いや~、びっくりした。
車を運転中にミラー型ドラレコが分解したのだ!
三連休初日の昨日の土曜日にハイゼットガーゴを運転していたら、いきなりドラレコが空中分解したのだ。
当記事ではそのドラレコが空中分解した原因と修理する為の調査の過程を紹介したい。
では、本題に入ろう。
ミラー型ドラレコが空中分解した原因を探る
下写真は車から外して居室に持って来たミラー型ドライブレコーダー(通称ドラレコ)だ。
写真 運転中にいきなり分解したドラレコ
このドラレコは以下の記事で紹介しているように2019年8月にワテが自分でハイゼットカーゴに取り付けたものだ。
早いもので今から五年前の事か。
さて、そのドラレコであるがワテが車を運転していたら上写真のようにミラーの下から中身が少し飛び出した。
まるで秋刀魚を焼いていたらハラワタが飛び出したような気分だった。
最初は何が起こったか分からなかったのだが、信号に止まった時に手で触って確認すると、ミラーのガラスの裏側にある何らかの部品が重みで下に飛び出しているようだ。あとで分ったがそれは液晶ディスプレイだった。
で、信号が青に変わったので発進したのだが、数十メートルほど走行した瞬間に下写真のように行き成りガラスパネルが脱落して液晶ディスプレイがダラ~ンとぶら下がったのだ。
写真 車で走行中にガラスパネルが脱落して液晶ディスプレイが垂れ下がったw
げげ!あかんがな。
車を運転しているにも関わらず、目の前に液晶ディスプレイがぶら下がっているぞ。
幸い道路は渋滞していたのでスピードは30Km以下くらいの低速だったので冷静に周囲を見回し、たまたま見付けた店舗の駐車場に入って車を駐車した。
ワテの場合、見掛けによらずこう言う場合にはパニックに陥ること無く案外冷静に対処出来るのだ。
そしてドラレコをルームミラーに固定している二つのゴムバンドを外してドラレコを取り外し、とりあえず純正ルームミラーが使える状態に戻したのでその後の運転における不安は解消した。
電池が膨らんでパンパンやで!
取り外したドラレコを見ると下写真のように角型のバッテリーだと思われる部品がパンパンに膨れている。
写真 パンパンに膨らんだバッテリー
これは危ないぞ!
爆発するんじゃないのか?
などと思うと再び物凄く不安になった。
9月だと言うのに物凄い残暑でこのバッテリーもかなり熱い。
車を駐車場に停めて買い物している最中にバッテリーが発火するんじゃないかと気が気では無かったが、幸いにして自宅に帰宅するまでそんな事故は起こらなかった。
膨らんだのはリチウムポリマー電池(LiPO電池、リポ電池)だった
自宅に戻ってバッテリーを詳細に観察した。
爆発寸前のバッテリーを近い距離で目視で観察する時には下写真のような安全ゴーグルは必須だ。
写真 電子回路の故障解析調査には安全ゴーグルは必須だ
過去に電解コンデンサに逆電圧を掛けて電解液がジュルジュルと沸騰して爆発事故を起こした事があるワテは、それ以降、安全対策には敏感になっている。
さて、このバッテリーの表面に印字されている文字は以下の通り。
SX 423450PL 750mA +3.7V 190429CC KJJ
ワテの場合は、この手のバッテリーに関する知識は全くないが、少なくともこの情報から分かる事は3.7Vで750mAの電池と言う事は分かる。
で、他の意味不明な文字列「423450PL」や「190429CC KJJ」などでネット検索した結果、このバッテリーはリチウムポリマー電池と言うタイプである事が判明した。
リチウムポリマー電池はLiPO電池あるいはリポ電池などとも呼ばれるようだ。
リチウムポリマー電池とリチウムイオン電池の違い
リチウムイオン電池は電解液が使われているがその電解液は引火性があるので漏れると発火の危険性があるのはワテも良く知っている。実際、そんな事故のニュースを時々見るし。
一方、このリチウムポリマー電池はネット情報によるとゲルや固体のポリマー材料を使用しているのでリチウムイオン電池と比較すると安全性は高いらしい。
ただし、電池である以上はショートすると発火する危険性もあるので、こんなにパンパンに膨らんでいると、発火事故が起こっても不思議ではないだろう。
ちなみにネット情報によると、リチウムポリマー電池が膨らむ原因は過充電・過放電らしい。
まあ、車内に五年も取り付けていたドラレコだから炎天下の夏場なら車内温度は70度以上くらいになるだろう。そんな過酷な環境で五年も使ったらバッテリーが劣化するのも当然だろう。
と言う事でこのリチウムポリマー電池を交換してドラレコを自分で修理する事にした。
リチウムポリマー電池のサイズと型番
写真 パンパンに膨らんだリチウムポリマー電池
パンパンに膨らんだリチウムポリマー電池に印字されている文字を再び以下に示す。
SX 423450PL 750mA +3.7V 190429CC KJJ
ネット検索した結果、「423450」がバッテリーの寸法を表している事が判明した。
具体的には以下の通り。
423450 42 バッテリーの厚み0.1mm単位(4.2mm) 34 バッテリーの幅1.0mm単位(34mm) 50 バッテリーの長さ1.0mm単位(50mm)
そこでパンパンに膨らんだバッテリーのサイズを実測してみると確かに34×50ミリくらいの大きさだった。厚みは膨らんでいるので2cm近くあるがw
と言う事は、これと同一サイズかあるいは同じくらいの大きさのリチウムポリマーバッテリーの互換品を購入して付け替えれば良さそう。
リチウムポリマーバッテリーをアマゾンで買う
「3.7V 750mA 423450 リチウムポリマー」 でネット検索してみたが、この条件と完全一致する商品はAmazon.comやAlibabaに有ったが日本のサイトでは見付からなかった。
Alibabaの場合だと最低でも50個単位などの出品が多く、1個だけの出品も探せばあるが送料のほうが高く成りそうだ。
写真 走行中にいきなり分解したドラレコ
上写真でリチウムポリマー電池が収納されている場所を確認すると、上部には緑のプリント基板あるので幅は34ミリが必須だ。
一方、横の長さ方向はオリジナルは50ミリだが最大75ミリくらいまで長いタイプでも収納することは出来ると思われる。
厚さに関してはオリジナルは4.2ミリだが、恐らく5ミリくらいでも入るとは思うが、あまり分厚いと上から被せるガラスミラーが上手く収まらないかもしれない。
つまりガラスミラーは黒い樹脂製のカバー部に接着剤で貼り付けられているのだが、電池が膨張してガラスミラーを引き剥がしてしまったのだ。
と言う事で3.7Vのリチウムポリマー電池で750mA程度で
サイズ:423450~423475
くらいのやつを探せば良いのだ。
結局、以下の製品を発注した。
リチウムポリマー電池3.7 V 880 mAh 503448
と言うタイプだ。
厚みが5.0mmなのでオリジナルの4.2mmより分厚いが、バッテリー収納場所の深さを物差しで計測した限りでは最大6.0mmくらいまでのバッテリーなら収まりそうなので5.0mmなら問題無いだろうと言う判断だ。
ケーブル先端にJSTのPHコネクターが付いているが、ワテの場合はコネクターは不要なので切り取って既存の赤黒ケーブルにハンダ付けして交換する予定だ。
なお、ドラレコが脱落した時に液晶ディスプレイのフラットケーブルが外れてしまったが、下写真のコネクタに挿し込んでラッチ機構で固定したら無事に取り付け成功した。
写真 液晶ディスプレイのフラットケーブルを元のコネクタに接続成功
アマゾンに発注したバッテリーが明日の月曜日には配達予定なので、それまでは膨らんだバッテリーのまま、下写真のように応急処置をしてドラレコを使う予定だ。
写真 膨らんだバッテリーや脱落したガラスミラー部をマスキングテープで応急処置
上写真の状態で車に取り付けてみたが、正常に動作しているタフなドラレコだ。
新品バッテリーが到着するまではこの状態で使う予定だ。
アマゾンのタイムセールでドラレコを買う
最近のドラレコは高性能だが物凄く安い。
例えば下写真の製品は12インチタイプ、4K画質、前後カメラ、64GB SDカード付きで1万円弱だ。
ワテが5年前に購入したドラレコは7インチ、1920×1080画質(約200万画素)、SDカード別売りで6980円だったが(SDカード購入費用を入れると8000円くらい)、それが今では4K画質(3840×2160で約830万画素)で同じくらいの価格なのだ。
アマゾンのタイムセールが時々行われているが、そう言うのを利用すると高級ドラレコを安くゲット出来る。
実は今回ワテも交換バッテリーを1000円~2000円で買うよりも、8000円くらいの最新版ドラレコを購入する案も検討した。
でも今回は見送った。その理由はバッテリーが999円と安かったのと、ドラレコの取り付けは数時間掛かる作業なので夏場の暑い時期にはやりたくないので。当面はこの古いドラレコを修理して使い続ける予定だ。ワテの古いドラレコでもフルハイビジョン画質(1920×1080 約200万画素)なので映像は十分に鮮明だし。
なお、ミラー型ドラレコの7インチ(17.78cm)とか12インチ(30.48cm)などの数字はミラーの横幅のサイズではなくて、ミラーの裏側に貼り付けられている液晶ディスプレイの対角線サイズだ。
ミラー自体の横幅はだいたいどのメーカーでも30~35cmくらいの大きさの物が多い。
ワテのドラレコも横幅31cmもあるので20cmくらいの純正ルームミラーよりもかなり大きいので後方の確認がやり易い。
まとめ
壊れたものを自分で修理する。
これがDIYの基本だ。
当記事ではワテが五年前に購入して自分でハイゼットカーゴに取り付けたミラー型ドラレコが走行中にいきなり空中分解したトラブルと原因調査の過程を紹介した。
ドラレコ内部に使われているリチウムポリマー電池が経年変化で膨張してドラレコ表面のミラー部を押し出して引き剥がしてしまった結果、ミラーや液晶ディスプレイが脱落した事が判明した。
そのリチウムポリマー電池の互換品をアマゾンに発注したので、到着次第、自分で交換する予定だ。
ちなみに「修理の神様」と呼ばれる三重県の今井電子サービスの今井和美(いまい・かずみ)さんは有名だ。
今井さんを取材したYouTube動画はワテも良く見るのだが、今井さんの何が凄いかと言うと何でも修理してしまうんだよなあ。
古いウォークマンとかも。昭和の時代のSONYのエンジニアが苦労してコンパクトな筐体に沢山のメカ部品や電子部品を詰め込んだウォークマンなんて、素人が分解したら最後、元通りに組み立てるなんてのは不可能に近いと思うのだが。
今井さんはそれを簡単にやってのけるし、修理代金も安い。
アナログ式のオーディオアンプくらいならワテでも修理出来ると思うが、ウォークマンとか携帯電話とか映写機とか、そんなのはワテには無理だ。
今度、三重方面に行く用事があれば今井さんの作業場を訪問させて頂こうかな。
(続く)
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