写真 自撮りした後で、iPhoneにLM3886アンプを組み込む予定の電気女子。ほんまかいな⁉
さて、全国数万人のオーディオ自作マニヤ注目のLM3886を4個使ったカーオーディオ用パワーアンプ製作プロジェクトであるが、今回は第四回目記事だ。
今回の記事では、以下の作業過程を紹介したい。
- 電源の製作
- ヒートシンク製作と取り付け
- 信号線の配線(入力、出力)
- 音出し確認
結論としては、いい感じでLM3886x4パワーアンプがほぼ完成したぞ。
前回までの記事はこの辺りを参考にして頂きたい。
では、本題に入ろう。
電源回路を製作する
トロイダルトランスは二次側が22-0-22(3.6A)だ。それをブリッジ整流するので、√2倍すると±31Vくらいの電圧が生成される。
その整流に使うのは秋月電子で売っているやっすい電解コンデンサだ(下図)。
日本ケミコン製50V3300uF(105℃)を8個使う。
固定方法は、アルミテープで貼り付けることにした。
まずは、下写真のように8個の電解コンデンサを4個ずつ二列にまとめた。
これをタカチシャーシに取り付けた。
固定方法は、同じくアルミテープだ。今回はアルミテープが大活躍。
まあネジ止めする為にはシャーシに穴開け加工が必要だが、アルミテープなら貼るだけで良いし、あとから剥がして位置を変える事も出来る。実際に貼って見ると物凄くしっかりと固定出来る。
皆さんにもお勧めしたい手軽で便利なアルミテープ。自作オーディオの世界に革命を起こす可能性を感じるアルミテープだ。ほんまかいな。
ブリッジダイオードを自作する
パーツボックスを漁ったら富士電機製のカソードコモンタイプのダイオードが数個あった。
型番 ESAC92M-02 平均整流電流 10A ピーク繰り返し逆電圧 200V パッケージ TO-220F15 接点極数 3 最大非繰り返しサージ電流 50A 回路構成 Dual Common Cathode 製造元 富士電機株式会社 (Fuji Electric)
と言うやつだ。 200V10Aで使える。
確か、どこかのジャンク屋で一個10円くらいで買ったやつだ。
引用元 富士電機
2素子入りのカソ-ドコモンタイプで、低損失超高速ダイオードと言うらしい。
逆回復時間(Reverse Recovery Time) 35ns 順電圧(Forward Voltage Drop) 0.95V
ワテの場合、ダイオードには詳しくない。
新電元工業さんのサイトに「ファストリカバリダイオード(FRD)とは」と言うページを見付けたので一部を引用させて頂く。
ファストリカバリダイオード(FRD)とは
pn接合によるダイオードに、逆回復時間(trr)を小さくするための対策を施したダイオードで、高速ダイオードとも呼びます。
スイッチング電源などで用いる数十kHzや数百kHzなどの高周波を整流することを目的として作られたもので、一般整流ダイオードに比べてtrrが2~3桁小さくなっています。代表的な特性
- 耐圧(VRM) 600V,800V,1000Vなど高耐圧
- 順電圧(VF) 1.3V~3.6V程度
- 逆電流(IR) 数µA~数十µAと非常に小さい
- 逆回復時間(trr) 数十nS~100nS程度
- 用途 高圧のスイッチング回路(PFCなど)の整流など
逆回復時間を小さくするほどVFは大きくなってしまうので、用途によって最適なタイプを使い分ける必要があります。
引用元 https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/diodes/frd.html
末尾にある「逆回復時間を小さくするほどVFは大きくなってしまう」理由はワテは知らない。あかんがな。勉強しなくてはw
いずれにしても、今回使う富士電機のESAC92M-02と言うダイオードは逆回復時間35nsと超高速だが、それにもかかわらず順電圧0.95Vなので低いという事か。少しは分った。
さて、そのESAC92M-02を三つM3ネジで連結して下写真のようにL型金具でシャーシに固定した。フルモールドパッケージなので扱い易い。
写真 ESAC92M-02を三つ使ったブリッジ整流回路を配線する前の写真
さて、普通のダイオードを四つ使えばブリッジ整流回路を組む事が出来る(下図左)。
でもESAC92M-02はカソードコモンなので、三つを使って下図右のように配線してブリッジ整流回路を組んでみた。
図 カソードコモンタイプのダイオードを三つ使ってブリッジ整流回路を組む
上図右において、灰色の二個のダイオードは未使用だ。
カソードコモンタイプのダイオードを3つ使ってこのようなブリッジ整流回路を組むのは初めての経験だが、三つをネジで固定するとコンパクトに収まるので意外にいいアイデアかもしれない。
パーツボックスには、似た様なカソードコモンタイプのダイオードが多数あるので、今後はこんな風にブリッジ整流回路を組む事にしたい。
ヒートシンクを改良した
さて、前回までの記事で紹介したLM3886を4基取り付けるヒートシンクであるが、その時にはアラルダイトで接着するという安易な組み立て方をしていた。
でも、それは中止してネジ止めに改良した(下写真)。
写真 アルミアングルなどで組んだLM3886用ヒートシンク(ネジ止めなので分解可能)
接着剤方式を中止した理由は、衝撃を与えたら簡単に剥がれてしまったから。アラルダイトのようなエポキシ系接着剤でアルミ素材を貼り合わせても接着力は弱いようだ。事前にアルミ表面を紙ヤスリなどで磨く処理もしていなかったので、アルミアングルのツルツルした平坦な表面だったからよけいに接着剤がはがれ易かったのだろう。
剥がした痕に残っているアラルダイトはヘアードライヤーで温めるとペリペリと簡単に剥がす事が出来た。
その後は、ボール盤を使ってネジ穴を開けた。また帯鋸を使って側面の二本のアルミアングルの数箇所を切り取った。
込み入った場所にネジのナットを付ける作業(ワテ流)
例えば下写真のような狭い場所にネジをナットで止めたい。
これくらいならまだ指が入るが、もっと込み入った狭い場所だと指が入らないので作業が困難だ。
そんな時には、ワテはピンセットを使ってナットを固定するテクニックを使っている。
まずは下写真のようにピンセットをM3ナットの穴に入れる。
その状態で、M3ネジにナットを締め込む。つまりピンセットをドライバーのように使うのだ。
この方法のコツとしては、ピンセットをナットに深く挿し込むのでは無くて浅めに挿す事。
そうすると、ナットの下部がネジに食い込む事が出来るので。
あるいはピンセットの代わりに、50ミリなどの長めの別のM3ネジをナットの半分くらいまでねじ込んで、その状態で目的のネジの上に持って行ってナットを締めるなどのテクニックも使う(下写真)。
写真 長めのM3ネジにナットを半分までねじ込んで、それを目的のM3ネジに移動する作戦
なお、個人情報保護の目的でワテの指先の指紋などを桃色に塗り潰している。
まあ、ワテの場合、どんなに込み入った場所にでもネジやナットを取り付ける事が出来る。神の手を持つと言われているワテだ。電子工作界のマラドーナと呼ばれているのだ。ほんまかいな。
本当はこんな便利ツールが有れば良いのだが。
まあ、神の手を持つワテなので、この手の便利ツールは無くても大丈夫だ。
下写真のように、ネジ止め式にしたヒートシンクを組み立てた。
適度に隙間を開けて放熱効果を高めているのだ。加工精度が悪いので単に隙間が開いたのでは無い。
小さなプリント基板を半田付けする場合には、下写真のように洗濯バサミタイプのハンドクランプで周辺を挟んでやると安定する。
ワテの場合、上写真のようなハンドクランプは作業台の辺りに大小サイズ数個を常備している。
アンプユニットに電源ラインを配線する
さて、四つのLM3886アンプ基板は+31V、GND、-31Vの三本の電源線を接続する。
それを下写真のように銅単線を使って配線した。
写真 三本の電源ラインを四つの基板に最短距離で配線した(素晴らしい!)
100均で買った銅線(銅針金)を三本用意する。そこに絶縁耐熱ガラスチューブを被せて絶縁対策した。
四つのLM3886基板を垂直に配置した理由の一つに、上写真のように電源ラインを配線する事によって最短距離で電源を供給できると睨んだ(にらんだ)のだ。実際に配線してみると、完璧なくらいにスッキリと配線する事が出来た。LM3886アンプ製作手法に革命を起こすワテの配線技術だ。ほんまかいな。
ちなみにヒートシンクの裏側はM3皿ネジをザグリ加工して埋め込んでいるので平坦だ(下写真)。
上写真のヒートシンクはタカチシャーシの底板の上に載せる事によってシャーシ底板もヒートシンクの一部として使う事が出来る。
完成したLM3886 x4台のアンプユニット(下写真)。
写真 物凄くコンパクトに仕上がったLM3886x4台のアンプユニット
どう!いい感じにコンパクトに収まっているでしょ!
そして、電源の配線も最短距離で美しい。まるで、電柱の電線のような平行配線だ。
銅管をヒートシンクに利用する
さて、LM3886に必要なヒートシンクの熱抵抗は前々回の記事でLM3886一台当たり1.1℃/Wくらいが必要との計算だった。まあこの値はかなり余裕を見た値であるが、いずれにしてもある程度の大きさのヒートシンクを付けないとLM3886が発熱で故障するなどの恐れがある。
例えば上の製品だと熱抵抗は1.9℃/Wだ。
表面処理: 黒アルマイト付き
熱抵抗: 約1.9℃/W
このサイズでも熱抵抗は1.9℃/Wなので、目標とする1.1℃/Wの熱抵抗を目指すならもっと大きなヒートシンクが必要になる。
現状では、アルミアングルを組み合わせた程度なので、大きさ的には全然足りていない。
で、何か良い方法が無いかなあと思って、工作室やジャンク品を貯め込んでいるパーツボックスを漁って(あさって)いたら、どこかで入手した銅管を見付けた。
外径約19ミリ、厚さ1.5ミリで長さ数十センチの銅管が数本見つかった。それをパイプカッターで切断してヒートシンク代わりに使う事にした。
銅管は少し汚れていたのでピカールで磨くと光沢が蘇った。
それを結束バンドでアルミヒートシンクの側面に固定した。
分厚い銅管をトロイダルトランスとアンプ基板の間に入れる事によって、トランスの漏洩磁束による影響からアンプ基板をシールドする効果も期待できる。ほんまかいな。
まあ、それは良く分からないが、高級オーディオ機器の場合、純銅製シャーシとか純銅製トランスケースなども使われるので、銅パイプを使うアイデアも悪くは無い。それに銅の鮮やかな黄茶色は見ていても美しいので、気分的にも高揚感が高まり良い音がする事が期待できる。まさにフラシーボ効果みたいなもんか?まあオーディオはオカルトだから自己満足だと言われても自分が良いと思えばそれで良いのだ。
なお、上写真や下写真を見ると分かると思うが、二本の銅管の間に灰色のゴム状の素材が見えているだろう。これは熱伝導率の良いゴム素材だ。もちろんジャンク屋の店頭で見付けたやつだ。
熱伝導が良いので、ゴムを手で触っただけで冷たく感じる。体温が吸収されるのだろう。
写真ではゴムの端っこしか見えていないが、銅管に沿って十数センチくらいの長さでゴムを入れている。
アルミと銅管でこのゴム素材を挟み込む事で、それらが密着するから放熱の効率が高まる事を期待して入れたのだ。DIYにもかかわらずハイテク素材を活用しているワレコ式パワーアンプ。
もしこれでも足りない場合には、銅管の横に小型ファンを取り付けて強制空冷するなどの案も検討中だ。
その場合にはシャーシの二枚の側板には、パイプが来る辺りに通風孔の小穴を数個、ボール盤で開ける予定だ。一般に自然空冷式アンプの場合には、天板や底板に多数の穴を開けるが、ワテの銅管と小型DCファンによる冷却方式では、少しの加工で済む利点がある。
ワテのパワーアンプのシャーシは、そこまで入念にパーツの配置を考慮して設計されているのだ。
ほんまかいなw。行き当たりばったりにも程がある。
LM3886アンプユニットをシャーシに取り付ける
さて、いよいよLM3886アンプユニットをタカチシャーシに取り付けて配線する作業だ。
電解コンデンサの配線、ブリッジダイオードの配線などは事前に済ませている。
また、トランスの上にある横長基板は突入電流防止回路だが、正常に動作する事も確認済だ。
ちなみに当アンプには電源スイッチは付けていない。
下写真でトランスの右上にあるメタルクラッド抵抗が突入電流防止回路に使っている電流制限抵抗だ。さらに念のために温度ヒューズ(109℃)をそのメタルクラッド抵抗の上にテフロンテープで貼り付けている。
これは、もし突入電流防止回路が正常に動作せずにメタルクラッド抵抗が猛烈に発熱した場合の対策なのだが、温度ヒューズなんて使うのは初めてなので上手く動くかどうかは未確認だ。まあどうにかなるだろうwww
タカチシャーシにアンプユニットを載せて固定した(下写真)。
固定は、アルミテープだw
上写真のように、アンプユニットの上下二カ所をアルミテープで貼った。今回、アルミテープを多用しているが、ネジ止めに匹敵するくらい強固に固定できるぞ。
熱で粘着物質が溶けて剥がれる可能性があるのが唯一の懸案事項であるが、ワテの直感ではまあ大丈夫だろうと思う。根拠は無いが自信はある。なんのこっちゃ!
ショートしそうな場所の絶縁対策
コンパクトなタカチのアルミサッシケース OS49-26-23BBに詰め込んだので電気的にショートする危険性がある箇所が幾つかある。
そこで、養生テープやテフロンテープを重ねて貼って絶縁対策を施した。
写真 ブリッジダイオードの配線がヒートシンク銅管に接触しそうなので絶縁対策した
もう一箇所は下写真に示すが、ヒューズホルダーの電極がアルミヒートシンクに接触しそうなので、そこも養生テープとテフロンテープで絶縁対策をした。
ちなみに、ワテの場合は、ヒューズホルダーはサトーパーツのF-95シリーズが好きだったのだが、残念ながら製造中止になってしまった。F-95シリーズは、白、黒、灰、赤、橙、緑の各色がありワテは目立たない落ち着いた感じの灰色(F-95-G)が好きだった。
F-95シリーズの代替推奨品は、F-95-Nと言う黒色タイプで、一種類になってしまった。残念。
まあ、灰色のやつが手持ちにはまだ数個あるのでしばらくは灰色で行く予定だ。
ヒューズホルダーの色に拘る(こだわる)変人のワテである。
入出力線の配線
さて、アンプ製作の最後の仕上げとなる入出力の配線作業だ。
まずは入力側の配線作業から紹介しよう。
入力はXLR5メスコネクタを使う
入力端子はXLR5メスコネクタを使う。航空電子製だ。
新品未使用であるが、定価は多分2千円近くするかもしれないが、ワテの場合はもちろんジャンク屋で安く売っているのを見付けて買って来た。ジャンクワレコと呼んでくれ。なんのこっちゃ?
配線材料は、モガミ電線のシールド線を選んだ。
モガミ電線(MOGAMI) 品名 : カッドタイプコンソールケーブル 型番 : No.2799
定番の電線の一つだ。
ちなみに、タカチシャーシにはNeutrikの定番Dシリーズコネクタ用に穴開け加工していたのだが、航空電子のXLRコネクタは規格がキャノンXLR-3-31なので、NeutrikのDシリーズとはネジ穴の位置も若干ずれる。そこでDシリーズ用にΦ24で開けていた取り付け穴をΦ25くらいに広げて若干回転させたら、下写真のようにどうにか納まった。
かつ、タカチシャーシの背面パネルには、NeutrikのDシリーズ用にM3ネジ穴加工していたのだが、航空電子(つまりITTキャノン互換品)XLR-3-31の二個のネジ穴の位置は残念ながら一致しなかったので、銀色フランジの二個のΦ3.05取り付け穴をボール盤でΦ4くらいに広げてやって、無理やりネジ止めする事が出来た。
まあ、兎に角、固定出来れば良いのだ。細かい事は気にしない。
で、無事に入力XLR5端子から4枚のアンプ基板の入力端子に配線を済ませた(下写真)。
どう!?完璧と言っても良いくらいシンプルな配線だ。未だかつて自作オーディオアンプでこんなにスッキリと配線している例があるだろうか!?自画自賛!!
XLR5コネクタのピンは以下のように割り当てた。
左XLR5 | 右XLR5 |
1ピン GND | 1ピン GND |
2ピン Ch2(+)青 | 2ピン Ch4(+)青 |
3ピン Ch2(GND)透明 | 3ピン Ch4(GND)透明 |
4ピン Ch1(+)赤 | 4ピン Ch3(+)赤 |
5ピン Ch1(GND)黒 | 5ピン Ch3(GND)黒 |
上写真において4つのアンプ基板は左からCh1、Ch2、Ch3、Ch4のように番号を振った。
次はスピーカー端子の接続だ。
スピーカー出力は4芯スピコンを使う
小型シャーシに四台のアンプを内蔵したので、スピーカーも最大で四つを接続する事になる。
一般的な捻じ込み式のスピーカー端子だとサイズが大きいので四ペアも付ける場所が無い。
例えば、こんな端子が赤黒合計8個付ける必要がある。
でもそんなスペースは無いので今回はスピコン端子を使ってみた。
まあ、ワテの場合にはNeutrik純正品だと高いので、互換品の安いやつを使った。
なお、スピコンには2極のNL2MPと4極のNL4MPがあるが、今回はNL4MPを使った。
そうすると一つのNL4MPで二台のスピーカーを接続出来るからだ。
配線材料には、ダイエイ電線を使ってみた。以前、確か若松通商さんで買ったやつだ。何年も経っているがまあ問題無いだろう。
4極のスピコン(NL4MP)には四つの端子があり、1+、1-、2+、2-の名前が付いている。
写真 ほぼ完成したLM3886使用4chパワーアンプ、高密度実装&美しい配線と言う事にしておく
上写真のように出来るだけ最短距離で配線した。四つの白色の四角い金属箔抵抗が発熱する可能性があるので隣にある電解コンデンサとの距離を離す為に、抵抗とコンデンサを斜めに倒して隙間を広げておいた。
まあ、左右の信号線が同じ穴を通っている箇所もあるのでクロストークの恐れもあるが、まあ大丈夫だろう。
多少のクロストークが有ったとしても、左右の音はスピーカーから出て左右の耳で聴いて最終的には脳の中でミックスされるわけだ。なので、その前にアンプの中で左右信号がミックスしていても大して気にしなくても良いw
あるいは、入力信号線と出力信号線が同じ穴を通っている箇所もあるので、発振するなどの心配もある。でもまあ大丈夫だろう。逆に、出力信号から適度に入力にフィードバックが掛りNFBが良く効く可能性もある(無いかw)。
兎に角、いい感じでスッキリと配線出来た。
配線は以下のように割り当てた。
左XLR5 | 左スピコン | 右XLR5 | 右スピコン |
1ピン GND | 1ピン GND | ||
2ピン Ch2(+)青 | 1+(青) | 2ピン Ch4(+)青 | 1+(青) |
3ピン Ch2(GND)透明 | 1-(白) | 3ピン Ch4(GND)透明 | 1-(白) |
4ピン Ch1(+)赤 | 2+(赤) | 4ピン Ch3(+)赤 | 2+(赤) |
5ピン Ch1(GND)黒 | 2-(黒) | 5ピン Ch3(GND)黒 | 2-(黒) |
パルスジェネレータとオシロスコープで波形を観察
配線が完了したアンプにパルスジェネレータで信号を入れてオシロスコープで波形を観察した。
写真を撮り忘れたのだが、前々回の記事で紹介したのと同じような波形を観察出来た。
入力が10KHzの方形波だと、出力も綺麗な方形波になる。
でも入力が50KHzの場合には、出力は台形のような形状になる。
つまり、立ち上がりと立下りが斜めになるのだ。
普通のアンプだと、波形が鈍ったり、あるいはリンギングが生じたりするけれど、このLM3886アンプの場合には、そう言うアンプとは挙動が異なるのかな?あるいは回路図中にある大き目の電解コンデンサが関係しているのかも知れない。
この件は気になるので今後も調査したい。
音出し実験をする
手持ちのプリアンプ出力をこの自作4chアンプに入れたいので、即席でRCA=XLR5変換ケーブルを作成した。
RCA=XLR5変換ケーブルを作る
今回使ったのは、MOGAMI ( モガミ ) / 2534 Purpleだ。
下写真のように、分岐部分が少し短か過ぎたw
まあいい。
上写真のように、養生テープを巻いて補強。養生テープは今回の台風でも売り切れたらしい。ガラス窓の補強などに活用されたらしいが、ワテの場合も養生テープは良く使う。養生テープ万能説だ。
あとは、下写真のように熱収縮チューブを被せて完成。
スピコンケーブルを作成する
さて、いよいよスピーカーから音出しテストしたいので、スピーカーケーブルにスピコンコネクタを接続した。
スピーカーケーブルで有名なのはCANARE、MOGAMI、BELDENなどがある。
型名 | 形状 | 外径 | 導体断面積(AWG) |
心線導体抵抗 Ω/100m |
線間容量(心-心) pF/m |
CANARE 4S6 | 4芯 | Φ6.4mm | 0.51mm2 (AWG20) | 3.7 | 125 |
CANARE 4S8 | 4芯 | Φ8.3mm | 1.27mm2 (AWG16) | 1.5 | 145 |
MOGAMI 2477 | 同軸 | Φ8.0mm | 1.5 | 550 | |
MOGAMI 2804 | 同軸 | Φ3.6mm | 9.4 | 590 |
表 主なスピーカーケーブルの特性(引用元、カナレ電気、モガミ電線の各サイト)
https://www.canare.co.jp/pr4_008.php, http://www.mogami-wire.co.jp/sales/neglex/2804.html
マイクケーブル、RCAケーブルで有名なモガミのスピーカーケーブルも検討した。でもスピーカーケーブルはカナレ電気を使う事にした。理由は、CANAREの製品はごく普通の4芯ケーブルであり、かつ線間容量が125pF/mなので、モガミの同軸タイプの2477などと比べて容量が小さいから。
しかしまあモガミ2477なんてメーター当たり550pFも有るのだが、そんなに容量が大きいと波形が歪みまくるんじゃ無いのかと心配になる(ワテの場合)。
なお、上のアマゾンのMOGAMI 2477の商品説明では、静電容量:44 pF/mと記載されているのだが、これは間違いですよね?だってモガミさんの公式サイト
にMOGAMI 2477はキャパシタンス550pF/mと明記されているし。
と言う事で、結論としてはスピーカーケーブル定番のCANARE 4S6(灰色)を使う事にした。太目のサイズの4S8も検討したのだが、そんなに大出力でもないし、車の中で使う予定なので長くても高々3メートルくらいだろうから、細い4S6でも十分だろう。細いと言っても4S8との比較においてなので、スピーカーケーブルとしては十分太い。
スピコンケーブルの作成は初めての経験だったが、半田付けするのではなくて、ネジ止めするだけだったので案外簡単に終わった。
なお注意事項としては、当然であるが、配線間違い、極性間違いなどには要注意だ。なので配線した後でテスターで導通試験をする事は言うまでも無い。
で、無事に完成したスピコンケーブル。
これを使って以下のように配線する予定だ。
左XLR5 | 左スピコン | 左スピーカー | 右XLR5 | 右スピコン | 右スピーカー |
1ピン GND | 1ピン GND | ||||
2ピン Ch2(+)青 | 1+(青) | ウーファー(+) | 2ピン Ch4(+)青 | 1+(青) | ウーファー(+) |
3ピン Ch2(GND)透明 | 1-(白) | ウーファー(ー) | 3ピン Ch4(GND)透明 | 1-(白) | ウーファー(ー) |
4ピン Ch1(+)赤 | 2+(赤) | ツイーター(+) | 4ピン Ch3(+)赤 | 2+(赤) | ツイーター(+) |
5ピン Ch1(GND)黒 | 2-(黒) | ツイーター(ー) | 5ピン Ch3(GND)黒 | 2-(黒) | ツイーター(ー) |
音出し実験開始
下写真左のゴールドのシャーシは、以前に作成したぺるけ式AKI-USB DAC(秋月電子)のタムラトランスTpAs-2Sバージョンだ。
ワテのWindows10パソコンにUSBミニBコネクタで接続している。
このDACで再生した音楽信号を取り敢えずXLR5の左chに入れてみた。
そうすると、アンプch3とch4で増幅された音がスピコン左chに出て来る。
入力左信号が、ウーファー
入力右信号が、ツイーター
に出て来る。
本来なら、2Wayチャンネルフィルターを作成して4chアンプと組み合わせて左右のウーファーとツイーターの合計4台のスピーカーユニットを駆動する予定なのだが、今はテストなので取り敢えずどんな音なのか聴いてみる。
ハイゼットカーゴに取り付け予定のスピーカーシステム
ちなみに、既に作成済のスピーカーはこんな感じ。
これをハイゼットカーゴの運転席の上の物入れ(オーバーヘッドコンソール)の所に設置する予定だ。
で、肝心の音であるが、音は出た。
現状ではチャンネルフィルターも無いし、ウーファーは背面が剥き出しなので低音は出ない。
それでも、いい感じで鳴っている。
大音量で鳴らしても音が潰れない。
まあ耐入力の大き目のスピーカーユニットを選択したので、その効果があったのかも知れない。
このスピーカーの製作過程は別の記事で紹介したい。
ところでチャンネルフィルターとチャンネルデバイダーってのは何か違いがあるのかな?それとも同じ物なのかな?良く分からん。
LM3886の発熱とヒートシンクの効果
一時間くらい4chのLM3886アンプを鳴らしてみたが、予想外に発熱が少ない。
LM3886を手で触ってもアッチッチ!なんて事は無くて、普通に手で触れる。
温度計で測っていはいないが、多分50℃程度だろう。
自作のアルミアングルヒートシンクもほんのりと暖かい感じ。
銅管ヒートシンクも、同じくほんのりと暖かい。
まあもう少し使い込んでみないと分からないが、もしこの程度の発熱で済むなら、空冷ファンなどは必要無さそうだ。
まとめ
ワテのハイゼットカーゴに取り付ける予定の2Wayマルチアンプ方式の自作オーディオシステムであるが、その肝となるLM3886を使った4chパワーアンプがほぼ完成した。
音出しも成功し、素直な音質と言う感じ。
スピーカーも既に完成しているので、あとは、プリアンプ、2Wayチャンネルフィルターなどの製作を検討中だ。
音源はスマホやタブレットからBluetoothで飛ばす案もあるが、そうなるとBluetoothレシーバーが必要になる。ぺるけさんのサイトにBluttoothレシーバー製作例があるので、それも作ってみたい気もする。
でも有線のほうが確実だと思うので、普通の有線接続のプリアンプを製作する案で行く予定だ。
で、どんなプリアンプにするかだが、幾つかの案があるのだが、一つは、以前に作成済のぺるけ式FETヘッドホンアンプVersion3をプリアンプとして利用する案。もう一つは、現在ワテのPCオーディオのメインシステムの中心にあるぺるけ式FET平衡差動式プリアンプVersion2がとっても良い音なので、同じ物をもう一台作る案。でも作業量が大きいので躊躇している。それにタムラトランスなども入手する必要があり、費用の点でも躊躇してしまう。さあ、どうするかな。
一方、2Wayチャンネルフィルターに関しては、単なるCR型の-6dB/octパッシブチャンネルフィルターなどを検討中だ。あるいはそれにオペアンプのバッファを組み合わせるなどの案も検討中だ。
年内には完成させたいと思っている。
今回完成した4chアンプが思いのほか発熱も少なく素直でいい音なので、ハイゼットカーゴのカーラージオが物凄くいい音になる予感がして、期待が高まっているのだ。
ワクワク
続編記事
ワテお勧め工具
上のミニルーターは付属品が多くて使い易そうだ。
ちょっとした金属加工にも使えるし、木工用のルーターとしても使える。
今回製作したアルミアングル製のヒートシンクの加工などに最適だ。
ボール盤が無くてもこのミニルーターが有れば穴開け加工ができるし、バリの有るエッジを研磨する事も出来る。
4千円くらいの実売価格なので一台持っていると便利そう。
ワテも買ってみるかな。検討中だ。
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