ワレコ
先日自作した杉無垢板製の自動車用ゴミ箱であるが、汚れを防止するためにクルミオイルを塗って無事に完成した。
ワテ自作の杉無垢板製のゴミ入れ製作記事はこちら↴
当記事では、杉板製ゴミ箱にクルミオイルを塗布する作業過程と完成したゴミ箱を車に搭載した様子を紹介したい。
では、本題に入ろう。
木材のオイルフィニッシュにはどんなオイルがお勧めか?
木製品をDIYで製作した場合、オイルフィニッシュで仕上げる人も多い。
ワテの場合、今回初めてオイルフィニッシュに挑戦したのだ。
とは言っても、自称DIY達人のワテなので世の中のオイルフィニッシュの話題に関してはある程度の知識は持ち合わせているつもりだ。
具体的には、オイルフィニッシュで良く使われるオイルは以下のものが多いだろう。
表 ワテが知っている木材オイルフィニッシュ用の主なワックスやオイル
ワテの場合、ワトコオイルとマルタ純正荏油(えあぶら)は使った事がある。
ホームセンターでセール品で安く売っていたので、以前に試しに買っていたのだ。
今回、これらの油を木材に試しに塗ってみたが、どちらもワテ好みではない。
その理由を以下で説明したい。
ワトコオイルは有機溶剤系の臭いがきつい
ワトコオイルは、植物油(亜麻仁油)を主成分とした木材専用塗料との事だが、ワテが試した限りでは有機溶剤系の臭いがきつい。
実際、以下に引用する説明を読むと、ワトコオイルには有機溶剤が含まれているのだ。太字強調はワテが入れた。
しかし、植物油との適合性や木材内部への浸透性能を維持するという、オイルフィニッシュ塗料しての機能を果たすために有機溶剤や、目的により防カビ剤(外部用オイルのみ)を含んでいますので、塗装、乾燥中あるいは保管時等における危険性や有害性について、法の定めるところにより、より安全にお使い頂くための取扱い上のご注意を以下に記します。
御一読頂き、万全の安全対策を講じられるようお願いいたします。
尚、この表示は原液の状態であり、塗装し、完全に硬化した時点では無害なものになります。
引用元 http://www.mko-kikaku.com/katarogu/hoxan/watco.pdf
まあ、ワテの場合には、有機溶剤系は嫌いなのでワトコオイルはたぶん今後も使う事は無いだろう。強いて(しいて)言えば、屋外に設置する木工作品を作った時には手持ちのワトコオイル(ダークウオルナット)を使おうかなと思っている。
荏胡麻油(えごまゆ)・荏油(えあぶら)は生臭い
ワテが試したのは下写真のマルタ純正荏油だ。
ゴミ箱作成時に出た杉板の端材にこのマルタ純正荏油を塗ってみたのだが、臭いが生臭いのだ。
魚の臭い。
とっても嫌な匂いだった。
まあワテが買ったマルタ純正荏油はホームセンターのセール品だったので、例えば保存期間が長いなどの理由で品質が劣化していた可能性もあり、その結果、臭い匂いがしたのかも知れない。
いずれにして、ワテには馴染めない匂いなので荏胡麻油・荏油はたぶん今後も使う事は無いだろう。
でも、手持ちのマルタ純正荏油を捨てるのも勿体ないのでどうするかな?
大道具てらさん工房の動画で、マルタ純正荏油と蜜蝋を混ぜ合わせて、蜜蝋ワックスの自作方法が解説されているので、これを作ってみるかな。
でも、この動画の通り蜜蝋ワックスを作ったとして、荏胡麻油の生臭い匂いは消えるのだろうか?
まあそれは良く分からない。
蜜蝋、亜麻仁油、クルミオイルの中から選ぶ事にした
さて、消去法でワトコオイルや荏胡麻油は不採用となったので、残るは蜜蝋、亜麻仁油、クルミオイルだ。
ワテの場合、ミックスナッツが大好き。
なので、クルミオイルを塗ってみる事にしたのだ。
蜜蝋も候補では有ったのだが、液体のクルミオイルのほうが杉無垢材には馴染みやすいかなあと言うのもクルミオイルを選択した大きな理由である。
それにしても神戸には東洋ナッツさんとか有馬芳香堂さんとかのナッツ専門業者さんが多いのだが、何故なのかな?
港町神戸なので外国からナッツが来るのかな?
くるみ油の塗り方を調査した
さて、杉無垢板製のゴミ箱にはくるみ油を塗る事にしたのだが、ワテの場合、くるみ油は今まで扱ったことが無い。
まあ、何も考えずに塗ってしまっても良いのだが、慎重派のワテとしては一応ネット検索してみて、クルミオイルの正しい塗り方を調査してみた。
その結果、DIY!家具教室のカミヤ先生がまさにクルミオイルと亜麻仁油を無垢板に塗る解説動画をYouTubeに投稿しているのを発見。
この動画を参考にしてみた。
まあ上動画を見る限りは、クルミオイルはサラッとした感じなので塗り広げやすい感じ。
クルミオイルを塗る道具は刷毛でもスポンジでも良いとの事だ。
塗ったら布で良く擦って拭き取るのが良いとの事だ。
必要なら二度塗りをしても良いみたい。
と言う事で、大して難しくは無さそう。
まあ、単なるオイルだし、難しく考えずに塗ればいいんだw
ワテの場合、難しく考え過ぎる傾向がある。まあ慎重で用心深い性格と言う事も出来るが。
ちなみに、ワテは下写真のクルミオイルを買った。
壱リットル缶で2500円程度。食用なのでトーストにでも付けて食べてみるかな。
クルミオイルを杉無垢板製のゴミ箱に塗る
さて、アマゾンで買ったクルミオイルは直ぐに届いた。
開封すると胡桃の香ばしい香りが漂う。
ちなみにクルミオイルは英語で言うとWalnut oil、つまりウオルナット油なのだ。
クルミオイルを選択して正解だった。ワトコオイルの有機溶剤系のくさい匂いとは大違い。
杉板の表面は、マキタ仕上げサンダーで#240紙ヤスリを付けて研摩済だ。
写真 クルミオイル容器壱リットル缶とクルミオイルを塗る前の杉板製ゴミ箱
下写真のようにクルミオイル缶を開封して豆腐容器に小分けした。
刷毛は100均で買った化学繊維製のやつだ。
あと、白い布切れはウエスだ。
ウエスとは、布切れの切れ端だが、怪しいやつを買うと古着を裁断したようなウエス(リサイクルウエス)とか、化学繊維のウエスもあるので要注意だ。
衣類とか布団シーツなどの製造過程で出る新品の布切れの端材で真っ白な綿100%のウエスがお勧めだ(新品ウエス、バージンウエス)。
写真 豆腐容器に小分けしたクルミオイル
早速塗ってみた(下写真)。
まずは白身の部分に塗ってみた。
杉無垢材にクルミオイルが染み込んで色が濃くなる。
次は下写真のように杉板の赤身の部分にクルミオイルを塗ってみた。
杉赤身にクルミオイルを塗ると杉白身にクルミオイル塗るよりも、より濃くなった。
下写真のように全体にクルミオイルを塗ったので、綿100%のウエスで杉表面を擦ってオイルを拭き取る。
下写真のように、ゴミ箱本体、ポリエチレンゴミ袋固定用の四角枠、上蓋の三つの部材にクルミオイルを塗り終えた。
下写真のように、クルミオイルを塗った部材を組み上げてみた。
クルミオイルを塗ったおかげで、ますます美しくなった。
やっぱり杉無垢材にはクルミオイルがベストな選択だったかな。
写真 杉細工職人の人間国宝が作ったとしか思えないくらいの完成度の高さ!
なお、今回はゴミ箱容器の外側も内側も全てクルミオイルを塗った。
でも、よく考えてみると、ゴミ箱内側には透明ニス系の塗料を塗るほうが、汚れ防止効果や防水効果が高かっただろう。
まあでも今回はオールオイルフィニッシュで仕上げたのだ。
その方が天然素材100%なので気分もいいし。
オイルフィニッシュで完成した杉無垢板ゴミ箱を車に搭載する
下写真が、今まで使っていたペットボトルを利用したゴミ箱だ。
ペットボトルを置いていた場所は平坦では無くて、凸凹した構造物があるので下写真のように新たに板材を敷く事にした。
その板材の上に下写真のようにオイルフィニッシュ済の杉板無垢のゴミ箱を設置した。
寸法もピッタリで、左右の幅は運転席と助手席の椅子の間にピッタリと収まっている。
前後方向は、ゴミ箱の下部にサイドブレーキの台座を避けるように切り欠きを入れているが、それも設計通りにピッタリと収まっている。
完璧とはこう言う作品を言うんだろう!
下写真のように、オイルフィニッシュで木目が引き立って益々美しくなった杉無垢板製のゴミ箱。
下写真のように、ポリエチレン袋を入れて、固定用四角枠で挟み込む構造も完璧に決まっている。
下写真は、助手席側から撮影したゴミ箱だ。
ワテのハイゼットカーゴは、助手席の背もたれは通常は倒していて平坦化している。
その上にお盆のような入れ物を載せていて、ウエストポーチとかマスクなどを載せている。
下写真が、ゴミ箱に上蓋を嵌めた通常の状態だ。
蓋をすると中が見えないので、ゴミ箱には見えない高級感がある。
下写真は、荷室側から運転席に向かって撮影したもの。
まるで何か、茶道で使う抹茶碗でも入っているかの如く、気品のある杉板製の小箱。
その気品ある小箱の上蓋を開けると下写真のようにゴミ箱となる。
美しい。
前方から写してみた(下写真)。
と言う事で、ワテのハイゼットカーゴはしばらくはクルミオイルの臭いが充満するだろう。
まとめ
ワレコ
この作品を世間に発表した事で、ワテが杉細工の指物師として重要無形文化財に認定される可能性すらある。
いわゆる人間国宝だ。
ほんまかいな
それくらいに完成度の高い美しい作品が完成したのだ。
当記事では、ワテ自作の杉無垢板製のゴミ箱にクルミオイルでオイルフィニッシュ仕上げをした過程を紹介した。
ワテの場合、匂いには非常に敏感で、そこら辺の犬には負けないくらいに嗅覚は鋭い。
そんな犬の嗅覚を上回るワテがお勧めするのがクルミオイルだ。
天然素材100%であり、かつ、胡桃の香ばしい匂いはとってもいい感じ。
皆さんにもお勧めしたい。
なお、このゴミ箱を売って欲しいとか、同じ物を作って欲しいとか、違うデザインやサイズで作って欲しいと言う要望が殺到する可能性もある。
まあワテの気分が乗れば注文に応じても良いのだが、要相談だ。
納期は約六ケ月。
価格は、
ホームセンターの杉板を使う場合は、50万円から
秋田杉、吉野杉を使う場合は、100万円から
屋久杉を使う場合は、300万円から
人間国宝候補の作品ならこれでも安いくらいだw
(完)
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