少し暖かくなって来たので久しぶりに木工DIYをやった。
包丁を収納するスタンドを自作したのだ。
では、本題に入ろう。
完成した包丁スタンドの紹介
まずは完成した包丁スタンドを写真で紹介しよう。
写真 完成した包丁スタンド
この包丁スタンドの特徴としては、以下の通り。
- 包丁の刃の部分が空中に浮いているので非接触で衛生的。
- 取り出しも収納も片手で簡単にできる。
- 最大5丁の包丁を収納可能
- 安い杉材を使ったので材料費500円くらい。
- 釘やネジは使わずに接着剤のみで組み立て。
- クルミオイル仕上げで良い香りがする。
などか。
市販の差し込み式包丁スタンドは刃に接触するので不潔
今回の包丁スタンド自作プロジェクトを開始するに当たり、市販の包丁スタンドを調査してみた。
よく見かけるのが下写真のような縦に包丁を差し込む方式のスタンドだ。
ワテの場合、上写真のような差し込み式の包丁スタンドは嫌いなのだ。
その最大の理由は、包丁を隙間に差し込むのが嫌なのだ。
内部を清潔に保っていても、繰り返し使うと汚れてくる。
汚れているかも知れない隙間に綺麗に洗った包丁を差し込みたくない。
例えて言えば公共のトイレを使ったあとで手を洗うが、その手でトイレの出入り口のドアを開ける為にノブを触りたくない。そんな心境だ。
超潔癖症のワテなのだ。
この手の包丁スタンドは定期的に分解清掃すれば良いけれど、そもそも接触しない構造を採用すれば洗う必要は無い。
引き出し収納タイプの包丁スタンドの例
なお、今回ワテが製作する包丁スタンドは食器棚の棚の上に載せる予定だ。
なので縦型ではなくて下写真のように包丁を水平に収納できる横型のスタイルにしたのだ。
上写真の横型の包丁スタンドも刃先がスタンドの部材に接触する。
と言う事で、ワテとしては刃先が完全非接触タイプの包丁スタンドを自作することにしたのだ。
包丁スタンド製作開始
設計図は描かずに、現物合わせで杉材を接着剤で貼り合わせて下写真のような構造に仕上げた。
貼り合わせる前の写真は撮り忘れた。
写真 製作中の刃先非接触式の包丁スタンド
上写真で、底板は厚さ12ミリの杉板を二枚貼り合わせている。
包丁の柄を乗せる部分は杉集成材の端材だ。
包丁の柄を左右から支える棒も杉材だ。
食品接触に使える接着剤(タイトボンド3)で貼る
それらの部材を食品接触に使える接着剤(タイトボンド3)で貼った。
架橋型酢酸ビニル樹脂系(樹脂族樹脂52%水48%)
【用途】
木、紙、布、竹、皮、陶磁器、石膏、コルク、発泡スチロールの耐水が必要な接着に【特長】
木工用接着剤で耐水性があり、まな板等食品が間接的に接触する場所でも使用可能。FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けております。屋外・屋内共に使えます。●耐水性
●速乾(オープンタイム約10分。固定は20~30分)
●耐久性
●耐溶剤性
●研磨性に優れています。
●乾燥時の色:薄茶
フランクリン タイトボンド3の特徴(引用元 アマゾン商品説明)
タイトボンド3は食品に接触する工作に使えるので安心だ。
ちなみに仕切り棒を接着している様子を下写真に示す。
写真 仕切り棒をクランプ固定して接着している様子
タイトボンド3は接着後に20~30分くらいでかなりしっかりと固定される。念のために数時間乾燥させた。
写真 仕切り棒の接着が完了した
卓上スライド丸のこで端を切り揃える
仕切り棒の接着が完了したので、下写真のようにスライド丸のこを使って端を切り揃えた。
写真 スライド丸のこを使って仕切り棒や台座の端を切り揃える
下写真が切り揃えた端の部分だ。
写真 切り揃えた端の部分
上写真で、切り口に丸鋸刃(190mm)の筋が入ってしまった。
切るときに部材が少し動いてしまったのかも知れない。
仕上サンダーで表面を研磨する
このあと、仕上げサンダーに240番手の紙やすりを付けて全体を研磨した。
研磨しづらい箇所は下写真のように細い棒に紙やすりを巻いて手作業で仕上げた。
写真 研磨しづらい箇所を棒材を使って手作業で研磨
あと、ワテは下写真のようなハンドサンダーも数個持っている。リサイクル屋で安く売っていたのでまとめ買いしたのだ。
それぞれに120、180、240、320番手の紙やすりを装着している。
下写真のようなロール式の紙やすりなら必要な長さにハサミで切るだけで良いので無駄がない。
ハンドサンダーの320番手のやつを使って杉材の各部の面取りをした。
写真 ハンドサンダー320番手を使って杉材の各部の面取りをした
杉材は柔らかいので最終面取り作業は手作業でやるのが良い。
もし電動式の仕上サンダーで面取りをしてしまうと、一瞬で大きく角が削られてしまうので不細工な仕上がりになってしまうから要注意だ。
クルミオイルで仕上げる
無垢材の仕上げにはワテはクルミオイルをよく使う。
写真 クルミオイルを塗布する
過去にはワトコオイル、マルタ純正荏油も試したことがあるが、現在はクルミオイルだけを使う。
ワトコオイルは有機溶剤臭いので嫌い。荏油(えごま油)は生臭い匂いに耐えられなかった。
このクルミオイルは食用なので安全だが、塗布する作業中に手にオイルが付くのが嫌なので下写真の使い捨て手袋を着用した。
下写真のように木目の部分にクルミオイルが染み込むと白い杉材が赤色っぽくなるので分かりやすい。
写真 クルミオイル塗布作業の様子
下写真のように木片で浮かせておいて、裏側にもクルミオイルを塗り込んだ。
写真 木片で浮かせておいて、裏側にもクルミオイルを塗り込んだ
クルミオイルは1時間おきくらいに合計3回塗り重ねた。
柄の台座部分の構造
下写真に示すように柄を載せる台座の横棒は上部を傾斜させている。
写真 柄を載せる台座の横棒は上部を傾斜させている
これは何故かというと、水平にすると包丁の刃が底板に接触したからだ。
もうあと1cmくらい分厚い台座を使えば上部を傾斜させなくても刃が底板に接触する問題は回避出来た。
でも、手頃な厚みの部材が見付からなかったので、上写真のように上部を傾斜させて刃先と底板の接触を回避できるようにしたのだ。
なので、もしワテと同じような包丁スタンドを自作したい人は、柄を載せる台座棒の厚さは手持ちの包丁に合わせて選ぶと良い。そうすればわざわざ上部を傾斜させる必要は無い。
ちなみにこの傾斜部はリョービの小型手押カンナで加工した。
写真 クルミオイル塗布作業が完了した
完成した包丁スタンドの紹介
完成した包丁スタンドを写真で紹介しよう。
写真 完成した包丁スタンドに手持ちの包丁を載せてみる
上写真のように手持ちの3丁の包丁をスタンドに載せてみた。
柄を挟み込む横棒の間隔は、現物合わせで決めている。
通常使う包丁は柄が黒いやつだ。
オールステンレス製の包丁は、あまり使わない。高そうに見えるが1000円くらいの安い包丁だ。砥石で研いだ直後は切れ味はまあまあ良いのだが、切れ味が長続きしないのだ。
小型のナイフはちょっとした作業で時々使う。
オールステンレスのやつは柄の部分が丸いので左右から挟み込んでも安定性が悪い。
なので、左右の支え棒の位置をギリギリまで狭めて柄がしっかりと保持されるようにしている。
黒柄包丁とオールステンレス包丁との間にまだ2丁の包丁を収納できるくらいの余裕がある。
現状では3丁の包丁が収納できれば十分なのだが、将来的に出刃包丁、柳刃包丁(刺身包丁)などを収納する可能性があるので、それ用に確保している。
楔型の部材を使って包丁を傾斜させる
さて、実際に手持ちの包丁を載せてみたところ、問題が発覚した。
刃先が底板に接触し易いのだ。接触を回避するために台座の上部を傾斜させたが、元々その台座の厚みが薄かったので、傾斜させても刃先が底板に接触し易い。
超潔癖症のワテとしては、一瞬でも刃先が底板に接触すると、気になって夜も安眠出来ない。
と言う事で下写真のように楔状の部材を急遽作成して、柄を5ミリほど持ち上げるようにした。
写真 楔状部材を作成柄を5ミリほど持ち上げるようにした
この楔形部材は、今後、別の改良を行う可能性があるので、接着はせずに隙間に差し込んで摩擦で保持しているだけである。
この楔形部材にもクルミオイルを塗布しておいた。
下写真が楔形部材を追加した状態だ。
写真 楔形部材を追加して黒柄包丁の刃先が底板に接触しないように改良した
という訳で、下写真が3丁の包丁を収納した完成形だ。
写真 非接触式包丁収納台の完成形
ワテは鋼(はがね)をステンレスで挟み込んだ3層構造の包丁が好きだ。鋼割り込み包丁(はがねわりこみほうちょう)などとも呼ばれる。
鋼割り込み包丁は砥石で研ぐと鋼とステンレスとの境目に日本刀のような刃文が現れるから好きなのだ。
ワテの包丁はデパートで安売りしていた木屋さんの鋼割り込み包丁で、下写真のような高級品では無いが、よく斬れる。
なお、最近ではダマスカス鋼を使った包丁もよく見かける。
ワテはダマスカス包丁よりも極普通の包丁が好きだ。ダマスカス包丁は一見すると目新しく見えるが、直ぐに飽きる。
それにダマスカス模様があると汚れていても気づきにくいのが難点だ。
なお、包丁の長さは180mm前後が一般的だが、最初に一つ買うなら160~170mmがお勧めだ。ワテは165mmを使っている。180mmは長すぎると思う。
アマゾンで包丁 3層鋼 165mmを見る。
食器棚で包丁スタンドを使う
下写真のように食器棚に包丁スタンドを載せて、3丁の包丁を収納した。
写真 食器棚に包丁スタンドを載せて3丁の包丁を収納した
いい感じだ。
食器棚の扉を閉めると下写真のようになる。
写真 自作した包丁スタンドを食器棚に載せて使っている様子
どう!
なかなかいい感じでしょ。
使った包丁を収納する際は、包丁を洗ってタオルで表面の水を拭き取ってからスタンドに置けば良い。
鋼割り込み包丁の場合、濡れたまま放置していると鋼部分が錆びるので要注意だ。とは言ってもそんなに神経質になる必要はなくて、軽く水気を拭き取れば良いのだ。
ちなみに上写真に写っているゴールドの袋に入っているのは
だ。普通のUCCコーヒーより若干高めなので、半年に一回くらいしか買わない。
このマンデリンコーヒーが美味いのだ。
ワテは苦味が強く、コクがあるコーヒーが好きだ。酸味があまり強いのは嫌い。
そう言う点ではUCC ゴールドスペシャル 炒り豆 スぺシャルブレンドがワテ好みだ。
で、このマンデリンは苦味、コク、甘みが程よくバランスしていて美味いのだ。
でも少し高めなので普段は安い豆を買うのだ。
ちなみに今年の正月に近所のKaldi(カルディ)の福袋で
商品名 コーヒー福袋豪華セット
価格 税込¥5,000
内容
・モカマタリ(200g)
・ブルーマウンテンNo.1(200g)
・干支珈琲 ルワンダ カレンゲラ・カブガ ダークロースト(200g)
・バッグ
サイズ(約)縦23.5×横30×マチ9cm 持ち手37cm
引用元 カルディさんのサイト
と言うコーヒー豆の三種類セットを売っていたのだが、お店の人曰く、どれも通常なら100gで数千円の豆ですとの事だった。
世の中にそんな高級コーヒー豆があるのか!?
知らなんだw
一度そんな高級コーヒー豆で淹れたコーヒーを飲んでみたいわ。
一口飲んだ瞬間に頭がクラクラするくらい美味いのかな?
今後の改良点
理想的な包丁スタンドが完成したが、実際に使ってみて早速幾つか気になる点が見つかった。
- 刃先が剥き出しなのでウッカリして手を怪我する可能性がある
- 柄部分よりも刃先が重い包丁は保持出来ない
刃先が剥き出しになっているのが気になる人は、側面に板状の部材を取り付ければウッカリして手を切る事は無いだろう。側面だけでなく、上部にも板状のカバーを付けても良い。
ただし全体を囲ってしまうと包丁の取り出しや収納がやり辛くなると思うので、それらの操作性を損なわない程度の大きさのカバーを付けると良いだろう。
柄の部分よりも刃先が重い包丁の場合、自重で刃先が下がってしまう。
その対策としては幾つか考えられる。
- 刃先が下がらないように下支えを付ける
- 磁石を用いて柄の浮き上がりを防ぐ
- 柄を挟み込む棒の間隔を狭める
などか。
簡単に解決するなら刃先が下がらないように小さな木片を刃の下に置けば良い。
でもそれでは非接触式でなくなる。
まあ小さな木片に少し接触するだけなので、それでも良い人はこの方式が良いだろう。
いや、あくまで完全非接触にこだわる人は(ワテも)、柄を載せる台座の後ろに磁石を埋め込む案が良いかも知れない。
包丁の柄は木製だが、包丁の金属部分は柄の中まで伸びているので柄も磁石に吸い付く。
なので柄を載せる台座の末尾辺りに穴を掘って小型磁石を埋め込めば柄が吸い付く。その結果、刃先が自重で下がるのを防止出来ると思う。
どれくらいの大きさの磁石を使うか、どれくらい強力な磁力を使うかなどは試行錯誤でやるのが良いだろう。
でも、刃先を非接触にするためのワテが考える最も良い解決方法は、恐らく三番目の案「柄を挟み込む棒の間隔を狭める」だ。
柄の部分を摩擦で保持出来るように左右の棒材の幅を狭めれば良い。
もし棒材を接着していて移動出来ない場合には、棒材の内側面に何かゴム状の素材を貼るなどして、包丁の柄の幅に合わせれば良い。
そうすれば包丁は柄の部分が左右から摩擦でしっかりと保持されるので、刃先が自重で落ち込むことが無くなる。
かつ、ワテの持っているオールステンレス包丁のような断面が丸くて棒材で挟み込むだけでは安定性が悪い包丁でも、ゴム素材などで摩擦で保持すれば安定すると思われる。
その辺りは皆さん各自で工夫してください。
まとめ
DIYは楽しい。
当記事では本年初の木工DIYで包丁スタンドを自作したのでその製作過程や実際に使っている様子を紹介した。
ワテが拘ったのが刃先が空中に浮遊していてどこにも接触しない非接触構造だ。
ワテの手持ちの3丁の包丁は、金属刃先部分よりも柄部分の重量のほうが重かった。
そこで当記事で紹介したように柄の部分のみを載せる台座構造を採用したのだ。
その結果、ワテが思い描いていた通りの完全非接触構造を実現することが出来たのだ。
超神経質・超潔癖症の人にはお勧めの包丁スタンドだ。
自作が困難な人は下写真のような分解可能なスタンドを買って、定期的に洗浄すれば良いだろう。
なお、ワテの場合、超神経質・超潔癖症と言うのは言い過ぎで、気になる事には猛烈に神経質になって調べたり工夫したりするが、それ以外の事はどうでも良いタイプだ。
こう言うのは何とか症候群というのかな?
まあ何でも良い。
アマゾンで「包丁スタンド 非接触」を見る<<<
(続く)
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