写真 ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0の電源回路を設計中の電子工作女子
さて、昨年(2019)の9月に開始した超高性能カーオーディオシステム自作プロジェクトであるが、いよいよ完成が近づいて来た。ワテの車はハイゼットカーゴデラックスだ。
今まで完成したものは以下の通り。
- LM3886x4基使用の4チャンネルパワーアンプ(50Wx4くらい)
- JBLパラゴン風の2ウェイスピーカーシステム
- ラッチングリレー式入力セレクター回路
- プリアンプ兼チャンネルフィルター(Low、High)製作中
残す作業はチャンネルフィルター兼プリアンプに「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0」を内蔵させる作業のみだ。
プリアンプにBluetoothレシーバー基板を内蔵させる事で、スマホなどで音楽を再生する場合に音楽をBluetoothで飛ばしてこのBluetoothレシーバー基板で受信して、プリアンプを経由してパワーアンプでスピーカーを鳴らせるのだ。
このBluetooth機能を使えば、音楽ファイルを保存したスマホを車に持ち込んで無線を使って好きな音楽を聴く事が出来る。有線ならば車内に配線をする必要があるので内装を取り外すなど面倒な準備作業が必要になるが、無線なのでそんな煩わしい作業が一切必要無いのだ。
では、本題に入ろう。
- ワレコ式のカーオーディオシステムの全体像
- Bluetoothレシーバー基板改造・アクティブフィルタ回路用電源回路の説明
- アクティブフィルター回路電源を倍電圧整流回路で作る
- Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源を倍電圧整流回路で作る(シミュレーション編)
- Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源を倍電圧整流回路で作る(製作編)
- 45x45両面スルーホール基板に抵抗、コンデンサ、ダイオードなどを挿す
- LM317をヒートシンク無しで使った場合に流せる最大電流を見積もる
- 養生テープで部品を固定して抜け落ちないようにする
- パーツのリード線を仮半田付けすると同時にリード線をカット
- 配線は銅単線(Φ0.5ミリ)で行う
- ワテお勧めのハンダ関連グッズ
- 高密度にパーツを搭載した正負電源基板(アクティブフィルター回路用)
- 大型電解コンデンサ(倍電圧整流回路など)は基板裏側に取り付けた
- 取り敢えず動作確認する
- 倍電圧整流回路の正常動作を確認出来た
- ヒートシンクは取り敢えず付けない
- 絶縁対策
- ホットメルト接着剤(ホットボンド)でコンデンサを固定
- Bluetoothレシーバー用アクティブフィルター回路の電源基板完成
- Bluetoothレシーバー基板の改造作業を行う手順
- Bluetoothレシーバー基板とアクティブフィルター回路の電源基板をシャーシに取り付ける
- Bluetoothの動作確認
- まとめ
ワレコ式のカーオーディオシステムの全体像
「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0」の作成作業を紹介する前に、それを搭載する予定の現在製作中のワテ自作カーオーディオシステムの全体像をお知らせしよう。
下写真左はLM3886を4個使用の4チャンネルパワーアンプ(50Wx4)だ。写真右は、2Wayチャンネルフィルター内蔵のプリアンプ。
写真 4チャンネルパワーアンプ(左)とチャンネルフィルター兼プリアンプ(右)を試運転中
上写真右のプリアンプの右上隅にある狭い空地にBluetooth機能を搭載するのだ。
パワーアンプもプリアンプも小型で薄側のタカチのアルミサッシケース OS49-26-23BBに詰め込んだ。
パワーアンプはほぼ完成していて、後は長時間使ってみて発熱が大きい場合にはシャーシに幾つかの通気口を開けるか、小型DCファンを取り付けるなど検討中だ。
残す作業はぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0の組み込みのみ
一方、チャンネルフィルター兼プリアンプは、「ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0」の内蔵作業を残すのみとなっている。
Bluetoothレシーバーに関する詳細は下記のぺるけさんの「USB DAC+Bluetoothレシーバー Version 3.0」のサイトを参考にして頂きたい。
このぺるけさんの製作記事では、Bluetooth機能に加えて秋月USB DACも組み込んであるが、今回はこのDACは組み込まない事にした。その理由は、数年前に同じくぺるけさんのサイトで紹介されていた「AKI.DAC-U2704を使った・・・トランス式USB DAC」記事を参考にしてワテも作ったぺるけ式秋月USB-DAC(TAMURAライントランスTpAs-2S、600Ω:7kΩ使用版)が既にあるからだ。
上写真右端にある茶色の小型シャーシがそれだ。その紹介記事はこちら。
当初はこの秋月USB-DACもシャーシから取り出して、カーオーディオシステムのチャンネルフィルター兼プリアンプに内蔵させようかなと考えたのだが、作業が面倒なのと空きスペースが無いので中止した。
コンパクトなシャーシに高密度にパーツを詰め込む快感
ワテの場合、シャーシには隙間なく電子回路を詰め込む場合が多い。一方、その反対の人もいる。つまり、大き目のシャーシに余裕を持って部品を配置していて、中身がスカスカの製作例もネットで良く見かける。
ワテの場合、そう言うのは嫌いだ。ワテは出来るだけコンパクトに仕上げたい。つまり小さめのシャーシと言う制約の中で、必要な機能を全て詰め込む事に意義があるのだ。理由は分からん。先天的な性格かも知れない。つまり先天性部品ギュウギュウ詰め込み症候群とか言う特異な症例(世界で第一例目)かも知れない。
同じく、プリント基板も小さめのやつに高密度に電子部品を載せるのが好きだ。ただし、抵抗は立てたくない。あくまで抵抗は寝かせて取り付けたい。どうしても抵抗を立てざるを得ない場合には、負けた気分になる。またあるいは、プリント基板に手配線する場合に、ジャンパー線は極力使いたくない。半田面だけで配線したいのだ。部品面にジャンパー線を通すと、同じく負けた気分。誰にや?分からん。ジャンパー線使いたくない症候群だ。
兎に角、変人のワテである。iPodやiPhoneを極限まで小型にしたスティーブ・ジョブズと気が合うと思う。
ハイゼットカーゴに搭載予定の自作2Wayスピーカーシステム
上で紹介したLM3886を四個使ったパワーアンプ(50Wx4)でマルチアンプ駆動するのが、下写真に示すJBLパラゴン風の2ウェイスピーカーシステムだ。
写真 ハイゼットカーゴに搭載予定の自作2Wayスピーカーシステム(JBLパラゴン風)
どこがパラゴンや?と言う突っ込みが有るとは思うが、詳細は以下の製作記事を読んで頂きたい。
湾曲した音響板にスピーカーの音を反射させて音場を広げると言うパラゴンの特徴を完璧に再現した世界発の超高性能カーオーディオスピーカーなのだ。ほんまかいなw
チャンネルフィルター兼プリアンプのブロックダイアグラム
さて、ワテと同じようなカーオーディオシステムを作りたいと言う人の為に(そんな人はいないかも知れないが)、チャンネルフィルター兼プリアンプのブロックダイアグラムを紹介しよう。
図 チャンネルフィルター兼プリアンプのブロックダイアグラム(Bluetooth基板用のアクティブフィルター回路追加前)
上図において、フロントパネル(右側)は、押しボタンスイッチが五個とボリュームのツマミが一個のシンプルなデザインだ。
押しボタンスイッチを押すと、それに対応したラッチングリレーがセットさせて入力を選択出来る。押されたボタンの上部にある緑発光ダイオードが点灯する。それらのリレー基板制御回路の製作記事はこちら。リレー基板制御回路の設計編はこちら。
まあ、ラッチングリレー制御回路は自称電子回路初心者のワテの設計なのでヘンテコな部分も多いが、期待通り動いているので良しとする。
入力は5回路あり、XLR5メスやRCAジャック端子を使っている。入力1は内蔵Bluetoothレシーバー基板出力に繋ぐ。
出力はXLR5オスで、チャンネルフィルターで分離したLowとHighの信号をパワーアンプへ送り出す。
Bluetoothレシーバー基板の改造・アクティブフィルタ回路用電源回路の製作
当記事では、上図の右下にある
- 「Bluetoothレシーバー基板」の改造と取り付け
- 「Bluetoothレシーバー基板用のアクティブフィルター回路(未完成、次回記事で紹介予定)」の電源回路の製作と取り付け
作業の過程を紹介する。
最終的な完成予定図は以下の通り。
先ほどの図面に、黄色の基板を追加した。
図 チャンネルフィルター兼プリアンプのブロックダイアグラム(Bluetooth基板用のアクティブフィルター回路追加した完成予想図)
コンパクトなシャーシを採用したので、上図の黄色で示したBluetoothレシーバー基板の出力を接続する「LCフィルタとアクティブ・フィルタ回路」は、どうにかして詰め込む予定だ。まあ、どうにかなるだろう。
Bluetoothレシーバー基板改造・アクティブフィルタ回路用電源回路の説明
ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0に採用されているのが、アマゾンなどで入手出来るBluetooth レシーバー基板だ。実売価格2000円程度。
ただし現在は販売されていない。類似商品ならある。
さて、ぺるけ式Bluetoothレシーバーに使ったBluetooth レシーバー基板の商品説明をアマゾンから引用すると以下の通り。
- BluetoothチップCSRのCSRA64215バージョン4.2を使用して、APT-Xロスレスオーディオ伝送をサポートし、伝送速度が速く、より良い音質です
- ワイド電圧BluetoothレシーバモジュールDC / AC 10V – 30V、AC – DC電源は、あなたのDIY無圧力にすることができます。
- NE5532(アメリカのTIブランド)プリオペアンプ、異なるオペアンプ、出力信号振幅を使用して簡単に交換するためのオペアンプソケットを使用してブルートゥースモジュール出力、圧力なしで一般的なアンプボードを促進。
- 配達3pのシールド線、電源ライン、MICライン
引用元 アマゾンの商品説明
この商品説明は、ちょっと日本語が怪しいが製品自体はちゃんと動いた。
このBluetooth レシーバー基板の特徴としては、電源がAC、DCどちらにも対応していて10~30Vの範囲で動くらしい(DC電源端子とAC電源端子がそれぞれある)。今回はプリアンプ基板用に自作した+15/-15VDCの安定化電源回路があるので、その+15VDCを供給する予定だ。
二番目の特徴としては、内蔵アンテナとは別に外部アンテナを接続する事が出来る。ぺるけさんの作例でも外部アンテナを追加されているのでワテも5GHZ アンテナ Bluetooth WIFI Wimaxを購入した。
このアンテナには長さ25cmのケーブルも付いていて、一端はアンテナに捻じ込む事が出来る。反対側の一端は嵌め込み式のコネクタ(RP-SMAメス)になっていて、Bluetoothレシーバー基板上にある外部アンテナ接続コネクタ(RP-SMAオス)に嵌め込む事が出来る。
Bluetoothレシーバー基板の改造の目的
さて、このBluetoothレシーバー基板をぺるけさんの製作記事の手順に沿って改造するのだ。
改造する理由はぺるけさんのサイトから引用すると以下の通り。
<LPF(ローパスフィルタ)は基本的に同じでよい>
AKI.DACC基板もBluetooth基板も共通してそれなりの音は出るものの盛大なデジタルノイズが漏れており、これが音のクォリティを著しく下げています。デジタルノイズが分布する帯域は若干異なりますが、いずれにしても22kHzから上をカットすることで改善できますから、LPF(ローパスフィルタ)は基本的に同等のものでよいことになります。
<出力信号レベル>
AKI.DACの信号出力レベルは、0dBFSにおいて0.63Vですが、これまで製作してきたBluetooth基板の信号出力レベルは0dBFSにおいて1.0V~1.9Vです。同じアクティブフィルタ・アンプを使うとすると、Bluetooth側にアッテネータを入れるか、両者の信号出力レベルを揃えるか、ソースによってアクティブフィルタ・アンプの利得を変えるか、とにかく何らかの方法で出力信号レベル合わせをする必要があります。アッテネータを入れるとソース・インピーダンスが変わってしまうのでLCフィルタが正常に機能しなくなるため話がちょっと面倒になりますし、アクティブフィルタ・アンプの利得をソースごとに変化させる方法は更に厄介です。本機では、Bluetooth基板の信号出力レベルをAKI.DACと同じレベルまで下げることで共用化を実現しています。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
つまりまあ、一つ目の理由はデジタルノイズを除去する事、もう一つの理由は秋月電子のAKI.DAC信号出力レベルに合うようにBluetooth基板信号出力レベルを下げる事だ。
今回はAKI.DACは内蔵しないので、Bluetooth側のレベルを下げる必要は無いとは思うのだが、ぺるけさんの作例の通りにそのまま作る事にした。それに過去に自作したAKI.DACタムラトランス版の出力もプリアンプに入れるので、両者の出力レベルを合わせておくほうが使い易いだろう。とは言っても、AKI.DACタムラトランス版とAKI.DAC単体版の信号出力レベルは同じなのかな?トランスを使っているのでたぶん同じでは無いと思うが、兎に角、ぺるけさんの作例の通り作ろう。
それに、そもそもワテ独自に回路を変更するなどの技術力も無いし・・・。
Bluetoothレシーバー基板用のアクティブフィルタ回路と電源回路
では、具体的な回路図を見てみよう。
アクティブフィルター回路
Bluetoothレシーバー基板の出力信号はアクティブフィルタ回路に入れる。その回路図をぺるけさんのサイトから引用させて頂く。
図 Bluetoothレシーバー Version3.0のLCフィルタとアクティブ・フィルタ回路
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
上図の回路は今後製作予定で、次回記事で紹介予定だ。必要なパーツは自宅のパーツボックス在庫品やネット通販購入などで調達済だ。
アクティブフィルター回路用の電源回路
このアクティブフィルター回路を駆動するための電源回路は、以下の通り。
図 Bluetoothレシーバー Version3.0のアクティブ・フィルタ回路の電源回路
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
アクティブ・フィルタ回路の電源回路は、市販ACアダプター15VDCと秋月電子で一個850円(税込)で売っているDCDCコンバーターMCW03-12D15を使って+22.0/-7.9VDCを生成したものを使うのだ。
3W級絶縁型DC-DCコンバーター(±15V100mA)MCW03-12D15
メーカーカテゴリ Minmax Technology Co., Ltd.■主な仕様
・出力方式:デュアル
・出力正負:両電源
・入力電圧:9~18V
・出力電圧:±15V
・出力電流:±25~±100mA
・許容損失:2500mW
・変換効率:0.83
・発振周波数:300kHz
・出力リップル電圧:50mV p-p
・入出力絶縁:絶縁型
・パッケージ:SIP7
引用元 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04284/
DCDCコンバーターMCW03-12D15を使って生成した約30VDCを抵抗で分圧して、疑似的に正負電源を作っている。抵抗分圧式の正負電源はぺるけさんの製作例では良く用いられている方式だ。ACアダプターの単電源から手軽に正負両電源を作り出せる利点がある。
ただし、もしワテ自作の+15VDC定電圧回路出力をこのDCDCコンバーター式疑似正負電源回路に入れたとすると、この回路で疑似的に作られるアース電位はワテ自作定電圧回路のアース電位とは別物になってしまう。それら二つのアースを接続してもいいのかな?
絶縁型DCDCコンバーターなので、二つのアースを接続しても良いかも知れないが、自信が無いし。
ワテ独自のアクティブフィルター回路用電源回路を作成する
そこで、今回はぺるけさんオリジナルの電源回路は使わずに、ワテ独自に+22/-7.9VDCの正負電源回路を設計して製作する事にした。それにDCDCコンバーターは一個850円と高いので。
具体的には、ワテのチャンネルフィルター兼プリアンプでは、15VAC(1A)が二回路あるトロイダルトランスを使って正負15VDCの安定化電源回路を自作して搭載しているが、そのトロイダルトランス出力を利用してアクティブフィルター回路の電源(+22/-7.9VDC)も作る事にしたのだ。
Bluetooth基板は、実験用の安定化電源(高砂製作所)でテストした時には15VDCを印可して70mA程度の電流だったので、アクティブフィルター回路を追加したとしてもBluetoothレシーバー関連全体で100mAくらいの消費電流だろう。ぺるけさんの記事にも「全消費電流は100mA以下でわずかですが、」との記載あり。
ただし、トロイダルトランスの二次出力は15VAC(1A)なので、ブリッジ整流して取り出せる電圧は15に√2を掛けて21VDCくらいだが、ブリッジダイオード二個分の電圧降下を考慮して1.4Vを引くと、非安定20VDCくらいになる。
これだと、安定化した+22VDCが得られないので、困った困ったこまどり姉妹。
アクティブフィルター回路電源を倍電圧整流回路で作る
そこでトロイダルトランスの二次電圧15VACを倍電圧整流する作戦で行く事にした。
トロイダルトランスのブリッジ整流回路の部分は以下の通り。
図 チャンネルフィルター兼プリアンプのトロイダルトランスとブリッジ整流回路の部分
上図では省略しているが、電解コンデンサの非安定20VDC出力は、自作の正負15VDC定電圧回路で安定化してチャンネルフィルター兼プリアンプ基板の電源としている。
また上図で、ダイオードなどの部品はLTspiceに偶々有ったデバイスを使っているので、実際に使うデバイスは上図とは型番が異なる。
Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源を倍電圧整流回路で作る(シミュレーション編)
ワテの場合、倍電圧整流回路を作るのは初めてだ。そんな回路が有るのは知っていたが、今まで必要としなかったからだ。
取り敢えずLTspiceで試してみた。
図 倍電圧整流回路と可変三端子レギュレータ回路を使って定電圧回路をシミュレート
上図において、V+とV-にはトロイダルトランスの二次側約±20VACがそれぞれ来る。
V+入力直後にあるC2、C1の二つの電解コンデンサと、D1とD6の二個のダイオードの部分が倍電圧整流回路だ。
LTspiceシミュレーション結果では倍電圧整流する事で+37VDCが得られるので、それをLM317可変三端子レギュレータを使って安定化して+22VDCを得る。出力電圧は、半固定抵抗で18~24VDCくらいの範囲を可変出来る設計だ。
一方、負電圧側はD9で半波整流して得られる非安定ー19VDCを負電圧版可変三端子レギュレータLM339を使って安定化ー7.9VDCを生成している。同じく半固定抵抗でー6.9~ー9.8VDCくらいの範囲を可変出来る予定だ。
なお、トロイダルトランスは巻線が独立した15VAC(1A)が二回路あるので、それぞれの回路をブリッジ整流しても良い。その場合は正電圧側はブリッジ整流に倍電圧整流回路と組み合わせる。負電圧側は単純にブリッジ整流する。現状では正負ともに半波整流なので、本当はブリッジ整流のほうが良いだろう。
でも、ワテの場合、トロイダルトランスの15VAC(1A)の二回路を直列に接続して配線を済ませているので、今からそれを分離して二つのブリッジ整流に変えるのも面倒なので、妥協して半波整流を採用したのだ。要するに手抜きと言うやつだ。
倍電圧整流回路に使った電解コンデンサC1、C2には1000μF50Vを使ったが、容量はこれくらいで良いのかどうか良く分かっていない。LTspiceシミュレーションではこれら電解コンデンサの容量を増やすと倍電圧整流出力(C1の+極)のリップルが低減したので本当はもう少し増やして手持ちにあった2700μFを使おうかなと思ったのだが、サイズが大き過ぎてシャーシに収まらないので断念した。
ぺるけさんのアクティブフィルター回路基板上にも1000μFの電解コンデンサを正負電源にそれぞれ一個ずつ搭載されているので、その前段にある定電圧回路にも少なくとも1000μFくらいを入れておけばまあいいのかな?いい事にしておこう。良く分かっていない。あかんがなw。
Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源を倍電圧整流回路で作る(製作編)
あとは、パーツボックスで発見したいつ買ったかも覚えていないタンタルコンデンサなど、どんどん使う事にした(下写真)。殆ど全てやっすいジャンク品だ。
写真 Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源(倍電圧整流回路)のパーツ(一部)
プリント基板は秋月電子で買った45x45x1.6両面スルーホール基板を使う(上写真)。
類似の基板は世の中に沢山あるが、この秋月製の基板はスルーホールが16行x16列あるのだ。
一方、類似の他社製の場合には、スルーホールが15行x15列のタイプが多い。例えばマザーツール ユニバーサル基板 UP-204GSRなど。
秋月のやつとこのマザツールのやつを比べると、秋月のやつはエッジが狭くて基板のエッジのギリギリまで穴が開いているのが分かるだろう。
些細な違いに見えるかも知れないが、小型基板に多数の部品を載せるには行と列がそれぞれ一つ多いだけで、実装作業の難易度に大きく影響するのだ。なので、ワテの場合は最近では専ら(もっぱら)秋月基板を使う。
45x45両面スルーホール基板に抵抗、コンデンサ、ダイオードなどを挿す
事前にノートに手書きして、ある程度は部品配置を検討しておいた。その検討結果と実物パーツの寸法を考慮して、秋月45ミリ角基板にパーツを挿し込んだ(下写真)。
写真 Bluetooth用アクティブフィルター回路用電源(倍電圧整流回路)のパーツ挿し込み
三端子レギュレータには最大でもせいぜい100mAくらいしか流れないと思うので、そんなに発熱しないと思うのでヒートシンクは無くても良いだろう。でも、もし必要になった場合も想定して、上写真のように背面を上向きに実装したので、小型ヒートシンクを張り付ける事が可能だ。完璧だw
この手の電子工作にはサンハヤト リードベンダー RB-5(部品のリード線簡易折り曲げ器)は必須のアイテムだ。
LM317をヒートシンク無しで使った場合に流せる最大電流を見積もる
まあ「せいぜい100mA」とか「そんなに発熱しないと思うので」とか、なんの理論にも基づかない素人丸出しの文章なので、ここは勉強も兼ねてLM317をヒートシンク無しで使った場合に流せる最大電流を計算で求めてみる。
頼るのはLM317のデータシートだ。
引用元 http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/lm117.pdf
このデータシートからヒートシンクの条件の部分を以下に引用する。
ヒートシンクの条件
LM317 は内部に過熱保護回路が内蔵されており、過剰な温度上昇からデバイスを保護します。 LM317 の動作可能な接合部温度範囲は 0~ 125℃です。個々のアプリケーション上の最大の消
費電力や周囲温度によってはデバイスにヒートシンクを取り付ける必要があります。ヒートシンクの取り付けの有無を決めるためには、まずレギュレータで消費される電力を算出します。PD = ((VIN - VOUT) × IL) + (VIN × IG) (3)
Figure 4 はデバイスに印加される電圧と電流の経路を示しています。
次に最大許容される温度上昇値 TR (MAX)を計算します。TR(MAX)=TJ(MAX)-TA(MAX) (4)
最大接合部温度 TJ(MAX) はデータシートより125℃、最大周囲温度TA(MAX)はそれぞれのアプリケーションごとに決定します。これらのTR(MAX)とPDの値を用いて接合部‐周囲温度間熱抵抗(θJA)が計算できます。
θJA = TR(MAX) / PD (5)
前提条件
Bluetoothレシーバー Version 3.0のアクティブフィルター回路はLTspiceシミュレーションでは、正負電源共に10mA弱の電流を消費する。IL=10mA
また、電流IGは同じくLTspiceシミュレーションでは、約5mAくらい流れる。
最大周囲温度 TA(MAX) =60℃ と仮定。
最大接合部温度 TJ(MAX) はデータシートより125℃
ヒートシンク無しの最大可能電流を計算してみる
レギュレータで消費される電力
PD = ((VIN - VOUT) × IL) + (VIN × IG) (3)
=((37 – 22)x 10 )+(37 x 5) mW
= 150+185 = 335 mW
最大許容される温度上昇値 TR (MAX)を計算
TR(MAX)=TJ(MAX) - TA(MAX) (4)
= 125 – 60 = 65 ℃
接合部‐周囲温度間熱抵抗(θJA)を計算
θJA = TR(MAX) / PD (5)
= 65℃/ 0.335 W = 194℃/W
一方、以下に示すデータシートでは、No Heat Sinkの場合のLM317のθJA = 50℃/W なので、194℃/Wなら余裕でヒートシンク無しで使えると言う事か?
じゃあ、ヒートシンク無しで流せる最大電流 IL を(3)(4)(5)式から逆算すると、
ヒートシンク無しの場合にレギュレータで消費できる最大電力
PD = TR(MAX) / θJA = 65[℃] / 50[℃/W] = 1.3 [W]
ヒートシンク無しで流せる最大電流
IL = ( PD – (VIN x IG) ) / ( VIN – VOUT ) = (1.3[W] – 37×0.005[W] ) / (37 – 22) [V]
= (1.3 – 0.185 ) / 15 = 74 [mA]
と言う計算結果になった。これは最大周囲温度60℃の場合なので、40℃くらいなら100mAは行ける。と言う事で、アクティブフィルター回路には10mA程度しか流さないので、ヒートシンク無しでもOKと言う結論になった。
負電圧版LM337の場合は、VIN = ー19V、VOUT = -7.9Vなので入出力電圧差は約11Vだから、正電圧版の入出力電圧差15Vよりも小さいので、たぶん100mAくらいまで流せるだろう。面倒なので計算していない(こういう手抜きが失敗の元だw)。
養生テープで部品を固定して抜け落ちないようにする
さて、部品配置が決まったので半田付け作業開始だ。
上写真のように養生テープを貼ると部品が抜け落ちないので作業し易い。
パーツのリード線を仮半田付けすると同時にリード線をカット
リード線は半田付けする前にカットしておくのが正統派半田付け作法だが、ワテの場合は適当だ。
なお、最近のワテは、部品のリード線を折り曲げてプリント基板上を這わせて配線する手法は極力使わない。なぜなら、もし部品故障や取り付け間違いなどで部品を取り外す時にやり辛いから。
男なら潔くパーツの足を短くカットすべきだ。女でも。LGBTの人でも。
ただし、短くカットし過ぎると、何だか深爪したような気持ちになり指先が痛い気分になる(ワテの場合)。なんでやねん?
配線は銅単線(Φ0.5ミリ)で行う
配線はもちろん高純度無酸素銅線で行うのがピュアオーディオマニヤの流儀だ。
ワテの場合は、ホームセンターで一巻き100円で買って来たやっすい銅単線Φ0.5ミリを使う。
プアオーディオマニヤでんがな。
銅単線を使うメリットは、以下の通り。
- 見た目が綺麗
- スズメッキ線、ハンダメッキ線、ポリウレタン線などに比べて半田の乗りが良い
- 銅色なので半田の乗り具合が一目瞭然で分かり易い(半田不良が見付け易い)
- 銅色なのでスズメッキ線、半田、パーツのリード線と見分け易い
などか。
完璧や!
ちなみに、上写真ではジャンパー線を二本使ってしまったので負けた気分だ。完敗だ。でも小型基板なのでまあ仕方ない。妥協も必要だ。
ワテお勧めのハンダ関連グッズ
銅線はハンダが乗り易いのでフラックスは滅多に使わないが一瓶持っておくと便利だ。
それと、古いパーツはリード線が酸化しているのでそのままでは半田が馴染みにくい。そのまま半田付けすると所謂芋ハンダになってしまい半田不良の原因になる。それを回避するために、ワテの場合は、事前に1500番くらいの耐水ペーパーで酸化したリード線を軽く磨いて光沢を出してから半田付けしている。こんな時にはフラックスも塗ると半田の乗りが良くなる。
なお、銅線を使うと酸化し易いので、半田付けが完了したら以下の三つの薬品を使ってプリント基板を防湿処理する。
ワテの場合は、まず無水エタノールを豆腐の容器に入れて使い古した歯ブラシに付けて基板を擦ってフラックスを除去する。
次に、念のためにフラックスリムーバーを使って同じく歯ブラシで擦ってクリーニングする。
最後に、goot防湿コーティング剤BS-C20Bを塗布して完了だ。瓶の蓋に刷毛が付いているので使い易い。お勧めの一品だ。
高密度にパーツを搭載した正負電源基板(アクティブフィルター回路用)
8割くらい完成した電源基板。
写真 正負電源基板(ぺるけ式Bluetoothレシーバーv3.0アクティブフィルター回路用)
上写真で、黄土色の抵抗と同じような形状のパーツはソリッドタンタルコンデンサ(1μF/35V)と言うやつだ。ヤフオクで買ってみた。性能などは良く知らない。何故か「ソリットタンタルコンデンサ」と言う名前で出品されているので検索し辛い。
また、エメラルドグリーンが美しいハーメチック型タンタルコンデンサ(47μF/35V)はパーツボックスで発見したやつなのだが、溜め込んでいても勿体ないので使ってみた。いつ買ったのか、どこで買ったのかも覚えていない。ただし値段は一個50円以下くらいだったと思う。それ以上だと多分買っていないので。
整流回路は、RSコンポーネンツで買ったVishayファストリカバリー整流ダイオード, 2A, 200Vと言うのを使ってみた。これは珍しく新品パーツだ(型番 UG2D-E3/54)。
ワテの場合、パーツを基板の格子に対して斜めに配置するのはあまり好きではないのだが(単なる見た目の理由で)、今回は妥協した。まあ、実際に斜めに載せてみると、高密度実装に貢献出来たし、四隅にあるネジ穴とも干渉しないので案外良い作戦だったと思う。なので今後は斜め配置も悪くは無いかな。
簡単に信念を曲げる軟弱なワテであるw
大型電解コンデンサ(倍電圧整流回路など)は基板裏側に取り付けた
さて、残る作業は倍電圧整流回路の大型電解コンデンサの取り付けだ。
上写真のように、プリント基板の半田面に1000μF/50Vのルビコン製電解コンデンサを半田付けした。最終的にはこれらの電解コンデンサはプリント基板背面に寝かせてコンパクトにして固定する(この後で紹介)。
取り敢えず動作確認する
部品の取り付けが完了したので、動作確認だ。
今回はタンタルコンデンサを四つ使ったが、タンタルコンデンサは逆電圧を印可すると一瞬でショートンモードで故障するので、極性間違いは十回くらい再確認した。
作成した電源回路への入力はトロイダルトランスの二次出力(AC15V,1Aが二回路)だ。
テストクリップを使って仮配線した。この手の作業をしていると、ちょっとした弾みで配線が外れたり、最悪、他の配線とショートするなどの事故が起こり易い。
なのでワテの場合には、上写真のように100均のハンドクランプ(大小)を使って、基板を挟んで重量を増して安定化させると同時に、配線がグラつかないように、小型クランプを使って固定している。何気無いテクニックだが、実験中の失敗を激減させる事が出来る。
上写真のような小型のテストクリップは赤、青、黒、黄、白、緑などを数本持っておくと電子工作がやり易い。
テイシンさんの製品はワテお勧めだ。
倍電圧整流回路の正常動作を確認出来た
半固定抵抗を回すと、設計通りに出力電圧を可変する事が出来た。
まずは上写真のように、正電圧出力を設計値の+22.0VDCにセットした。
なお、半固定抵抗のネジを右回り(時計回り)にすると、電圧が増えるように配線したはずだったのだが、逆になってしまった。まあいいわ。
同じく、負電圧側も正常動作を確認出来た。
こちらの場合も、半固定抵抗のツマミを左回り(半時計回り)にすると、出力電圧が下がるように配線したつもりだったのだが、逆の動作をしてしまった。まあいい。
ヒートシンクは取り敢えず付けない
先ほどの計算でヒートシンク無しで動く事が分ったのでヒートシンクは付けない。
もし必要なら小型ヒートシンクを貼り付けても良いし、単に見た目の観点でこんなヒートシンクを付けても良いかも。
銅好きには堪らないヒートシンクだw
絶縁対策
正常動作が確認出来たので、電解コンデンサを基板に寝かせる。
上写真のように、絶縁対策として養生テープを貼ってみた。でもこれだけだと薄いので、もう少し丈夫な絶縁素材を敷いてみた(下写真)。テフロン製の超高級絶縁シートだ。
と言うのは真っ赤な嘘で、豆腐の空容器だw
多分ポリエチレンだろう。
もちろん木綿豆腐の容器よりも絹ごし豆腐の容器を使うほうがキメ細かい繊細な音が出るのだ。
豆腐空容器をカットして両面テープで養生テープの上に貼り付けた(上写真)。
下写真は横から見た場合。
ホットメルト接着剤(ホットボンド)でコンデンサを固定
三つの電解コンデンサのリード線を折り曲げて豆腐容器シートの上に寝かせた。
あとは何らかの方法で電解コンデンサを固定したいのだが、テープなどだと基板の部品面にもテープを巻く事になるので見た目が悪い。
ここはホットボンドだ。
上写真のように、電解コンデンサの数箇所にホットボンドを垂らして固定した。
Bluetoothレシーバー用アクティブフィルター回路の電源基板完成
無事に完成したBluetoothレシーバー用アクティブフィルター回路の電源基板だ(下写真)。
今回初めて倍電圧整流回路と言うのを作ってみたが、ダイオード2個と電解コンデンサ2個だけで作れるので案外簡単だった。でもまあ、最終的にこの電源を使ってBluetoothレシーバー基板の音をアンプで鳴らした場合に、どんな音になるのか気になる。
ぺるけ式Bluetoothレシーバー Version3.0に対するぺるけさんのコメントは以下の通り。
差動1段の回路方式はUSB.DAC用のバッファアンプとして採用してから3代目にあたりますが、基本回路はそのままに初のアクティブフィルタを組み込んだ方式となりました。そこのところがどう変化するのかが気になるところでしたが、出来上がってみるとナチュラルでありながらワイドレンジ感のあるヌケの良い音に仕上がっています。
全く同じソースを使って、PC上のiTunes+USB-DACで再生した音と、iPhone側に移してiPhone+Bluetoothで再生した音とを区別することは難しいです。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm(下線はワテが引いた)
つまりまあ、ワテが普段聴いているPC版USB-DACと区別出来ないくらい良い音らしい。
ただしそれはぺるけさん純正回路の場合のなので、ワテ自作の倍電圧整流回路で鳴らすとどんな音になるのか?
期待が膨らむ。
早く聴いてみたいが、倍電圧整流回路の電解コンデンサが膨らんで爆発するかも知れない。
あかんがなw
Bluetoothレシーバー基板の改造作業を行う手順
ワテと同じようにぺるけ式のBluetoothレシーバー基板の改造を行う人は、事前にぺるけさんのサイトを訪問して関連記事を全部目を通しておくと良い。
上のページを開くと以下の記事がある。
- 市販レシーバーにLPFを追加して特性改善する 2019.3.17
- ネットで手に入れたレシーバー基板を実用レベルに改造する
- Bluetoothレシーバー 1.0 基本的な解説+シンプルに実用レベルをめざす 2019.4.15
- Bluetoothレシーバー Version2.0 Version1.0をグレードアップ 2019.4.15 / 2019.8.29 更新
- USB DAC+Bluetoothレシーバー Version 3.0(FET差動) 2019.5.29 / 2019.8.29
- USB DAC+Bluetoothレシーバー Version 4.0(12AX7差動) 2019.9.3 / 2019.9.17頓挫中
- Bluetooth用2.4GHzアンテナの工作 2019.3.31
今回ワテがやるのは、赤字で示したUSB DAC+Bluetoothレシーバー Version 3.0(FET差動)なのだ。
Bluetoothレシーバー基板はType1、Type2、第3番目個体などがある
ところが、それでもまだまだややこしいのだ。
その理由は、ネット通販で入手したBluetoothレシーバー基板が購入時期によって実装されている部品(抵抗、コンデンサ)の値が異なるバージョンが3種類あるのだ(2020年3月13現在)。
それらはぺるけさんによって
- Type1
- Type2
- Type1でもType2でも無い。コンデンサが10pF抵抗が10KΩ。
と区別されている。最後のやつはType3と呼ぶべきかな?
今回製作するBluetoothレシーバーVersion3.0はType2専用だ。ぺるけさんの記事の冒頭にも以下の注意書きがある。
ご注意:本記事はBluetooth基板「Type2」限定です。「Type1」には対応していません。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
その3番目のBluetooth基板の例をぺるけさんのサイトから写真を引用させて頂く。
写真 Type1でもType2でもないBluetoothレシーバー基板
さて、ワテが買ったBluetooth基板もこの第三のタイプだった。ここではType3と呼んでおこう。ただしぺるけさんのサイトではType3とは呼ばれていないので要注意だ。あくまでType1でもType2でも無い第三番目の個体と言う呼び方だ。以下にその部分を引用する。
補足情報(2019.9.5):
回路定数が異なる3番目の個体がみつかったという報告がありました。入力抵抗が8.2kΩから10kΩに変わり、負帰還抵抗47kΩと並列の82pFが10pFに変わったようです。この基板をそのまま下図のようにアレンジすると200kHで発振したので、82pF~100pFしたところ発振は収まったとのことです。この個体に当たってしまった場合、面実装の10pFを交換するのは困難なので82pF~100pFを空中配線で追加してください。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
Type3のBluetoothレシーバー基板の改良手順解説
ぺるけさんのサイトからType3のBluetoothレシーバー基板の改造手順の図を引用させて頂く。
図 Type3のBluetoothレシーバー基板の改造手順(黄色背景文字はワテが加えた)
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
さらに、ぺるけさんのサイトからType2、Type3基板の改造手順の説明文を以下に引用させて頂く。
<Bluetooth基板の改造>
ぺるけさんオリジナル |
ワテの場合 |
<手順1>出力抵抗2.2kΩを33Ωでバイパスさせます。 |
手順1 (左同)33Ω追加 |
注:左下の画像の470μF/16Vは省略します。 |
470uF電解コンを基板裏に追加 |
<手順2>負帰還抵抗47kΩと並列になる「1μF+4.7kΩ」を取り付けます。 |
手順2 (左同)1uF+4.7kΩ追加 |
<手順3>ライン入力RIN~GND~LIN間をショートさせます。 |
手順3 (左同)RIN, GND, LINを基板裏でショート |
<手順4>外部アンテナのためのバイパスを配線します(詳しい解説はこちら)。 |
手順4 バイパス配線はせずに、ジャンパー線を変更した |
<手順5>外部LEDへの線を引き出します。 |
手順5 (左同)LED電源をコネクタから延長しLED取り付ける予定 |
<手順6>Type3の場合は 82pF~100pF追加 |
手順6 68pFマイカコンデンサ追加 |
表 ぺるけさんによるType2(Type3も含む)基板の改造手順とワテが実際にやった手順
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
ワテの場合、Bluetoothレシーバー V1.0やV2.0の記事も読んでいたのだが、逆に混乱してしまって、V1.0やV2.0では追加されたがV3.0では省略されている470μF/16V電解コンデンサをレシーバー基板裏側に取り付けてしまった。
まあ、省略可能だから、付けても問題が有る訳ではないと思うので、そのまま付けておく事にした。
それ以外の手順は、ぺるけさんオリジナル記事と同じだ。ただし外部アンテナ接続の部分も事情が有ってワテ独自の手法を使った(後述)。
Bluetoothレシーバー基板のぺるけさんによる改造例
では、ぺるけさん自身によるBluetoothレシーバー基板Type2の改造例を見てみよう。ぺるけさんのサイトから写真を引用させて頂く。
写真 ぺるけさん自身によるBluetoothレシーバー基板(Type2)の改造例
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
まずは、上写真左のように<手順1>出力抵抗2.2kΩを33Ωでバイパスさせる。左右チャンネルあるので二個の抵抗を取り付ける。470uFは省略可能だがワテはうっかりして付けてしまった。
次に上写真右のように、<手順2>負帰還抵抗47kΩと並列になる「1μF+4.7kΩ」を取り付けます。
積層セラミックコンデンサは不可でフィルムコンデンサが推奨されている。
下写真左は<手順1>と<手順2>に加えて<手順3>ライン入力RIN~GND~LIN間をショート、<手順5>外部LEDへの線を引き出しも完了している。
写真 ぺるけさん自身によるBluetoothレシーバー基板(Type2)の改造例
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
上写真右は、<手順4>外部アンテナのためのバイパス配線が完了している完成形だ。
なお、ワテの場合には、下写真のように基板裏には省略可能なルビコン470uF/25Vを付けてしまったが、上写真右のぺるけさん作例で示されている部品面にある220μF/16Vを470μF/16Vへの交換作業は行っていない。まあ、やっても良かったが面倒なのでやめた。それに省略可能となっているので。
ワテのBluetoothレシーバー基板Type3の改造結果
写真 ワテのBluetoothレシーバー基板Type3の改造結果
上写真では<手順3>ライン入力RIN~GND~LIN間をショートは見えづらいが済ませている。一方、<手順5>外部LEDへの線を引き出し作業はまだやっていない。
熱収縮チューブを被せると安心だ。
熱収縮チューブは Φ1~Φ10くらいのサイズを各数本買っておくと電子工作が楽しくなる。見た目の仕上がりが綺麗になるので。
ワテの場合、1μFのフィルムコンデンサは秋月電子通商で買った以下の製品を使ってみた。
メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー1μF100V[105]積層・無誘導
[TS03Q02A105JSB0B0R]
通販コード P-09792
発売日 2015/11/23
メーカーカテゴリ SUNTAN TECHNOLOGY CO LTD
積層フィルムコンデンサ 無誘導タイプ・許容誤差:±5%
・使用温度範囲:-55~+85℃1個 ¥40(税込)
引用元 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-09792/
香港にあるコンデンサの会社だ。
下写真のように、養生テープを貼っておいた。
ほぼ完了した。
外部アンテナ端子を有効化する(ぺるけさんのオリジナル方式)
残る作業は、
<手順4>外部アンテナのためのバイパスを配線します(詳しい解説はこちら)。
なのだが、ぺるけさんの作業例写真を以下に引用させて頂く。
写真 ぺるけさんによるBluetoothレシーバー基板Type2の外部アンテナ配線を有効化する改造例
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/bt-ant.htm
ぺるけさんのオリジナル改造記事では、上写真のように細い電線を半田付けして外部アンテナから来た信号をBluetooth用集積回路CSRA6125へ取り込めるようにしている。
この場合、上写真にあるウミヘビみたいに波打っている配線パターンはプリント基板に形成されたアンテナなのだが、その基板アンテナと外部アンテナから来る電極を接続する事によって、基板アンテナと外部アンテナが並列に接続されている状態だ。
ぺるけさんのオリジナルな改造はそのようにやっている。
超小型のジャンパー部品をウッカリして外してしまった
でも、本来は下写真の中央にある1ミリほどの黒い長方形のジャンパー部品(抵抗0のチップ抵抗)を右に一個ずらして半田付けすれば、Bluetooth用集積回路CSRA6125と基板アンテナが切り離されて外部アンテナがCSRA6125に接続出来るのだ。
ぺるけさんの解説記事にも説明されている。
外部アンテナを使う場合は、この黒い小さな部品を右側にずらして付け変えてやればいいのですが、あまりに小さくて普通のハンダ作業ではとうてい不可能です。そこで右上の画像の青い線のように、内蔵アンテナと外部アンテナへの経路の途中の部分を細い線材で斜めにつないごうというわけです。
下の2つの画像は実際に加工をやってみてうまくいった時のものです。細かい作業なので、撚り線の心線を2本引き出して捻って使いました。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/bt-ant.htm
たしかに物凄く小さい。
そこでワテもぺるけさん方式に従って細い電線を半田付けする改造をする事にしたのだが、外部アンテナから来る電極の辺りを半田吸い取り線で少し綺麗にしておこうと思って半田吸い取り線を当てて半田ゴテで熱したところ、この芥子粒(けしつぶ)ほどの黒い部品がどこかに行ってしまった!
あかんがな。
あれ~?
どこ行ったんや?
と探したら、半田吸い取り線に絡まっていた。
取れてしまったw
やってしもた。
取れたものは仕方がない。
超小型のジャンパー部品を右にずらして外部アンテナ有効化成功
まあ、こんな小さな部品を半田付け出来るかどうか分からない。ぺるけさんですら「あまりに小さくて普通のハンダ作業ではとうてい不可能です。」とのコメントだ。
で、どうなったかと言うと下写真の通り。
写真 超小型のジャンパー部品を右にずらして半田付けに成功した(内部アンテナ切り離して外部アンテナ有効化)
不可能を可能にするワレコだ。
ちなみにワテが使ってる半田ゴテは25Wのこんなやつ(下写真)。もう15年くらい使っている。コテ先は一度も交換した事が無い。
写真 ワテが使っている25W半田ゴテ
上写真は半田ゴテの先端が酸化膜で汚いが、一ケ月ほど前に購入した白光のコテ先クリーナーを使って清掃したら物凄く綺麗になり、それを半田メッキして現在では新品同様のコテ先になっている。
でもぶっとい。こんな25W半田ゴテで芥子粒(けしつぶ)ほどのチップ抵抗を半田付け出来るのか?
ちなみにワテが半田付けしたチップ部品のサイズは、恐らく1005辺りのサイズだと思う。
長さ[mm] | 幅[mm] | JIS(mm表記) | EIA(インチ表記) | チップ抵抗の定格電力[W] |
0.4 | 0.2 | 0402 | 01005 | 0.031 (1/32) |
0.6 | 0.3 | 0603 | 0201 | 0.05 (1/20) |
1.0 | 0.5 | 1005 | 0402 | 0.063 (1/16) |
1.6 | 0.8 | 1608 | 0603 | 0.1 (1/10) |
2.0 | 1.25 | 2012 | 0805 | 0.125 (1/8) |
3.2 | 1.6 | 3216 | 1206 | 0.25 (1/4) |
3.2 | 2.5 | 3225 | 1210 | 0.25 (1/4) |
5.0 | 2.5 | 5025 | 2010 | 0.5 (1/2) |
6.4 | 3.2 | 6432 | 2512 | 1 |
表 チップ抵抗器 サイズや定格電力のまとめ
引用元 https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/resistors/r_what6
引用元 https://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/43.html
まあ兎に角、不可能を可能にするワテだ。
半田付け名人、いや迷人と呼んでくれw
10pFに並列にコンデンサ追加の理由
さて、ワテが2019年10月頃にアマゾンで買ったBluetoothレシーバー基板はType1でもType2でもない。ここではType3と勝手に呼んでいる。
Type2基板の場合には、NE5532A二回路入りオペアンプの負帰還抵抗47kΩと並列に82pFが入っていたが、Type3基板の場合には82pFが10pFに変わったらしいのだ。
上で一度引用したが、再度引用させて頂く。
補足情報(2019.9.5):
回路定数が異なる3番目の個体がみつかったという報告がありました。入力抵抗が8.2kΩから10kΩに変わり、負帰還抵抗47kΩと並列の82pFが10pFに変わったようです。この基板をそのまま下図のようにアレンジすると200kHで発振したので、82pF~100pFしたところ発振は収まったとのことです。この個体に当たってしまった場合、面実装の10pFを交換するのは困難なので82pF~100pFを空中配線で追加してください。
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
ワテが買ったBluetoothレシーバー基板は、基板上のチップ抵抗は値が印字されているので読めるのだが、チップコンデンサは値が書いていないので分からない。でも、入力抵抗が8.2kΩから10kΩに変っているのは実体顕微鏡で確認できたので、負帰還抵抗47kΩと並列の82pFコンデンサも恐らく10pFに変っていると推測される。つまりワテの基板もType3基板だと思われるのだ。
なので、ぺるけさんの記事に従って82pF~100pFを空中配線で追加する事にした。
ただし、手持ちには82pF~100pFのコンデンサが無い。
パーツボックスで見付けたのは、68pFのマイカコンデンサ。少し容量が足りないがまあ取り付けてみる。
まあいいか、と言う事だ。(ここ少し笑うところ)
でも、万一発振などの問題が生じた場合には、68pFを取り外して82pFなどに交換する必要がある。
そこでメンテナンス性を考慮して、68pFマイカコンデンサの取り付け方法を工夫した。
ダブルICソケット方式でメンテナンス性を向上させる
まず、NE5532A二回路入りバイポーラ入力オペアンプをICソケットから引き抜いた(下写真)。
写真 NE5532A二回路入りバイポーラ入力オペアンプをICソケットから引き抜いた
ワテの場合、ICの引き抜きは不得意だ。ほぼ毎回ICの足を曲げてしまう。まあ、オペアンプをとっかえひっかえして音質の違いを楽しむ人も多いようだが、ワテの場合にはそう言う趣味は無いので足が曲がっても直せばいいわと言う感じ。
でも、何度もとっかえひっかえする人は、足が曲がると仕舞には足が千切れてしまうだろう。そこで市販のIC引き抜き工具を調べてみた。
表 主なIC引き抜き工具の紹介とワテのコメント
まあ、兎に角、道具が有っても使い方が下手だと必ず失敗する。なので、慎重に真っ直ぐ垂直に引っ張り上げるコツを掴むことが重要だ。
さて、IC引き抜き工具紹介コーナーを終わって、本題に戻ろう。
先ほど引用した改造手順の図面を再び引用する。
図 Type3のBluetoothレシーバー基板の改造手順(黄色背景文字はワテが加えた)
引用元 http://www.op316.com/tubes/lpcd/dac-bt-v3.htm
上図の100pFのコンデンサで示した部分に、手持ちの68pFマイカコンデンサを取り付けるのだ。
つまりまあ、NE5532の1-2ピン間、7-6ピン間に追加のコンデンサを付ければ良いのだ。
引用元 https://www.onsemi.cn/PowerSolutions/document/NE5532-D.PDF
なので、ICソケットを一個用意して、そのICソケットの足にコンデンサを追加する作戦で行く。
2回路入HiFiオペアンプ NE5532P
[NE5532P]
メーカーカテゴリ Texas Instruments (TI) (Burr Brown (BB) / National Semiconductor (NS))
テキサスインスツルメンツ(TI)の低雑音オーディオ用オペアンプです。■主な仕様
・入力構造:バイポーラ
・特長:汎用
・回路数:2回路
・電源:両電源
・動作電圧:±5~±15V
・出力方式:プッシュプル
・電圧利得:100dB
・スルーレート:9V/us
・利得帯域幅積(GB積):10MHz
・実装タイプ:スルーホール
・ピン数:8
・パッケージ:DIP8
引用元 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-12355/
ICソケットにマイカコンデンサ68pFを半田付けする
丸ピンタイプのDIP8のICソケットの1-2ピン間に68pFマイカコンデンサを半田付けしている様子を下写真に示す。
写真 DIP8のICソケットの1-2ピン間に68pFマイカコンデンサを半田付けする
同様に、7-6ピン間にも68pFマイカコンデンサを半田付けした(下写真)。
写真 7-6ピン間にも68pFマイカコンデンサを半田付けした
二つの68pFマイカコンデンサを半田付けしたICソケット(下写真)。
写真 二つの68pFマイカコンデンサを半田付けしたICソケット
このICソケットにNE5532Pオペアンプを挿す(下写真)。
写真 発振防止の68pFマイカコンデンサを半田付けしたICソケットにオペアンプを挿した
このICソケットを下写真のようにBluetooth基板のICソケットに差し込んだ。
写真 ICソケット二段重ねにしたので必要ならいつでも引き抜いてコンデンサ容量を変更出来る
ICソケットを二段重ねにしたメリットとしては、Bluetooth基板をシャーシから取り外す事無く、簡単にコンデンサ容量を変更出来るのだ。
なので、実際に使ってみて何か問題が出た場合には、メンテナンスがやり易い。完璧や!
注意事項としては、ICソケットの近くにある赤いWIMAコンデンサ1μFにマイカコンデンサが当たるので、マイカコンデンサを半田付けする時にそれを考慮して作業する事。
これで無事にBluetoothレシーバー基板(Type3)の改造作業が完了した。
Bluetoothレシーバー基板とアクティブフィルター回路の電源基板をシャーシに取り付ける
上で作成したアクティブフィルター回路の電源基板と今完成した改造Bluetoothレシーバー基板をタカチシャーシに取り付ける。
トロイダルトランスからアクティブフィルター回路電源基板への配線
トロイダルトランスの二次電圧15VAC(1A)x2をアクティブフィルター回路の電源基板に配線した(下写真)。
写真 トロイダルトランスの二次電圧15VAC(1A)x2をアクティブフィルター回路の電源基板に配線
ワテの場合、半田付けしたあとは必ず熱収縮チューブを被せておく。ビニルテープなどはべと付くので一切使わない。
熱収縮チューブの収縮は半田ゴテの先っちょを当ててジワジワと収縮させるのだが、今回は100円ライターで炙った(下写真)。
写真 100円ライターで炙ったら一気に収縮し過ぎた熱収縮チューブ
その結果、一気に収縮してしまった。あまりに高温で収縮させると熱収縮チューブが破れそうになる場合があるので要注意だ。まあ、少し分厚めの熱収縮チューブなので大丈夫だろう。
小型のヒートガンを一個買うかな。安いし。
アクティブフィルター回路の電源基板をシャーシに固定する
プリント基板の固定にはL型金具(写真右)を折り曲げた物(写真左)を使う。
写真 プリント基板固定するためにL型金具(写真右)を折り曲げた(写真左)
この金具と、既にシャーシに取り付けている六角軸ネジ型スペーサーを使って下写真のようにアクティブフィルター回路電源基板をシャーシに固定した。
写真 六角軸ネジ型スペーサーとL型金具でアクティブフィルター回路電源基板をシャーシに固定
上写真のように、L型金具一個だけで45x45基板を固定している。まあ振動に弱いので、必要ならもう一箇所くらい固定する予定だ。
Bluetoothレシーバー基板をシャーシに取り付け
Bluetoothレシーバー基板もシャーシに固定する。まずは電源の配線作業だ。
+15VDC電源を配線する
Bluetoothレシーバー基板への電源供給は、プリアンプ基板用に作った15VDC安定化電源出力を使う。
Bluetoothレシーバー基板に付属しているDC電源用赤黒ケーブル(10cmくらい、コネクタ付き)を使って、下写真のように、まずは黒いアース線を定電圧回路のアース端子に半田付けする。
写真 リード線を半田付けする時に手が二本では足りないのでワテ自作お助け冶具を使う
このお助け孫の手冶具の製作過程はこの記事で紹介している。
上手い具合に半田付けが成功した(下写真)。
同様に+15VDC電源出力にBluetooth基板の赤色リード線を半田付けする(下写真)。
写真 上手な半田付けのコツは対象物をしっかりと固定する事
ここでもお助け孫の手を使った。あるいはお助け猫の手と呼んでも良い。にゃー
半田付け作業では、このようにしっかりとリード線を固定する事で、二本の手が自由になる。
その結果、左手にはΦ0.6ミリ糸半田、右手には25W半田ゴテを持って楽々と作業が出来るので、短時間で失敗のない半田付け作業が出来るのだ。完璧や。
Bluetoothレシーバー基板の取り付け完了
下写真のようにBluetoothレシーバー基板のDC電源供給端子に先ほど半田付けした電線のコネクタを挿して完了。
Bluetoothレシーバー基板は、六角軸タイプのスペーサーを使ってシャーシに固定している。
写真 Bluetoothレシーバー基板は、六角軸タイプのスペーサーを使ってシャーシに固定
Bluetoothレシーバー基板の場合には、ネジ一箇所だけの固定だと安定性が悪いので、下写真のように対角線側にあるネジ穴も使って固定している。白い樹脂製のプラスネジで止めている。
写真 Bluetoothレシーバー基板の二箇所のネジ穴を固定した
ここで使ったのは、ワテお勧めのタカチ貼り付けボスだ。
上写真のBluetoothレシーバー基板の右上のネジ穴の下にこのタカチ電機工業貼り付けボスT-600を一個貼り付けていて、M3樹脂ネジで基板を固定している。
樹脂ネジを使う理由はショート防止だ。
と言う事で、ほぼ完成したカーオーディオ用のチャンネルフィルター兼プリアンプ(Bluetoothレシーバー内蔵型)の全体写真を紹介しよう。
あとは、Bluetoothレシーバー基板出力に繋ぐアクティブフィルター回路の製作だけだ。
部品は揃っているので、近日中に製作したいと思っている。
Bluetoothの動作確認
取り敢えずBluetoothレシーバー基板の動作確認をしておく。
外部アンテナを接続して動作確認
下写真のように外部アンテナを基板に接続した。
写真 Bluetooth外部アンテナを接続して動作確認を行う
ペアリング成功
次に、ワテが持っているタブレット(アマゾン Fire7)のBluetooth設定画面を見ると、BT-AUDIOと言うデバイスがリストに表示されている。
数秒後に自動で接続に成功した。
写真 Bluetoothレシーバー基板が正常動作している場合には基板上の青色LEDが点灯するようだ
なお、数メートルくらいの距離なら外部アンテナを接続しなくてもタブレット端末とBluetoothレシーバー基板はペアリングに成功した。
ワテの場合には、上でも紹介したように内蔵アンテナを切り離しているので、つまり、全くアンテナが無い場合でも近距離ならBluetooh通信は出来るようだ。ただし、数分程度の接続実験だけであり、長時間音楽を再生して通信が途切れないなどを確認した訳ではない。その辺りは次回の記事でテストしたい。
写真 Bluetoothレシーバー基板の青色LED点灯(拡大写真)
アマゾンfire7タブレットとBluetoothレシーバー基板が無事に接続出来た(下写真)。
写真 アマゾンfire7タブレットでBluetoothレシーバー基板に接続した例
まとめ
ダイハツ工業のハイゼットカーゴデラックスに搭載する為に自作しているワテのカーオーディオシステムであるが、ぺるけさんの記事を参考にBluetoothレシーバー基板(Type3)を改造した。
また、Bluetoothレシーバー基板出力を入れる予定のアクティブフィルター回路(次回記事で紹介予定)の正負電源回路(+22/-7.9DCV)をワテ独自設計で自作した。具体的には正電圧側は倍電圧整流回路を使って生成した。電源の安定化は、正負共に可変三端子レギュレータ(LM317とLM337)を使っている。
無事にBluetoothレシーバー基板とタブレット端末とのペアリングにも成功した。
残すはアクティブフィルター回路の製作だ。
それが完成したら、ワテ自作のカーオーディオシステムが完成するので、自動車に取り付ける作業を行う。順調に行けば三月中には完成すると思う。
コロナウイルスで観光客が激減している今こそ、京都、大阪などの観光地に行くチャンスかも知れない。世界に広がりWHOにパンデミック宣言をされたコロナウイルスがいつ終息するのか分からない。
まあ、2020年中は無理かも知れないが来年辺りは終息に向かっているのでは無いだろうか。
と言う事は恐らくワテの予想では東京オリンピックは一年あるいは二年延期だろう。安全性を考えれば中止するのが最も良い決断だが、様々な組織や団体の利害関係が絡む東京五輪を簡単には中止できないだろう。
と言う訳で、カーオーディオシステムが完成したら、暇を見付けて車中泊の旅に出掛けて静かな観光地を巡りたい。
続編記事
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