写真 左:Arduino UNO スターターキット、右:Raspberry pi スターターキット
AVRマイコンの場合、ブートローダー書き込み、プログラム書き込みと言う二段階の作業が必要らしいが、何だか面倒。Raspberry piのARMプロセッサはどうなのかな?
さてワテもいよいよAVRマイコンに挑戦を開始した。Arduinoのボードに載っているマイコンだ。
そこで、まずはAVRマイコンにプログラムを書き込むライターを作ってみる事にしたのだ。
具体的には、前回記事で紹介しているPICerFTと言うのをネット記事で見付けたので、それを作る事にしたのだ。
PICerFTを紹介している人のサイトには回路図も公開されているので、その回路図を元にKiCadで基板設計して、PCBWayさんに製造を依頼した。
そのプリント基板が約一週間くらいで到着したので、早速、部品を半田付けした。
その結果、動かんw
では本題に入ろう。
PCBWayで製作したプリント基板の紹介
まずはPCBWayさんに発注したプリント基板の出来具合を紹介しよう。PCBWayさんは中国深圳にあるプリント基板製造業者さんだ。会社概要はこちら。
基板製造業者さんに基板を発注するにはKiCadなどのプリント基板設計CADを使って設計して、ガーバーデータ形式のファイルを準備するだけで良い。
あとは、そのガーバーデータを基板製造業者さん(今回はPCBWayさん)のサイトにアップロードして、必要な枚数、レジストの色などを指定すれば良いのだ。
そうすると、約一週間前後で自宅に両面スルーホール基板が届くのだ。過去最速は四日で到着した事もある。
下写真にDHLで届いた小包を示す。
写真 DHLの小包で届いたPCBWay製のプリント基板
多くの基板製造業者さんでは、プリント基板のサイズが10x10cm2以内であれば、十枚の基板を製造依頼しても5ドル前後の製作費用で作って貰える。超格安と言っても良いだろう。
基板製造に要する日数はワテの経験では3~5日程度。
送料はDHLやFedexを選択すると15ドル程度で、輸送に掛かる日数は4日前後だ。なのでガーバーデータをアップロードして、一週間から十日くらいで自宅に基板が届くのだ。
発送にChina Post(中国郵政)を選択すると送料は10ドル前後に抑える事が出来る。輸送に掛かる日数は2~3週間くらいを見ておけば良いだろう。基板5ドル、送料10ドルなので、トータルで15ドルで両面スルーホール基板がゲットできるのだ。
写真 いつものPCBWayの小箱
下写真に示すように、プリント基板は十枚重ねでパックされていて、梱包材でしっかりと固定されている。
下写真に示すように、十枚のプリント基板が真空パックされて密着しているので、輸送中に互いに擦れて傷つくなどの事故が無い。
写真 PCBWayのプリント基板(十枚)がしっかりと真空パックされている
電子工作ではユニバーサル基板を使うのが一般的だ。ワテも過去何年もユニバーサル基板に手配線していた。
でもユニバーサル基板に手配線だと、配線間違いも多い。それに比べてKiCadで回路図を描いて、その回路図を元にプリント基板レイアウトを設計すると、デザインルールチェック機能を使って配線間違いを検出できるので、回路図が間違っていない限りはプリント基板レイアウトに配線間違いが入り込む心配が無い。逆に言うと、回路図に間違いがあるとプリント基板も間違った物が出来上がるが。
そのようにして設計した専用プリント基板を使えば、あとは半田付けで部品を取り付けるだけで良いのだ。ワテの場合、もはやユニバーサル基板に手配線などの手法には戻れない。
PCBWay製の基板は品質が安定している(ワテの印象)
下写真に示すように、今回は青色レジストを選択した。他には赤、緑、黒、白、黄、紫などが選択可能だ。
写真 PCBWayで製作したAVR・PICライター基板(PICerFT)
基板は、両面スルーホール基板で72x95mm2のサイズにしてみた。
ワテの場合、過去に数社の基板メーカーさんに基板を発注したが、最近はPCBWayさんに発注している。その理由は、PCBWayさんには過去何度か注文したが、品質が一定しているので出来上がりの雰囲気が予測できるから安心感があるのだ。
例えば基板のシルク文字の印刷具合が悪くて文字がかすれたりしていると、基板の見た目は悪い。あるいは、十枚の基板が基板ごとにシルク文字の太さが微妙に異なっているなどのバラつきがあると、それも何となく気になる。
PCBWayさんの場合には、ワテの経験では基板のシルク文字の品質も良く、文字が太いとか細いなどのバラつきも無いので、安心感があるのだ。
是非皆さんもKiCadで基板設計をしてPCBWayさんに発注して見ると良い。その一連の過程は前回記事で紹介している。KiCadの使い方など解説しているので、是非ご覧ください。
秋月のFT232RLモジュールキット[AE-UM232R]を組み立てる
PICerFTでは、秋月で売っている AE-UM232R と言うUSB-シリアル変換モジュールを使う。
キット(¥800税込)と完成品(¥950税込)があるので、150円安いキット版を購入した。あと、ツィナーダイオード、電解コンデンサなど購入した。
写真 秋月電子通商さんで購入したパーツ
FT232RL USBシリアル変換モジュールキット
[AE-UM232R]
通販コード K-06693
発売日 2013/05/14
メーカーカテゴリ 株式会社秋月電子通商
定番のFT232を使用したUSBシリアル変換モジュールのキットです。
FT232RL・USBコネクタ搭載済み
■通信速度:300bps~460kbps
■256バイト受信バッファ、128バイト送信バッファ内蔵
■電源はホストからUSBで供給されます。
■仮想COMポートによりCOMポートとして使用できます。
■RS232CではなくTTL(CMOS)レベルでの変換を行います。
RS232CレベルはK-01798(販売終了)です。
■4本のデジタルI/O
■USBミニB端子(miniB)
■基板サイズ:34x19mmセット内容
・基板(パーツ実装済)/細ピンヘッダ(C-04397)/ジャンパーピン/紙データ※この商品は組み立てキットです、完成品もあります⇒ K-01977。違いは、完成品であるほかに、ピンヘッダのタイプが通常タイプ(黒い部分の高さが2.5mm)になっています。
※USBケーブルは別売りです⇒ C-07606
引用元 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-06693/
下写真が、キットの一式だ。14連のピンヘッダ(2個)は細ピンタイプだ。6連ピンヘッダは標準の太さだった。
このUSB-シリアルモジュールは、24ピンICソケットに挿して使う予定なので、下写真に示すように半田付けする時点でICソケットの間隔に合うように挿しておいた。
この状態で半田付けして完成した(下写真)。
まあ、ピンヘッダを数個だけ半田付けするだけなので、誰でも出来るか。
それで150円節約できたのだ!
これで、24ピンICソケットにスムーズに挿せるのだ。
PCBWay基板に部品を半田付けしてPICerFT本体を組み立てる
昨年末に大枚を叩いて(はたいて)購入した白光のハンダステーションFM-206を使って半田付けする。
「タイ米」関連商品
コテ先選びの迷宮に入る
下写真のコテ先は白光のT12-BC2Z(上)とT12-BCF2(下)だ。
最初に写真上のT12-BC2Zを購入したのだが、普通のリード型抵抗や2SC1815などのリード型トランジスタなどの半田付けには適したサイズだと思う。
でも、表面実装部品(抵抗、コンデンサ、トランジスタなど)の半田付けには少し太いかなと言う感じ。でもまあ、使えなくは無いのだが、ここはせっかくFM-206を購入したので、コテ先も最適なやつを使ってみたい。
そこで一回り先端径が細い写真下のT12-BCF2を追加購入してみたのだ。
なお、前者T12-BC2Zは先端と側面が半田メッキされているが、後者T12-BCF2は先端のみ半田メッキされているタイプだ。
ワテの場合、後者のような先端のみ半田メッキタイプのコテ先は初めて使うが、取り敢えず試しに買ってみたのだ。
ちなみに、これと同じサイズで、先端と側面も半田メッキされているタイプT12-BC2もある(下商品)。
実はこのコテ先も買ってしまったw
まだ使っていないが。
高い半田ステーションを買ってしまったので、コテ先の選定でも、あれも試したい、これも試したいと言う感じで、色んなコテ先が欲しくて堪らないワテであるw
でもまあ白光さんのT12シリーズコテ先は一本800円前後で買えるので、幾つか試してみて自分に最適なやつを見付ける事は意義があると思う。
そうでは無くて、最初に買ったT12-BC2Zを、リード部品だけでなく表面実装部品の半田付けにも使い回すのは、やれば出来ると思うがそれは避けたい。
何故なら、そんな感じで何年も半田付けして、その後、別のコテ先を買ってみたら「こんなにやり易いのか!」なんて事になると、「今までの数年間は何だったのか!?」となるかも知れない。
「こんなに使い易いんならこのコテ先を買っておけば良かった…」なんて事になると嫌だし。「高々800円前後の投資を惜しんだせいで…」なんて後悔したくないのだ。
と言う事で、電子工作に必須の半田ごてはある程度良い物を使いたい。最近のワテはそんな心境だ。
部品は半田付けする前に値をテスターで計測する
他の記事でも何度も書いているように、ワテの場合は、電子工作で抵抗、コンデンサなどの部品を半田付けする前に、必ず部品の値をテスターで計測する。
写真 ワテ自作のテスター計測冶具(ネオジュウム磁石使用)
ネオジュウム磁石を使っているので、リード線に鉄が含まれているパーツなら手で押さえなくても吸い付くので計測がやり易い。
ただし、最近の傾向としてはリード線には非磁性体が使われるのが一般的なので、ネオジュウム磁石を使わずに単なる金属電極で上写真の計測冶具を作っても良いだろう。
その場合には、二本のリード線を指で軽く抑えるだけでテスター計測できる。いずれにしても、テスター棒を細いリード線に当てると、ツルっと滑ってイライラするが、そんな問題を完全に解決出来る「ワレコ式テスター計測ステーション」なのだ!
さて、部品をサクサクと半田付けして行った。
リード線型抵抗はスルーホール基板に差し込んで、マスキングテープなどで固定しておいて裏返す(下写真)。
電子工作に必須のサンハヤト リードベンダー RB-5 だ。
そして、基板を裏返して半田付けを行う(下写真)。
写真 マスキングテープで固定した抵抗を半田付けしている様子
温調式ハンダステーションは使い易い
ワテの場合、今まで温調式半田ごてを使った事が無い(仕事ではあるが)。
ワテが使っていたのは長年使い込んだセラミックヒーター式のごく普通の半田ごてだ。
先端は円柱を斜めカットしたタイプで、C型と言うやつかな。
その半田ごては、使い慣れていたので使い易かったのだが、ヒーターが断線したようで壊れてしまった。
今回新しく購入した白光FM-206ハンダステーションであるが、実際に使ってみると物凄く使い易い。
初期設定では350度に設定されていたのだが、ワテが使っている千住金属工業有鉛スパークルハンダには温度が高過ぎる感じ。なので320度にセットしてみた。
FM-206を使うと、半田付け作業が物凄く単調な流れ作業になる感じ。
つまり、コテで銅箔ランドとリード線を一緒に熱して、糸半田Φ0.6を当てると半田が溶けて、富士山型になったらコテと半田を離す。
そんな感じでサクサクと半田付けが進んで行くのだ。
ベタアースなどの銅箔面積が広いランドにリード線を半田付けする場合には、熱が銅箔に吸収されてコテ先の熱が奪われる。その結果、なかなか半田が溶けないので、芋ハンダになり易い。
ところがFM-206を使うとベタアースだろうが関係無く、サクサクと半田付けが出来るのだ。
だからある意味、半田付け作業が単調になり過ぎる感じ。
今までのごく普通のセラミックヒーター式半田ごてを使った半田付け作業では、「このベタアースは熱を奪われて半田が溶けにくいから難しそうだぞ」みたいな心配が無いのだ。
だからFM-206を使うと、あっけなく半田付け作業が完了してしまう。
まあそれは良い事なのだが、ちょっと詰まらない感じ。やっぱり悪戦苦闘しながら半田付けをするのも電子工作の楽しみなのかも。怖いもの見たさか?ちょっと違うか。
と言う事で、無事に半田付けが完了したPICerFTライターボード。
写真 半田付けが完了したPICerFTライターボード(表)
ここまでの作業は一つの失敗も無く完璧に仕上がっている。
写真 半田付けが完了したPICerFTライターボード(裏)
半田付け直後の基板には、フラックスがべっとりと付いているのでフラックスクリーナーで洗浄しておいた。
ワテの場合、小瓶タイプを使っていたのだが、最近はスプレー式も使っている。フラックスが良く落ちるのでお勧めだ。
動かん
さて、完成したので早速パソコンとUSB接続してみた。
ところが、ツェナーダイオードで9Vや12Vを生成している回路の電圧をテスターで計測してみたが、電圧が4Vくらいしかない。
なんだかおかしいぞ。
で、KiCadで描画した回路図を見たら間違いが有ったw
あかんがな。
電気系CADを使った基板設計では、回路図の通りにプリント基板レイアウトが作られるので、間違った回路図からは間違った基板が出来上がるのだ。当然と言えば当然だが。
えっと、どうしようかなぁ~
ゼロプレッシャーソケットなども半田付けしてしまったし、取り外して再利用するのも面倒だし。
さて、どうするか?
まとめ
ワレコ
まあ間違えたものは仕方ない。
人生いろいろだ
まさに、
「しまったしまった島倉千代子」
「困った困ったこまどり姉妹」
「まいったまいったマイケル・ジャクソン」
まあ、間違ったものは仕方がないので、リカバリーする案を検討中だ。
(続く)
コメント