先日、何となくネットサーフィンをしていたらこんな記事が目に入った。
太字強調はワテが入れた。
Windows 10 Pro の基本機能として提供している Windows 10 ウィルス対策は、他のアンチウィルスソフトと同等のウィルス検知率がある事が証明されています。
だから、
追加のアンチウィルスソフトが
いらないんです。
引用元 https://www.microsoft.com/ja-jp/business/smbworkstyle/m365b/default.aspx
ドメイン名を見て分かるように、マイクロソフト社の公式サイトだ。
要するにWindows 10 Pro を使えば、市販のアンチウィルスソフトは不要だと断言している。
と言う事は、ノートンセキュリティもマカフィーもカスペルスキーもウイルスバスターも何も入れなくても良いと言う事だ。
果たして本当なのか?
気になったので調査した。
では、本題に入ろう。
Windows 10 Proの基本機能が有れば追加アンチウィルスソフトは不要⁉
上記のマイクロソフト社のURLは以下の通り。
このアドレスを開くと下図の画面が表示される。
赤枠強調はワテが入れた。
一体全体、この頭の禿げたおじさんは誰なのか知らないが、Windows 10 Proを使えば
追加のアンチウィルスソフトが
いらないんです。
と明言している。
このページ自体はマイクロソフト社の「Microsoft 365 Business」と言う企業向けのサービスのようだ。
Office 365、Windows 10、Enterprise Mobility + Security(EMS)の機能がセットにされているらしい。
さて、その記事中にある Real-World Protection Tests と言うページを開くと下のグラグが表示される。
図 Real-World Protection Tests February 2018
グラフが英語なので良く分からんが、マイクロソフトディフェンダーや他社のセキュリティ対策ソフトの性能比較のグラフのようだ。
兎に角、マイクロソフト社の公式サイトにこんなにはっきりと記載されているので、何らかの手違いで掲載してしまった間違った情報などでは無いだろう。
つまり、マイクロソフト社の公式見解として、Windows 10 Proを使えば市販のアンチウィルスソフトは不要と主張している訳だ。
しかし、もしそれが事実だとすれば、有料のセキュリティ対策ソフトのメーカーの死活問題に関わる事態である事は間違いない。
そこで、セキュリティソフト大手のシマンテック社さんに本件を確認してみた。
ノートンさんに確認した
シマンテック社のサポートの窓口でチャットで本件を質問してみた。
ノートンの使い方の質問とか、設定方法の質問などでは無くて、行き成りこんな答え辛い質問をすると担当者さんも面食らうと思うので、事情を説明してチャットを開始した。
以下は、チャットの具体的な会話内容ではなくて、ワテがチャット内容を後から記憶を辿って要約して作成した架空の会話です。
ワテ
シマンテック担当者さん
知っている限りでは、ウィンドウズディフェンダーのセキュリティ機能は、やはりサードパーティ製セキュリティソフトに劣ります。
ワテ
シマンテック担当者さん
またウィル定義ファイルの種類も通常のサードパーティ製セキュリティソフトより、若干少ないです。
つまり、普通のウィルスを防ぐことができますが、特殊なウィルスに対する防御力が弱いです。
ワテ
と言う事で、シマンテック社の公式見解と言う訳ではないが、担当者さんの意見としてはWindows 10 Proのディフェンダー機能よりもノートンのほうが優れていると言う事だ。
まあそうだろう。
マイクロソフトさんに確認した
念のためにマイクロソフト社にも確認してみた。
この場合は、上記マイクロソフト社のURLで開くページの末尾に、電話の問い合わせ先が記載されていた。
ご質問・ご相談はこちらから
0120-166-400 受付時間: 9:00 ~ 17:30
※土日祝日、弊社指定休業日を除く
マイクロソフト社の電話問い合わせ先
フリーダイヤルで無料なので、電話してみた。
男性の担当者さんだった。声の感じから推測すると30歳前後か。
以下も、電話の後でワテが思い出して書いた架空の会話です。
ワテ
と大きく書かれているのですが、本当でしょうか?
行き成りこんな質問しても、たぶん分からないかもしれませんが。
マイクロソフト社担当者さん
ワテ
マイクロソフト社担当者さん
ワテ
マイクロソフト社担当者さん
ワテ
と言う事で、アンサーデスクの番号は教えて貰ったが電話はしなかった。
何故かと言うと、マイクロソフト社みたいな大企業だから、問い合わせ窓口の担当者さんが今回のような質問に対して会社としての公式な回答をするなんて言う事は、技術的にも不可能だろうし、社内手続き的にも不可能だろう。
マイクロソフト社の正式回答を期待するなら、メールあるいは内容証明郵便や配達証明(郵便)でも送付して、会社としての公式な回答をお願いするなどの方法が確実だろう。
Windows 10 のディフェンダー機能が有効かどうか確認する方法
Windows Defenderは、Windows 10のHomeやProに標準装備されたセキュリティ対策機能だ。
Windows 10では、Windows Defenderセキュリティセンターから、Windows Defenderが有効かどうか確認できる。
その確認方法。
Windowsの設定画面を開く(下図)。
Windows Defenderを開く(下図)
ワテの場合には、上図のようにWindows Defenderは無効化されている。
その理由はノートンセキュリティを使っている場合はWindows ディフェンダーは無効化されるからだ。
ディフェンダーと他のセキュリティ対策製品を同時に使っても良いのか?
Windows 10 HomeやPro には標準でディフェンダーと言うセキュリティ対策機能が入っている事は分った。
では、ディフェンダーと他のセキュリティ対策製品を同時に使っても良いのだろうか?
シマンテック社のサポートのページにこの話題に対する詳しい解説があるので大変参考になる。
複数のセキュリティ製品を実行している場合に発生する問題について
1 台のコンピュータに 2 つ以上のセキュリティソリューションがインストールされている場合に起きること
それぞれのセキュリティソフトウェアはコンピュータで単独で動作するように設計されており、一般的に 1 台のコンピュータで複数のセキュリティソリューションが動作している場合の最適化はされていないため、以下のようなパフォーマンスの問題が発生します。
- コンピュータのパフォーマンス低下
- 脅威の検出効率の低下
さらに、この説明の続きには以下の説明がある。
また、ノートン製品は、コンピュータのパフォーマンスを落とさずに、より効率的に動作するように最適化されています。
コンピュータにノートン製品をインストールすると、自動的に Windows Defender の機能が無効になります。
と言う事で、ノートンを使っている人はWindowsディフェンダー機能は無効化しておくのが良い。
恐らく他社のカスペルスキー、マカフィー、ウイルスバスター、ESTなどのセキュリティ対策ソフトを使う場合もディフェンダー機能は無効化するのが良いと思う。
まとめ
結論としては、今回調査したマイクロソフト社公式サイトに記載されている件が正しい情報なのか誤った情報なのかは未確認だ。
マイクロソフト社の公式サイトに大々的に掲載されている以上は、マイクロソフト社の公式見解と解釈して良いだろう。
しかしなあ、「Windows Defenderが有れば他社のセキュリティ対策は不要です」などと言う断定的な文言を公式サイトに掲載しても問題ないのだろうか?
営業妨害とか誇大広告と言った問題にならないのか心配だ。
もう少し控え目に「Windows Defenderのウイルス対策機能は他社製セキュリティ対策ソフトに匹敵する性能があると言う調査結果があります」くらいにしておけばいいと思うのだが。
まあ、ワテには関係ない事だが。
ノートンサポートの窓口の担当者さんに教えて貰ったように、ノートンセキュリティはウイルス定義ファイルの種類も多く、特殊なウイルスに対しても強いと言う事なので、ワテの場合は今まで通りノートンセキュリティを使う予定だ。
ロシアの天才エンジニア ユージン・カスペルスキー博士が開発するのがカスペルスキーだ。性能は良さそう。
ワテの場合、ノートンを昔から使っている。
どれを買うか迷っているならノートンにしておくと良い。
理由はワテが長年使っていて良い製品だと思うので。
コメント