このところ、自作の棚を作成して部屋の整理整頓を進めているワテであるが、2018年のゴールデンウイークを利用して、またしても棚を作った。
これで三作目だ。
棚作り好きにも程がある。
棚作りも3台目になると技術も向上して、短時間で完成度の高い作品を作れるようになった。
この記事では、今までの棚作りの反省点を紹介しながら、第三作目の棚の製作過程を紹介しよう。
貴方も近所のホームセンターや材木屋でサブロク板(1820x910x12)の合板を二枚カットして貰えば、あとは木工用ボンドで接着するだけでワテと同じような丈夫な棚や本棚を作成する事が出来る。
材料費は2000円程度だ。
では本題に入ろう。
第三作目の棚の設計図
まずは、今まで作成した棚を紹介しよう。
一作目と二作目とでは殆ど同じ構造だ。
サイズも全く同じ。
違いは外枠の木組みが若干異なる。
今回作成した第三作目は第二作目と同じものを作成した。
その設計図は以下の通り。
図 第二作目、第三作目の棚の設計図
厚み12ミリの針葉樹合板を木工用ボンドで接着して作成する。
棚板は大入れ継ぎで組む
特徴としては、下図のように側板の溝に棚板が食い込んでいるので、重い物を載せても棚板が落ちる心配が無い。木工の専門用語では大入れ継ぎとか大入れ組手と言われる手法だ。
本来なら鋸(ノコギリ)や鑿(ノミ)を使って溝を掘る必要があるが、素人DIYではそれは技術的に困難。
こんな電動トリマーとか電動ルーターがあれば溝堀も簡単なのだが、ワテは持っていない。
そこで、ワテ流の大入れ継ぎは、二枚の合板を貼り合わせる手法で形成した。
なので、正式な「大入れ継ぎ」ではなくて「大入れ継ぎモドキ」と言う感じか。
とりあえず「大入れワレコ継ぎ」と呼んでおこう。
なんのこっちゃ。
角の部分の組手
本棚の角の部分は下図のように組んだ。
何継ぎと言うのかは知らない。
「ワレコ段々角継ぎ」にしておこう。
なんのこっちゃ。
ちなみに第一号棚は天板が側板に単純に乗っかっている構造だった。
で、今回の第三作目(第二作目も同じ)の設計図は以下の通り。
第三号棚の設計図
12ミリ厚の針葉樹合板のサブロク板(1820x910x12)を二枚使う。
サブロク板(1820x910x12厚)サイズの針葉樹合板の板取の案は以下の通り。
奥行は298と言う半端な数字だが、ホームセンターの技術が高ければ300ミリでカットして貰っても良い。
第三号棚の接着開始
寸法誤差の修正作業
ホームセンターでカットしてもらった板材は、寸法の誤差が1ミリ程度はある。
この後、部材を接着剤で組み立てて行くが、寸法が1ミリ程度短い場合には接着剤をタップリ塗ればその隙間は埋まるので気にしなくても良い。
ところが、寸法が1ミリ程度長い場合には、どう頑張っても接合部分に隙間が出来てしまう。
ワテの場合は気にせずにそのまま接着したのだが、もし綺麗に仕上げたい人は、接着するまえに各部材の寸法を測定して、もし1ミリ程度長い場合には鉋で削るとかサンダーで磨くなどして設計図通りの寸法に修正しておくと良いだろう。
ホームセンターのパネルソーでカットして貰うと真っ直ぐな切断面になる。それを手作業で鉋掛けしたり紙やすりで磨くとしても、綺麗に仕上げる自信が無い人も多いだろう。
でも心配無い。要は板の寸法を設計値に等しいか1ミリくらい短くすれば良いのだ。
1ミリ長い板は、どんなに強くクランプを掛けても1ミリ圧縮する事は不可能だ。でも1ミリ短い場合には、隙間にはタップリと木工用ボンドを塗りこんでおけば隙間も埋まるし、組み立てた時に設計値通りに箱に組めるのだ。
その結果、コーナー部分の接合が凸凹にならずに綺麗に仕上がるのだ。
三作品を作り終えてから、この事実に気付いたのだ。
なので1~3作品までは、コーナーが綺麗に仕上がっていない部分がある。
次回、四作品目の棚を作る場合には、鉋掛けして寸法が長い板は削る予定だ。
いよいよ接着開始する
材料が揃ったら接着を開始する。
準備するものは以下の通り。
- 床養生用のシート(畳一帖は欲しい)
- 木工用ボンド(600グラムくらい使う)
- ヘラ(木工用ボンドを塗り広げる)
- 歯ブラシ(木工用ボンドを塗布する)
- クランプ(接着時に密着させる、多ければ多いほど良い)
- 水雑巾(木工用ボンドを拭き取る、除菌ティッシュなどでも可)
- 木片(作業台などの用途)
ワテの場合、上記の道具を準備して自宅の部屋で作業を開始した。
なお、クランプを準備出来ない人は、クランプは無くても良い。
その代わりに釘(金槌も)、木ネジ(電動ドライバーも)を準備すると良い。
12ミリ合板を二枚張り合わせるので、全長20ミリ程度の釘や木ネジが有れば良い。
木工用ボンドで二枚の合板を貼り合わせた後は、クランプでは無くて釘や木ネジで固定すれば良いのだ。
フローリングの部屋で作業するので、ホームセンターで見付けた以下の養生シートを敷いて作業した。
畳一帖で数百円なので、一枚あるとDIYに役立つ。
棚板、天板、底板の接着
まずは、天板、二枚の棚板、底板を作成する。
一枚12ミリ厚の針葉樹合板に木工用ボンドを塗って貼り合わせる。
下図のようにクランプで挟み込む。
クランプは数が多ければ多いほど良い。
100均のやつで十分なので、クランプは最低でも10個は欲しい。
ワテの場合、今後のDIYにも利用する予定なので20個くらい購入した。
上でも説明したが、クランプをこんなに沢山準備出来ない人は、木工用ボンドで貼った後で釘や木ネジを使って板を固定すれば良い。
合板接着時の注意事項
第一回目、第二回目の棚製作でも合板の接着を行ったが、反省点がある。
それは、準備したクランプの数が少なかったので、多目に準備すべきだった。
つまり、12ミリ合板を二枚張り合わせると24ミリになる。
75ミリクランプならそれを三セット(24×3=72ミリ)挟む事が可能だ。
つまり例えば、
- 天板24ミリ(12+12)
- 棚板24ミリ(12+12)
- 棚板24ミリ(12+12)
を三セット同時に75ミリクランプで締め付ける事は可能だ。
ところが、三セット(合板6枚)もクランプで挟み込んで締め付けると、微妙にずれるのだ。
手で修正したのだが、どれかを修正すると他の棚板がずれるみたいないたちごっこになる。
なので、今回は事前に十分な量のクランプを準備して、上の写真のように棚板一枚ずつクランプで圧接するようにした。
そうすると、貼り合わせた12ミリ合板がずれても修正し易い。
今日は木工用ボンドの乾燥が速かった。
気温はそんなに高く無かったが湿度が高かったと思う。
それが関係しているのかな?
今までなら一晩乾燥させていたのだが、白い木工用ボンドが夕方には乾燥して透明になっていた。
全体を組み立てる
天板、棚板二枚、底板の四つのパーツが完成したので、あとは側板二枚にこれらのパーツを接合して組み上げれば完成だ。
まずは床に四つのパーツを並べる。
次に右側の側板に写真に写っている小板(棚の高さにカット済)を三枚貼り付ける。
そしてそれを上の写真の右側に組み込む。
その後、コーナークランプで固定する。
同様に、左側の側板を作成して組み込んでコーナークランプで固定する。
この時点では上の写真のように床に倒した状態なので、床側のコーナーはクランプを付ける隙間が無い。
そこで、そーっと棚を起こして下図のようにする。
そして裏側(床側)のコーナーもクランプで四カ所固定したのが下図だ。
合計八カ所のコーナー全部をコーナークランプで固定した。
あとは、所有している全てのC型クランプ、F型クランプを総動員して接着した合板をピッタリ隙間なく圧接した。
ワテが持っているのはこの製品では無くて100均で買ったやつだ。
まあ、クランプなんて一度買えば滅多に壊れる事は無い。
予算に余裕のある人は良い物を買っておくと良いだろう。
例えば海老のマークで有名なロブテックス(エビ) の製品は有名だ。
- 株式会社ロブテックス (ろぶてっくす、LOBTEX CO.,LTD. )
- 大阪府東大阪市四条町12番8号
- 設立 1923年(大正12年)8月12日
ただし、クランプ一個で数千円とかするので、20個も買えば数万円の出費だ。
プア自作派のワテには手が出ない。
さて、ここでB型クランプ、C型クランプ、F型クランプの違いを見ておこう。
B型クランプ、C型クランプ、F型クランプの違い
F型クランプは分かり易い。
要するにアルファベットのFに似ている。
一方、B型クランプとC型クランプはどこのメーカーの製品でも良く似ている。
例えばJIS規格やISO規格などで、B型クランプとC型クランプの厳密な定義があるのかどうかは未確認だ。
ネット情報によるとスウェーデンのツールメーカーであるバーコ社(Bahco)が製造したクランプがこの形状なので、頭文字のBを取ってB型クランプと呼ばれているとの記述もあるが真偽の程は未確認だ。
今度、Bahco社に確認してみたいと思っている。
以下では、日本の名門工具メーカーであるロブテックス社の製品でB型とC型を比較してみる。
B型シャコ万力(B型クランプ)
上の写真を見た感じでは、アルファベットの b と言う感じの形状だ。
だからB型なのかな?
でもそれなら b型と書くべきだからこの説は間違いかな。
良く分からん。
C型シャコ万力(C型クランプ)
一方、C型の場合は上図のようにクランプの形状が丸くて視力検査のCの字に似ている。
フトコロも深いので、部材を深く加え込む事が可能だ。
と言う事で、B型クランプとC型クランプの違いは分からなかった。
今度BACHO社やロブテックス社に質問してみようと思う。
「シャコ万力」を略すと「シャコマン」
こちらは「シャコタン」↓
なんのこっちゃ。
「シャコ」は漢字で「蝦蛄」と書く。
美味そうだな。
第三作目の棚の完成
翌朝、接着が完了した。
その完成写真は以下の通り。
写真 第三作目の自作の棚
実際に作ってみると、ずっしりと重量(約10Kg)があり物凄く丈夫だ。
上でも説明したように、今回は、棚板二枚、天板、底板をまず貼り付けた。
それらが乾燥したら、次に、二枚の側板に棚を形成する小板を三枚貼り付けて全体を組んだ。
固定にはコーナークランプ、C型クランプ、F型クランプを総動員して固定した。
その結果、今まで以上に精度良く組めたと思う。
写真 天板と側板の組手
まあ、本職の家具職人さんとか木工職人さんから見れば素人作品だとは思うが、ワテ自身の第一作目と比べると今回の第三作目はかなりいい感じで仕上がった。
棚板も大入れ継ぎモドキにしたので、強度や安定感は抜群だ。
写真 棚板と側板の組手
微妙に隙間が開いているが、他の部分ではもっとピッタリと完璧に仕上がっている。
まとめ
2018年のゴールデンウイークを利用して棚を三つ作成した。
- ホームセンターで簡単に入手できる針葉樹合板のサブロク板サイズ(1820x910x12)を二枚使う。
- 価格は一枚1000円程度なので二枚で2000円ちょい。
- カット料金は22回x30円=660円くらい。
- あとは木工用ボンドが700グラムくらい使う(1Kgで500円程度)。
- 従って材料費は3000円くらいだ。
- 木工用ボンドで12ミリ厚の二枚の合板を貼り合わせる。24ミリ厚の板になるので物凄く丈夫。
- 板の貼り合わせにはクランプを使ったが、もしクランプが無い人は釘や木ネジも併用すれば良い。
- 延べ作業時間は3時間程度。作業期間は二日(一日目は天板、底板、棚板二枚の接合、翌日全体の組み上げ)。
- 今回作成した棚は、奥行き300ミリ、縦横948×900のサイズだ。
- もし背の高い本棚(高1800x幅900x奥行200)程度の本棚を作りたい場合には、サブロク板を3枚使えば可能だ。費用も4000円くらい。
- 12ミリ厚の針葉樹合板を貼り付けて作成する本棚は、本好きの人にもお勧めしたい。
簡単にDIYで作れるので皆さんにもお勧めします。
次は何を作ろうかなあ。
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