先日この記事で紹介したように、ぺるけさん設計のFET平衡ラインプリアンプを作成した。
その平衡プリアンプをワテのPCオーディオシステムに組み込んだので、最新のワテのPCオーディオ環境を紹介しよう。
まあ、そんなもんに興味ある人は滅多にいないと思うので、本記事は単なるワテの備忘録である。
では、本題に入ろう。
2018年8月1現在のワテのPCオーディオシステム
下図に示すように2系統のオーディオシステムがある。
図 2018年8月1現在のワテのPCオーディオシステム
一つは、以前作成した金田式DACをぺるけ式ヘッドホンアンプ(兼プリアンプ)を通して、AB級25WのパワーアンプでKENWOOD S270スピーカーを鳴らす系統。
もう一つが、今回作成したぺるけ式FET平衡ラインアンプ(秋月USB-DAC内蔵)を通して、Roland SRA-50パワーアンプでオーラトーン5Cを鳴らす系統。
それらを図解すると以下の通り。
図 2018年8月1現在のワテのPCオーディオシステムは2系統ある
メインシステム
メインは、今回作成した平衡ラインプリアンプでオーラトーン5Cを聴くシステムを使っている。
ネットラジオのラジコやラジルを良く聴くのだが、人の音声を聴くにはオーラトーン5Cが最適だ。
人の声の周波数帯域が抜群に聞き取り易いのだ。
逆に言えば、オーラトーン5Cは音楽一般向きでは無いかも。
低音も高音もあまり出ないし。
あくまで人の音声、ニュース音声、ボーカルなどをニアフィールドで聴くには最適だと思う。
セカンドシステム
一方、ゆったりと音楽を聴きたい場合には、2番目のシステムで聴けるようにした。
ケンウッドS270は低音も良く出る。
ちなみにこの2番目のシステムで使っているパワーアンプは、昔ワテが自作した金田式モドキのA級25Wくらいアンプだ。
本当は30Wを計画したのだが、出力段の電圧が若干少なめなのでたぶん25Wくらいかなと思う。
作ったのは確か10年くらい前かな。
図書館で見付けた回路図を使って電源基板とかアンプ基板を自作した。
発熱が大きそうだったので、モノラル2台に分けたのだが、それでも物凄い発熱だ。
ヒートシンクを手で触るとアッチッチと言う感じ。このまま使い続けると、たぶん数年以内に故障すると思う。
そもそも採用したシャーシのヒートシンクがA級30Wの放熱には少し足りなかったと思う。金田式オリジナルの写真を見ると、多数のヒートシンクが林立しているのを見た事がある。
このアンプは、シャーシの加工などに手間取ったが、アンプ基板などの製作は意外とスムーズに完成した。安定性も良い。
その後、時々使っていたが、引っ越しなどのタイミングで使わずにしまい込んでいたのだが、今回復活させた。
ただしA級だとアホみたいに発熱するので、改造して出力トランジスタのアイドリング電流を減らしてAB級にした。かなり減らしたのでB級かもしれない。
その結果、ヒートシンクを手で触っても、ほんわか暖かい程度になった。
まあ、これなら何時間も連続使用しても熱で壊れる心配は無さそう。
メインシステム&セカンドシステムの写真
写真 メインシステム&セカンドシステムの写真
最上段にあるJBL Control 1xtremeは、先日ネットを外したらエッジがボロボロと落ちた。
経年変化でエッジが劣化して自然に壊れてしまったようだ。
なので、当面は休止。
ネットでエッジを購入してエッジ交換に挑戦してみるかなと思っている。
JBLの右隣は金田式超多機能DAC&ヘッドホンアンプ兼プリアンプだ。
2段目はオーラトーン5Cとその右は、ぺるけ式ヘッドホンアンプVer.3 だ。
その下のスピーカーがKENWOOD S270を横向きに置いている。
最下段がローランドパワーアンプSRA-50と今回自作したぺるけ式平衡ラインプリアンプだ。
どちらのシステムも数十センチの距離で聴いているが、ノイズも気にならないので気分が良い。
休止中のシステム
図 2018年8月1現在の休止中のシステム
JBLはエッジが破れているのでしばらく休止。
自作スピーカーセレクターはこの記事(下)で紹介したが、切り替えるのは面倒なので、今回、メインとサブの2つのシステムに組み込んだ。
ぺるけ式秋月USB-DAC単体機(tamura TpAs-2s使用)は、ノイズも皆無で気に入っているのだが、今回作成した平衡ラインプリアンプにも同じ物を内蔵してノイズ低減に成功したので、当面は平衡ラインプリアンプに内蔵の秋月USB-DACを使う予定だ。
なので、秋月USB-DAC単体機はしばらく休止。
昔作成した金田式風モノラルA級25W x 2(現AB級25W x 2)
10年くらい前に作った。
タカチのHYシリーズのシャーシに入れている。
HYシリーズは左右のパネルがヒートシンクになっているのでパワーアンプを作るには最適だ。
ワテが使ったのは、HY133-33-23SSだ。
奥行が23cmなので、オーディオアンプにしては若干短い。
最近では、奥行き33cm版もラインナップされているので、大き目のパワーアンプを作るならそれがお勧めだ。
タカチシャーシ検索専門サイト
金田式A級30ワットアンプはたぶん1980~2000年代の設計だと思う。
その後、金田式はGOAとか完全対称とか進化したようだが、ワテの場合金田式アンプはあまり詳しくないし良く分かっていないので、分かり易いオーソドックスなコンプリメンタリペアのトランジスタを使うこのアンプを作ってみたのだ。
回路図はネットにある物を参考にした。
写真 ワテ自作の金田式風AB級25Wくらいモノラルパワーアンプ x2
使用した部品は金田式指定部品も少しはあるが、多くは適当にワテが選んだものだ。
なので金田式準拠率は50%くらいか。
シャーシ底板には放熱用の通気口の穴を多数開けているのだが、天板にはまだ穴を開けていない。
A級で使っていた時には蓋無しで使っていた。今回の改造で発熱が減ったので上写真のように木片で少し天板を浮かして載せている。
時間が有れば、天板に放熱穴を開けてシャーシにネジ止めしたい。
電源スイッチの隣にある緑LEDは電源表示用。
左側にある透明LEDは、出力にDCを検出すると電源回路を遮断する保護回路(下写真の青基板)が動作した事を示す。その時は赤色に光る。
そのリセットボタンはアンプの背面にある。
今回、このA級25W金田式風アンプをAB級あるいはB級くらいに改造した。
具体的には、バイアス回路の抵抗値を大きくして、出力段トランジスタのアイドリング電流を数分の一くらいに減らした。
下の写真は、その後の調整作業。
写真 ワテ自作の金田式風AB級25Wくらいモノラルパワーアンプ x2
出力オフセット電圧をゼロに調整中の写真だ。
ちなみに、このアンプはジャンクパーツを多用している。
トランスもジャンク屋で買ったやつ。
プリント基板の下には、基板に隠れて見えないが二本の大型の電解コンデンサが横たわっている。左右のヒートシンクの辺り。
その電解コンデンサもジャンク品。
確か82000uFだったかな。かなり大き目。
それで、ラッシュカレント防止回路を抵抗とリレーで作成したのだが、設計にミスがあり、抵抗が燃えた経験がある。
不燃性の酸化金属皮膜抵抗が燃えたぞ!?
その結果、部屋の壁に臭い匂いが染みついてしまい、取れるまで数カ月掛った経験がある。
設計ミスの原因は、本来は電源ONの数秒後にリレーが動作して抵抗をスキップするはずだったのだが、それが動かずに抵抗に100VACずっと印可されて発熱して燃えたのだ。
その後改良したので今では問題無くラッシュカレント制限回路は動いているのだが、今でもアンプの電源スイッチをONする度に、リレーが動作する音を耳で確認している。
A級をAB級(あるいはB級)にすると、音が軽い感じ
気のせいかもしれないが、AB級に改造したらボリュームを回して音量を増やしても音の迫力が無くなって軽い感じに聞える。
やっぱりA級アンプは音が良いのかな?
信号の上半分と下半分を別々のトランジスタで増幅する方式(B級)と、常時二つのトランジスタが増幅する方式(A級)とでは、音が違うのは当然なのかもしれないが。
でもまあ、熱でいつアンプが壊れるかなあと心配しながら使うのも精神衛生上良く無いので、発熱の少ないAB級に改造して正解だった。
これで心置きなく使えるし。
まとめ
ようやくワテのPCオーディオ環境も整って来た。
ネットラジオを聴くにはぺるけ式平衡プリアンプにオーラトーン5Cの組み合わせは最適だ。
声が聞き取り易い。
まあ、オーラトーンの音はラジカセのスピーカーの音に近いなんて言う人もいるが、まあ、兎に角、人の声が生々しく聴こえるのでメインシステムとして使っている。
なお、平衡プリアンプに組み合わせているローランドパワーアンプには入力ボリュームがあり、12時くらいを過ぎるとノイズが目立つので、どうにかしたいと思っている。
この際、新しいパワーアンプを作ろうかなあと計画している。
プリメインアンプを買う
世の中、デジタルアンプ(いわゆるD級アンプというやつ)が多いが、以下に示すアンプはディスクリート素子で組んだアナログアンプだ。
このヤマハの製品の場合、192kHz/24bit D/Aコンバーターも内蔵しているのでパソコンに接続する場合は光デジタルケーブルあるいは同軸デジタルケーブルで繋ぐだけで良い。
リモコンも付いているのでお勧めだ。
コメント