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【ワレ子の調理道具】鉄フライパンの油ならしのやり方解説【ビタクラフト打ち出し27cmで実演】

この記事は約26分で読めます。
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ワレ子
ワレ子

ワレ子です。

今日は鉄フライパンの話題です。

ワテはテフロン加工(=フッ素加工)したフライパンを長く使っていたのだが、鉄フライパンに買い替えた。

よく知られているように、鉄フライパンは使い始めに空焼きしてから油ならしをする必要がある。

という事でワテも鉄フライパンを使い始めるに当たり、油ならしの処理をやってみた。

結論としてはまあまあいい感じに出来た。

当記事ではその作業の様子を紹介したい。

これからワテと同じ鉄フライパンを購入する人の参考になれば幸いである。

なお、記事中では「ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm」を使って油慣らしを実演しているが、当然ながら他社の鉄製フライパンでも同じ手法で油慣らしを出来る。

では本題に入ろう。

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ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmを買った理由

フッ素加工フライパンは体に悪い?

ワテが今まで使っていたフライパンはイオンで買った確か

ビタクラフト Miaフライパン28Cm

というやつだ。マジックコートと言う表面処理がされているので焦げ付きにくい。

下写真の製品に似ている。

フライパンの表面加工には色々ある。

ワテが調べた限りでは、現時点で下表に示す数種類の表面加工がある。

表面加工の種類 特徴 採用会社
フッ素加工

テフロン加工とも言う。昔からあるのでよく知られている。

ちなみに「テフロン」はデュポン社の登録商標なのでフッ素加工が一般名称になる。

各社
ダイヤモンドコート フッ素樹脂にダイヤモンド粉末を混ぜたコーティング。 アイリスオーヤマなど
マジックコート 4層フッ素樹脂コーティングの中間コートには硬質セラミックス配合。 ビタクラフト プロ
マーブルコート フッ素樹脂に大理石粉末を混ぜたコーティング。 各社
チタンコート フッ素樹脂にチタンを混ぜたコーティング。 ティファールなど
セラミック加工 ファインセラミックをコーティングしたもの。 京セラなど

表 フライパンの表面加工種類の主なもの(ワテがネット情報を参考にまとめた)

上表を見ると、セラミック加工以外は全てフッ素樹脂を使用している。

フッ素樹脂コーティングのフライパンは焦げ付きにくいし手入れも簡単なので昔から人気がある。

しかしながらフッ素樹脂に含まれている化学物質の危険性は昔から指摘されている。

人体や環境に影響を及ぼす可能性のある化学物質 (PTFE ※1やPFOA ※2) は使用していない。

※1 PTFE : ポリテトラフルオロエチレン=フッ素樹脂成分、

※2 PFOA : ペルフルオロオクタン酸=フッ素樹脂製造過程で使われる化学物質

引用元 京セラ フライパン 20cm セラブリッド IH 対応

という訳で、フライパンは五年、十年と長く使うものなので安全性には気を付けたい。

とは言ってもフッ素加工などのフライパンは世の中で沢山使われているので直ちに危険性があるとは思えないが、でもやはり、少しでも危険性があるものは使わなければ心配する必要も無いのだ。

そこでワテもフッ素樹脂加工フライパンはやめて鉄製フライパンを買うことにしたのだ。

でも、京セラのセラミックコーティングのフライパンも良さそうだな。

京セラのやつはフッ素系の化学物質は一切使っていないし、ワテもイオンで買った安っすいセラミックコーティング鍋を使っているが汚れも付きにくいので手入れも簡単なのだ。

 

さて、ワテが買った鉄フライパンは下写真のやつだ。

この製品は「フライパン」との名称が付いているが、直径27cmで深さ7.5cmなのでフライパンと言うよりも炒め鍋だ。普通のフライパンだと深さは5cm前後だ。

写真のように底が平らな片手中華鍋ふうのスタイルなのでIHでも使える。

フライパンに比べて深さがあり、側壁の立ち上がり具合いも中華鍋のように円弧状なので鍋を前後に振って食材を空中に放り上げて炒めものを混ぜる時にやり易い。

本体重量は1.05kgなので、直径27cmのフライパンとしては平均的な重さだ(ワテ調査)。

鉄の厚みは1.6mmだ。これも炒め鍋としては一般的な厚さだ。

ワテの場合、肉野菜炒めをよく作るのでこの鉄製炒め鍋を購入したのだ。

持ち手と鍋がリベット接合ではなくて溶接なのが良い

アマゾンで発注したら翌日届いた。

ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm 0324 ブラック

数ある鉄製フライパンの中でワテがこの「ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm」を買った最大の理由は、これだ(下写真)。

写真 ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmはリベット接合ではなくて溶接

上写真のように「ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm」は持ち手と鍋がリベット接合ではなくて溶接なのだ。

その結果、上写真のように鍋の内側にリベットの出っ張りが無くて、滑らかなのだ。

リベットが出っ張っているとリベット周りに油の焦げによる汚れが溜まるし洗う時に引っかかる。

超神経質で短気で変人のワテの場合、フライパンや鍋のリベットの出っ張りが大嫌いなのだ。

そこでネット検索して入念に調査した結果、このビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmを見つけたのだ。

ネットで品物を購入する場合には、口コミや評判を調査してから買うのが一般的だが、このフライパンに関しては口コミも評判も気にせずに「持ち手が溶接タイプ」の一点に注目して探した。

注意事項としては、同じビタクラフトの鉄フライパンでも下写真のやつはよく似ているがリベット接合なので要注意だ。

なお、繰り返しになるがワテが買ったやつは「フライパン」と言う名称が付いているが、深さが7.5cmと深く形状も底が平らな中華鍋なので、フライパンと言うよりも炒め鍋という方が正しいと思う。

つまり、持ち手を持って鍋を前後に振って具材を空中で回転させて混ぜ合わせる調理法に最適な形状だ。

それなら普通の中華鍋で底が平らなIH対応タイプを買っても良かった。中華鍋は持ち手はリベット接合ではなくて溶接が一般的だからだ。中華鍋は持ち手が金属の筒状になっているものが多いが、ワテはあれも嫌い。熱いから。

金属筒に木製の柄が付いているタイプの中華鍋もあるが、それならこのビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmでいいかなと言う事でこれに決めた。

打ち出し製法でもプレス製法でもワテはどっちでも良い

ちなみにこの製品は鍋の部分には山田工業所と言う調理道具製造専門会社が打ち出し製法(下写真)で作った鍋が採用されている。

写真 Vita Craftと山田工業所のコラボレートモデル

打ち出し製法とは、アマゾンの商品説明から引用すると以下の通り。

日本で唯一の「打ち出し」製法
ビタクラフトと山田工業所とのコラボレートモデル。鉄を数千回叩いて作る日本で唯一の「打出し」という製法により、丈夫で薄く軽量に仕上がりました。熱まわりや油なじみが良いのが特長です。

引用元 ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmの商品説明

まあワテの場合は打ち出し製法でも普通のプレス製法でもどっちでも良い。

リベット接合で無ければ。兎に角、リベットが嫌いなのだ。

ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmを油ならしする

使用前に入念に洗剤で洗ったが錆止め油が取り切れない

さて、リベット接合フライパンが世界一嫌いなワテであるが、そんな事はどうでも良いのでビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmを油ならしする。

まずは洗う。

アマゾンから届いた段ボール箱を開けるとビニール袋にフライパンが入っていた。

ビニール袋からフライパンを取り出すと、何かの油が持ち手や鍋にベットリと付いている。たぶん錆止め油だろう。

フライパンに消毒用エタノールを噴射してキッチンペーパーで全体を拭いたが、数枚のキッチンペーパーは真っ黒になった。

次に流し台で洗剤を付けてスポンジでフライパン全体をよく擦って洗い、洗剤を水でよく濯いだ。

ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm付属の取扱説明書を以下に引用する。

図 ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cm付属の取扱説明書

この取説によると、洗剤で洗った後は野菜くずを炒めて慣らし炒めをする。そのクズ野菜を捨てて再度洗剤で洗えば使い始めの処理は完了との事だ。

ワテの場合は、洗剤で洗う作業を三回繰り返したので、これで完璧に綺麗になったと思ったが、以下に示すようにこれくらいでは汚れは殆ど落ちていない事に気づいた。

お湯を沸かす(第一回目)

取説によると洗剤で洗った後は野菜くずを炒めろと書いてあるが、なんとなくお湯を沸かしてみることにした。

下写真のようにフライパンに満杯の水を入れて中火で加熱してお湯を沸かしてみた。

写真 フライパンの錆止め油を落とすためにお湯を沸かす

その結果、上写真のように水面に泡が出てきたが、泡が茶色っぽいのだ。

その拡大写真に以下に示す。

写真 お湯を沸かしたら茶色い泡が発生、気持ち悪いぞw

たぶん錆止め油が浮いてきたんだろう。

数分後には下写真のようにお湯が沸騰してきた。

写真 満杯の水を沸騰させて数分間煮込んだ

よく見るとお湯も茶色っぽく濁っているし。

上写真のお湯を流しに捨てて、濡れている鍋をキッチンペーパーで擦ってみた。

写真 沸かしたお湯を捨てて熱いうちにキッチンペーパーで汚れを拭き取る

その結果、キッチンペーパーは下写真のように真っ黒になったぞ!

写真 ビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmの表面の汚れは手強い

あかんがな。

上写真の黒い汚れが何なのかは不明だ。

まあ恐らくは山田工業所で打ち出し製法で作った鍋なので、その製造工程で塗料とかオイルとか機械油とか錆止め油とか煤(スス)がタップリと鉄板の表面に打ち付けられてへばり付いていたのだろう。

事前に三回も洗剤で洗っていたにも係わらず、鍋に頑固にこびりついていたようだ。

それがお湯で溶け出したのだろう。

この黒い物質を食材と一緒に食べてしまうのは健康に悪そうだ。

超神経質なワテはワテ独自の手入れ方法としてお湯を沸かすことでこの黒い物質に気づいた。

一方、世間の皆さんはこのビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmを買った直後に軽く洗う程度で調理に本番使用しているに違いない。

その結果、この黒い物質を食べてしまっているぞ。

あかんがな。

お湯を沸かす(第二回目)

そこで再び水を満杯に入れてお湯を沸かしてみた。

写真 再び水を満杯に入れてお湯を沸かした(第二回目)

そのお湯を捨てて再びキッチンペーパーで拭いた(下写真)。

写真 二回目のお湯を捨ててキッチンペーパーで拭いたが未だ黒い

上写真のようにキッチンペーパーは一回目程は黒く無いが、でも未だ黒っぽい。

キッチンペーパーが熱で焦げて黒いのでは無くて、明らかに何らかの汚れによる黒さだ。

超神経質なワテの場合、こんな状態ではこのフライパンは使えない。

お湯を沸かす(第三回目)

そこで再びお湯を沸かした。第三回目だ。

写真 再び水を満杯に入れてお湯を沸かした(第三回目)

一回目では泡が茶色っぽかったが、三回目では泡が白っぽくなって来た。これなら普通にお湯が湧いている感じだ。

このお湯も捨てて、再びキッチンペーパーで拭いた。

その結果、拭き取ったキッチンペーパーの汚れが目立たなくなって来た(下写真)。

写真 お湯を三回沸かしたらキッチンペーパーも殆ど汚れない

よし、お湯を沸かすのは三回で終了して、次はサラダ油を温めてみよう。

なお、今までやったフライパンでお湯を沸かす作業では上写真のT-Falの湯沸かしポットも併用した。

つまりフライパンでお湯を沸かすと同時にT-Falでもお湯を沸かしておいて、先にT-Falが湧くので湧いたお湯をフライパンに注いで作業時間を短縮したのだ。

フライパンにサラダ油を馴染ませる

さて、フライパンにサラダ油を入れる前にフライパンをIHでよく熱しておいた。要するに空焚きをしたのだ。

ただし行き成り最強加熱するとフライパンが歪む恐れがあるので、中火くらいで時間を掛けて熱した。

写真 IHの目盛を中火にしてフライパンを空焚きして熱した

数分後に十分に熱くなったフライパンにサラダ油が底に2cmくらい溜まるくらいタップリと入れた。

写真 日清サラダ油をフライパンに注ぐ前

注意事項としては熱したフライパンに大量のサラダ油を注ぐので、注いだ瞬間に油が跳ねるなどの危険性もあるので、火傷には要注意だ。

下写真が底から2cmほどサラダ油が溜まるくらいに注いだ状態だ。この時点でも中火で加熱している。

写真 サラダ油を底から2cmほど入れて中火で加熱

サラダ油がフライパンの内面全体に行き渡るように、フライパンの持ち手を持って傾けて油を塗り拡げる(下写真)。

写真 中火で加熱しながらフライパンの内面全体に日清サラダ油を馴染ませる

上写真のようにいい感じで鉄板の表面に油が馴染んできた。

このあと、油を捨ててキッチンペーパーでフライパンの油を十分に拭き取った。

そして再び中火で加熱しながらサラダ油を加熱する作業を繰り返した。

超神経質なワテはこの油ならし作業を合計三回やった。

その結果、キッチンペーパーに黒っぽい汚れも全くつかなくなりいい感じでフライパンの油ならし作業が出来たようだ。

なお、熱いフライパンをキッチンペーパーで拭くと、当然だがキッチンペーパーが焦げて茶色っぽくなる。

でもその茶色はあくまでキッチンペーパーが熱で焦げた茶色なので、冒頭の写真で示した黒っぽい油汚れとは明らかに異なる。

肉野菜炒め(回鍋肉)を作ってみる

フライパンの使い始めの油ならし作業が完了したので、早速野菜炒めを作ってみた。

本当はここでクズ野菜を炒めて油ならしの仕上げをするのが良いが、適当なクズ野菜が見当たらないし、ここまでの作業でいい感じに油ならしは出来ていると判断した。

そこで本番の回鍋肉を作ることにしたのだ。

豚肉こま切れ(100g 128円くらい)を炒めて、玉ねぎも追加して炒める。

写真 豚肉こま切れ(100g 128円くらい)を炒めて玉ねぎも追加して炒める

玉ねぎもある程度火が通ったので下写真のように大量のキャベツを入れた。

写真 キャベツは炒めすぎないように最後に入れる

キャベツは炒めすぎるとシナシナになって不味いので、半生くらいでシャキシャキ感を残すくらいに軽く炒めるのがワテ好みだ。

キャベツが炒め終わったら事前に用意していた調味料を振りかけて軽く炒めると回鍋肉の完成だ(下写真)。

写真 ワテ自作の回鍋肉(キャベツ沢山バージョン)

皿に盛って完成だ(下写真)。

写真 ワテ自作の回鍋肉を皿に盛って完成

この後、食べたが美味かった。

ちなみにワテが使った調味料は以下の通り。

あと、醤油も少々。

創味食品 シャンタンDELUXEは万能の調味料なので、何にでも使える。

鉄フライパンの油ならし作業が完了した

さて、回鍋肉の調理に使い終わったフライパンは下写真の通り。

写真 回鍋肉に使ったフライパンの様子(焦げ付きも無い)

上写真のように、焦げ付きも無くいい感じで油ならし出来ているようだ。

この後、フライパンがまだ温かいうちに流しでお湯とタワシで洗った(下写真)。

写真 フライパンがまだ温かいうちに流しでお湯とタワシで洗った

上写真のようにお湯とタワシだけで汚れが落ちて、フライパン表面の油で水を弾いている。

あとは水気を拭き取って自然乾燥させれば良い。あるいはIHで軽く加熱してから自然乾燥させれば乾燥時間を短縮出来る。

鉄フライパンは洗剤で洗っても良いか?

鉄フライパンには洗剤は絶対に使ってはダメという意見も多いが、ワテの場合は使う場合もある。具体的には、火加減を失敗して焦げ付いてしまった場合などだ。

洗剤を使えば汚れはよく落ちるし、もし洗剤によって油なじみが悪くなれば、やり直せば良いだけだ。

注意事項としては使い終わったフライパンは熱いうちに洗うのが良いが、あまりに熱々のフライパンに水を掛けて「ジュ!」というような急冷は逆に鉄板に歪みを生じさせる原因になるのでやっては行けない。

なので、調理後に手で触れるか触れないかくらいの温度(100度以下くらい)のフライパンに蛇口から40度から50度前後くらいのお湯を掛けて洗うよにしている(ワテの場合)。

今回は洗剤は使っていない。お湯と束子だけで洗った。

下写真が乾燥させたフライパンだ。

写真 表面に油の膜が形成されていい感じに仕上がったワテのVitaCraft炒め鍋

上写真のようにいい感じで表面に油のコーティングが出来ているぞ。

これくらい分厚くて丈夫な油コーティング膜が形勢されていると、洗剤で洗った程度ではこの膜は取れない。

もしフライパンをリセットするために油コーティング膜を取るなら、クレンザーなどでこすり取って鉄フライパンの鉄地肌を出せば良い。そして再び油慣らしからやり直せばよいのだ。

なお、上写真でフライパンの底の一部に油の焦げ付きがある。

これは油ならし作業の二回目で、ちょっと火力が強すぎて焦がしてしまったのだ。

まあ気になるがこのまま使う。

もし将来、油の焦げ付き領域が広がってきたら、クレンザーを付けたメラミンスポンジやスチール束子で擦って清掃する予定だ。

そして、再び油ならし作業からやり直せば良い。

このように鉄製フライパンは表面を擦って清掃すれば何度でもリセット出来るので、油ならし作業からやり直せば末永く使えるのだ。

最近のワテは鉄フライパンは必ず洗剤で洗う

鉄フライパンを使い始めて一年ほど経つが、使い終わった鉄フライパンは必ず洗剤で洗うようにしている。

正しく油慣らしした鉄フライパンは、その表面に油の膜が形成されているので洗剤で洗ったくらいでは油膜は剥がれ落ちない。

洗剤でよく洗ったあとは表面の水気をキッチンペーパーや布巾などで拭き取って自然乾燥させて収納しておけば良い。

ところが世間では鉄フライパンは絶対に洗剤で洗っては行けないと言う迷信を信じている人も多い。

そう言う人は、使い終わったフライパンはタワシで擦って洗ったあと、再びフライパンをコンロに掛けて火を付けて熱して、サラダ油をフライパン表面に塗布してから保管しておく人もいる。

実はワテも鉄フライパンを過去にそんな手入れ方法をやっていた事がある。

でもそれは完全に間違っているやり方だ。

フライパン表面に塗布したサラダ油は酸化して品質が劣化するので、次回フライパンを使う時にはその古いサラダ油を除去してから使う必要がある。具体的には洗剤で洗うとか、あるいはフライパンでお湯を沸かして表面の油を洗い流すとか。

でもそれは面倒くさい。

そんな面倒な事をやらなくても、鉄フライパンを使い終わったら洗剤で洗って乾燥させて収納しておくだけで良いのだ。

フライパンや炒め鍋を買う場合のアドバイス

凝り性のワテは実は昔から調理器具も好きだ。

そんなワテの経験に基づいて、これからフライパンや炒め鍋を買う人にお勧めのサイズ、形状、鉄板厚さなどを解説したい。あくまでワテの意見であるが。

フライパンと炒め鍋を使い分けるのが良い

フライパンと炒め鍋の二種類を持っていると応用範囲が広い。

フライパンは餃子、ステーキ、お好み焼き、卵焼きなど、じっくり加熱する料理に向いているだろう。鉄板厚さはワテなら一般的な1.6mmではなくて、分厚い2.4mmとか3.2mmを選びたい。

上写真のフライパンの仕様は以下の通り。

・サイズ:28x48x13.5cm、深さ/4.5cm、底面直径/22.5cm
・本体重量:2kg
・特殊(窒化)熱処理した鉄の表面は、極めてサビにくく、大変丈夫でキズにも強く、面倒だったお手入れが簡単
・プロも愛用する本格的な3.2mm厚で美味しく調理

フライパンを使う場合には野菜炒めを作るように持ち手を持って前後に振って具材を空中で混ぜるような動作(=「あおり」、「返し」などと言うようだ)は向いていない。フライパンは深さ5cmくらいが一般的だが、今回のような野菜炒めを作る時に具材を振ると外に飛び散りやすい。

そう言う作業は炒め鍋でやるとやり易い。炒め鍋なら深さ8cm前後あり、側壁も丸まっているので具材を空中で混ぜやすいからだ。

なので、炒めものを作るなら今回ワテが買ったような片手の中華鍋(=炒め鍋)がお勧めだ。

上写真の京セラの炒め鍋はファインセラミックスがコーティングされているので焦げ付きにくい。

この京セラの炒め鍋は人体や環境に影響を及ぼす可能性のある化学物質 (PTFE ※1やPFOA ※2) は使用していないので安心だ。

※1 PTFE : ポリテトラフルオロエチレン=フッ素樹脂成分
※2 PFOA : ペルフルオロオクタン酸=フッ素樹脂製造過程で使われる化学物質

フライパンや炒め鍋の直径

フライパンも炒め鍋も直径は28cm前後が最も使い勝手が良いと思う。

上で回鍋肉を作る写真を紹介したが、キャベツなどの野菜は炒めるとカサが減るが、包丁でカットして鍋に入れた直後はかなり嵩張る。なので24cmとか26cmなどの炒め鍋だと具材がはみ出してしまう。かと言って30cm以上の炒め鍋はかなり巨大だ。

30cm炒め鍋は大家族で大量の野菜炒めを一度に作りたいなどの用途には向いているが、一人暮らしとか二人暮らしには30cm炒め鍋は大きすぎると思う。なのでワテのお勧めは28cmの炒め鍋だ。小食の人なら26cm辺りが良いだろう。

ワテが買ったビタクラフト 打ち出し フライパン プロ 27cmはカタログ上は27cmだが、手作りなのでばらつきがある。ワテが物差しで計測したら直径28cm弱だった。

一方、フライパンも28cm前後がお勧めだ。フライパンが大きくて困ることは殆どないが小さいフライパンだとステーキを一度に二枚焼くなどが出来ない。あるいは大き目のお好み焼きを焼きたいとしても、小さいフライパンだと物理的に不可能だ。

大きなフライパンの唯一の欠点は保管場所だが、まあそれは狭い台所だとしても工夫すればどうにかなるだろう。

なお、上でも述べたようにフライパンは手で持って何度も振るような炒め鍋的な使い方はせずに、IH台やガスコンロの上においてじっくり加熱する用途に使う事が多いので、重くても良いので厚手がお勧めだ(ワテの意見)。

下写真の製品は2.3mm厚なので厚手の部類に入る。こう言うシンプルな業務用フライパンもいいなあ。でも残念ながらリベット接合なのだ。あかんがな。

上写真の製品の仕様は以下の通り。

サイズ:内径280×深さ50mm
重量:1550g
素材・材質:鉄(透明シリコン焼付塗装)
原産国:日本
板厚(mm)2.3
底径:195mm
IH対応

という訳で、料理をするならフライパンと炒め鍋の二種類を買い揃えると良い。直径は26cmから28cmがお勧めだ(ワテの意見)。

ちなみにワテは下写真の南部鉄器のすき焼き鍋もフライパン代わりに使っている。

写真 南部鉄器のすき焼き鍋はフライパンとしても使えるので万能

南部鉄器は分厚い鉄鋳物製なので、ステーキを焼いたりお好み焼きを作ったりするのには最適だ。

ただし南部鉄器は重量があるので毎日使うには無理がある。

日常使いには1kg前後のフライパンや炒め鍋がお勧めだ。

リベット接合ではなくて溶接タイプのフライパン紹介

鉄製のフライパンでリベットがない溶接タイプを見つけた。

サイズ(約):径26×全長47×高さ10.5cm、深さ5.5cm、満水容量:2.2L
本体重量(約):965g
素材・材質:本体・ハンドル/鉄 (普通鋼板)、表面加工/ハードテンパー加工
生産国:日本
対応熱源:ガス火、IH対応
底厚:1.6mm

引用元 アマゾン商品説明

溶接部分の幅が狭くて強度的に弱そうに見えるのが気になるが、まあ大丈夫だろう。

金色のボタンがアクセントに付いているが、洗う時に邪魔なので無くても良いが。

下写真の製品はステンレス製だが溶接タイプだ。

ステンレス製鍋やフライパンや食器は時々研磨剤で磨けばピッカピカの状態を十年、二十年と維持できるので半永久的に使える。

ただしステンレス製フライパンに関しては鉄フライパンのような油ならしは向いていない。

ステンレス製フライパンは使い終わったら洗剤で表面の油を洗い落とすのが基本だろう。

そしてフライパンを使う時に高温に加熱してから油を入れてフライパン全体に油の層を作る。

その油の層の上で目玉焼きなど焼けばくっつかないのだ。

ただしステンレスフライパンを極度に高温に加熱して、油を焦げつかせてはいけない。油が焦げ付くとステンレスフライパンの表面に茶色の膜が張ったような状態になる。この膜は束子で擦ったくらいでは取れないので、専用の研磨剤で磨くのが良い。

という訳で、ステンレス製フライパンは使い終わったら毎回洗剤で洗う使い方をするので、使い慣れれば鉄フライパンよりも扱いやすいと思う。

鉄打出しフライパン(山田工業所製)は溶接タイプがある!

ビタクラフトの鉄製炒め鍋27cm(持ち手が溶接)を買ったワテは、鉄製フライパンも28cmのやつが欲しいと前から思っていた。

ワテが探しているフライパンの仕様は以下の通り。

・鉄製フライパン
・錆止め塗装や窒化加工などの表面処理は一切不要(単なる鉄板が良い)
・持ち手はリベットではなくて溶接に限る
・直径28cm前後、深さ5cm程度
・板厚3mm以上
・業務用フライパンのようなシンプルなスタイル(注ぎ口など不要)

ワテの猛烈なネット検索の結果、この条件に完全に合致する鉄フライパンを発見した。

株式会社ヤマヤ商店さんが販売している山田工業所の鉄打出しフライパンだ。

株式会社ヤマヤ商店さんは料理道具の問屋街「かっぱ橋道具街(東京都台東区)」にあるお店だ。

鉄打出しフライパン(山田工業所製)

山田工業所の鉄打出しフライパンはアマゾンなどのネット通販サイトでも販売されているが、ヤマヤ商店さんの場合には山田工業所の既製品のフライパンだけでなく、受注生産で板厚、直径、溶接、錆止めの有無などを選択して発注出来るのだ。

株式会社ヤマヤ商店さんで発注できる山田工業所の特注フライパン

下表に株式会社ヤマヤ商店さんで発注できる山田工業所の特注フライパンをまとめてみた。

板厚 1.6mm、2.3mm、3.2mm
直径 18cm ~ 33cm まで2cm刻み
深さ 5cm前後(直径に依存)
別注 オプション 柄の長さを変更する 1100円(税込)
取手溶接付け 660円(税込)
向い取手付き 660円(税込)
錆び止め剤 錆止め剤塗布済(通常)
錆止め剤無し
空焼き済み(バーナーで炙って食用油を塗布済) 660円(税込)

表 株式会社ヤマヤ商店さんで発注できる山田工業所の特注フライパンまとめ

錆止め剤に関してはヤマヤ商店さんのサイトに以下の説明がある。

通常は錆び止め剤を塗りますので、ご使用の前は空焼きをして錆び止め剤を焼ききってからご使用ください。
IHで使用する場合や、空焼きが面倒な方は錆止めニス無しか空焼き(バーナーで炙って・・・)を選択ください。

ここで「錆止め剤」とは「錆止めニス」のことだ。要するにフライパン表面に錆止めの為の透明なニスが塗ってある。この錆止めニス仕上げのフライパンを初めて使う場合には、まずガスコンロの強火でニスを焼き切ってから洗剤で洗い落とす。そのようにして鉄表面を露出させてから油ならしをして使う。

ワテの場合は自宅はIHでガスはカセットコンロがあるが、ガス火を使って錆止めニスの焼き切り作業が面倒なので「錆止め剤無し」を選択した。そして今回ビタクラフト炒め鍋を購入後に手入れしたのと同じ手順で使い始めの油ならしを行う予定だ。

もしそれが面倒な人は「空焼き済み」を選ぶのも良いだろう。「空焼き済み」なら山田工業所さんでガスバーナーで炙った後で食用油を塗ってあるのだ。つまり油ならし済の状態で届くのだ。ワテも当初は「空焼き済み」を選ぼうかなと思った。

しかしワテは自分で油仕上げする事にしたのだ。その理由は、ビタクラフト炒め鍋は三回もお湯を沸かして鉄板の汚れを除去出来たが、山田工業所さんで打ち出しでフライパンを製造した直後にお湯を沸かして表面の汚れを落としているかどうかは不明なので、もし簡単に洗浄してからバーナーで炙って食用油を塗布しているとすると、表面の汚れが完全に除去されていないまま油でコーティングされている可能性もあるなあ?と気になったので。

なので、ワテは「錆止め剤無し」を選んでワテが自分で清掃や油ならしをやるのだ。それに、今回購入したビタクラフトの炒め鍋も山田工業所製だし、表面仕上も「錆止め剤無し」の状態だったので。

なお、ヤマヤ商店さんで山田工業所の製品を受注生産で発注すると納期は半年以上掛かるとの事だ。

ワテも早速、直径28cm、板厚3.2mm、取手溶接付け、錆止め剤無しで一つ発注した。約一万円くらいなので安くは無いが、ワテの希望に完全に合致しているので思い切って発注した。

その後、約半年経って山田工業所製の直径28cm、板厚3.2mm、重さ2.3kg、取手溶接付け鉄フライパンが自宅に届いた。
当記事で紹介している手順と同じように数回お湯を沸かすなどして、使い始めの手入れを行った。お湯はやはり茶色く濁ったぞ。
実際に使ってみた印象としては、分厚い鉄フライパンで焼く目玉焼き、ステーキ、餃子、お好み焼き、、、など、どんな料理にも万能だ!
ただし重さ2.3Kgなので重い。
でもそんな事は気にせずに、バンバン活用している。買ってよかった。一生物だ。

マトファー(MATFER社) 鉄製フライパンも溶接仕上げ

ワテは山田工業所の受注生産フライパンを発注したが、持ち手が溶接仕上げの厚鉄フライパンは他にもある。

例えば下写真のフランスマトファー社のフライパンは持ち手が溶接だ。

上写真の製品は11インチ(=28cm)、板厚2.5mm、重量1.91kgなのでワテ発注の山田工業所のやつ(3.2mm、2.3kg)より若干薄いが、でも板厚2.5mmなら十分厚板フライパンと言える。

半年待てない人は、このマトファー社のやつもお勧めだ。

まとめ

ワレ子
ワレ子

料理好きのワレ子です。

調理器具も大好きです。

でもリベット接合は嫌いです。

当記事ではワテが最近購入した鉄製の炒め鍋を初めて使うために油ならし作業を行ったのでその様子を紹介した。

ワテが購入したのが下写真のビタクラフトの鉄製のフライパンだが、形状は中華鍋風の炒め鍋だ。鍋の中央部分は平底なのでIHでも使える。

直径実測で27.6cm、鉄板厚さ1.6mm、重さ約1kgで、持ち手の接合がリベット接合では無くて溶接なのがワテ好みなのだ。

回鍋肉を作ってみたが、炒め鍋の形状なので具材をまぜ合わせるのがやり易かった。

油ならしもいい感じに出来上がり、今後このフライパン(炒め鍋)を育てて行くのが楽しみだ。

 

世の中には多数のフライパンメーカーやフライパン製品がある。

ワテは不思議に思うのだが、なぜそれらのメーカーは猫も杓子も同じようにリベットを使うんだろう?

まあ溶接をするよりもリベットのほうが作業が簡単なのは分かる。

でも、リベットの出っ張りがあると洗いにくいし汚れも溜まりやすいので、ワテみたいに絶対にリベット接合の鍋は使いたくないという人は世の中には一定数いるだろう。

そう言う人は(ワテも含めて)、多少値段が高くなってもリベット接合でなくて溶接のフライパンや炒め鍋が有れば買いたいと思っている。

なので、他社製品と差別化を図る意味でも、リベットではなくて溶接を採用するメーカーが増えれば良いのだが。

という訳で、新しい調理器具を買ったので料理が楽しくなってきた。

あと、注意事項としては鉄製フライパンを買った人は、使い始めに洗剤で洗うだけではなく、お湯をタップリと沸かして製造時の油汚れを除去することが重要だ。

なお、鉄製フライパンや鉄製炒め鍋や南部鉄器は慣れてしまえば手入れもそんなには面倒では無いが、どうしても手入れが面倒な人は、ワテのお勧めは京セラのセラミックコーティング製品だ。

このフライパンはフッ素系コーティングは一切していないので、化学物質の心配が無いのだ。

ワテもこの京セラのセラミックコーティング炒め鍋を使ってみたいと思っている。

ビタクラフト鉄製炒め鍋と気分に応じて使い分けるのだ。

ただしこの京セラの炒め鍋もリベット接合なのだ。

出来れば溶接バージョンも販売して欲しいw

京セラさん、よろしくお願いします。

(続く)

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