写真 左:ワテもこんなガレージが欲しい。右:ワテはこう言うマニアックな本が好きだ。
しかしまあ今日は2021年1月5日(火)だ。
2021年も早や五日も過ぎた事になる。
年を取ると時間が経つのが早く感じられる。
その理由は諸説があるが、まあ百歳の人にとっては1年は人生の1パーセントだが、十歳の子供にとっては1年は人生の10パーセントだから、子供の頃の一年は長かったなあと大人になると思うんだろう。
さて、ワテの場合、2021年の正月も主に木工DIYをやりながら過ごしていた。
当記事では、3Dプリンタで丸ノコ集塵ポートと集塵ホースの継手を印刷して、ワテの木工作業部屋に設置したサイクロン集塵システムに接続した作業過程を紹介したい。
まあワテの備忘録であるが。
前回までの作業内容はこちら。
では、本題に入ろう。
HiKOKI電子丸ノコC6MEYの集塵ポート専用継手を3D印刷する
ワテの場合、昨年末に待望の3Dプリンターを購入した。
組み立て直後の動作確認で大事故が起こったが、ANYCUBIC社さんの素早い対応で無事に解決して、その後は各種の部品を印刷しまくっている。
その3Dプリンターを使って、ワテが印刷した主な作品は以下の通り。
さて、この3Dプリンタを使って新たな作品を印刷した。
下写真に示すサイクロン集塵システムのΦ65ブラストゲート(シャッター付き継手)とHiKOKI電子丸ノコC6MEYの集塵ポートとを接続するのだ。
写真 木工作業部屋に設置したサイクロン集塵機システムのブラストゲート
電動工具と集塵機との接続は、電動工具メーカーから専用のホースが販売されている↴
あるいは、集塵ホースと電源ケーブルが一体になったスパイラルコードホースも有る↴
この手の専用ホースを使えばスッキリと配管出来るのだが、難点としては値段が高い。
DIYの基本は自作だ。これくらいのホースなら自分でも作れるだろう。と言う事で自作する事にしたのだ。
ネット検索して他の人の製作例を見ると例えば下写真のようなテーパー状の継手など利用して異径継手を自作している人も多い。
でもこの手のホースジョイントを使うとホースの内側にジョイントが入るので、それらはホース内の気流に対して僅かではあるが障害物になる。
ここは3Dプリンタを駆使して理想的なジョイントを作成する事にしたのだ。
まずは、ホームセンターで使えそうな部品を買って来た。
3メートル洗濯ホースはコーナンプロで買った。確か700円くらいだった。水道配管用の継手は一個100円前後なので安い。
この洗濯ホースは実測で内径は30ミリ、外径は35ミリくらいだ。集塵効率を上げるにはもう少し太いホース(例えば内径40ミリなど)でも良いが、あまり太いと取り回しがやり辛い。
それに、マキタ、HiKOKI、リョービなどの電動工具メーカーが販売している集塵機のホースも内径Φ28が多い。
あるいはΦ38タイプもあるが、まあここはΦ30の洗濯ホースでやってみて、もし集塵能力が低い場合には改めて太いホースで作り直しても良いのだ。
DIYは、頭で考えるだけでは前に進まないから、兎に角手足を動かして実物を作る事に意義がある。
上写真で三番目のHI継手(HI-S30)は色が黒っぽいやつを買った(120円くらい)。
同じサイズで下写真の灰色の塩ビ製の方が安かった(70円くらい)が、まあ数十円の違いなので黒色(本当は濃い青)を買った。
そのほうがワテの黒い丸ノコの色にマッチするかなあと言う判断だ。
ちなみに黒い継手は普通の灰色継手と比較して耐衝撃性が倍くらい強いらしい。
これらの部品を使って下写真で示すワテの電子丸ノコの集塵ポートと接続するのだ。
上写真のHiKOKIの別売り集塵ポート(=ダクトアダプタ)の直径は、ワテの実測で
内径 26mm
だった。
洗濯ホースの外径なども全てノギスを使って実測した。
デジタルノギスはDIYには必須なので一つ買っておくと良いだろう。
ミツトヨとかシンワなどの高級ブランド製なら五千円前後するが、外国製の安いやつなら千円前後である。
Φ65ブラストゲートと洗濯ホースとの接続継手を印刷する
洗濯ホースをΦ65ブラストゲートに接続した完成写真を以下に示す。
写真 DV継手 インクリーザ DV-IN 65×40を使って洗濯ホースを接続した完成形
洗濯ホースとΦ65ブラストゲートとの接続にはDV継手インクリーザ DV-IN 65×40を利用した。
インクリーザー継手とΦ65ブラストゲートとの隙間を埋める継手(下写真の白色パーツ)は、以前にFusion360で設計した三次元のデータがあるのでそれを再利用して印刷した。
3Dプリンタで印刷する為にはGコードと言うデータ形式にする必要があるが、ワテの場合にはフリーなUltimaker Cura 4.7と言うソフトを使ってGコードを生成している。
写真 65×40インクリーザー継手とΦ65ブラストゲートとの隙間を埋める部材を印刷した
この手の水道管用インクリーザー継手は、差し込み口と奥の部分とで径が異なっている(テーパー状になっている)ので、それを考慮してピッタリとフィットするように設計した。
一方、下写真に示すように洗濯ホースを65×40インクリーザー継手の40側に差し込めるように隙間を埋める継手(白色パーツ)も印刷した。
写真 市販の洗濯ホースを挿し込める継手を3D印刷した
なお、3Dプリンタで印刷するとフィラメント素材(今回使ったのはPLAフィラメント、他にABSフィラメントなどあり)が若干は外にはみ出すので、数百ミクロンくらいの隙間が空くくらいの余裕を持って設計すると良い。
例えばΦ50の穴に差し込む継手の外径はΦ49.5くらいで設計すると良いだろう。その500ミクロンの隙間は、接着剤を使って埋めれば良いのだ。
ワテの場合は、今回使った水道管用塩ビ継手(インクリーザー)とPLAフィラメント素材との接着は以下の接着剤を使っている。
この製品は「塩ビ」用では無いが、普通の接着剤が苦手とする「ポリプロピレン、ポリエチレンシート」にも対応しているので、塩ビとPLA素材との接合も問題無く出来ている。
下写真に、洗濯ホースと65×40インクリーザー継手との隙間を埋める継手の印刷結果を示す。
写真 65×40インクリーザー継手の両側にピッタリとフィットする継手を印刷
中々いい感じに印刷出来た。
その継手の印刷の様子を示す。
写真 印刷時間は3時間31分
3Dプリンタの印刷には数時間かかるので、夜中に寝ている間に印刷するのが良いだろう。
そう言う点では、3Dプリンタはアパートやマンションなどの集合住宅では設置場所を選ぶだろう。
例えば押し入れの中に入れて、周囲には防音材を貼るなど。ワテの場合は、近隣の家屋とは距離が離れているので騒音問題などは全く気にする必要は無いので楽ちんだ。
HiKOKI電子丸ノコC6MEY集塵ポートと洗濯ホースとの継手を印刷(失敗作)
さて、洗濯ホースと電子丸ノコ側との接続継手を作成する。
下写真が第一作目の失敗作だ。
写真 丸ノコのダクトアダプタに接続する継手(失敗作)
洗濯ホースの一端は、上写真のようにラッパ状の継手が付いている。
それを下写真のHiKOKIのダクトアダプタに差し込むと、若干緩い。
まあその状態で何らかのホースバンドのようなもので締め付ければ固定出来るだろう。
でも、ここは3Dプリンタで隙間を埋める部材を印刷してみた(下写真)。
2時間51分掛けて印刷した。
で、その継手を使ってみた(下写真)。
上写真のように、無事にピッタリとフィットしたのだが、抜き差ししているうちに割れてしまった(下写真)。
写真 PLAフィラメント素材は脆いので割れてしまったスペーサー部品
割れた理由は、印刷した継手の最も薄い部分は1ミリくらいしか厚みが無いのだ。
PLAフィラメントは硬くて脆いので、あまり薄いとパキッと割れやすい。
まあ割れていても接着剤を流し込んで固定してしまうなどの案もあるが、それだと芸がない。
ここは、別の継手を設計して印刷することにした。
HiKOKI電子丸ノコC6MEY集塵ポートと洗濯ホースとの継手を印刷(成功作)
水道管用の継手(HI-S30)をホームセンターで見付けたのでそれを使ってみた。
その両端に差し込めるスペーサー部品を設計して印刷した(下写真)。
上写真左側のスペーサー部品は、水道管継手(HI-S30)と丸ノコダクトアダプタ(外径Φ34.4実測)との接続用なので、Φ35の穴を開けた。
右側は洗濯ホースと水道管継手(HI-S30)との接続用。こちらはスパイラル状の洗濯ホース(右ネジ、9ミリピッチ実測)を捻じ込める設計にした。なので、元々洗濯ホースに付いているラッパ状の継手は切り取った。
水道管継手(HI-S30)の穴はテーパー状になっていて、ワテの実測では入口がΦ38.6mm、44mm奥の底部でΦ37.3mmだ。
なので、上のスペーサー部品は高さ44mmで、底部Φ38、上部Φ36.7mmのテーパー状になっている。
写真 5時間47分かかった(二個同時印刷なので一個の倍くらいの時間)
ちなみにFusion 360で設計したこれらのスペーサー部品の3Dモデルは以下の通り。
で、印刷したスペーサー部品に洗濯ホースを捻じ込んでみた(下写真)。
どう!
完璧に捻じ込む事が出来た。
これで抜け落ちる事は無いが、気密を高める為には接着剤で貼ってしまっても良いだろう。
洗濯ホース、二つのスペーサー部品、水道管継手(HI-S30)の全体写真は以下の通り。
写真 洗濯ホース、二つのスペーサー部品、水道管継手(HI-S30)の全体図
これらの継手を下写真のHiKOKI 165mm深切り電子丸ノコC6MEYのダクトアダプタに接続するのだ。
写真 HiKOKI 165mm深切り電子丸ノコC6MEYのダクトアダプタ(別売り)を取り付けた
ダクトアダプタに印刷したスペーサー部品を挿してみた。
写真 3D印刷したスペーサー部品はダクトアダプタにピッタリとフィット
下写真がその完成形だ。
写真 洗濯ホース、水道管継手(HI-S30)、自作スペーサーで作成した集塵ホース
どう!!
いい感じでしょ!
水道管継手(HI-S30)の濃紺色とHiKOKI深切り165mm電子丸ノコC6MEYストロングブラック色が完璧にマッチしているぞ。
ワテの場合はC6MEY丸ノコには、90刃くろプラスチップソーを取り付けている。
まあ90刃でなくても72刃や52刃でも十分よく切れると思うが、物は試しに90刃を買ってみた。
非常に良い切れ味で、切断面が抜群に美しい。
完成した丸ノコ集塵システムの紹介
完成した丸ノコ集塵システムを写真で紹介したい。
まずは、洗濯ホースとΦ65ブラストゲートとの接合部。
写真 塩ビ65×40インクリーザー継手を利用した継手
写真 水道管継手(HI-S30)と洗濯ホースを利用した丸ノコアダプタ側の継手
写真 ワテ自作の丸ノコ置台に設置した状態
上写真でC6MEY丸ノコのコードは左側に出ているのだが、なぜこんな方向にコードを出すのか疑問だ。
集塵ホースとACコードを一体化して使う人が多い事を考えれば、ACコードを左側に向けるのではなくて、上方向か右方向に出せば良いのに。
あるいは、ACコードの出口を可動式にして自分の好きな方向に向けて固定出来る機構くらい簡単に設計出来ると思うのだが、設計者にはそれくらいの知恵が無いのか!?
まあ、それは分からない。
写真 ワテの工作室の手前から奥を撮影した
このHiKOKI丸ノコはこの作業台の上で主に使うので、これで完璧な集塵システムが完成した。
ちなみに写真右に写っているのが、ワテが使っている3Dプリンターだ。
まとめ
ワレコ
当記事では、ワテの作業部屋に設置したサイクロン集塵システムと電子丸ノコの集塵ポートとを洗濯ホースで接続する為のスペーサーの印刷過程を紹介した。
3Dプリンターは便利だ。
ワテの場合、継手ばかり印刷している。
今回はその3Dプリンターを駆使して、各種のスペーサーを印刷した。
設計はAutodesk社のFusion360だ。
継手名人と呼んでくれ!
今回掛かった費用は部品代が1000円くらいかな。安っすいぞ。
丸ノコを使うと大量の大鋸屑が飛び散るので、集塵ホースや集塵機は必須だ。
その場合には、フィルター式の集塵機を接続すると、直ぐにフィルターが目詰まりしてしまうので、サイクロン集塵機を使うのが良い。
ワテの場合には、リョービの集塵機VC-1250とOneida ダストデピュティー(オフの店)を組み合わせたサイクロン集塵システムを自作した。
あるいは下のようなサイクロン部品を買って自作する人もいる。
これで大鋸屑の飛散を気にする事無く丸ノコを使って木工DIYを行う事が出来る。
あとは、ACケーブルが邪魔になるので、ACケーブルと洗濯ホースを一体にする工夫をしたい。
つまり、下写真で示すようなメーカー製の集塵ホースと電源ケーブルが一体になったスパイラルコードホースのような物を作るのだ。
2021年は色んな作品を作りたいと思っている。
まずは半田付け作業机の上に設置中の排煙システムのカバーを作りたい。
続編記事が完成した↴
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