後に写っている消費電力1.37Wは、ハイブリッドインバーターと壁コンセントの間の消費電力を計測しているので、テーブルソーを動作させても壁コンセントのAC100V電力を殆ど消費していないことが分かる。つまりテーブルソーを駆動するための数百ワットの電力はLiTimeバッテリーからハイブリッドインバーターへ供給されているからだ。
と言う事で、LiTime 24V 100Ahバッテリーをハイブリッドインバーターと組み合わせれば、1500W級の電動工具を難なく駆動出来る事が確認出来た。
あとは、集塵機を壁コンセントAC100Vで駆動すれば、集塵機を使いながら電動工具も動作させることが出来るので、今後のDIY作業が非常にやり易くなることが期待出来る。
ちなみにLiTimeさんからも3000W級の純正弦波インバーターが販売されている。下写真の製品は12Vバッテリー用だ。
なので、もし上写真の12V 3000Wインバーターを使うなら、下写真のような12Vで大容量のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせると良いだろう。
この場合には、12Vバッテリーを充電するための充電器を別途用意する必要がある。
このように
の3つを準備すれば自分でサブバッテリーシステムを構築する事は可能だ。
サブバッテリーシステムを構築するなら24Vや48Vがお勧め
でもやはりサブバッテリーシステムを簡単に構築したいなら、ワテが紹介したようなAll In One式のハイブリッドインバーターを採用するほうがお手軽だろう。
嬉しいことにLiTime社さんからもハイブリッドインバーターは販売されている(下写真)。
この製品はDC48V用だ。
サブバッテリーシステムを構築するならDC48Vは最適だ。
その理由を簡単に説明しよう。
例えば3000Wインバーターと12V/24V/48Vの電圧のバッテリーを組み合わせる場合の電流を計算してみると下表のようになる。
バッテリー種類 | インバーター種類 | 流れる電流 |
12V | 12V 3000Wインバーター | 3000W / 12V = 250A |
24V | 24V 3000Wインバーター | 3000W / 24V = 125A |
48V | 48V 3000Wインバーター | 3000W / 48V = 62.5A |
表 12/24/48Vの各バッテリーで流れる最大電流
もし12Vバッテリーと12V3000Wのインバーターを組み合わせて使うと、最大で250Aもの電流が流れる計算だ。
48Vバッテリーと48V3000Wインバーターの組み合わせなら、最大電流は62.5Aになる。
下表は電線の導体サイズ(mm2)と許容電流(A)の関係などを示したものだ。
引用元 太陽ケーブルテック株式会社(https://www.taiyocable.com/product/1086/)
先程の計算で12Vバッテリーを使う場合には最大で250Aの電流が流れるが、上表を見ると分かるように許容電流270Aに必要な導体サイズは80mm2(=80sq)だ。
80sq(外径17.1mm)などと言う極太電線は一般の人が目にすることは無いだろう。どこに売っているのかも分からない。
もし48Vバッテリーを使うとすると先程の計算で最大電流は62.5Aなので、14sq(許容電流88A)電線を使えば良い。14sqなら外径7.7mmのサイズなので、ホームセンターやネット通販サイトなどでも売っているし、値段もそんなに高くは無い。
アマゾンにも売っている。
なお80sqケーブルはアマゾンですら見付からなかった。
電力損失の観点でも高電圧バッテリーが有利
大電流を扱う場合にはケーブルの電力損失も無視できない。
例えば80sqで1メートルケーブルに250アンペアを流す場合を考える。
上表から導体抵抗は 0.230 Ω/km なので1メートルなら以下の計算で0.230mΩとなる。
なので、ケーブル(1m)の電力損失は以下の通り。
赤ケーブル1m、黒ケーブル1mで配線したとすると、14.4Wの二倍の損失になるので28.8Wがケーブルで熱として消費される事になる。
電力損失は電流の二乗に比例するので、電流はなるべく少ない方が電力損失を低く抑えることが出来る。
3000Wインバーターを使うとして、組み合わせるバッテリー電圧12/24/48Vの場合の電力損失を下表にまとめてみた。
3000Wインバーターと組み合わせるバッテリー | ケーブルに流れる最大電流 | 必要な電線サイズ | 電力損失(1m当たり) |
12V | 3000W / 12V = 250A | 80sq以上 | 14.4W |
24V | 3000W / 24V = 125A | 38sq以上 | 7.8W |
48V | 3000W / 48V = 62.5A | 14sq以上 | 5.2W |
表 12/24/48Vバッテリーと3000Wインバーターの組み合わせで最大電流や電力損失計算例
このように、もし自宅にソーラーパネルを設置してサブバッテリーシステムを構築するなら48Vバッテリーと48V用ハイブリッドインバーターを組み合わせるのがお勧めだ。
そうすれば14sq程度の細めのケーブルで十分対応出来るし、電流が少ないので電力損失も抑えられるからだ。ケーブルが細ければ圧着端子のサイズも小型で良いので、扱いやすいし費用も抑えられる。
なお、48VバッテリーはLiTime社なら以下の製品がある。
この製品は最大5120W、負荷電力4000-15000Wと言う化け物のような巨大バッテリーだ。
このLiTime 48VバッテリーとLiTime 3000W ハイブリッド インバーターを組み合わせれば、自宅に本格的なオフグリッドシステムを構築するとか、あるいは大型キャンピングカーのサブバッテリーシステムを構築するなどに最適だろう。
48Vバッテリー単体ではなく、複数のバッテリーを組み合わせて48Vを生成しても良い。
- 12V100Ahバッテリーを4直列
- 24V100Ahバッテリーを2直列
などだ。
DIYで自宅に48Vソーラー発電システムを構築する場合の予算を予想してみた。
項目 | 予想価格帯 | |
1 | 48Vバッテリー | 25万円~ |
2 | 48Vハイブリッドインバーター | 10万円~ |
3 | 48Vソーラーパネル(400W) | 5万円~ |
4 | 大型ブレーカー、ケーブル、圧着端子、その他パーツ | 7万円~ |
5 | 工具類(圧着工具、ドライバー、ニッパー、その他) | 3万円~ |
費用総額(予想) | 50万円~ |
表 48Vソーラー発電システム構築予算の見積もり
だいたい50万円くらいの予算が有れば、自宅に本格的な48Vソーラー発電システムを構築出来る計算だ。
ソーラーパネルは400Wで見積もっているが、一般家庭の全電力を賄うには400Wでは足りないのでこの10倍(4000W)くらいのソーラーパネルを敷き詰めれば実用的だ。
まずは400W程度の小規模なソーラーシステムを構築して、徐々にソーラーパネルを増やしても良い。
バッテリーも必要に応じて並列接続して追加すれば良い。
ワテもいつか将来、こんな巨大バッテリーを用いて自宅にソーラー発電システムを構築したい。
余った電力は関西電力さんに買って貰えると嬉しいのだが。
まとめ

太陽は天然の核融合炉なのでソーラーエネルギーは無尽蔵だ。
人類が地球上で核融合を実用化するよりも太陽光を利用するほうが手っ取り早い。
当記事では、複数の電動工具を同時利用する場合の大電力問題を解決するために、壁コンセントAC100Vと同時にサブバッテリーシステムを使って電動工具を利用する方法を紹介した。
日本では壁コンセントは100V/15Aが標準なので、1つの壁コンセントから1500W以上の電力を連続的に取り出すことは出来ない。
もしギリギリ1500W以下に抑えたとしても連続的に数十分も動作させると電源コードが発熱して溶けるなどの危険性もある。
それらの問題を解決するために、LiTime社の24V 100Ah(2560Wh)と言う強力なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと3000Wハイブリッドインバーターを組み合わせたサブバッテリーシステムを使って電動工具を利用する実験を行った。
その結果、このサブバッテリーシステムを使えば1500W級のテーブルソーさえも難なく駆動することが出来た。
従って、今後もし1500W級の電動工具を2台同時に使うには、1台はAC100Vの壁コンセントで駆動し、もう1台はLiTimeバッテリーを使ったサブバッテリーシステムで駆動すれば良い。
具体的には集塵機(1140W)とテーブルソー(1500W)の同時使用などだ。
電動工具は充電式のものも多いので、全て充電式工具で揃えればこのような問題は起こらない。しかしながら現実的にはAC100Vの電動工具も多く使われているので、ワテのこの実験結果は多くの大工さんや木工を趣味とする人に参考になると思う。
記事の後半では、高電圧な48Vバッテリーを使ったサブバッテリーシステムのメリットを紹介した。
同じ電力を扱うなら電圧が高くなれば電流を減らす事が出来る。
電力損失は電流の2乗に比例するので、大規模なサブバッテリーシステムを構築するなら12Vバッテリーを使うよりも24Vや48Vバッテリーのほうがいろんな点で有利になる。
もちろん小規模なサブバッテリーシステムを構築するなら12Vバッテリーは種類も多く手軽に利用出来るメリットもある。
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ワテの場合も将来的には48Vバッテリーを用いた自宅ソーラー発電システムを構築したいと思っている。
その時にはLiTimeさんの製品を検討したい。
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(続く)
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