写真 ワテも動画撮影機材を買って本格的YouTuberデビューするかな(2021年予定)
さて、自宅の木工作業部屋を着々と改造しているワテであるが、前回記事で紹介した丸ノコ作業をやり易くする作業台はほぼ完成した。
当記事では、その作業台で丸ノコを使う時のガイドの製作過程を紹介したい。
では本題に入ろう。
どんな丸ノコガイドを作成するか?
まず前回記事で紹介した作業台の写真を以下に示す。
写真 作業部屋に作成した大型の作業台(約2000×910)
上写真に示す作業台の特徴としては、アルミ角パイプ(50×50)を直角に配置して、丸鋸カット時に水平や垂直のガイドに使える。
次に、作業台天板の中央付近には、丸鋸刃(厚さ1.6ミリ程度)が通る溝(幅2ミリ程度)があるのだ。要するに天板が左右に分割されている。
丸鋸ガイドの当初の案
当初は、以下のような丸鋸ガイド板を作成する予定であった。
図 丸鋸ガイドの当初の案
上図に於いて、例えば塗装コンパネ12mmの長方形の板を用意して、その板をアルミ角パイプガイドに押し当てれば丸鋸ガイドになる。
丸鋸をその塗装コンパネのエッジに押し当てながら板材をカットすれば良いのだ。
この方式は単純で分かり易いが以下の欠点があるので不採用とした。
- 重い。つまり約800x1000x12くらいの板材なので大きいし重い
- 切断する板材と同じ厚さの板材を塗装コンパネガイドの下に高さ合わせとして入れる必要がある
- 板材のカットには適しているが、棒状の木材カットでは丸鋸をスライドさせ辛い
などか。
今回作成する丸ノコガイド案
その後、毎日夜寝る前に瞑想してどんな丸ノコガイドを作るか慎重に検討した。
その結果、下図に示すような構造の丸ノコガイドを作成する事にした。
図 今回作成する丸ノコガイド
まあ、YouTubeやDIY系ブログで良く見かける構造の丸ノコガイドだ。
適当な板材の上に二本のレールを取り付ける。そのレールの間に丸鋸の金属ベースプレートをスライドさせてカットするのだ。
例えばたまたま見付けたYouTube動画に似た様な丸ノコガイドを作っている人がいた。
引用元 YouTube
ただし世間の人が良く作っている丸ノコガイドは上動画と同じく、ガイドレールが板材の上空にあり、スライドさせる丸ノコのベースプレートも板材に密着せずに離れている構造のものが多い。
まあ要するに165ミリ丸ノコなら切り込み深さは65ミリ前後だから、ガイドレール高さを作業台から60ミリ程度上空にしておけば、最大で60ミリ厚の板材までカット出来ると言うわけだ。
でもこの構造だとカットされる板材が丸ノコベースプレートで押さえられないので、切断面にバリが出易いだろう。
と言う事でワテの場合には、ガイドレールは作業台上空に固定するのでは無くて、カットする板材に密着させて設置する事が出来る脱着式構造にしたのだ。
まあ、何事もやってみないと分からない。
取り敢えずこの構造で作ってみて、使っていて欠点が見付かれば改良すれば良いのだ。
丸鋸スライドガイドの製作開始
ホームセンターで適当な材料を買って来た。
写真 丸鋸スライドガイド製作に使う部材をホームセンターで買って来た
項目 | 寸法など | 数量 | 単価 | 小計 |
アルミ不等辺アングル | 1.5t x 10 x 30 x 2000 | 2 | 688 | 1,376 |
ラジアタパイン集成材 | 12 x 250 x 1820 | 1 | 2,050 | 2,050 |
白木集成材 | 1820 x 9 x 60 | 2 | 598 | 1,196 |
合計 | 4,622 |
表 丸鋸スライドガイド製作に使う部材
いつもなら木工DIYにはサブロク板サイズのラワン合板や針葉樹合板をカットして使う事が多いのだが、それらの合板は切断面がばらけて棘が出易いので、今回は切断面が綺麗な集成材を使ってみた。
あるいは表面が綺麗なシナベニヤ合板でも良かったのだが、12ミリ厚サブロク板サイズのシナベニヤ合板だと値段が六千円くらいもするので、ラジアタパイン集成材で丁度必要な寸法の板材を見付けたので買ったのだ。
スライド丸ノコで板材をカットする
ワテが使っているHiKOKIの卓上スライド丸ノコFC7FSBは最大305ミリ幅までの板材ならカット出来る。
写真 卓上スライド丸ノコで板材をカットする
写真 卓上スライド丸ノコで板材をカットした
卓上スライドは300ミリ幅くらいまでの板材なら、簡単にスパスパと直線カット出来るので、木工DIYをやる人にはお勧めする。
その卓上スライド丸ノコと同等の利便性・機能性を持った丸ノコスライドガイドをワテ自作の作業台の上に構築するのが目的なのだ。その丸ノコスライドガイドを使うとサブロク板の910幅を一発で切断出来るのだ。
つまりまあ、卓上スライド丸ノコで金属ポールの長さが1メートルくらいある巨大スライド丸ノコと言う感じなのだ。
ちなみに市販の卓上スライド丸ノコの場合、最大切断サイズは300ミリくらいのものが多い。400ミリとか500ミリなどの最大切断サイズを持つ製品は見た事が無い。
まあその理由は、そもそも大工さんの作業に於いては一尺(303ミリ)が切断出来れば良いのだろう。例えばフローリングの床板なら1尺×6尺サイズが標準だから。
それ以上の長い寸法を切断する場合には、Tスライド定規を使うなどで対処出来るからだ。
それに、金属ポールの寸法を伸ばすと直線スライドの精度も落ちるので誤差も増えるから300ミリくらいが限界なのだろう。
でも、ワテの意見としてはDIY用の卓上スライド丸ノコなら、多少精度が落ちても良いので敢えて400~500ミリくらいのスライド距離を持った製品を販売しても良いと思う。そのほうが応用範囲が広がるからだ。
さて、そんなロングスライド機能を持った丸ノコガイドの製作を開始した。
今回作成する丸ノコスライドガイドの完成予定写真を下に示す。
写真 12ミリ厚集成材に9ミリ厚集成材を二本貼り付けてその上にアルミLアングルを貼る予定
まずは、下写真に示すように一本の9ミリ集成材を12ミリ集成材に木工用ボンドで接着した。
写真 一本目の9ミリ集成材を12ミリ集成材に木工用ボンドで接着する準備
下写真のアルミ部材は今回使うアルミ不等辺Lアングル(1.5t x 10 x 30)ではなくて、2tx40x20x2000のアルミ平角パイプだ。
写真 アルミ平角パイプを直線ガイドにして9ミリ集成材を12ミリ集成材に貼り付けた
木工DIYでは長い寸法の直線ガイドが必要になる場合があるので、ワテの場合はこの2メートルのアルミ角パイプを二本持っている。
二本使っている理由は、一本だともし何らかの力が加わって湾曲したとしても歪みに気付きにくい。二本あれば、時々二本のアルミ平角パイプをピッタリとくっ付けて見れば、隙間の有無で湾曲、捻じれなどを確認出来るからだ。
アルミ平角パイプは手軽に入手出来るのでお勧めだが、あるいは長い水準器を買えば直線ガイドとしても利用出来るだろう。
あるいは、専用の定規を買っても良い。
上写真末尾の製品は、2メートルサイズの丸ノコガイド定規でクランプ機構も付いているので、サブロク板を長手方向に直線カットする時に使うと便利だ。
ワテも買おうかなあと検討中だ。
アルミ不等辺アングルを9ミリ集成材に貼り付ける
さて、9ミリ集成材を12ミリ集成材に貼り付けたので、その上にアルミ不等辺アングルを貼り付ける。
上写真に示すように、アルミ不等辺アングルと9ミリ集成材との接着は、普通の両面テープ(幅20ミリ)を使う事にした。
まあ、ネットの製作例などを見ると、アルミアングルに金工ドリルで穴を開けて、皿ネジを使って固定している例も多い。
ワテもそんな固定方法を採用するかなあと検討したのだが、たぶん両面テープで貼るだけでも十分にしっかりと固定出来ると思われるので、単に両面テープだけで貼り付けてみた。もし使っていてズレるなどの問題が生じた場合にはネジ止めを採用しても良いし。
両面テープを長い距離に渡って貼り付ける場合には、下写真に示すように保護テープを少しずつ剥がしながら貼って行くのが良い。
写真 両面テープの保護テープを少しずつ剥がしながらアルミアングルを貼り付けて行く
そうでは無くて保護テープを全部剥がして一気にアルミアングル貼り付けると、もし曲がっていたとしても剥がすのが困難なので。
アルミ不等辺アングルは厚さ1.5ミリ、10×30サイズなので、短辺(10ミリ)の内側寸法は8.5ミリ。
なので、9ミリ集成材にこのアルミ不等辺アングルを貼り付けると、下部に0.5ミリの隙間が空く。
それくらいの隙間があるほうが、おが粉が溜まっても丸ノコベースプレートの動きを妨げないから良いかなあと言う判断だ。
樹脂製のモールを張り付けた
さて9ミリ集成材にアルミ不等辺アングルを貼って片側のガイドレールが完成したのだが、さらにその上に樹脂製のLアングル型モールを貼る事にした。
と言うのは、アルミ製ガイドレールと丸ノコの金属ベースプレートが擦れると、恐らくアルミガイドレールが摩耗して行くと思う。異種金属同士が擦り合わされると言うのは、何となく気になる。
なので、滑りを良くするためにテフロンテープなどを貼る案も検討したのだが、ホームセンターで手軽に入手出来る樹脂Lアングルを使ってみたのだ。
まず、5ミリ幅の両面テープをアルミ不等辺アングルの上に貼り付ける(下写真)。
写真 アルミ不等辺アングルに5ミリ幅両面テープを貼り付けた
白い樹脂製Lアングルは1t x10x10だ。寸法2メートルで100円くらいなので安い。
その両面テープを使って下写真のように樹脂製のLアングル型のモールを貼り付けた。
写真 アルミ不等辺アングルに貼り付けた樹脂製Lアングル
ワテが使っているHiKOKIの165ミリ電子丸ノコC6MEYの場合、ベースプレートを動かして鋸刃が最も飛び出した状態にすると、66ミリ深さまで切り込める。
その状態では、丸ノコ横方向に出っ張っているモーター下部には実測で12ミリ程度しか空間が無い。
一方、上写真のガイドレール三枚重ねの構造では、その高さは、
となるので、白い樹脂製のLアングルは、C6MEY丸ノコモーターにはギリギリ接触しない設計になっている。ワテの緻密な事前計算で0.5ミリのクリアランスを実現したのだ。
もしモーターが樹脂Lアングルに接触する場合には、丸ノコベースプレートを少し動かして鋸刃を引っ込める事で対処出来る。あるいは、ベースプレート裏側に薄い板を一枚貼っても良い。
例えば純正品のフッ素プレートを貼っても良い。
なお、上写真左に写っている二本のアルミ平角パイプ(2tx20x40x2000)は直線ガイドとして使っている。
上写真では、白い樹脂LアングルとアルミLアングルとの間に数百ミクロン程度の隙間が空いているが、このあと密着させたので隙間はほぼ無くなった。
後で考えてみたのだが、この構造ならアルミ不等辺アングルを使わずに9ミリ集成材のエッジに直接樹脂製Lアングルを貼り付けても良かったかも。それでも十分な直線性は出ると思われるので。
まあ、色んな考えが浮かぶが取り敢えず当初の案の通りに作ってみる。それを使ってみて改良案が有れば改良すれば良いのだ。
二本目のガイドレールは12ミリ集成材に貼り付ける前に作る
さて、二本目のガイドレールの製作に取り掛かる。
この場合、一本目のガイドレールと同じ手順で作成しようかなと考えたのだが、その案は中止して、作業手順を変えた。
つまり、最初に9ミリ集成材を12ミリ集成材の台座に貼り付けると、そのあと、アルミ不等辺アングル、樹脂Lアングルを貼り付けて行くと、レール間隔を丸鋸ベースプレートにピッタリと合わせるのが難しい。
なので、まずは9ミリ集成材にアルミ不等辺アングルや樹脂Lアングル貼り付ける。
最後にその9ミリ集成材を12ミリ集成材台座に貼り付ける事にした。
9ミリ集成材にアルミ不等辺アングルを貼り付けた
幅20ミリ両面テープを使ってアルミ不等辺アングルを9ミリ集成材に貼り付ける。
まずは下写真のように両面テープを9ミリ集成材に貼り付けた。
写真 幅20ミリ両面テープを9ミリ集成材に貼り付けた
その両面テープを少しずつ剥がしながらアルミ不等辺アングルを9ミリ集成材に貼り付けた(下写真)。
写真 両面テープを少しずつ剥がしながらアルミ不等辺アングルを9ミリ集成材に貼り付けた
次に、5ミリ幅両面テープを使って樹脂Lアングルをアルミ不等辺アングルの上に貼り付けた(下写真)。
写真 5ミリ幅両面テープを使って樹脂Lアングルをアルミ不等辺アングルの上に貼り付けた
このレールを一本目のレールと平行に貼り付ければ良い。
早速やってみる。
完成した二本目のガイドレールを、12ミリ集成材に貼り付ける
下写真のように既に12ミリ集成材に貼り付けている一本目のガイドレールにHiKOKIの電子丸ノコC6MEYのベースプレートを押し当てて二本目のガイドレールを木工用ボンドで貼り付ける。
写真 二本目のガイドレールの裏側に木工用ボンドを塗布する
HiKOKI電子丸ノコC6MEYのベースプレートの幅は約120ミリだ。
ワテの場合、後者の黒色(ストロングブラック)を買った。
AC100V式の165ミリ丸ノコを買うなら、DIYモデルの1万円前後の製品を買うよりも、このC6MEYが断然お勧めなのだ。なぜならC6MEYはプロ用電子丸ノコの最上位機種。それが実売価格で2万5千円前後で買えるのだから。
ワテと同じ意見の人がYouTubeに居た。カミヤさんだ。
引用元 YouTube
まあワテが言っても半信半疑の人でもカミヤさんが言うのだから間違い無いだろう。AC100Vの165丸ノコを買うならC6MEYを買っておけば間違いない。
あるいはカミヤさんがワテの以下の記事を見て、上のYouTube動画でC6MEYを紹介した可能性もある。
ほんまかいなw
さて、C6MEYのベースプレートを最下位位置まで引き下げて鋸刃を完全に引っ込めた状態にした。
そうすると、ベースプレートを12ミリ集成材の上で自由に滑らせる事が出来るからだ。
写真 二本目のガイドレールの貼り付け位置をC6MEYのベースプレート幅にする
上写真のようにHiKOKIの電子丸ノコC6MEYの金属ベースプレートの幅をガイドにして、二本目のレールを貼り付ける。
レールの間隔が広いと丸ノコベースプレートが多少がたつく。でも、レール間隔を狭くし過ぎると丸ノコベースプレートのスライドがスムーズに行かない。
まあ木工用ボンドが乾くまでは数分くらいの時間的余裕があるので、丸ノコを前後にスライドさせながら、二本目のガイドレールの貼り付け位置を微調整した。
その際、念のために下写真に示すシリコンスプレーを塗布してみたが、あまり効果は無かった。
写真 シリコンスプレーで摩擦低減を試みたが今一つ効果が無かった
シリコンスプレーを塗布したが摩擦低減効果が出なかった理由は、多分、二本のレール間隔をキツキツにしたからかな。まあ隙間が広くてがたつくよりは良いか。
それに、このあと丸ノコを使ってこの12ミリ集成材を直線状にカットする訳なので、そうすると多少は左右に広がるはずなので、程よい力加減でスライド出来るようになると期待している。
下写真に示すように、接着作業では二本のアルミ平角パイプ2t x 20x40x2000を適宜使って直線ガイドとして利用した。
写真 二本のアルミ平角パイプ2t x 20x40x2000は直線ガイドに使うと便利
このアルミ平角パイプは一本三千円弱なので、二本持っておくと何かと便利だ。
テーブルの天板を張る場合などに水平を出したい時にも使える。水準器をこのアルミ平角パイプの上に載せれば、寸法の長い水準器のように使う事も出来るし。
二本のガイドレールを貼り付けた丸ノコガイド
二本目のガイドレールの貼り付けの為に沢山のクランプで固定している様子(下写真)
写真 二本目のガイドレールの貼り付けの為に沢山のクランプで固定している様子
この状態で数時間放置しておけば二本目のレールの接着は完了する。
このあとの予定としては、以下の通り。
- 二本のガイドレールに沿って丸鋸(C6MEY)をスライドさせて12ミリ集成材にスリット状の穴を開ける
- 12ミリ集成材丸ノコガイド板のスリット穴と作業台の鋸刃通り道とを位置合わせ出来るような機構を作る
- 丸鋸の集塵ポートにサイクロン集塵機のホースを接続する
などか。
まとめ
ワレコ
ワテの木工作業部屋が着々と使い易くなっているのだ。
この丸ノコガイドが完成すればサブロク板の短辺(910幅)を自由自在にカット出来るようになるので、木工DIYの応用範囲が大幅に広がる事が期待できる。
当記事では、先日完成した大型作業台(幅2000x奥910、中央に丸鋸刃の通り道がある斬新な構造)と組み合わせて使う丸ノコガイドの製作過程を紹介した。
費用は約五千円くらい掛かった。
もしアルミ不等辺アングルを使わなければ三千円程度に費用を押さえる事が出来るだろう。
このあとの作業としては、12ミリ集成材にスリット状の切り込みを入れる。そして作業台に被せてピタット位置合わせが出来る機構を付ければ完成だ。その辺りの機構のアイディアもほぼ完成している。
2020年度中の完成を目指したい。
続く
改良型の丸ノコガイド付き作業台はこちら↴
実は、当記事で製作した丸ノコガイドは失敗に終わったのだ。
その後、改良型の丸ノコガイド付き作業台を作った。
と言う事でお勧めはこちら↴
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