写真 自作ぺるけ式ヘッドホンアンプで三波春夫を聴く歌謡浪曲DIY女子
おお、蕎麦屋かぁ~
2019年9月に開始した超高性能カーオーディオシステム自作プロジェクトであるが、今まで完成したものは以下の通り。
- LM3886x4基使用の4チャンネルパワーアンプ(50Wx4くらい)
- JBLパラゴン風の2ウェイスピーカーシステム
- ラッチングリレー式入力セレクター回路
- ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0搭載
- プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)製作中
- プリアンプ兼チャンネルフィルター用電源(倍電圧整流回路)
残す作業は「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0」の出力を接続する「LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路」の製作のみだ。
週末を利用して、ちょこちょこ作成しているのだが、ようやく完成した。
その結果、Bluetoothレシーバーで受信したスマホの音楽を無事に再生する事は出来たのだが、「ブーン」と言うハムノイズのようなものが乗っている。
では、本題に入ろう。
- プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)+ぺるけ式BluetoothレシーバーV3の紹介
- LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の製作
- ぺるけさんオリジナルのLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
- ワテ独自設計のLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板を作成する
- KiCADで回路図と独自基板のレイアウトを描く
- LTspiceでLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路をシミュレーション
- LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路部品を基板に半田付けする
- 使う抵抗は事前にテスターで値を計測しておく
- 抵抗の足を綺麗に曲げるテクニック
- パーツの足を折り曲げて配線に使うやり方はい一切やらない
- 銅単線Φ0.55ミリで手配線する
- KiCADのレイアウトを反転表示すると分かり易い
- カットしたリード線が飛び散らない工夫
- 手配線する前にマジックでパターンを描くと間違いが無い
- 部品面にジャンパーしても良い
- 配線が完了したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
- LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板の動作確認
- LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路をプリアンプに組み込む
- パワーアンプ、スピーカーと組み合わせて動作確認する
- まとめ
プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)+ぺるけ式BluetoothレシーバーV3の紹介
下写真に、現在製作中の「プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)+ぺるけ式BluetoothレシーバーV3」を示す。
写真 「プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)+ぺるけ式BluetoothレシーバーV3」
上写真中央にある灰色のシールド線にBluetoothレシーバーのアクティブフィルタ回路出力を接続する予定だ。
上の写真の内部構成は下図のようになっている。
図 「プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)+ぺるけ式BluetoothレシーバーV3」のブロックダイアグラム
上図において、黄色の基板「LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路」のみが未完成なのだ。
ぺるけさんのこの記事の作品だ。
ぺるけさんの記事にあるBluetoothレシーバー基板の改造は既に完了している。
写真 Bluetoothレシーバー基板にアンテナを接続してタブレット端末とペアリングに成功した
ワテのカーオーディオシステムの全体の構成
さて、ワテが現在作成中のカーオーディオシステムの全体の構成図を以下に示す。
4CHパワーアンプと2Wayスピーカーによるマルチアンプシステムだ。
図 ワテが現在作成中のカーオーディオシステムの全体の構成図
上図に示すBluetoothレシーバーの出力を入れる「LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路」を今回作るのだ。
これらのアンプの電源は100VACなので、自動車にはポータブル充電器を搭載して、100VACが取り出せるようにしている。
ワテが買ったのはSUAOKIの500ワットタイプだ。
もう少し容量が必要ならS670が出ている。
あるいは1000Wタイプもある。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の製作
ぺるけさん設計の「LCフィルタとアクティブ・フィルタ」の回路図を引用させて頂く。
図 ぺるけさん設計の「LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路」
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
う~ん、自称電子回路初心者のワテは、この回路は完全には理解出来ていない。
まあ差動増幅回路だと言うのは分かるが、エミッタフォロアから1200pFコンデンサを通して入力にフィードバックされている。これがアクティブフィルタ回路なのかな。
アクティブ・フィルタの回路は単段差動回路にエミッタフォロワを追加したもので、ベースとなったのは「FET差動バッファ式USB DAC Version2」のバッファアンプです。この回路は「Bluetoothレシーバー Version2.0」でも使用しました。これを利得約2.8倍にアレンジして使っています。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
さて、ぺるけさんの製作例を引用させて頂く。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路のぺるけさんによる製作例
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
上写真では、絶縁型DCDCコンバーター(MCW03-12D15)を使って+22Vとー7.9Vを生成する電源回路が基板の右半分に実装されている。
その回路図を以下に引用させて頂く。
図 BluetoothレシーバーV3のLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の電源回路
ワテの場合は、前回の記事で紹介したように、この電源回路は作成せずにワテ独自に倍電圧整流回路を自作して、可変三端子レギュレータを使って+22Vとー7.9Vを生成している。
ぺるけさんオリジナル電源回路を作らずにワテ独自の電源回路を作った理由は、秋月電子で売っている絶縁型DCDCコンバーター(MCW03-12D15)が一個850円(税込)なので少し高かったのと、手持ちにあるパーツを使って電源を作りたかったから。
ぺるけさんオリジナルのLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
ぺるけさんオリジナルの製作例では、タカスのユニバーサル基板(IC-301-72)が使われている(下図)。
図 ぺるけさんオリジナルのLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
上図に於いて、手書きの二重線で二つの穴が連結されている部分は、Φ0.28と言う細い銅単線をホッチキスの針のような形状に加工して穴に通して折り曲げるのだ。
そうすると、表裏にΦ0.28ミリの銅単線で配線する事になるので、Φ0.5ミリ銅単線と同じくらいの断面積になるのだ。
この作業はとても細かい作業なので、ワテの場合、あまりやりたく無いのだ。
それと、今回は、LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の基板を設置する場所に余裕が無いので、出来る限りコンパクトに製作しなくてはならないのだ。
そう言う理由で、LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板は、ぺるけさんのタカス基板方式ではなくて、ワテ独自に基板レイアウトを設計して実装する事にした。
ワテ独自設計のLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板を作成する
下写真にチャンネルフィルター兼プリアンプに搭載したBluetoothレシーバー基板を示す。
写真の右下隅にある基板だ。黄色のリレーが乗っている。
写真 Bluetoothレシーバー基板や電源回路の写真
上写真において、四つの電解コンデンサ(全部で六個)が見えている基板は、チャンネルフィルター兼プリアンプの+15V/-15Vの正負電源回路だ。
一方、ハーメチックタンタルコンデンサが斜めに取り付けてある基板が、倍電圧整流回路を使ってLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路用の+22V/-7.9V電源基板だ。
さて、LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路は下写真のように設置する。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板を無理やり乗せる
タカチの小型シャーシOS 49-26-23 BBはオールアルミ素材の高級感あるシャーシだ。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の基板を搭載する場所が殆ど無いので、上写真のように、僅かな空間に二階建てにして基板を載せる事にした。
ここで使うのは秋月電子で買った片面ユニバーサル基板だ。
片面ガラス・ユニバーサル基板 Cタイプ(72×47.5mm) めっき仕上げ
通販コード P-00517
発売日 2004/01/16
メーカーカテゴリ Picotec International Co.,Ltd
名刺に近いサイズのガラスエポキシユニバーサル基板です。人気のC基板サイズで最もよく売れている中の一つです。手ごろな大きさでちょっとした試作や実験にご好評を頂いております。高品質ガラスエポキシ(FR-4)製でガラス繊維を編んだものにエポキシ樹脂をしみこませたものとなっております。米国の標準化団体のNEMAが規定したCuを貼った積層板の耐熱性グレードで、4番目になっているものです。■主な仕様
・種別:ユニバーサル基板
・材質:FR-4
・穴径:1.00mm
・ランド仕上げ:はんだめっき
・穴仕上げ:片面ランド
・ランドピッチ(長辺):2.54mm
・ランドピッチ(短辺):2.54mm
・板厚:1.6mm
・長辺外形:72.00mm
・短辺外形:47.50mm
・取付穴径:3.20mm
・取付穴間隔長辺:66.00mm
・取付穴間隔短辺:41.50mm
・片面/両面:片面
引用元 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00517/
KiCADで回路図と独自基板のレイアウトを描く
さて、ワテの場合、この所KiCADを使い捲っている。
先日も、「ぺるけ式トランジスタ式ミニワッターPart5 19V」の基板を設計して海外プリント基板製造業者さんに発注して無事に完成した。
両面スルーホール基板が一週間と言う速さで自宅まで届くのだ。10枚作成して送料込みで数千円程度の価格で。なんて便利なんだろう。
さて、今回も、KiCADを使って基板のレイアウトを設計する事にしたが、基板業者さんには発注しない。設計したレイアウトを元に、自分で秋月ユニバーサル基板に手配線するのだ。
図 KiCADのスケマティックエディタEeschemaで描いたLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路
この回路図を元に、KiCADのレイアウトエディタPcbnewで設計した基板レイアウトを以下に示す。
図 KiCADのレイアウトエディタPcbnewで設計したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の基板レイアウト
上図に於いて、四つの電解コンデンサは立てるとタカチシャーシの天板が閉まらないので、寝かして取り付けるようにしている。
あとは、抵抗は寝かさずに立てる事で小さな基板に回路図の部品をどうにか全部載せる事が出来た。
緑色パターンが半田面、茶色パターンば部品面になる。
KiCADの3D表示機能で描画したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の完成予定図を以下に示す。
図 KiCADの3D表示機能で描画したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の完成予定図
いや~、KiCADは便利だ。
無料だし。皆さんにもお勧めしたい。
ワテの場合、このところKiCADに熱中しているので、上で紹介した回路くらいなら五、六時間くらいで設計出来るようになった。
LTspiceでLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路をシミュレーション
KiCADにもSPICEシミュレーターは入っているのだが、SPICEシミュレーションする為には、東芝の2SK170BL、2SK30、2SC1815などのFET・トランジスタのデバイスモデルが必要になる。
ワテの場合、LTspiceに関しては、それらのデバイスモデルをネットで入手した奴があるのだが、KiCADのSPICEにも組み込めるとは思うのだが、まだやり方を調べていないので、取り敢えず使い慣れているLTspiceでシミュレーションしてみた。
図 LTspiceで描いたLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路
入力に1KHzの方形波を入れて、出力電圧をシミュレーションしてみた。
図 LTspiceでLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の方形波応答をシミュレート
計測されたゲインは約2.8倍だが、ぺるけさんの製作記事でも「利得約2.8倍に設計した」と記述されているので妥当な結果かな。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路部品を基板に半田付けする
KiCADで設計したプリント基板レイアウトを見ながらパーツをユニバーサル基板に挿して行く。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路部品を基板に半田付けする
上写真のように、パーツをどんどん半田付けして行く。
2SK170BLは特性の揃ったペアを選別してアロンアルフアで接着して熱結合しておいた。
FETペアの選別は自作の選別冶具を使った。これもぺるけさん設計でFET & CRD選別冶具(改訂版)と言うやつだ。
使う抵抗は事前にテスターで値を計測しておく
抵抗はプリント基板に半田付けする前に、必ず値を計測して間違いが無い事を再確認する。
写真 ワテ自作の抵抗やコンデンサの計測に便利なテスター用冶具
抵抗やコンデンサの値を計測する場合には、赤黒テスター棒を抵抗の細いリード線に当てるとツルっと滑ってやり辛い。
そこで、上写真に示すワテ自作の便利計測アタッチメントを作成したのだ。
抵抗の足を綺麗に曲げるテクニック
今回は殆どの抵抗を立てて取り付けるので、下写真に示すように、精密ドライバーの丸い軸を利用して綺麗に半円形に折り曲げた。
写真 ドライバーの軸などを利用してリード線を曲げると綺麗に加工できる
あるいは、抵抗を基板に這わせて取り付ける場合には、サンハヤトのリードベンダーは必須のアイテムだ!
写真 サンハヤトのリードベンダーを使って抵抗の足を折り曲げた例
パーツの足を折り曲げて配線に使うやり方はい一切やらない
兎に角、全部のパーツを基板に半田付けした。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路部品を基板に半田付けする
そのプリント基板の裏側の写真を以下に示す。
写真 プリント基板に取り付けたパーツの足は折り曲げて配線に使う手法は一切やらない。
ワテの場合、以前は、パーツの足を折り曲げて配線に使う手法を時々採用していた。
でも、最近では、パーツの足を折り曲げる手法は一切採用しない。隣り合うランドを繋ぐ場合ですらパーツの足を折り曲げて配線する事はやらない。
上写真のように、ニッパで潔くカットするのだ。
銅単線Φ0.55ミリで手配線する
全てのパーツを取り付け終わったら、次は配線作業だ。
最近のワテは、ホームセンターなどで売っている銅単線Φ0.55を使って手配線する。
写真 直径0.55ミリ銅単線で手配線する
抵抗やコンデンサのリード線はΦ0.6ミリが多い。なので、ワテもそれと同じくらいの直径の銅単線をホームセンターで買って来て、配線している。
銅単線を使うと半田の濡れが良くて半田付けが綺麗に仕上がる。
また、銅色と半田の銀色の境界が目で見て分かり易いので、半田がどこまで広がっているのかが一目瞭然なのだ。
なので、芋ハンダなどの半田不良を見逃す可能性が殆ど無いのだ。
そして、銅単線を使って配線すると見た目も綺麗なのが良い。
KiCADのレイアウトを反転表示すると分かり易い
KiCADでレイアウトを設計する場合は、通常は部品面から見た図面を描いて作業を行う。
でも、実際に手配線する場合には半田面から見たパターンが必要になるので、KiCADのレイアウトエディタPcbnewでレイアウトを反転表示(下図)すると見比べて作業が出来るので失敗が無い。
図 KiCADのPcbnewでレイアウトを反転表示した例(半田面から見た図)
あと、ワテの場合には、ヤフオクで買った安っすい実体顕微鏡を使って半田付けを行う。
最近では、視力が落ちて来たので、実体顕微鏡無しでは半田付けは無理だ。
実体顕微鏡はヤフオクなどにもコンスタントに出品されているので、定価数十万円のニコンとかオリンパスの実体顕微鏡が1~2万円くらいで入手出来る場合もある。
写真 中古ニコンSMZ-2Bに自作のLED照明を付けて使っている(PWM制御で光量調整)
PWM制御でLEDの光量を調整する回路を自作した。
二回路入りコンパレーターLM393を一個だけ使ってPWM制御すると言う、シンプルな回路だ。光量は0(完全消灯)~100パーセント(フル点灯)まで連続可変出来る。
カットしたリード線が飛び散らない工夫
ニッパで抵抗やコンデンサのリード線をカットすると、カットしたリード線が飛び散ってどこかに行ってしまう事が良くある。
で、何か良い対策が無いかなあと思っていたのだが、100均で見付けたマグネット付き皿が役立つ。
写真 100均のマグネット付き皿
ワテの場合には、作業机の上にトタン板を敷いていて、その上にダンボールを敷いている。
従って、作業机にはマグネット類が吸い付くのだ。
この100均のマグネット付き皿も吸い付くので安定性が良い。
さて、リード線をカットする時に、切ったリード線がこのマグネット付き皿の方向に飛んで行くようにすると、リード線が磁石に吸い付くので飛び散らない。
でも、それだと後でリード線を廃棄したい場合に磁石に吸い付いているので剥がすのが面倒だ。
そこで、下写真のように豆腐の空容器をマグネット付き皿の上に載せている。
写真 豆腐容器をマグネット付き皿の上に載せてカットリード線を入れる
上写真のように、豆腐容器をマグネット付き皿の上に載せて、リード線をカットする時に、この容器の中にリード線が飛んで行くようにすると、リード線は磁石に吸い付くので他所へ飛び散らない。
リード線の切れ端が、まるで地面から生えているアスパラガスのように直立している!
かつ、リード線を廃棄したい場合には、豆腐容器ごと引き剥がせば良いのだ。中々良いアイデアだと思うので皆さんにもお勧めしたい。
手配線する前にマジックでパターンを描くと間違いが無い
下写真のように、これから銅単線を配線予定の経路に油性マジックで線を引くと分かり易い。
写真 配線予定の経路に油性マジックでパターンを描くと良い
油性マジックは基板が完成したらエタノールで清掃すると消え去るのだ。
部品面にジャンパーしても良い
半田面に手配線している銅単線は、必要なら基板の穴を通して部品面に出して、ジャンパー線のように配線しても良い。
写真 銅単線を部品面に通してジャンパー線として使う例
上写真のように、半田面に配線している銅単線を部品面に持って来て必要な箇所をジャンパーして再び半田面に戻すと、自由度の高い配線作業が可能だ。
あるいは、下写真のように半田面でもジャンパーする事も出来る。
写真 銅単線を半田面でジャンパーする例
上写真で黒いチューブは熱収縮チューブだ。銅単線で手配線していて、他の銅単線と接触させたくない場合には、熱収縮チューブを被せてジャンパーするのだ。
配線が完了したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
で、無事に半田付けが完了したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板を下写真に示す。かなり高密度に詰め込んだ。ぺるけさんの基板以上の過密さだと思う。
写真 半田付けが完了したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板
電解コンデンサは秋月で買ったルビコン製。1個 ¥30(税込)。
電解コンデンサー1000μF25V85℃ ルビコンPK
[25PK1000MEFC10X16]
通販コード P-03131
発売日 2009/09/17
メーカーカテゴリ ルビコン株式会社(Rubycon)
ルビコンの一般用電解コンデンサーです。
■日本製■1000μF25V、85℃品です。
茶色のフィルムコンデンサも秋月だ。1個 ¥40(税込)。
RoHS2(改正RoHS) (EU)2015/863、10物質、付属品等を除く
メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー1μF100V[105]積層・無誘導
[TS03Q02A105JSB0B0R]
通販コード P-09792
発売日 2015/11/23
メーカーカテゴリ SUNTAN TECHNOLOGY CO LTD
積層フィルムコンデンサ 無誘導タイプ・許容誤差:±5%
・使用温度範囲:-55~+85℃
黒色の1200pFと8200pFのコンデンサは共立エレショップで買った。web販売価格 : ¥94。
ポリフェニレンスルフィドフィルムコンデンサ100V 8200pF 2%[RoHS]
100H2D822G概要
誘電体にポリフェニレンスルフィドフィルムを使用した最高使用温度125℃のフィルムコンデンサ。温度特性が極めて優れており、オーディオ用途などにも最適。
詳細
●カテゴリ温度範囲:-55℃~+125℃
●定格電圧:100VDC
●静電容量:8200pF
●静電容量許容差:±2%
●誘電正接(tanδ):0.005(@1kHz)
一個約100円もするのでちょっと高かったが、必要とする1200pFや8200pFが有ったので使ってみた。
インダクタは特殊電機株式会社さんのネットショップで買った。
インダクタ ES6型(インダクタンス:ES6-272K 2.7mH)
仕様
インダクタンス: 2.7mH(他に10μH~33mHまで有り)
コアサイズ: φ6×8mm
ピン径: φ0.6
ピッチ: 3.7mm
直流抵抗MAX: 9.0Ω
自己共振周波数MIN: 0.89MHz
引用元 https://tokusyu-d.co.jp/pdf/34.pdf
抵抗器はKOAや利久電器の金属皮膜抵抗1/4Wタイプだ。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板の動作確認
早速動作確認してみる。
かなり昔にヤフオクで買った高砂製作所の電源を使ってLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板に正負電圧を与える。
写真 本当は+22V/-7.9Vを与えるべきところを間違えて+20V
あとで気づいたのだが、本当はLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路には+22V/-7.9Vを与えるべきところを間違えて+20Vを与えていた。
流れる電流は10ミリアンペア程度のようだ。
下写真のように、赤青緑のテストクリップで+20V、GND、-7.9Vを与えている。
赤黒のテストクリップはパルスジェネレータからの入力信号。ここでは1KHzの方形波を与えた。
オシロスコープで入力信号と出力信号をモニターする。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の動作確認の様子
その結果、左チャンネルは下写真に示すように、入力信号(上)を+1/-1V振幅の方形波を与えると、出力は設計通りに約2.8倍くらいになっている。
写真 LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の左チャンネルは正常動作した
一方、写真を撮り忘れてしまったのだが右チャンネルは出力が全く出ていない。
かつ、入力信号も極端に小さくなってしまう。
なんかおかしい。出力が出ないなら何らかの配線間違いだと思うが、入力も殆ど計測されないぞ??
で、異常を見付けたら直ぐに電源を切って、プリント基板の配線を見直す。
その結果、信号が出ない右チャンネル側に配線忘れが一箇所あったので半田付けした。
再び動作確認するが、正常動作せず。症状は全く同じで、出力だけでなく入力信号もオシロで観察されない。
で、再び右チャンネル基板の入力付近を実体顕微鏡で観察していたら、問題発見した。
右チャンネルの入力端子とGNDの間に小さな半田ブリッジが出来ていて導通していたのだ。
だから、パルジェネで入力した信号すらオシロで観察できなかったのだ。
その半田ブリッジを除去したら、右チャンネルも正常動作した。
ああ、良かった。ほっと一息。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路をプリアンプに組み込む
完成したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路をプリアンプに組み込むのだが、その前に基板をクリーニングしておいた。
基板のフラックスや油性マジックをクリーニングする
ワテの場合には、無水エタノールを豆腐容器に少量入れて、使い古した歯ブラシで半田面を擦ってクリーニングする(下写真)。
写真 無水エタノールと歯ブラシを使って基板のフラックスや油性マジックを除去する
その後、念のために、フラックスクリーナーを塗布して同じく歯ブラシで擦った。
最後に、銅単線の酸化防止防湿コーティング剤を塗布しておいた。
これで銅単線の表面の酸化を防止できるので、銅の光沢を長期間維持出来るはずだ。
基板の裏にケーブル類を半田付けする
下写真に示すように、LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路に配線を行った。
写真 赤青黒が電源(+22/-7.9V)、灰色シールド線左が出力線、右が入力線
で、下写真に示すように、二階建て方式でLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路を取り付けた。
写真 二階建て方式でLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路を取り付けた
パワーアンプ、スピーカーと組み合わせて動作確認する
下写真に示すように、チャンネルフィルター兼プリアンプの下にはLM3886四台使用のパワーアンプと、右側にある茶色の小型ケースはぺるけ式AKI.DACのタムラトランスTpAs-2S版だ。
タブレット端末からBluetoothレシーバー基板とペアリングに成功したら、スピーカーから音が出た!
写真 パワーアンプ、チャンネルフィルター兼プリアンプ、USB-DAC、スピーカーを接続
音楽を再生するといい感じで鳴っているのだが、ブーンと言うハムノイズのような音が出ている。
ボリュームを最小にしても同じ音量でブーン。
あかんがな。
そこで、秋月USB-DACの出力をプリアンプの入力RCA端子に入れて、USB-DACで再生した音楽を聴いてみる。
その結果、ノイズは殆ど聞こえない。
と言う事は、プリアンプ基板やチャンネルフィルター基板は正常だと言う事だ。
下写真で、左側にある6枚の45x45平方ミリ基板が、プリアンプとチャンネルフィルター回路を構成していて、具体的には二分配回路基板、RC型ハイパス・ローパスフィルタ基板、ゲイン調整基板だ。左右チャンネルあるので合計6枚の基板になる。
写真 パワーアンプ、USB-DAC、スピーカーと組み合わせてテスト中のチャンネルフィルター兼プリアンプ
USB-DACの再生音は殆どノイズは乗っていない事から判断すると、Bluetoothレシーバー基板あるいは先ほど作成したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路基板がノイズを拾っている可能性が高い。
まあ確かに、LCフィルタとアクティブ・フィルタ基板はトロイダルトランスにも近いし、+15/-15V安定化電源基板の上空に取り付けたのでかなり近い距離だ。
恐らくその辺りの基板からノイズが出ているのかも知れない。
今日は疲れたのでこれくらいにしておいて、明日以降、時間があれば原因調査したい。
ちなみに、上写真でデジタル表示の温度計があるが、秋月で買ったデジタル温度計だ。センサー部分をパワーアンプのLM3886デバイスの辺りに置いて動作中のパワーアンプ内部の温度を計測してみた。
その結果、室温が25度くらいだがパワーアンプ内部は40度くらいに上昇した。
これくらいの温度なら、このまま使っても大丈夫かも知れない。あるいはもう少し使ってみて、もしシャーシ内部温度が50度くらいになった場合には、通気口を開けるとか、あるいは、小型ファンで強制空冷するなどを検討したい。
まとめ
当記事では、ワテが現在製作中のカーオーディオシステムに搭載するLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路の製作過程や完成後の動作確認作業を紹介した。
LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路には、チャンネルフィルター兼プリアンプに内蔵しているぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0の出力を接続する。
ワテ所有のアマゾン Fire 7タブレット端末とBluetoothレシーバー基板は無事にペアリングに成功した。
タブレットで再生した音楽は、無事にBluetoothレシーバー基板で受信出来て、LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路も正常に動作して、無事にスピーカーから音が出た。
ただし、ブーンと言うハムノイズのようなものが乗っている。
ハムノイズはBluetoothレシーバー基板の再生音にのみ乗り、他のRCA入力端子から入れた音源はノイズも殆ど無くいい音で鳴っている。
と言う事は、ハムノイズの原因はBluetoothレシーバー基板のアナログ出力部分(5532オペアンプ使用)や今回自作したLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路が怪しいのだ。
このノイズ問題さえ解決すれば、ワテのカーオーディオシステムはいよいよ完成するのだ!
続く
続編記事
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